ALFA164 CHECK POINT

誰しも調子の悪いクルマには乗りたくないもの・・・。愛車はいつも元気でいて欲しいよね。
ALFA164はお世辞にもトラブルが少ないモデルとは言い難いが、逆にトラブルが多いモデルとも言えない。
幸か不幸か164は発売以降年月が経っているので、主なトラブルもほぼ出尽くした感がある。
裏を返せばウイークポイントがハッキリしているということであり、これはクルマを維持していく上で非常なアドバンテージとなる。
ここではALFA164のCHECK POINTを紹介したい。


ALFA164のアキレス腱

エアーコンディショナー

エアコンなんて無くてもクルマは走ります。が、高温多湿な日本においては無いと非常にストレスが溜まるものです。まぁ、ドライバーは良くても、同乗者は辛いものでしょう。さて、当のALFA164はこの"エアコン"がアキレス腱の一つであります。

エアコンシステム

 

初期モデル特有のトラブル1

初期モデルのエアコンユニットケースとブロアモーターケースの接合部分は、単なる発泡剤(=スポンジ)にてシールされています。このスポンジが経年劣化で剥離を起こすと、ブロアモーターのよって車内に吸い込まれエアコン送風口から吐き出されます(いわゆるスポンジ攻撃)。さらに、シール材が剥離したことによって隙間ができるために、そこからエンジンルーム内の熱気を吸い込むことになり、特に冷房の利きが悪くなります。

<対策>
経年劣化なんて正直防ぎようがありません。あぁ、年はとりたくないものですね。簡単な対策としてはできてしまったエアコンユニットケースとブロアモーターケースの隙間を防ぐことです。これには幅広のブチルテープ等を利用すればOK。隙間を全周覆うことができればベストですが手も入りづらい部分なので3/4程度しかできないでしょう。でもこれでも効果は絶大。送風口にて5度程度の温度差が確認されております。

 

初期モデル特有のトラブル2

ALFA164の初期モデルにはファンのOFFスイッチが存在しません。つまりエンジンが掛かっている以上、ブロアモーターは回転し続けているわけです。まぁ、これ自体は車内の換気としてみれば悪いことではありません・・・が、やっぱりブロアモーターの寿命が比較的短いようです。

<対策>
もう、これは仕様だからしょうがない。なぁんてシャレにもなりませんね、はは。ブロアモーターのブラシ摩耗をできうる限り少なくするには風量を落とすくらいしかありません。4段階有るうちの"4"エマージェンシー用として使用する位にして、通常は1〜2でまかないましょう。3は適宜使い分けるとしましょうかね。裏技としてはエアコンシステムの自己診断にする事でファンを強制的にストップさせるという方法もありはしますが・・・まぁ、そこまでやってどうする?って感じはありますねぇ。

 

全モデルに起こりえるトラブル1

エアコンの温度調整及び吹き出し口切り換えはクライメートコントロールと呼ばれる、センターコンソールの集中制御装置にて文字通りコントロールされています。この切り替え不良が比較的頻繁に発生します。その原因の一つに温度調節、吹き出し口切り換えを行うステップモーターがあげられます。それぞれの制御を独立したモーターにてコントロールしているのですが、そのモーターに用いられるギアにはメタル(金属製)ギアとプラスチック(樹脂製)ギアが組み合わされています。作動時の騒音対策かと思われますが、このプラスチックギアが摩耗、あるいは歯欠けを起こしてしまい動作不良となるようです。どちらかと言えば温度調節側よりも吹き出し口切り替え側のトラブル報告を多く耳にします。これはイグニッションON時にモーターが吹き出し口切り替えフラップを上下運動させる(=より動作回数が多い)のが原因かも知れません。加えて、このトラブルは冬場に発生するという傾向もあるようです。また、もう一つの原因としては切り換えフラップの不良があります。前出のステップモーターにて制御されるフラップ自体のシャフト折れ等によりフラップが固定されてしまうのです。

<対策>
大体にしてこのトラブルは初期型モデルから発生していたものであり、164の持病とも言えるものです。しかも、ステップモーターの交換に際してはダッシュパネルを全て剥ぎ取らなくてはならないという超メンドーな作業を伴います。下手すると部品代よりも、その交換工賃の方が高いくらいなんです。こんなトラブルだというのに結局ALFAROMEOは長かった164のモデルサイクルの中で特に対策を打たなかったのだからアッパレと言えばアッパレ。さて、その対策ですが、メーカではなくショップからコロンブスの卵的パーツが発売されています。残念ながらそのショップは日本国内ではなくオーストラリアのショップで、その名もALFAPROと言います。ここではステップモーターのギアの内、プラスチックギアをメタルギアにコンバートする、メタルギアのセットを販売しております。これによって少なくともフラップモーターのトラブルは回避できると思われます。フラップの不具合については今のところ有効な手段は無いようです。フラップをアルミ等の金属素材にて作製すれば、このトラブルについてはほぼクリアできると思います。

 

全モデルに起こりえるトラブル2

湿度が高い時にクーラーをガンガンかけていると起こるトラブルとして、吹き出し口から水滴が吐き出されるというものがあります。これはエアコンユニット(エバポレーター)にて除湿された水分がドレンの詰まり等によって排出されずに溜まってしまうのが原因です。溜まった水分は行き場を失ってエアコンユニット内部に滞留し、ブロアモーターの負圧によって吸い込まれエアと一緒に車内の吹き出し口から排出されます。特に左コーナーを曲がった時にブロアモーターの回転に不整脈(回転が遅くなる/停まったりする)が起き始めたら要注意です。

<対策>
ドレンの詰まりを取り除くことが先決です。エンジンルームとバルクヘッドの間にはエアコン/ヒーターユニットやワイパーリンケージ&モーター、P/Wステアリングのリザーバータンクが設置されています。このスペースにはプラスチックのカバーが設置されていますが隙間が多く、枯葉等のゴミが容易に進入しやすくなっています。これらがドレンを塞ぐ原因です。掃除機等で定期クリーニングをしましょう!また、ドレンは車体の左右2カ所に設置されています。車体をリフトアップして下側から棒状のツールを使ってドレンをつついて(優しくね!)あげることで溜まった水分を排出することができます。

 


パワーステアリング

初期型164のATモデルは兎に角ステアリング舵角が少ないんです。狭い駐車場での取り回しやUターン等を最も苦手とします。・・・がしかし、日本の道路事情はなかなかにこの様な164の性格を許してはくれないんです。ついつい据え切りや最大舵角保持による転回をやってしまいがち。・・・・が、ここに大きな落とし穴があるんです!

全モデルに起こりえるトラブル1

164のステアリングラックのシールは"ヤワ"なんです。据え切りやパワーアシスト任せに最大舵角を与え続けていると、必ずシールがやられます。しかも最悪なことに、ディーラーではリペアパーツとして、シールのみの部品供給をやっておらず、ステアリングラックASSYでの部品供給となっております(まぁ、シールのみ供給されたとしてもリビルトするのは大変らしい)。しかも、このラックは単体で20万円以上もする代物なのです。また、L以降はステアリングラックにダンパーが付いておりますが、そのおかげ?でラックブーツの形状が変わり、これまたこのブーツに亀裂が生じやすくなっているものだから始末が悪い。ブーツ破れをほおっておくと、いずれシールが痛んでしまう訳です。ダンパー無しの方がシンプル構造なのでトラブルの発生割合が低いという人もいます。

<対策>
パワーステアリングフルードに質の良いものを使うことが第一歩でしょう。また、エンジンオイル同様に定期的交換もシールの寿命を延ばすに有効です(車検毎の交換でOKと思います)。また、カーショップにはパワステシールの保護を目的としたパワステ添加剤なるものも多く見受けられますが、できればモリブデン配合で無いモノをチョイスしたいですね。というのもモリブデンはゴムシール等のパッキンに悪影響を及ぼすものがあるからです。モリブデン配合の添加剤が絶対ダメとは言いませんが、ここは君子危うきに近寄らずです。何たってラックが逝ったら莫大な出費となります。背に腹は代えられません。そして、最も大事なのは据え切りを極力しないことと、最大舵角をできる限り与えないことです。

ダンパー無しのパワーステアリングラック

ダンパー無しのステアリングラック

 

ダンパー付きのパワーステアリングラック

ステアリングダンパーが装着されているので、左上の蛇腹ブーツが大きくなっているのがわかります。実際はダンパーがアドオンされたのみでラックそのものにはほとんど変更はないようです。

ダンパー付きのステアリングラック

 

全モデルに起こりえるトラブル2

パワステ回りのトラブルとしてはパワステフルードのデリバリーホースの劣化によるフルード漏れも多くなってきました。特にエンジンのリアバンクから発せられる熱によってホースが劣化し、だんだんと硬化してくるんです。そこにパワステポンプにて圧の掛かったフルードが巡ってくると耐えきれずに亀裂が生じたり、ラックとの接続口からフルード漏れを起こします。

<対策>
まぁ、パワステのホースは消耗品と考えるしかないと思います。私の感覚的なもので言えば初年度登録から6年以上経っていれば交換時期かと思います。ホース交換の際はデリバリー側とリターン側一緒に取り替えましょう。片方だけ交換した場合、交換しなかった方のホースに負荷が掛かって結局交換と相成るケースがあります(実は私がそうでした)。こうなると工賃は勿論、パワステフルードも無駄になっちゃいます。

 


タイミングベルト

イタ車の鬼門とされるのがタイミングベルトですよね。いくら道路事情や気候がイタリアと違うといっても何故にこうも国産車と比較して寿命が短いのでしょうかねぇ?消耗品として割り切ってしまわないといけないのでしょうが、タイベルの交換って1〜2万では済まない訳だし・・・。どことなく胸にモヤモヤ感がつきまとってしまいますよねぇ???しかもALFA V6にはそのタイベルの寿命を脅かす要素があるものだから、気苦労は絶えないのです。

3.0L V6 SOHCエンジン搭載モデルに起こりえるトラブル

ALFA V6はコッグドベルトによりカムシャフトを駆動させていますが、このベルトの張り具合を自動調節し、常に適切な張り(テンション)を与えるパーツが、タイミングベルトテンショナーです。実はこのテンショナー、設計ミスと言って良いほどにほとんど確実にトラブルを発生させるために、ALFA V6の盲腸と言われるほどに悪名高いパーツなのです。このテンショナーはエンジンオイルの圧力により作動します。つまり油圧式となっているのですが、このシールがウンコタレなので定期メンテを怠ると必ずやオイル漏れを発生させます。このオイルがタイミングベルトに付着することで、ベルトの劣化を早め、コマ飛びや千切れの原因となるのです。

<対策>
勿論、リペアパーツは供給されています。タイミングベルト交換時にリペアパーツ(オーバーホールキット)をキチンと組んであげること、また、タイミングベルト交換2回に1回の割合でテンショナー本体(パーツ単体で\70000前後もする!)を交換してあげることが望ましいとされています。・・・が、前述したようにこのパーツはウンコタレです。必ずと言って良いほどNGになるパーツを組むというのには少々納得がいきません。といいますのも、北米ではこの油圧式テンショナーに変わって、バネの力によってテンション調節を行う機械式(メカニカル)テンショナー、通称"メカテン"が正式部品として採用されているんです。但し、日本のディーラーでは依然として油圧式テンショナーを採用し続けているのです(何と理不尽な!)。メカニカルテンショナーは自動車パーツの販売をグローバルに展開しているIAP(INTERNATIONAL AUTO PARTS )にてGETすることが可能です。また国内では京都の老舗HTC(ホリイトレーディング)でも常時在庫アイテムとなっておりますので、こちらでも同製品が入手が可能です。メカテンへのコンバートの際はタップを立てて付属のイモネジで従来の油圧ラインを塞ぐ作業が必要となりますが、それとて大した作業ではありません。他は通常のタイベル交換と同じ手順で完了します。機械式の利点は常にバネによって適正なテンションが掛かっていることに加え油圧式でないためにオイル漏れの心配が無くなるという構造上の利点は勿論ですが、何と言っても価格が安いことにあります(レートによって上下するが凡そ\12000〜15000程度)。確かに純正パーツではありませんから、ネガティブな要素もあるでしょう。機械式テンショナーが全くトラブルフリーとは言いませんが、私が所属するALFA164 OWNER'S CLUBのメンバーでも数人がメカテンにコンバートしておりますが、それを起因とするトラブルの報告はありませんし、私自身メカテンにコンバートしており、コンバート後20000km走行しておりますがやはりトラブルは有りません。以上のことからメカテンは十分な信頼性が有るのではないかと思います。後はこれをお読みになったあなた自身がどの様に判断されるかだと思います。

油圧式タイミングベルトテンショナー

見づらいでしょうが、「A」の文字が振ってあるモノがリペアパーツ(オーバーホールキット)として供給されているパーツです。

油圧式タイミングベルトテンショナー

 

機械式タイミングベルトテンショナー

(北米で)純正採用されている機械式タイミングベルトテンショナーです。上の油圧式と比較してもその部品点数の少なさがおわかりになるかと思います。シンプルでもパーツ自体が担っている仕事は同じです。ちなみにテンショナー本体(画像中"1"のパーツ)の部品番号は「60810451」ですが、日本国内で調達できるのかは不明です。尚、外観はIAPのメカニカルテンショナーとほとんど変わりません。(ひょっとして同じモノ???)

機械式タイミングベルトテンショナー

 

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