伊勢神宮2003年8月外城田巡り
前回途中で時間切れとなった外城田コースの続きに挑戦です。
前回とは違い快晴というわけではありませんでしたが、暑さとの戦いとなりました。
前回(2003年5月)では、暑さと時間が掛かりすぎたため、鴨神社で中断しましたが、
今回は田乃家神社からの再スタートです。前回は苗であった稲も、稲穂が伸び始め、
中には頭をたれているものもありました。外城田駅から最初の神社である田乃家神社
までは約3KMの道のりです。日差しはないのですがそれでも蒸し暑さは結構あるので
すぐに汗だくになってしまいます。こんなときにはわずかな風も生き返る思いです。
マップ番号@
前回訪れた蚊野神社の横を通り、県道伊勢多気線を超え、外城田小学校の脇を過ぎ、
さらに南へ進むと、水田の左手に森が見えてきます。この森の中に田乃家神社があります。
祭神は大神御滄川(おおかみのみさむのかわ)神です。農家の守り神と伝えられています。
ここには御同座として田乃家御前神社が祭られ、祭神は大神御滄川御前神です。
神社名 | 格式 | 祭神 | 備考 |
田乃家神社 | 内宮 摂社 | 大神御滄川神 | |
田乃家御前神社 | 内宮 摂社 | 大神御滄川御前神 | 田乃家神社御同座 |
マップ番号A
田乃家神社を出て東に1Kmほど行くと田宮寺神社があります。伊勢神宮125社には入って
はいないのですが、伊勢神宮とは関係のある神社です。写真左は正にそれを示すものです。
「御船殿跡」という石碑が立っています。立て札に書かれていた内容は次の通りです。
皇大神宮(内宮)の御船代(御神体のやたの鏡を安置する入れ物)は20年ごとの遷宮に
お取替えされ古い御船代は富向山田宮寺境内の御船殿に享保14年第48回遷宮まで
古例によって奉安されたと伝えられます。御船殿跡は昔、田宮寺を氏寺とした内宮神宮
荒木田氏を介して神宮とのつながりを物語る遺跡であります。
伊勢神宮の御遷宮の際に古い神宝類は、昔は人が使うべきものではないので、埋めたり
燃やされたりしたということですが、御神体を入れていた御船代がここに奉安されていたとは
ここを訪れるまで知りませんでした。神社は柵のところの門扉の造りが伊勢神宮125社
とは違っているのがわかるかと思います。飾りが多いですよね。
マップ番号B
こちらは富向山田宮寺です。先ほどの田宮寺神社とは隣り合わせです。
このお寺は奈良時代行基菩薩が神宮法楽寺として草創されたと伝えられ弘法大師を中興の祖と仰ぐ
真言宗無本寺です。このお寺は内宮禰宜荒木田氏の氏寺で神宮ともつながりが深い。
紀州藩はじめ北畠田丸愛洲氏など地方豪族の信仰も篤くそれぞれ寺領を寄進しています。
このお寺のご本尊は十一面観世音菩薩は夫婦観音として親しまれ縁結び安産祈願の信仰を
集めています。この十一面観世音菩薩は重要文化財となっています。
マップ番号C
田宮寺から東に直線距離で500mほど離れた畑が点在する中に鴨下神社が存在します。
この神社の名前は鴨神社の山裾にあることから水利灌漑を司る神と伝えられています。
倭姫命が定められた神社です。
神社名 | 格式 | 祭神 | 備考 |
鴨下神社 | 内宮 末社 | 石己呂和居(いしころわけ)命 鴨比古命、鴨比売命 |
マップ番号D
鴨下神社から農場(ふれあい農場)の中を通り抜け次の神社である奈良波良神社を目指します。
ちょっとこの場所はわかりづらいです。目標となる工場が見えたらその手前にある林の中に目的
の神社が鎮座しています。大水上神の御子で、この地方の田野の守護神と伝えられています。
この神社も倭姫命が定められました。
神社名 | 格式 | 祭神 | 備考 |
奈良波良神社 | 内宮 摂社 | 那良原比売命 |
マップ番号E
次に向かう神社は小社(おごそ)神社です。奈良波良神社からは東に2kmほどの距離です。
この2kmが大変でした。日差しを遮る場所や木陰がまったくありません。
前回ここを訪れたときはかなりへばってしまいましたが、日差しが強くなかったために少しは楽
でしたが、やはり体力は消耗させられました。暑い中を歩いてきましたので、神社地の森の中に
入ると涼しさを感じました。ちょっと汗を引かせてからのお参りとなりました。
祭神は大水上神の御子です。土地の人は「雨の宮」とよんで雨乞祈願をしたそうです。
かつて内宮禰宜荒木田氏の産土神として尊ばれました。
神社名 | 格式 | 祭神 | 備考 |
小社神社 | 内宮 末社 | 高水上神 |
小社神社を東側から見たところです。周りは水田だけですから日差しが強い日は逃げ込む場所
がまったくないことをわかっていただけるかと思います。
マップ番号F
さて外城田巡り最後はJR田丸駅そばにある狭田国生(きたくなり)神社となります。
玉城町のメインストリートであるバス通りに面しているので、他の神社と違い若干の喧騒さは
ありますが、敷地内に入ってしまうと蝉の鳴き声だけとなりました。
祭神は速川比古命、速川比女命、山末御魂です。速川比古命、速川比女命はの御子で川の神です。
須麻留女神は、前回5月に訪れた棒原(すぎはら)神社の祭神で「すばる」という名前から星に関係
する神様ということでしょう。山末御魂は土地の守り神であると伝えられています。
この神社も倭姫命が定められました。
外城田・田丸地区の125社巡りは2回に分けての参拝となりましたが暑い時期に回るには
ちょっときついコースかもしれません。行かれる方は夏場なら紫外線対策、水分補給には
万全の体制で行かれることをお勧めです。