Y30 リアウィンドウ枠サビ修理

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2016-12、リアウィンドウ枠のサビ修理をしようと思います。

サビの状態はこんな感じです。

窓右(運転席側)下。サビが滲みだしています。ここは多分サビで穴が空いています。

窓右上。サビは見えませんが、樹脂ファスナーが捲れ上がっています。

窓左上。多少のサビが見られます。

窓左下。多少のサビが見られます。

 

まず始めに窓下部のモールを外します。これはネジ止めなので何も問題ありません。

それ以外のモール周りの構造としては、樹脂ファスナー(下写真黒部分)がボディに接着剤で貼り付けてあり、

モールに付けたクリップが樹脂ファスナーとツメで嵌まっています。

かなりガッツリ嵌まっています。

樹脂ファスナーの表に見えている部分は柔らかいゴムですが、

クリップが嵌まっている部分はまぁまぁ固いプラです。

これを取る為に、サービスマニュアルでは冶具を用意しろと。

指示に従ってとりあえず作ってみました。

厚さ1.2mmの指示ですが、1.0mmで作りました。

というか材質の指定は無いのですが、多分鉄です。

私はキズつけるのが怖かったので樹脂(プラ板)で作ってみました。

これを使ってモールをはずしてみます。先ずは窓上部のコーナーから。

樹脂ファスナーとモールの間に冶具を入れただけではモールは外れそうになく、

オレンジの内装剥がしをガラス側から差し込みモールを引き上げました。

コーナーのモールは窓上部のモールから抜けました。

クリップはファスナーに嵌まったままですが、

この部分はファスナーがボディから剥がれているので持ち上がります。

次にコーナーのモールをサイドのモールから抜きます。

反対側の写真ですが…。こんな感じで樹脂クリップの他に金属のクリップがありました。

次はサイドのモールですが…。全然外れない。

上記冶具と内装剥がしを使っても外れる気配がありません。

冶具を作り直してみました。

クリップの幅が20mmなので、切り欠きの幅は22mm、

クリップのツメが2mm厚なので1mmのプラ板を2枚用意しました。

が、苦労の甲斐無く外れません…。

やっぱり鉄で1.2mm厚じゃなきゃダメなのか…。

愛用のピンセット HOZAN P-891 のお尻を2本差し込んでみます。

これでほぼ指示通りのはず。厚さは1.3mmです。

が、やっぱり外れる気配がありません。

数時間の格闘の末、諦めて考えを改めました。

傷つけない様に取ろうとするから取れないんだと。

マイナスドライバーをモール下に引掛けてコジってファスナーからクリップを強引に外しました。

モールは見えない部分ですが凹みます。後で修正します。

クリップは両サイド12個中3個は破損しました。ボディは大丈夫でした。

サイドがやっと取り外せたので、最後にトップを外します。

これは横方向に抜けば良い様なので引っ張ってみます。

途中までは良かったのですが…。途中から動きません。

力づくで引っ張ってみると、クリップが弾け飛びましたっ。6個中1個破損。

それでもクリップ2個分動かないので、モールを上方向に捩ってモールからクリップを外しました。

これで全てのモールが外れました。丸一日かかりました。

破損したクリップは、横、上の物(別物です)共に製廃。残念。

 

ボディ側に残ったファスナーを引き剥がします。

残った両面テープとその接着剤を掃除するのにまた一日。時間かかります…。

これでやっとサビの進行具合を把握できます。

穴が空いていると予想されている右下から。

バッチリ穴が空いています…。

右横。サビが点在しています。

右上。板金の厚み方向にサビが進行しています。まだ穴は開いていません。

左上。こちらも厚み方向にサビが進行しています。

左横もサビが点在しています。

左横下。薄くですが錆びています。

 

修理します。まずは穴の空いてしまっている右下のサビ落としから。

サビ落とししてからサビ転換剤を使いました。

次にこの穴にあうパッチを鉄板で作ります。

鉄板は昔ステージアで当て逃げされた時に交換したフェンダーから切り出して使います。0.8mm厚でした。

ガムテープを穴に貼り付けてピンセットで穴のエッジをこすって型取り、

切出した鉄板に貼り付けてグラインダーで切り取り、

板金折り曲げ機で折り曲げ、穴に合わせて削りながら調整していきました。

ちょうど3Dな部分なので、曲げてから微妙に戻したりしながら成形。

そして、裏からパテで固定。強度が必要では無い部分なのでバテで固定で十分だと思います。

表からもパテ埋め、成形、プラサフで塗装。

 

右上もサビをとっていたら穴が2個空きました。サビ転換剤をかけておきます。

穴が小さいのでパテ埋めだけしてプラサフ塗装。

 

左上も同様にサビをとっていたら穴が空きました。サビ転換剤をかけておきます。

同様に穴が小さいのでパテ埋めだけしてプラサフ塗装。

 

他の部分もサイドとサイド上下はサビがまぁまぁあったので、

リューターでなるべくサビをとってサビ転換剤、プラサフ塗装。

テープでマスキングした線がガッツリ残っています。

#600のヤスリで水研ぎして境界線をぼかします。

正月の親戚周りとかが終わって数日振りに見ると既にサビが…。

サビ転換剤を上塗りしておきます。

 

その後も気が付くとサビが再発しています。

再発しなくなってからモールを付けようと思っているのですが、いつまでたっても…。

なんかモール無しでもあんまり違和感無いし、とりあえずこのままでもいいかな。

 

2022-10。あれから6年放置しました。ちなみに旧車なのに雨ざらしです。

錆びてますねー…。とりあえずトランクへの水漏れはまだありません。

他の箇所も同様にまぁまぁ錆びてしまっています。

このまま更に放置してしまうと穴が開いて水漏れすると思います。

そうなる前に、もう一度錆び取りします。

リューターのダイヤモンド砥石(こんなの)を使って出来るだけ錆び取り。

ラストコートで錆び止め。

この後、厚付けパテでパテ埋め、マスキング、プラサフ、326で塗装しました。

暗くなってしまったので作業も雑です。

本来パテ埋めしてからヤスリ掛け、プラサフ吹いてからマスキング剥がしてヤスリ掛けするべきなのですが、

そのまま326で塗装しました。

またいつかちゃんとやろうと思います。

 

 

 

 

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