2001.07.28 村治 奏一ギターリサイタル
かの村治佳織嬢の弟君である。しかし今日の演奏を聴いて、もう一人の演奏家としての道を歩き始めたということを改めて認識した。そしてその門出にふさわしい舞台であった。名だたるギター演奏家、製作家、評論家が席を占め、席はほぼ満員。デビューコンサートとして本当に良いスタートを切った。

演奏は若さに溢れ、そうかと思うと突っ走る演奏ではない。彼はビルトゥオーゾとしてのテクニックをテデスコのソナタで聴かせたかと思うと、森の中でや、シャコンヌ(特に転調してから)では豊かな聴かせる表現をしてくれた。彼は、バロックから現代まで全ての時代の曲をレパートリーに出来る演奏家の1人と言えるであろう。

アンコールはリブラソナチネからフォコ。彼の留学先の友人でもあるウェイ・チェイ・リーの作品であるギターの為の3つの現代曲から1曲。そして、村治佳織のレパートリーですがというコメントと共に始まったカヴァティーナであった。

フォコでは今まで聴いた演奏の誰とも違う解釈で興味深かった。テクニックが冴えて、個人的にはこの曲とテデスコが今回のお勧めとしたい。


                                         2001.07.29
ファリャ      魔法の輪
グラナドス     ゴヤのマハ
武満 徹      森の中で
M.C.テデスコ  ソナタ

         (休憩)

ソル        マルボローの主題による変奏曲
J.S.バッハ   シャコンヌ
バリオス      ソナチネ「我が母へ」
          ワルツ第4番