2003.7.11 金谷幸三 ギターリサイタル inGG
            −覚醒前夜−
 また金谷さんのコンサートである。「また」というのは今は地方に住んでいるので、首都圏でのコンサートは選別しなければならない身にとって、聴くべきコンサートなのである。ただ、金曜日のコンサートに間に合うにはいろいろ困難もあったのだが、結果的には開演5分前位にGGに着き、全曲を聴くことができた。

 シャコンヌは昨年仙台のコンサートでも最初に持ってきている。ここまで来るとチャレンジ精神であろうか。私自身の考えではもう少しステージや指が慣れた方がもっと良い演奏が出来ると思うのですが・・・。今回シャコンヌの速弾きの部分や終盤の3連譜の部分とかの精度はあまりよくなかったと思う。(仙台の方が指が冷たいと言いながらももっと良い演奏でした)
 ケージは氏本人の編曲でハーモニクスの響きが不思議な雰囲気の曲である。さすがに安心して聴ける。ソルもメリハリをつけた好演であった。詩的ワルツ集は後半集中力が切れたのか、止まりそうになる部分もあった。後で氏に聞いたところでは、シャコンヌのミスがずっと尾を引いていたとのこと。やはりプロには強い精神力が求められるのだろう。神戸でも1週間後に同プログラムのコンサートがある様なので、そちらはぜひ良い結果を出してほしい。

 後半のレゴンディの夢が今回の私のベストに推したい。昨年のメルツと言い、今回のこの曲と言い、氏の演奏にはロマン派時代の曲が良く似合う。曲の構成での盛り上げ方とか演奏スタイルがマッチしている様である。
 最後のバッハはシャコンヌとの対比で荘厳な演奏と言って始まった。しかしアレグロでの力強く流れる演奏のイメージが残った。
 アンコールはピアソラのブエノスアイレスの冬とディアンスのフォコ。いずれも氏のイメージとかけ離れていたが、このアンコールの2曲が結構良い演奏で、特に「暴走バージョン」と言って演奏したフォコは興奮の快演であった。

 毎回氏のGGコンサートの時に客入りのことについて触れたが、今回はまあまあ入った方だった。でもGG内での打ち上げは無く、また店での打ち上げとなった。後特筆すべきは氏の2月に録音したCDを買い求めることが出来た。今回のケージや特に私の好きなノクターナルなんかは素晴らしい。ぜひ多くの人に聴いて貰いたいと思う。打ち上げではサインも頂いてきた。
 秋には横浜関内でまたSAKIE嬢によるプロデュース第2弾のコンサートもあるし、また聴きに行けたらと思う。

                                               2003.7.13
バッハ     シャコンヌ
ケージ     ある風景の中で
ソル      −静けさ−カプリス
グラナドス   詩的ワルツ集

  休憩
  
北爪道夫   ブルー・コスミック・ガーデン
レゴンディ   夢
バッハ     プレリュード・フーガ・アレグロ