1番嬉しかったことは、面会が好きな時間に好きなだけ居られるようになったことだ。 それまで見ることができなかった慶人の表情や状態が、わかるようになった。 ここで、初めて慶人のおむつを変えたり、体拭きを手伝ったりと 母親らしいことができるようになった。 でも、初めての子供。 しかも点滴や呼吸器のチューブがたくさんついている慶人の 小さい体を触るのはとても恐かった。 最初は何をやるのもおぼつかない手付きだった。 おむつ変え、体拭き、爪きり、耳掃除・・・。 毎日が初めての連続で、新鮮だった。 慶人に触れられるだけで幸せだった。 しかし、嬉しいことばかりではなかった。 長時間面会できると、それだけ慶人の病状もわかってくる。 NICUにいる他の誰よりも点滴が多く、痰を吸引してもらう回数も多く、 先生も頻繁に診にきてくださる。 呼吸器がこんなに長くついているのも慶人だけだった。
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