写真ライブラリー  大和路点景

早春の飛鳥川

明日香は日本人の心の故郷である。

ここを訪れると何かしら安心する。

曽我と物部の仏教と神道を掛けた戦い、

太子の優しさとその理想・・・歴史は厳しいが

いつ訪れても心が和む素晴らしい風土である。

山の辺の道

この道は、若き日の天智天皇・天武天皇・

額田王・柿本人麻呂・・・・・・・も歩いた道。

歴史が刻まれた道である。

新緑のこの道を歩くと心の中が洗われる。

小林秀雄の筆になる「山の辺の道」が優し

く迎えてくれる。〔写真・入江泰吉氏〕

法隆寺影絵

太子の理想郷、仏教の故郷・・・・・・・・・・・・

かって井上靖は、ここは心の故郷であり、素晴らしい思索

の道であると言った。

法起寺の蓮華

JR大和路線の大和小泉駅下車、秋篠川をわたり

15分程歩くと視界が開け法起寺が眼前に見える。

蓮華畑の中に佇む三重の塔は全く絵のようであ

る。私は畑の中にしばし佇んでしまった。

法輪寺の柿

「柿食えば 鐘が鳴るなり 法隆寺」 子規

ここ斑鳩の風土には柿の赤が良くあっている。

法起寺から法輪寺はすぐ近くであり、柿の無料

販売所が点在してある。柿をかじりながら歩くと

何とも言えぬ気分となる。

朝護孫子寺

太子ゆかりの寺である。

太子は曽我、物部が雌雄を掛けた戦いに臨み

毘沙門天像を彫り戦勝を祈願した。そのゆかり

の寺であり、境内には白馬に跨る青年太子像

が訪れる者を見下ろしている。

岡寺

東山の中腹にある修行道場である。

本尊の如意輪観音は日本最大であり5メートル近い。

怪僧・弓削道鏡も若き日ここで修行をしたといわれる。

山田寺仏頭

明日香の端にある廃寺山田寺の床下より出土。

この寺は、曽我倉山田石川麻呂が創建。しかし、今は

礎石のみを留める。石川麻呂は天智天皇に疑惑をもた

れ一族ことごとくが自殺した。

この遺跡に佇むと頬をなぜる風も何かしら心悲しく感じ

られる。私の好きな場所でもある。

 

 

 

 

西ノ京 薬師寺の朝と夕景

大和で一番に生き生きとした寺である。

天武天皇が皇后の病気平癒の爲に発願された寺である。

金堂の本尊、国宝薬師三尊像は大変に素晴らしい。天平期の

名品である。岡倉天心は弟子〔横山大観等の画学生〕達を必ず

ここに連れてきたという。日本を代表する仏像である事は確かだ。

東塔はこの寺のシンポルである。何とも言えぬ流麗な姿である。

大池〔勝間田池〕より見る両塔の遠景は天平の時代、浄土の世界

を彷彿とさせる。私はこの場所より見る薬師寺が好きである。

 

 

 

 

 

 

鑑真和上

西ノ京を代表する寺、唐招提寺開基の高僧。

和上のお姿は、この横からのお顔が何とも言

えぬ精神的なものを私に感じさせる。

知的で憂いと優しさを・・・和上の人間性を感じる。

 

 

 

 

 

 

 

 

長谷寺

緑豊かな初瀬山の中腹にある大寺。

5月に咲き誇る7000株のぼたんは見事の一語につきる。

本堂の本尊、長谷観音像は10メートル以上もある木造仏で

あり、ここより見える五重塔の赤が緑に映える。

室生寺五重塔

緑に映える石楠花。その後ろに小さな五重塔が

優しく控えている。そんな感じを受ける。

この寺は「女人高野」と言われ、女性の参拝を認めていた。

何となく優しく、心の休まる場所である。

この写真は、写真家入江泰吉氏が撮影されたものである。

 

 

 

 

 

 

 

興福寺五重塔夜景

この世の春の栄華を誇った藤原氏の氏寺。

この寺の興廃は正に歴史そのものである。

人生無常の感を深く味わう事が出来る。嗚呼・・・・。

 

◆大和路は私の心の故郷である。

このページの作成は本当に楽しい。ページを開くと心はいつしか奈良の都を逍遥している。

今後とも、このページの充実を目指してこころ楽しく遊ぶこころづもりだ。どうぞ、ご期待下さい。