途中下車の日々
  写真の仕事をしていると日々、撮影や取材で様々な土地を巡ることになります。
 そこで感じたことや、日々の中での出来事を書き綴ってゆく、途中下車の日々。

5月22日
 金環日食


 取材で長崎、大分と巡っていた。
 くじゅうでの仕事だったので、長崎から直接くじゅうへと向かい、宿泊して午前中から取材ということになった。
 であるから金環日食はくじゅうで見ることになった。
 天気が悪いという予報で夕方から雨も降っていたのでこれは無理だろうなと思っていた。
 朝になっても雨が降っていたのであきらめていたのだが、東の空だけ何やら明るい。
 ちょっとだけ期待して7時前に外に出てみると、東の空の一部分だけ明るくなって太陽がうっすら見えているのだ。
 これはラッキーだ。
 カメラを取り出し、フィルターを取り付け、さて見えるかなあとかまえていた。
 すると見える見える。 これが金環日食というものなんだな。
 しかもうすい雲が覆っているためまったくまぶしくない。
 そしてしばらく撮影。
 たぶん快晴だったらまぶしすぎて撮影しても理科の教科書のような写真になるんだろうなと思っていた。
 でもうまい具合に雲がかかっているからなかなか面白い撮影ができたのではないだろうか。
 雲がいいね。
 ドラマチックだ。

 

金環日食  くじゅうにて

5月17日
 北郷違い


 今月も九州中を巡っていた。
 この2週間で2000キロくらい走っただろうか。
 おとといから昨日にかけては2日間で1000キロの道のりだった。
 宮崎と鹿児島だったのでいつもながら移動に時間がかかる。しかも今回は僕の勘違いで120キロほど余計に走ってしまった。
 編集部の担当者から宮崎の北郷にあるレストランの取材ということを聞いていた。
 北郷といえば先日行った北郷温泉のある北郷町だな思っていた。
 で、当日は別の担当者と北郷へと向かったのだった。
 北郷温泉に宿も予約してお昼2時からの取材に向けて出発したのだった。
 北郷町は宮崎自動車道の田野インターで降りれば30分ほどで着く。
 
 そして途中の坂本パーキングに寄り、地図を確かめてみたところ(最初に確認しなきゃねえ)、
 レストランの場所を示している付近の道路が北郷町付近ではまったく見当たらないのだ。
 だんだんあせってきて、これって本当に北郷町なんだろうかとよくよく調べてみると、そこは宮崎県東臼杵郡美郷町北郷 なのだ。
 いやあびっくりだ。 北郷って小さな集落の名前らしく地図には出てないのだ。
 てっきり北郷町と思っていたんだけどねえ。
 
 この美郷町へ行くには、本来熊本空港インターから南阿蘇を通って高千穂へと向かうのだ。 高千穂から20分くらいのところなんだな。
 で、気が付いた坂本パーキングといえば、すでに八代を過ぎている。 引き返すにはトンネル続きを抜けた人吉までいったん行かねければ高速を降りれないのだ。
 ということで人吉まで向かい、そこから熊本手前の松橋インターまで引き返すことにした。この往復で100キロくらいになったんだな。時間にしておよそ2時間のロス。
 北郷温泉で予約していた宿もキャンセルし、次の日のさつま市の取材に向けて人吉で宿を急きょ予約したのだった。
 夜には再び人吉に戻ってくるのに、いったん人吉で降りて再びトンネル続きの高速を走り、松橋へ。
 ここから美郷町までおよそ100キロ。 高速がないから下道だ。
 長い。
 取材先のレストランの方は今日は混んでるから4時くらいのほうが都合がいいということだった。 その言葉通り、4時前に到着。
 福岡を出発したのが午前9時だったから6時間半もかかってしまった。
 田舎の山に囲まれたとてもいいレストランだったので、疲れも忘れて撮影し、最後にすべてご馳走になった。これって夕ご飯だな。
 
 そして再び人吉へ。
 結局宿に到着したのは夜の9時を過ぎていた。 取材は2時間で運転は10時間。 まあよくあることなんだけどね。
 
 人吉で予約した宿は何度か泊まったことがあるのだが、この日はとても混んでいるらしく、旧館しか空いてないとのこと。
 ということで旧館に案内されたのだが、うーん古い。
 スリッパは果たして何十年ものだろうか。元々の色もよくわからない。
 部屋には不思議な匂いが漂っていた。 いろんな人の匂いということだろうか。
 そしてユニットバスは非常に小型のもので、なぜか灰皿が設置されている。昔の列車にあったようなね。いつくらいのものだろう。
 そして換気扇を回すと、トラックがやってきったのかと思うくらい「ブワーンブワーン」とものすごい音を発する。落ち着かないな。
 まあこの宿のいいところはいい温泉があるということなので、とりあえず温泉に入った。 これは気持ちいいからとりあえず旧館のことは忘れた。
 
 長い1日だった。
 北郷には気を付けましょう。 
 

5月10日
 ニコンD800



 今使っているカメラはニコンD300であるけれど、これももう5年ほど使っているため、新しいものが必要になってきている。
 買った当時はデジタルカメラもまだまだ発展している段階で、このD300もすごいものが出たなあという感じだった。
 D200が出た時もすごいなあと思っていたのだが、これは電池の持ちに少々問題があった。でもD300では改善されていたし、画質も満足できる段階になっていたんだな。
 2台を仕事に毎回持っていってそれぞれのレンズで使い分けていいる。今日も2件の仕事でフル活用したばかりだ。
 でもこのD300もデジタルカメラの中では今や旧式になってしまい、シャッター回数も20万回近くになったため、そろそろと思っていた。
 できればずっと使いたいカメラに出合いたいんだけど、5年前のデジタルカメラの段階ではまだまだ進化中という感じだったしねえ。
 D300でもいいとは思うんだけど、画質がよりよくなって高感度もさらに強いとなれば仕事にもかなり影響してくる。
  何より作品撮影の際の心構えが変わってくるのだ。
 よりよいカメラだとよりいい写真が撮れる気がしてくる。 これは気のせいかもしれないけど、この気のせいって結構大事なことだと僕は思っている。
 かつてペンタックス645Nを購入した時も、シャッター音を聞くだけでいいものが撮れていそうな気がしたものだ。
 でも今にして思うとそういう気がしながら撮影したものは実際に結構いいものが撮れているような感じがする。
 だからこういった心理的影響もとても大切ということなんだろう。
 これって僕が単に単純なだけなのかなと思うのだが、単純でいいんだろうな。
 撮影する際の気持ちが新鮮になってくるのならこれも大切なことだ。
 
 ということで、D800にチェンジすることになった。
 一気に重くなる。ペンタックス645並みだ。 懐かしい重量感である。
 とはいってもまだ手元にはない。 注文して1か月が過ぎているのだが、まだ入荷してこない。そろそろらしいけれど。
 これでまた新たな気持ちで作品撮影、仕事撮影をしていこうと思う。
 サブで1台のD300は使い続けるので、このカメラとも長い付き合いになりそうだ。

 でもカメラを手放すってなかなかできないもんだなあと思う。
 僕はかつて使っていたカメラは何台かは下取りに出して、そのお金を使って新しいものに買い替えてきた。
 そうすると新しいカメラに古いカメラの思い出が残されているような気がしてくるからね。
 でも使ってくれる人がいる場合は親しい人に限って使ってもらうようにしている。
 かつて僕が愛用していたD70はカフェアリワの方が使っているし、
 D200は山で一緒に働いていたヒロエちゃんが今でも愛用している。
 時々今でも元気かと聞いている。ヒロエちゃんではなくカメラがだ。ヒロエちゃんは元気なのは分かっているからね。
 そしてD300も1台は使いたいという人が現れたので使ってもらうことにしている。
 中古に出して知らない人が使うより安心というか、気持ちがホッとするからね。

 さてD800、どんな世界が待っているのだろう。
 
 

5月2日
 別冊「旅するカメラ」 第2弾完成


 別冊「旅するカメラ」の第2弾が完成。
 去年の夏に第1弾が発売されて結構好評だったので続いて発売ということになったようだ。
 沖縄の久米島、南阿蘇、下関など結構遠くへも足を運んでいる。
 ホックテイルのある小郡もありますね。 日田や佐賀もある。
 結構広範囲に及んでいるかな。
 それぞれの場所にある魅力的なお店を紹介してます。
 
 ただ今回の誌面の構成はいろいろとコーナーが挟み込まれているので、「旅するカメラ」の連載を見てくれてた人はちょっととまどうかも。
 撮影者は僕の名前しか出てないんだけど、旅するカメラの取材以外のものも、かなりページ間に挟み込まれているので、それらは僕も山本さんも関係していない。
 僕の写真とはまったくイメージが違う写真も大きく出てたりもするからね。 まあこれは人の好き好きだからわからないところではあるけれど。
 前回に比べてちょっとややこしいところだなあ。見ている人はそんなこと関係なく見てくれるのかな。
 
 とにかく連載がまとまってこういう本という形になることは喜ばしいこと。
 本屋さんで見てみてください。 500円です。 安いな。

 


 

4月28日
 宮崎 北郷町 猪八重渓谷


 宮崎の西都で仕事だったため、九州自動車道のほぼ端から端まで走って西都に到着。
 とある店での鹿の撮影だったのだが、一時間ほどで終了。
 その後用事がある編集者を宮崎駅まで送って、帰りは一人で帰ることになった。
 しかし宮崎までやってきてこのまま帰るというのも非常にもったいないことであるので、どこかに泊まって撮影しようと思い立ったのだ。
 このあたりではどの辺で泊まれば面白い撮影ができるんだろうと地図を広げてみる。
 すると北郷温泉という文字が目に入った。ずいぶん前に取材で訪れたことがあったのだ。
 かなりの田舎町だったように思うけれど、周辺に渓谷もあり、新緑もきれいだろうということで行ってみることにした。
 宿に電話してみると空いてますということだったので、さっそく向かった。
 決めたのが夕方6時を過ぎていたので、夕食はどこかで食べなければならない。到着はおそらく8時前くらいになるだろうし。
 田野インターで降り、そこから28キロほど南下してゆく。 その間にどこかの食堂で食べればいいやと考えていた。
 しかしインターを降りて走っても走っても山道だ。しかも真っ暗だ。当然コンビニもない。商店もない。家もない。 道の駅があったがやはり真っ暗だ。
 はて、食べるところなんてあるのだろうかと不安に思いながら一時間ほど走った。
 すると小さな集落が現れ、スーパーが開いていた。 集落の灯りがこんなにホッとさせるなんて久しぶりの感覚だなあと思った。
 もう北郷なんだな。
 到着して思い出したが、以前ここに来た時も食べるところがなくて飫肥まで行ったのだ。そうだそうだ。
 宿はおそらく古いんだろうけれど、リニューアルしているようで部屋は新しい雰囲気だ。
 しかも部屋ごとに露天風呂がついているという。それで朝食付き6000円ほどなら安いねえ。
 そして露天風呂、どうなっているのかというと、これが不思議なつくりでどういう構造になっているのかよくわからない。
 部屋のベランダに出ると、らせん階段がある。そこを登ってゆくとその部屋専用の風呂があるのだ。部屋の真上が露天ってことなのかな。
 入ってみると露天というより大きな浴室という感じで、浴槽はかつてジャグジーで使われていたらしき正方形の大きめの浴槽。
 あんまり味わいはないけれど、温泉であるし、誰にも気兼ねなく入れるというのがうれしい。
 屋根が三分の一ほど空いていて、そこから外の空気が入ってくる。 ものすごいカエルの声だ。周囲は田んぼだらけなんだろう。
 
 次の日、朝から周辺を歩いてみるとやはり田んぼだらけだ。水がはっていて僕が近づくと小さくパシャパシャと水面がはじく。いろんな生きものがいるんだなあ。
 こんな田んぼを見たのは久しぶりだ。

 
 昼食を食べ、それから近くにある猪八重渓谷へと向かう。
 ここは森林セラピーでも知られる渓谷で、5キロほどの遊歩道がある。
 朝の時間であるてあめ誰もいない。 僕はゆっくりゆっくり渓谷沿いを歩いて行った。 撮影もじっくりしながら。
 鳥の声が絶えず響いている。水の音と重なって音楽を聴いているようだ。朝の日差しがあたたかい。木漏れ日が道に様々な模様を生み出している。風で影もわずかに揺れていた。
 水たまりをのぞけば新緑の山々が映し出されている。アメンボがその山々を揺らしている。
 うーんいい時間だな。
 遊歩道の先には大きな滝が待っている。
 この滝も見事で、五重の滝というらしい。 しばらく滝つぼのそばで休憩。 
 このところこういう時間を持ってなかったなあと思いながら再び撮影。
 またぜひ来たい場所だ。


 4月21日
 車の味わい

 GW前ということで、締切の日が通常よりも非常に早くなるため、いつも以上にあっちこっち取材に飛び回っていた。
 この2週間で3000キロは走っただろうか。 
 阿蘇、国分、高千穂、熊本、国東、姫島、北九州などなど、もはや車を運転していないと落ち着かない気さえしてくる。
 高速道路を走ると車のフロントはたいてい虫だらけだ。
 僕の車はボックスタイプであるため、それがものすごく目立つ。 虫の大群に襲われたのではなかろうかと思えるほどの虫だらけのフロントなのだ。
 こういう車が趣味なのではと思われても困るのでとりあえず気が付いたときに掃除している。いっしょに行くライターさんに不審に思われても困るしね。
 車の調子は車検に出したばかりということもあってとてもいいけれど、先日エアコンのレバーがちょっとおかしくなった。別に支障はないのだが、
 レバーがとても固いのでエイヤッと動かすと、何やらカツンと音がして、それ以降オイルを差したかのようにスムーズに動くようになったのだ。いいのだろうか。何もしてないんだけど。
 温度調節のレバーなんだけど、確かそれまでは段階的にカツンカツンとそれぞれの場所で手ごたえがあって、それでちょうどいいところにしていた。そのカツンカツンがなくなった。
 スムーズすぎてこわいくらいだ。 古くなってスムーズになるなんてねえ。これはこれで気持ちのいいことかもしれないな。
 こういう風に年を取りたいもんだとレバーを動かしながら思っている。
 
 ほかには後部座席の窓を開けるレバーが突然外れた。
 別に開けることはないから問題ないんだけど、もし誰かを乗せた時にその方が窓を開けてレバーが外れてしまったらしばらく閉められない。 ペンチで挟んで閉めなければならない。
 高速道路でも窓は開けっぱなしになるので後部座席の方は要注意だ。髪の毛爆発状態がしばらく続くことになる。 先日そういったシチュエーションになりかけたので、あらかじめレバーを動かさないよう注意を促した。

 いろいろとあるにはあるんだけど、これって味わいってことになるのかな。
 虫だらけのフロントも味わいといえるだろうか。
 後部座席がゴミだらけになっていたことがあり、先日同行した編集長に「後ろがゴミ屋敷みたい〜」といわれた。
 これはあんまり味わいたくないだろうねえ。


 4月7日
 
 「クリム」 リニューアル


 
 今月号から「クリム」がリニューアルされている。
 いろいろと大変な作業だったらしいけれど、僕が担当するコーナーは今までとそれほど変わりなく、特集と、レギュラーのページいくつかと表紙の撮影といった感じだ。
 今月は「今日、シアワセになる」という特集で、いろんな方々に毎日のささやかなシアワセをお聞きするというものだ。
 かなり漠然としたテーマなのでどういうページになるのかよく分からないまま取材が始まったのだが、終えてみるとそれぞれのシアワセの形が凝縮されているようで、とてもいい特集になったのではと思う。 日常の何気ないことがとてもシアワセだったりもするのだ。
 巻頭はエッセイストの平松洋子さんの「私のしあわせな時間」というエッセイではじまり、糸島で農業をしている方、宮崎のロボット博士、くじゅうのアクティブレンジャーなどなど、それぞれが感じる日常のシアワセを語ってもらっている。 とても味わい深い特集になったのではないだろうか。
 撮影は当然それぞれの方の表情ということになったのだが、僕の場合は撮影だからといって作りこむということはしないので、いつものようにしてくださいといって撮影に入る。 もちろん立ち位置などは要望することはあるけれど、自然な感じであるためにはいつもの日常でなければならない。 カメラがあるということ自体が非日常であるので、その点が矛盾であったりもするんだけれど、だからいい表情になってくれたり、本人たちも改めてその何気ないことに対するありがたさなども認識したりもするようだ。 
 それぞれにいい表情が撮影できたのではと思う。 宮崎のロボット博士などは、とにかく機械を扱うことが大好きで、作業場にいるだけでシアワセいっぱいという感じだ。 愛車のポルシェの説明書もドイツから取り寄せ、窓の開閉修理などは自分でしてしまうという。それぞれのメーカーでクセがあって面白いようなことを話していた。 そこまで分かってくると面白いんだろうなあ。 くじゅうのアクティブレンジャーの方は山小屋時代の仲間、ヒロエちゃんから教えてもらった方だ。 ヒロエちゃんが初代アクティブレンジャーであったからね。 今は三代目になるらしい。長者原の事務所にお邪魔し、いろいろなくじゅうの話をお聞きしながら外で撮影。 まだ冬枯れの季節だったけれど、こちらもいい表情で撮影できたのではないだろうか。
 沖縄の方だけ別のカメラマンが撮影しているけれど、改めて撮る人によってこんなにページの雰囲気が違うんだなと思ってしまう。 
 
 旅のページは五島の小値賀島となった。
 小値賀島は5回目くらいの取材だ。 古民家再生の宿を中心に掲載。
 また巻末のカレンダーは「島のたからもの」というテーマで、毎月九州の島を訪ねてその島のたからものを撮影する。
 今回は唐津にある加部島。
 呼子大橋でつながっている小さな島であるけれど、ここに「夢甘夏ゼリー」というデザートがある。ここにしか売っていない島のブランドだ。島特産の甘夏みかんをつかったゼリーで、みかんの皮をそのまま使用しているのが特徴。
 どうぞごらんください。
 雑誌「クリム」 ホームページ
 

4月3日
 南阿蘇、ルナ天文台


 九州各県を巡っていた。 
 今月はゴールデンウィークがあるので、雑誌の締め切りは普段より10日ほど早くなる。であるから取材もバタバタなのだ。
 考えてみると雑誌のレギュラーの仕事をしてから桜をゆっくりと撮影したことがないような気がする。 おととし体調を崩したときに近くの公園でボーっとした時くらいだろうか。今は体力を温存しなければいけない時期でもあるので、仕事以外でなかなか出られないというのが実情。 でもそれだと作品がなかなか撮影できないので、できるだけ出かけなきゃなあと満開の桜を通り過ぎながら思うのだ。
 でも取材も非常に面白いので、単に仕事での撮影というくくりだけではないのだ。
 
 今月の下旬に「旅するカメラ」の別冊第二弾が発売予定。
 第一弾も非常に好評だったようなので、このままだと第三弾までいくんじゃないかな。
 この連載は3年以上しているけれど、これこそ仕事なのか遊びなのか分からないところがある。気心知れたライターさんとお店に行って写真撮って料理食べてお話してるだけだからなあ。 普段遊びに行ってもそんな感じじゃないだろうか。
 先日は南阿蘇にあるペンションを訪れた。ルナ天文台と呼ばれる九州でも有名な天体望遠鏡を備えるペンションだ。
 ペンションというと、バンダナのおやじが出現して夜は暖炉を囲んでみんなでおしゃべりして、くだらない話でもワハハーッと笑い転げて親父手作りのスモークハムなどをいただく、などとというイメージがあったりするのだが、それはどうやら20年ほど前のペンションのイメージのようだ。 今はそんなところは探してもないという。それはそれで寂しい気もするけどねえ。
 このルナ天文台は、星空、料理、音楽をセットに楽しむようなペンションで、ご主人も押し付けがましいとことがまったくなく、非常に心地いい時間が流れているようだ。
 音楽はレコードコレクションがものすごく、貴重なレコードプレーヤーで聴くことができる。クラシックが主で久々にすごくいい音質を聴いたなあとう感じだ。レコードってやっぱり味わいがあるなあとしみじみ思った。
 星空は晴れた日はもちろん九州一の大口径の望遠鏡で天体観測ができるわけだが、雨の日でもプラネタリウムがあるのだ。 望遠鏡とプラネタリウムは、音楽でいうと生演奏とレコードの違いのようなものとのこと。 どちらもそれぞれにいいところがあるのだ。

 そしてこのペンションには看板娘がいる。 6歳の女の子かな。 こういう宿で育った子供は普段からお客さんと接しているためものすごく人懐こっくなるようなのだが、この子もそうだった。 かつてくじゅうの小さな宿でも6歳くらいの女の子がやってきて3時間ほどトランプをした記憶がある。やめようにもやめさせてくれないのだ。 僕はこういうときはいいなりになってしまう性格なんだろうな。
 今回のルナ天文台の女の子とはいっしょに野原に飛び出した。野原を少女と駆けるなんていうシチュエーション、何やら現実の世界ではないような気がしてくる。 そこでその女の子と坂を登ったり降りたりという遊びを5、6回ほどしたのだ(どんな遊びなんだ?)。
 ここで同じく女の子に振り回されていたライターの山本美智子さんに何枚も写真を撮られたので、「旅するカメラ 2」はそんな南阿蘇での思い出が掲載されるはずだ。 
 僕はその女の子からリョウくんに似ているといわれた。 近所のリョウくんかなと聞き流していると、ドリフのリョウくんみたいと聞こえたのだった。 はて、ドリフにリョウくんなんていたかあな、仲本工事のことをもしかするとリョウくんっていうのかなあと謎は深まるばかりだったのだが、よくよく聞いてみるとゴルフのリョウ君と言っているのだった。 そりゃ6歳の女の子がドリフなんて知ってるわけないものねえ。うれしいけれどかっこよすぎでしょうそれは。どう考えても。  でもまあ40過ぎても小さな子供からお兄さん的に見られているというのはうれしいことですね。
 
 このルナ天文台、オススメです。 「旅するカメラ2」にも大きめで掲載になるんじゃないかな。

 ところで今発売中の「シティ情報ふくおか」、旅するカメラは沖縄久米島です。 こちらもどうぞご覧ください。
 

3月24日
 天草でイルカウォッチング


 天草へ行っていた。
 クリムの旅の取材で、イルカウォッチングなどの撮影。
 天草の海にイルカが結構いるということは知っていたのだが、実際に見るのは初めてなので非常に楽しみにしていた。
 朝早く福岡を発ち、お昼ごろ天草の五和町に到着。
 やっぱ天草は遠い。熊本まで高速で2時間として、そこからさらに下道で2時間となる。
 イルカウォッチングのできる五和町まではおよそ4時間の道のりだ。
 
 船長の話によれば、午前中の船ではものすごくたくさん見ることができたという。
 イルカが見れる確率は9割以上らしいけれど、日によってイルカの行動が違うため、すぐもぐってしまうこともあるという。
 でもこの日はたくさん見れたというから期待大だ。
 ということでお昼すぎの船に乗り込んだ。 漁船を改造したような小型の船だ。
 すると10分ほど沖に行ったころだろうか。 灰色の体がうごめいているのを発見。イルカの大群だ。海面を集団で泳いでいる。 こんなにもいるのかと驚くほどの数だった。船を恐れることもなく、近寄ってくるようだ。
 船の周りはイルカだらけじゃないか。
 僕は夢中で撮影していたけれど、イルカの顔ってなかなか見れないということを知った。息継ぎのためすぐに海面にあがってくるのだが、背中に鼻の穴があるため顔は海面につけたままなのだ。 だからほとんど顔は見えないけれど、どきどき高くあがってきたものがいて、なんとなく表情をみることができる。 そんなチャンスを狙っていたけれど、後ろ姿の集団のほうがとてもかっこよくて詩的でもあるので、そちらを重点的に撮影していった。 イルカの海って感じだな。 そして息継ぎをして海水が噴水のように上がった時に虹が現れたのだ。 この決定的なシャッターチャンスもものにした。 小さな虹だったけれど、何やら希望を感じさせる写真となった。 
 いいページになりそうだ。 クリムの5月号、お楽しみに。
 

3月17日
 映画音楽のことなど


 僕は小学生の頃から映画音楽を結構聴いている。
 兄が聴いていたことも影響してるんだろう。 今でも時々聴きたくなっていろいろCDをレンタルしたりするのだが、以前の日記にも書いたけれどなかなか欲しい曲が見当たらない。
 数ヶ月前に「続 夕陽のガンマン」のテーマ曲のことをこの場で書いたのだが、これは欲しい楽団のバーションがどこを探しても見つからないということを書いていたと思う。すると松山の実家の近所の幼なじみであるトモくんがこのバージョンの音楽を送ってくれたのだった。これはありがたい。何度も聞いている。
 この頃はiTunesでとりあえず曲自体は手に入るので、その点では便利になったなあと思う。
 最近のお気に入りはジョン バリーなどかなあ。
 高校時代に古レコードをよく聴いていたのだ。 代表作はやっぱり初期の007シリーズだけれど、中でも「女王陛下の007」のテーマ曲が好きだった。この映画のテーマ曲はアクション的な激しい音楽と、やさしく美しいバージョンと二曲あるのだが、どちらも好きだった。 先日手に入れたのはやさいしバージョンのほうで、僕はインストロメンタルしか知らなかったのだが、ルイ・アームストロングが歌っているバージョンを手に入れた。歌詞があることすら知らなかったのでとても新鮮だった。 映画では流れてたのかなあ。記憶にない。
 ジョン・バリーといえばほかに「真夜中のカウボーイ」なんてのも最高にいい。 この曲のハーモニカの音を聴くと旅に出たくなる。そんな映画ではなかったんだけど、音楽のイメージというのは映画の内容とはずいぶん違っている場合も多い気がする。 映画とぴったりかなあと思うのは「野生のエルザ」のテーマ曲。雄大なイメージがいろんな空想を与えてくれる。 
 ほかに「さらばベルリンの灯」のテーマ曲も欲しかったのでいろいろ探してみると、あったあった。 聴くのは高校時代以来だろうか。どんな映画かはまったく知らないけれど、すごく美しい曲なので当時はよく聴いていた。改めて聴くと、やっぱりいい。 ジーンとくるなあ。原題は「ウェンズデイズ・チャイルド」という曲らしい。意味不明だなあ。
 ジョン・バリーではないけれど、ほかに「パピヨン」のテーマ曲も好きだった。こちらもバージョンは違うけれど手に入れた。映画は不気味で恐ろしいシーンが多かったけれど、この曲の美しさは忘れられない。同じく「ドクトル ジバゴ」のララのテーマも最高だ。「ボルサリーノ」の軽快なピアノのバージョンも手に入れた。
 「Uボート」のテーマ曲もかっこよくて好きだった。こちらも手に入れたがあまりにかっこよく演出されたバージョンだったのでちょっと違うんだなあ。映画で使われていたような素朴なバージョンが好きなんだけど。
 
 そしてどうしても手に入らないのはマックイーンの映画「栄光のル・マン」。 僕がかつて持っていたレコードでは映画のオープニングシーンの音楽がそのまま使われていて、ものすごく軽快でかっこよくて何度も聴いていたのだ。 映画自体は面白くなかったけれど、あのテーマ曲は最高だ。 きっとCDにはなっていないんだろうなあ。 僕は映画を見る前に音楽を聞いていたので、最初の不思議な音は何だろうと不思議に思っていた。 ドラムの低音のように響く音がドッ、ドッ、ド、ドドドドドド・・・と どんどん早くなっていって音楽に入ってゆく。 この音の正体は映画を見て分かった。 スタート直前のドライバーの心臓の鼓動を表現したものだったのだ。  
 これはいずれレコードプレーヤーでも手に入れて、実家からレコードを見つけ出して聴くしかないんだろうなあ。

 ところで現在個展を開催している「海凛房」では、バックミュージックは僕が選んだ曲を流している。
 といっても写真展会場なのでビーチボーイズを流すわけにもいなかいので、邪魔しないような静かな曲ばかりだ。 フィンランドの民謡、ポールマッカートニーのインストロメンタル曲、ピアノのジャズ、香港で買った誰も知らないであろうインスロメンタルの曲、ハワイアン、そしてビバルディの四季の中でも好きな曲などなど、ジャンルはバラバラだけれど、好きな曲ばかりなのです。
 

 川上信也写真展
 
「九州 Landscape」
       
2012年 3月1日〜4月30日

 カフェ&ギャラリー 海凛房
   福岡市西区今津8−3
         п@092−401-0237

 営業時間
    12時〜18時

 休み
   火曜日 
    および3月20日


  

3月12日
 車検やカメラのこと

 
 もうすぐ車検だ。
 取材で九州中走り回っているのでしっかり点検してもらわなきといけない。 目に付くところでの故障といえば、後ろのドアの取っ手が壊れて外からでは開かないこと。 いつも中から開けて荷物を取り出しているのだ。 外から開かないから防犯的にはいいなと前向きに考えていた(これ前向きというのかな)。 しかしいざ撮影というときに三脚が非常に取り出しにくい。運転手席側から後ろに手をやってカチッとノブを回さなければならない。 結構面倒で時々首がつりそうになる。 だから修理だ。当たり前だな。
 他には高速道路でフロントガラスに小石が当たって小さなキズになっているところがある。 これも車検的にはまずいんだろうな。
 気になるところといえばそんなところだが、スバルに車検の見積もりに出してみると、いろんなところが交換だらけなのだ。車検の見積もり書が一枚では収まりきれないらしく、三枚にも渡っていろんな修理箇所が羅列されていたのだった。
 もうすぐ30万キロを超えるからそれなりの交換箇所はあるんだろうなあと覚悟はしていた。
 高いのはタイミングベルトの交換とフロントガラスの修理かな。 タイミングベルトは10万キロで交換なので、3回目の交換となる。まあしょうがない。 ほかにウォーターポンプの交換とか、プラグの交換とか、いろいろとよく分からないものもある。
 それで全部で18万円少々だった。 高いといえば高いけれど、カメラと並んで大切な商売道具だからね。
 
 そしてカメラもそろそろ買い替えの時期になってきているような感じだ。
 20万回以上シャッターを切っているのだが、とりあえずちゃんと仕事してくれている。 でも新しいニコンの機種が発売されるので、とりあえず一台だけ買い換えようと思っている。一台はサブとしてこれまで通り。
 5年ほど前に買ったニコンD300。 よく働いたなあと思う。
 思えばニコンはカメラをはじめたころからずっと買い続けている。 ニコンF50からはじまり、F90 F100 D70 D200  D300 と続いている。ペンタックス645Nを使い始めてたときからはサブになっていたけれど、デジタルになったD200からは再び主役になっている。
 ニコンはとても使いやすいし、フィルムからデジタルへの移行もスムーズにいった感じだ。 特に問題はないのだが、ひとつだけあるといえばある。 呉服町にあるニコンのカウンター、あそこが苦手だ。 時々おられる受付の女性が非常に強気な口調なので、修理のことを言うのにも気がひけてしまう。 一度レンズの修理に出したのだが、受付で症状を話してからしばらくして戻ってきて、ここで行った点検では異常ありませんというから、そんなはずはないと僕は食い下がった。だって遠方でのピントが非常に合いづらくなっていたので修理にもってきたのだ。それで問題ないといいはるのだ。 「きっと白いものをピントにあわせようとしてるんでしょう」とか、初歩的なことを非常に強気な口調でいうものだから、僕も腹が立ってきて、こっちが悪いといってるんだからちゃんと点検しろと言った。
 それでしばらく預けて5日ほどで戻ってきたのだが、ピント調整しました、ということでしっかり遠方でのピンとも合うようになっていた。最初からいろいろいわなくて預かってくればいのにねえ。
 ちゃんとお客の声を聞いてもらいたいもんだ。 プライドが高いのもいいけれど、そっちが初歩的なことを忘れてるんだろうと言いたくなる。
 以上 ニコンの不満はこれだけです。カメラ自体にはまったく問題ないんだけどね。 受付が違う人だとホッとするんだけどなあ。

3月6日
 文化財修復技術者


 久々に九州国立博物館へと行き、文化財を修復する方を取材させていただいた。
 「西日本文化」のグラビア撮影で、僕が唯一原稿まで担当しているものだ。
 博物館に到着して、従業員用の入り口から入っていったのだが、何度も扉を開けて進んでいったためどの辺にいるのかさっぱり分からなくなった。そんな先に文化財の修復室はある。
 取材させていただくのは若い女性の方で、性格には文化財修復技術者というそうだ。
 まず、撮影させていたいた。
 目の前には18世紀に描かれた屏風絵が広げれていた。 
 そこににかわなどの糊を使って修復してゆくのだ。 真剣な表情で作業している姿を数枚撮影。
 続いてノートを取り出し、取材開始。
 僕にとっては2ヶ月に一度の撮影以外での仕事なので、何だかぎこちない。毎回職人さんを取材しているのだが、いつも何を聞くかなんて考えていない。今日は来る時の電車の中で文化財修復技術者とはどういうものなのか、編集部からもらった資料で確認した程度だった。 こんなんでいいのかな。でも毎回なんとかやっているからきっといいのだ。 かえってその方が新鮮な気がするしね。
 今回は撮影の時に気になった糊のことや、カラフルな江戸時代の絵や、その若い女性の方がどうしてこの世界に入ったか、どういう性格の人が向いているのか、などなど、思ったままを聞いたのだった。結構面白いこと聞けたんじゃないかな。
 やはり何時間も同じ作業が苦にならない性格の人が向いているとか、過去に修理した人の名が意外な場所に書いてあったりとか、はてどんな風にまとめていこうかな。
 いつも困るのは、僕の取材ノートだ。時々ノートを忘れてスケジュール帳に書いてしまうこともある。そうなると3ヵ月分のスケジュールが書き込めない状態になってしまうから取材にノートは必需品だ(当たり前だな)。
 今回はノートはちゃんと持ってきていた。 
 でも想定外のことが起った。 僕は走り書きになると恐ろしいくらいに乱筆になるので、せめて書きやすいようにと使い慣れたボールペンをとりあえず用意している。 乱筆でも書きやすいから何となく判別しやすいという利点がある。しかしこの修復の部屋ではボールペンはインクが飛ぶかもしれないということで禁止だったのだ。 だから鉛筆なのだ。 もちろん借りた。
 鉛筆なんて何年ぶりに使うんだろう。 懐かしいなあということでとりあえず転がして遊んでみた(余裕だな)。
 そしてお話をいろいろとお聞きしていったのだが、鉛筆というものは走り書きしようとすると芯が折れてしまうという危険があるということが分かった。すると書けないのだ(これも当たり前だな)。
 ということで、折れないように自然とゆっくりとなる。となると自然に話に追いつかなくなる。難しい。
 そこで僕が考えた策は、「なーるほど、ちょっと繰り返しますけど、こういうことなんですかねえ」 と、いかにも分かってるような感じで聞き逃した部分をもう一度言ってもらったりしたのだ。
 そんな感じで取材は終了した。
 終わってから太宰府参道にオープンしたというスターバックスでノートを見返してまとめてみた。 
 鉛筆の文字はというと、いつもながら判別できない文字がいっぱいだ。書ききれないものもあったしね。これはいったい何語なんだといいたくなる。しかし聞き返したりして結構記憶に残っていたので、解読してその横に赤ペン先生のように冷静な文字で書き加えていったのだった。
 今回は鉛筆という不利な点もあったが、「西日本文化」のグラビアは毎回こんな感じで取材をしている(こんなんでいいのかな)。
 僕はやっぱ取材者には向いていないかなあと思うこともしばしば。 話が上手じゃないからねえ。 カメラ向けているほうがほんとしっくりくる。でもまあ終わってからいい取材だったなあと思うことも多いので、きっと楽しんでるんだろうな。

   

3月4日
 沖縄 久米島へ


 先月の末に沖縄取材があり、久々に南国へ行っていた。
 今回は久米島だ。
 久米島と聞いてあまりピンと来る人はもしかすると少ないかもしれない。僕も沖縄はいろいろ行っているけれど、久米島は名前は知っていてもどこにあるのかよく知らなかった。
 久米島は那覇の西、100キロくらいのところにある。飛行機で30分ほど、フェリーで4時間だったかな。
 久米仙や海洋深層水、楽天のキャンプ地としてちょっと知られているのかな。
 到着した時は楽天の二軍のキャンプがまだ行われていた。
 
 今年の沖縄はものすごく天気が悪いらしく、一月はほとんど太陽を見ていないようなことを言っていた。
 到着した日も曇りで、時々小雨が降っていた。そして結構寒い。
 一月に行った台北も結構寒かったが、今回の沖縄も夜は15度くらいではなかったろうか。
 肌寒い南国が続くなあ。
 初日は様々な施設やホテルなどを視察(視察旅行みたいだったな)して、久米島の概要をつかんだような感じだった。
 2日目はハテの浜へ。
 この浜は船で15分ほどのところにある砂浜だけの小さな島で、ものすごく海のきれいな場所なのだ。
 このハテの浜を大きな写真で使いたかったので、天気が回復してほしいなあと願っていると、運よくこのときだけ薄日が射し始めたのだった。これはラッキーだ。 海の色もおどろくほどきれいだったし、とにかく上陸時間の30分ほど、撮影しまくっていた。やしの実の漂着物もあった。南国だなあ。
 そして戻ると雨は本格的にふりはじめた。 ちょっとの差でえらい違いなのだ。とりあえず納得できる写真は撮影できたのでホッとして次の場所へと向った。 
 離島とは思えないカフェもあるし、ジャマイカンバーもある。アメリカンスタイルのカフェもあった。 ホタル館では生きたハブも初めて間近に見た。飼育されているのだ。  毒蛇は頭が三角だということは何となく知っているけれど、これほど三角だとは間近で見て初めて知ったのだった。 そしてヘビの目はきれいだということを山にいたころヒロエちゃんから聞いていた。確かにシマヘビなど普通田んぼで見るようなヘビの目はきれいだなあと思うことはあった。しかしハブの目は恐ろしい。見つめられると金縛りにあいそうなくらいに毒々しい。さすが毒蛇。 しかしハブの目はほとんど見えないらしい。 温度で相手を認識するそうだ。 このホタル館の館長さんがものすごく詳しく説明してくれたのだった。 そして久米島で数年前に発見されたという新種のホタル、このホタルの幼虫は毒があるらしく、発見した科学者たちが次々に刺されてものすごく痛い思いをしたという。 ホタルの幼虫が刺すなんて普通は思わないからね。 この毒をもった幼虫は蛍光色のオレンジをしている。色からして警告しているのだ。

 最後の日に海沿いの遊歩道を歩いたのだが、ここは野趣あふれる遊歩道で、これは晴れた日にもう一度来たいと強く思った。途中に滝もあるし、海や岩の形もまるで外国の風景のようだった。 まだまだ知らない世界がたくさんあるなと改めて思った。ガイドブックを見ただけではやっぱり分からない。 
 久米島、きっとまた来るな。

ところで、今津での写真展、はじまってます。 準備する時間があまりなかったんだけど、結構見応えあるように展示してるつもりです。どうぞごらんください。 全紙と半切、14枚ほどの展示です。
 

 

2月22日
 カナダ館とスペイン館

 
月に一度の北九州での講師の日、福岡は雪だった。
 結構降っていたけれど、高速道路は走っていたので時間通りに北九州市立美術館に到着。
 問題は終わってからで、福岡の都市高速が雪のため通行止めということで、下道が大渋滞していた。一体家にたどりつくまでどのくらいかかるんだろうと考えながら運転していたのだが、別に急いでいるわけでのないので、喫茶店にでも入ろうと、宗像あたりだろうか、「カナダ館」という3号線沿いの喫茶店に入った。この「カナダ館」、結構心地いい空間で、壁一面森の写真になっている。古い喫茶店のような建物なのだが、古さを残しつつもきれいな空間で、どでかい写真が落ち着きを与えている。僕はしばらく寝込んでしまった。この日は朝からデジタルカメラに関しての講師をしていて、夕方までしゃべりっぱなしだったのだ。こんなに寝込んでしまったのは東京中野にあった喫茶「クラシック」以来かもしれない。妙にすっきりして目覚めた。珈琲もなかなか美味い。 北九州からの帰りの道はたいくつなことが多かったのだが、この店に立ち寄るというのはいい息抜きになるかもしれない。
 そして次の日、仕事で熊本に行った帰り、植木インターの近くでお昼を食べるために再び古い佇まい喫茶店に立ち寄った。こちらは「スペイン館」という店名だ。カナダの次はスペインだ。 正確には「ニュー スペイン館」というらしい。 お店やホテルで「ニュー」と名のつくところは古いと考えてほぼ間違いないのだが、ここも古い。 で、店内はというと、かなり賑わっていたのだ。ほぼ満席だ。 メニューを見ると非常にボリュームのあるものばかりだ。値段も安い。 そして古いながらも異国の雰囲気を醸し出している。これがスペインを表現してるのかどうかは不明だが、一生懸命異国の雰囲気を出そうという工夫は感じられた。BGMは大音量のジャズだ。 僕が座ったソファーの席はステンドグラスの窓際だった。黄色い光が差し込んでいて何やら幻想的だ。うーん異国的だなあ。 日替わりを頼んだのだが、こちらはいたって和風で、ごはんと味噌汁が付く。ステンドグラスの窓際でジャズを聞きながら味噌汁をすするというこのギャップがたまらない。
 「カナダ館」と「スペイン館」、結構気に入ったかも。

  

2月13日
 福岡空港フォトコンテスト審査を終えて

 
 今年も福岡空港フォトコンテストの審査が行われた。
 僕が審査委員長をしてから3回目となるのだが、今年は去年より100枚多い応募となり、非常に見応えのある写真の数々だった。
 僕が午前中に事前審査をして、午後から空港の方々や各航空会社の方々が審査にやってくる。そしていろいろと見比べながら賞が決まってゆくのだ。今年のグランプリは結構迷わずに決まったように思う。僕が推していたものをみなさんにお見せしてゆくと、みなさん同感ですということだったので、すんなり決まったのだ。
 500枚近くあるので結構大変な作業なのだが、いい写真というのはかなり絞られてくる。すべての写真を10回くらいみることになるだろうか。結構くたくたになる作業なのだが、じっくり見てみるとよかったりする写真もある。 まあ審査というのはそんな感じですねいつも。
 そして最後に総評とグランプリ写真のコメントを書いて終了となる。その場で書くので手書きで提出となる。 久々に学校で作文を書いているような気分なんだなこれが。鉛筆だしね。 消しゴムというのも何年ぶりかで使った。懐かしいじゃないか消しゴムのカスなんてね。
 空港での展示は今月の22日からになる。午前中に表彰式もある。 僕はこういうのはとても苦手なのだが出席しなくてはならない。最後にコメントを求められるのだが、いつもながらその場で思いつきのコメントを言っている。思いつきといってもちゃんとマジメに話してるんだけどね。こういうのは事前に考えてしまうとかえって緊張するので何も考えない。 スライド上映会でも同じだ。これは慣れてきたってことにもなるのかな。 少しは僕も成長したなか。しかし慣れるまで何年かかってるんだってことにもなりますよねえ。 

2月8日
 小値賀島、宇久島へ

 
 五島の小値賀島へ行ってきた。
 この小値賀島へはここ4年ほどで5回行っている。いろいろと縁のある島なのだ。
 今回は旅の企画ページをつくることになり、二泊してとなりの宇久島へも足をのばす。
 早朝の福岡を出発し、佐世保まで向う。そこから9時20分発の高速船で小値賀島へと向かった。
 小値賀島はこのごろ何かと雑誌に登場している。しかも中央の雑誌が主なので、夏場には相当なお客さんが全国からやってくるらしい。目玉は古民家再生で宿泊できる宿が4つあるということだ。そのほかに同じく古民家再生のレストランも人気らしい。
 前回はこの古民家の撮影でやってきたのだ。おととしの夏だったかな。めちゃくちゃ暑い中を撮影してまわり、くたくたになった記憶がある。
 今回はこの古民家にも泊まれる。前回も泊まったのだが、まだ営業前でいろいろとまだ不備があったような気がする。 あえて言わないけどね。 今回はもう大丈夫だろうな。
 レンタカーを借りて島内をとりあえずひととおり周ってみた。赤い砂浜や高台からの眺めなど、前回案内してもらった場所を再び巡ってゆく。めちゃくちゃ寒くて撮影は大変だったけれど、とりあえず納得できる範囲の写真を撮影できた。
 宿にもどり、近くの居酒屋へ夕食にでかけた。 今の時期は古民家レストランは閉まっているのだ。 だから夜は近くの店へと行くことになる。 宿のすぐそばの「潮」という店に行ったのだが、ここは美味い。海鮮料理が主なのだが、出てくる料理はどれも美味いので大満足なのだ。
 僕が泊まった宿は2階建てになっていて、1階が寝室で2階がソファーのあるくつろぎの空間になっている。所々に古いままの棚とかが残っているのだが、空けてみようかどうか迷ってしまう。 古い棚って空けてみてもいいのかなあ。なんかやばいものがありそうな気がするし。 しかし思い切って空けてみたのだ。 すると・・・   うーんちょっと書けません。空けない方がよかったかな。 気になりますよね。いつか僕に会ったときにでも直接聞いてください。
 でもかなり快適な宿で、床暖房まである。すごい古民家だな。 ソファーでくつろいでいると眠くなってくる。このまま寝ようかとも思ったけれど、せっかく布団があるので1階に降りて畳の部屋で寝たのだった。 一人の宿なのに2階まであるというのは何か気になってしまうんだけどね。わりと神経質なんだな僕は。
 次の日は朝から町中を撮影し、宇久島へと向った。
 小値賀から船で25分だ。
 ここでもレンタカーを借りたのだが、ここのレンタカーの車はトカラ列島で借りた時に匹敵するくらいにボロかった。サビサビだしね。ほかに新しそうな車もあったのだが、それらはどうやらマニュアル車らしい。 オートマを希望していたのだ。 「最近の若い人たちはオートマなんだねえ」と店の人に言われたのだが、若くなくても世の中ほとんどオートマだと思うんだけどね。島の感覚はちょっと違う。しかも借りた車、車内が異様な臭いに満たされていて耐え難いのだった。おそらく前に借りた人の香水だと思う。女性ならまだしも、男の香水に満たされた車なのだ。ヤンキーたちが好むような臭いだなこれは。 しばらく運転してると吐き気がしてくるので、寒いけれど窓を開けて走っていた。
 宇久島にはでっかいアコウの木があり、これは結構な見応えだった。 長崎にこんな木があるなんてねえ。

2月1日
 映画や音楽のこと

 
 次号のクリムは映画特集ということで、様々な人に会って話を聞いた。
 自然や地球を感じる映画という設定だったので、「グラン・ブルー」というような正に地球の自然というような映画が多かったけれど、ほかにも「アラビアのロレンス」などもあった。砂漠の美しさということになるのかな。
 僕だったらどの映画を選んだだろう。「シェーン」も大好きな映画だけれど、あれも西部劇というようりは美しい自然の中に暮らす人々のホームドラマのような感じだ。音楽の邦題も「遥かなる山の呼び声」というものだし。 寅さん映画でも自然を感じるものは多い。北海道ロケの「寅次郎 忘れな草」などは最高だ。北海道の荒野を歩くシーンなどは忘れられない。バックにはクラシックがかかるのだが、この音楽の効用が非常に大きいように思う。 あれほどあのシーンにマッチした音楽はないように思うしね。
 
 先日購入した東山魁夷の画集に付録でCDが付いていた。東山画伯が北欧を旅した際に出合った思い出の曲ということらしい。フィンランドの民謡で「カンガサーラの夏の日」という曲だ。 これがものすごくよくて何度も何度も聴いている。なんといったらいいのだろう。とても懐かしいような気分にもなるし、いろんな光景が見えてくるようでもあるし、なんだかとても悲しい気持ちにもなってしまうこともある。これほどまでに感動した曲とは久しぶりに出合った。 いつかカンガサーラという場所に実際に行ってみてこの曲を聴いてみたい。

 先日久々にカフェアリワで行われたピアノコンサートに行ってきた。
 ピアニストの永見行嵩さんのライブなのだが、いつもはいろんな人といっしょにライブをやっている方なのだが、単独ライブは初めてだ。数年前にKOKOちゃんのCDが発売されるときに僕が撮影を担当して、そのときのピアニスとが永見さんだった。お会いするのはその撮影以来のような気もする。
 オリジナルや映画音楽、ボサノバなど、様々なジャンルの音楽はとても心地いいものだった。「スマイル」という曲は僕は小野リサのバージョンで知っていたのだが、あれってチャップリンの曲だったんだなあ。全く知らずに聴いていた。

1月21日
 ビジネスクラスで台湾取材。

 新年になってから再びバタバタと取材の日々が続いていた。
 先日はふたたび台湾への取材があり、台北へと行っていた。
 エバー航空の主催で、キティちゃんジェットに乗ってゆくのだ。別に僕はキティちゃん好きではないので(好きだったら怖いでしょう)、機体や乗務員のエプロンにキティちゃんが描かれていても別にどうということないのだが、一応紹介するという記事もあるかもしれないということで、キティちゃんをしっかり撮影していた。 知らない乗客が見ると怪しい男みたいだ。しかも「旅するカメラ」のコンビであるので、40過ぎの男二人がキティちゃんを追いかけて撮影しているというのも不思議な光景なんだな。
 しかし行きはなんとビジネスクラスだった。
 これはすごいな。
 ビジネスクラスになると、待合室でラウンジも利用できるということなので、さっそく入ってみた。するといろんな飲み物が無料で、ソファの席が並んでいる。 まあゆっくりできるんだろうなあとは思うのだが、外が見えない。 であるからして閉じ込められているような感じで、しかも室内は蛍光灯だ。 なんか雰囲気出ないんだよねえ。 やはり飛行機が目の前に見える所に座って、おーこれからこのジェット機に乗るんだなあという感慨や心構えが旅の面白さのような気がするんだな。 
おっと、ビジネスクラスというだけあってビジネスマンがほとんどだから別にこんな感動は必要ないってことなのかな。確かにラウンジは仕事にこれから行きますという感じの方々ばかりだったような気がする。それに比べて僕達は普段と変わらぬ格好だしね。
おっと、僕達も仕事だった。一応ね。

 で、ビジネスクラスの席はというと、今まで経験したことないくらい席がフラットになるのだった。しかも電動であちこちが動いている。パーツごとに動く場所が分かれていて、いろんなボタンがついている。 最初は理解できない。いろいろ押してみていろいろ動かしてみて何となく理解できてきてフラットににしてみたのだった。
 うーんこれなら長時間でも大丈夫だ。ヨーロッパでも大丈夫だ。安心だ、と思ったところで行き先は台湾なので2時間ちょっとほどで到着。もう少し乗っておきたかったな。 とりあえずキティちゃんの食事メニューは撮影しておいた。 料理はかなり豪華な牛テイルスープとタロイモ饅頭などができてた。お茶はジャスミン茶。

 この時期の台北は雨ばかりらしいのだが、その通り小雨が降っていて気温は13度。 寒いじゃないか。
 厚着してきてよかった。
 台湾取材は3回目なのだが、必ず行く永康街のお茶館などに行きながら台北の日々は過ぎていった。足裏マッサージもしてきた。
 2日目から朝市や寺院、豪華ホテルの昼食、夜市などを撮影していった。 とにかく台湾は食べる取材ばかりなんだな。おそらく3月号の「旅するカメラ」に掲載予定です。
 
 で、帰りはエコノミークラス。 やっぱ狭い。

 次の日から再び取材で九州を巡り、阿蘇へ行ったりしながら日々は過ぎていった。 今年もきっとこんな感じなんだろうな。

 

1月8日
 お伊勢参りとカワセミ


 とっくに明けてますけどおめでとうございます。
 今年はいい年にしたいですね。よろしくお願いします。
 
 去年のお正月は本の制作で写真をまとめたりエッセイを書いたりと大忙しだったのだが、今年も年末から3日までずっと写真の整理をしていた。今まであまり整理というものをしてこなかったので結構大変な作業なのだ。
 くじゅうを撮影していた5年間のポジフィルムも見直してみたのだが、こんなのも撮影してたなあと思い出してくる。初々しい構図なんかも見ていて懐かしい。 
 ということでスキャナーをフル稼働し、1000枚ほど結構いい画質で取り込んでみた。645判だと6枚セットできて取り込みに1時間半。35ミリフィルムだと12枚セットできて同じく1時間半ほどかかる。 せっかくデジタル化するのでいい画質でしたいし、とりあえずA3まで伸ばせるくらいにしておきたかったからこのくらいの時間はかかってしまうのだ。
 スキャニングしている間にデジタルで撮影を開始してからの整理をしていった。1000くらいのフォルダがあるのだが、それぞれに番号をつけてゆき、それぞれのインデックスを印刷していくという作業なのだが、がんばっても300くらいまでしかできなかった。整理は大変だなあ。 しかし整理していくうちに、これはこういう内容でまとめられそうだなとか、いろいろ発想が浮かんでくるので、次回の本の制作にとても役に立つ時間であったことは確かだ。 できればモノクロで撮影していたアジアやヨーロッパの写真も取り込んでおきたかったのだが、そんな時間はとてもなかった。ネパールでのモノクロフィルムを5枚ほどは取り込んでみたのだが、あー懐かしい。 人々のざわめきまで聞こえてきそうだ。朝の少年の新聞売りの声も響いてきそうだ。

 そんな年末年始を過ごしていても頭が変になりそうなので、伊勢神宮へと行った。
 今年は厄年なのだ。そんなに気にすることもきっとないんだろうけれど、こんな機会でもなければ伊勢神宮に行くことなんてないんだろうなと思ったのだ。 それにここ数年、体の不調にはずいぶん苦しめられてきた。おととしからはじまった皮膚の薬を一切やめたことによるリバウンドは想像を絶する苦しみであったし、今年は薬をやめてとりあえず多くの人が治るといわれる3年目となる。 ずいぶん楽になってきているので、これをいい機会に心機一転したいのだ。
 ここ数年は行きたい撮影も最小限にしてきていたし、タイやハワイ行きの海外での仕事も断らざるをえなかった。
 こういう時に自分はどうするべきなのかということで、本の制作や写真の整理、自分をちょっと振りかえったりもしながら見つめなおしたり、この頃は東山魁夷の画集を何度も見返していた。 仕事での撮影はおととしにかなり減らしたけれど、去年はいつも通りの忙しさに戻ってきたし。それでも自分の作品撮影はかなり減らしていた。 
そろそろ活動を開始したいと思っている。今年は再来年を見据えた準備の年ということになるだろうか。 
 
 で、伊勢神宮はどうだったかというと、あまりの人の多さに初めは驚いてしまった。
 お昼くらいに外宮と内宮をお参りし、厄払いもしてもらい、おはらい横丁で珈琲を飲んだりしてた。
僕は今年に入ってからこの日までシャッターを一度も切っていなかった。別に意識していたわけではないけれど、整理ばかりしていたからね。 ということで伊勢神宮周辺をいろいろ撮影。 シャッター初押しだ。 すると、座っていたカフェから見える五十鈴川で、非常にきれいな鳥が川面を羽ばたいているのがみえた。 
 マスターが「これは珍しいですよ。野生のカワセミです。こんな人が多い場所には普通現れないんだけどねえ」
 と教えてくれた。
 ということで、僕は生まれて初めてカワセミを撮影した。これは縁起がいいですね。
 夕暮れ時には人も減ってきて、もう一度内宮まで行ってみた。人が多い頃には見えなかった周囲も森の美しさが心地いい。
 
 帰りは京都に立ち寄り、特別公開の妙心寺三門の内部を見学。 
 ものすごく寒かったけれど、とても心に響く旅となった。 
 

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