先日の日経新聞にこんな記事がでていた。
『胎児の心臓手術成功・米紙報道』
どんな内容かというと「妊娠23週目の母親の胎内で行った胎児の心臓手術が成功して、昨年11月に男の赤ちゃんが無事誕生した。」ということ。
これが、なんと慶人の病気「左心低形成症候群」の胎児だった。
記事によると手術の簡単な内容はこんなもの。
『一粒のブドウほどの大きさの心臓を超音波で慎重に位置を確認しながら、母親の体外から子宮内の胎児の左心室まで針を差し込んだ。この針を通じて送り込んだ風船(バルーン)を約3ミリの大きさに膨らませ、弁の部分を数回往復させると、すぐ血液が流れるようになり手術は成功した。男の赤ちゃんは通常より六週早く、手術から11週間後に生まれたが、体重は2500グラム弱で再手術の必要もなかった。』
アメリカではこんな手術もできるようになったいるんだ…と、日本とのレベルの違いを改めて知った。
日本では最近になって「左心低形成症候群」の第一段階の手術「ノーウッド手術」の成功率は上がってきているけれど、最終手術「フォンタン手術」までたどりつける患者はまだごくわずか。
きっと日本で胎児の手術ができるようになるのなんて、何年、何十年も先なんだろうなぁ。
こんな記事を読むと、私達がアメリカにいたら…とか、もっと飛躍して私達がアメリカ人だったら慶人は助かったかな…とか考えてしまう。
でも良く考えると、もしそうだったら慶人という存在はなかったかもしれなくて、だからやっぱり「この私達の間に生まれてきた、心臓に病気を持った慶人」に慶人の意味があるんだよなって思いきかせている。短い時間だったけど、慶人はいろんなことを私に教えてくれたんだもんね。
早く、日本でも安心して治療に臨めるような日がくるといいのにね。