伊勢神宮2003年3月五十鈴川巡り
今回はあいにくの雨模様でしたが、1月に続いて125社巡りのコースのうち、五十鈴川コースに挑戦です。
内宮別宮である月読宮から加努弥神社なでの16社巡りです。
マップ番号 @
宇治山田駅前から内宮行きのバスに乗り、中村町で下車しました。
入り口である鳥居から月読宮までは200m弱の参道が続きます。
ここは、古殿地と現社殿は前後に並ぶ形となっており、上記右の写真でいうと
拝殿に向かってちょうど反対側(後ろ)に古殿地がある形となります。
ここ月読宮には4つの別宮が存在しており、写真右で言うと、左側から
伊佐奈弥(いざなみ)宮、伊佐奈岐(いざなぎ)宮、月読宮、月読荒御魂宮となっています。
参拝する順序は月読宮、月読荒御魂宮、伊佐奈岐宮、伊佐奈弥宮となっています。
神社名 | 格式 | 祭神 | 備考 |
月読宮 | 内宮 別宮 | 月読尊 | |
月読荒御魂宮 | 内宮 別宮 | 月読尊荒御魂 | |
伊佐奈岐宮 | 内宮 別宮 | 伊弉諾(いざなぎ)尊 | |
伊佐奈弥宮 | 内宮 別宮 | 伊弉冉(いざなみ)尊 |
マップ番号 @
月読宮と同じ敷地内には内宮末社である葭原 神社があります。 こちらは建替えられてからあまり時間が経って いないらしく、檜の新しさが輝いて見えました。 田畑を守護する五穀の神さまが祭られています。 |
神社名 | 格式 | 祭神 | 備考 |
葭原(あしはら)神社 | 内宮 末社 | 佐佐津比古命 宇加乃御玉御祖命 伊加利比賣命 |
マップ番号 A
月読宮を出て国道23号線を渡って南に向かい ます。 五十鈴川に至る手前にこんもりとした森 が現れます。ほとんどこのような森が平地に存在 する場合は神社があると思って間違いないです。 鎮守の森と言われますが、寺院の場合には手を 入れた庭園・植生ですが、神社の場合には「千古 斧を入れぬ」という表現は極端ですが、自然本来 の植生に任せている場合が多いです。 そうした森の中に鎮座していた宇治山田神社です 参道は苔で覆われており社殿の前までいくには 苔を踏まぬように石の上を歩かねばなりません。 |
神社名 | 格式 | 祭神 | 備考 |
宇治山田神社 | 内宮 摂社 | 山田姫命 | |
那自賣神社 | 内宮 末社 | 大水上御祖命 御裳乃須蘇比賣命 |
宇治山田神社御同座 |
マップ番号 B
五十鈴川に沿って下流に歩いていきます。近鉄の高架を過ぎると伊勢市楠部町です。
五十鈴川に架かる橋を渡ってすぐ左側にまたもや木立が目に入ります。
こちらも檜の真新しい社殿でした。
写真左は大土御祖神社です。倭姫命が定められた神社です。
三柱の神が祭られ何れも国生(くなり)神の御子です。
この神社には御同座神として宇治乃奴鬼神社が祭られています。
大水上神の御子で、灌漑用水の守護神です。
写真右は国津御祖神社です。二柱の神が祭られ、
何れも国生(くなり)神の御子で土地の神です。
この神社には御同座神として葦立弖(あしだて)神社が祭られています。
宇治都比女命の御子で、この地方の産土神と伝えられています。
神社名 | 格式 | 祭神 | 備考 |
大土御祖神社 | 内宮 摂社 | 大国玉命 水佐佐良比古命 水佐佐良比賣命 |
|
宇治乃奴鬼神社 | 内宮 末社 | 高水上神 | 大土御祖神社御同座 |
国津御祖神社 | 内宮 摂社 | 宇治比賣命 田村比賣命 |
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葦立弖神社 | 内宮 末社 | 玉移良比賣命 | 国津御祖神社御同座 |
マップ番号 C
大土御祖神社、国津御祖神社をでて東に少し歩く と、神宮神田に到着します。 神宮神田の起源は、 倭姫命が定められたと伝えられていて、大御刀代 (おおみとしろ)または、御常供田(みじょうくでん)と いわれていました。 毎年、地元青年男女の奉仕 のもと、神宮にて1年間に行われるお祭りの御料 の粳米(うるちまい)と糯米(じゅまい=もち米)が、五 十鈴川の水を使って清浄に育てられています。 その年にとれた新米は、神嘗祭に大御神に奉られ ます。広さは約99,000平方メートル、作付け面積 は30,000平方メートルとなっています。 5月はじめには、お田植式が行われます。 |
マップ番号 D、E
五十鈴川をさらに下っていくと川幅も広くなってきます。川の対岸に小高い山が見えてきました。
写真右がわかりやすいかと思いますが、手前右と奥左手に目的の神社が存在します。
上の写真の手前右にあった神社です。五十鈴川と支流の合流点に突き出た部分にあります。
鏡宮神社といいます。上の写真奥左手にある朝熊(あさま)神社の御前神です。
祭神は岩上二面神鏡霊です。右の写真はこの神社の北東角の下にある岩です。
近くにいた方に聞いたら虎石というそうで、写真の上側が虎の顔で左を向いています。
木の柵で囲まれており、神聖な岩であるようです。
お祭りを行う時に、二面の鏡をこの上においたということです。
ただ、川面に近いので、満潮の時は水没してしまうそうです。ですから今日は幸運でした。
神社名 | 格式 | 祭神 | 備考 |
鏡宮神社 | 内宮 末社 | 岩上二面神鏡霊 |
鏡宮神社から五十鈴川の支流にかかる橋(人が一人しか通れない)を渡ると、山が迫ってきます。
石段を登ると山の中腹に社殿が見えてきます。写真左は朝熊神社、写真右は朝熊御前神社です。
朝熊神社は内宮摂社第一位となっています。そのため、社殿を囲む柵にある扉が、他の摂社や
末社はスノコ状なのに、一枚板のようになっています。今回はじめて知りました正宮や別宮の扉を
見ると確かに一枚板の扉でした。今後125社巡りをするに当たって扉の形状も格付けを示すもの
として参考にしようと考えています。
神社名 | 格式 | 祭神 | 備考 |
朝熊神社 | 内宮 摂社 | 大歳神 苔虫神 朝熊水神 |
|
朝熊御前神社 | 内宮 摂社 | 朝熊御前神 |
マップ番号 F
さて、五十鈴川巡りの最後は加努弥神社です。田んぼの一角にある神社です。
確かに扉はスノコ状ですね。
この神社には社殿がありません。石畳の上に ある岩がご神体となっています。 内宮・外宮でもこのような石畳が見られますね。 祭神は稲依比女命です。大歳神の御子で五穀 の守護神といわれています |
神社名 | 格式 | 祭神 | 備考 |
加努弥神社 | 内宮 末社 | 稲依比女命 |
五十鈴川巡りはここまでです。歩いた道のりについては以下のリンクをクリックして見てください。
五十鈴川巡りマップ
外宮・内宮参拝もおまけで写真を紹介いたします。
おなじみ外宮です。昨日の五十鈴川巡りとはうって変わりいいお天気となりました。
写真左は第一の鳥居です。写真右は正宮横にある四至神(中央の木のある石畳)、九丈殿(手前)と
五丈殿(写真奥)です。 四至(みやのめぐり)神は加努弥神社と同じように石畳とその上の岩だけです。
四至(みやのめぐり)神は外宮の境界を守護しています。
九丈殿は、外宮の摂社、末社、所管社の祀りが行われます。 建物は切妻造り板葺きになっています。
五丈殿は雨天の時の御祓い(修祓しゅはつ)や遷宮諸祭の響膳などがここで行われます。
建物は九丈殿と同じく切妻造り板葺きになっています。
神社名 | 格式 | 祭神 | 備考 |
四至神 | 内宮 所管社 | 四至神 |
外宮正宮正面と正面そばにある川原祓所(三石)です。
ここは、昔の祓所で、今も遷宮の川原大祓はこの場所で行われています。
宮川の支流がここを流れていたから川原祓所と呼ばれていたが、
地震などで埋まってしまったということです。
呼び名は石が3つあるのでに三つ石と呼ばれています。
でも、125社のうちには入っていません。
外宮の別宮です。写真左は多賀宮、写真右は土宮です。
写真左は同じく別宮の風宮です。写真右は正宮の裏に当たります。
本来は忌火屋殿が見えるのですが火災のために今はありません。近々再建されるそうですが。
2棟の建物のうち左側の方が外宮所管社の御酒殿です。
三節祭(さんせつさい)と呼ばれる重要な祭である6月と12月に行われる月次祭と
10月に行われる神嘗祭にお供えする白酒(しろき)・黒酒(くろき)・れい酒(一夜酒)・
清酒の神酒をこの御酒殿に奉納した後、それぞれのお祭りにお供えします。
昔は、この御酒殿で神酒が造られていたといわれています。
神社名 | 格式 | 祭神 | 備考 |
御酒殿 | 内宮 所管社 | 御酒殿神 |
今日は運良く神馬に逢うことが出来ました。 すごくおとなしくて、周りで写真を撮っていても 微動だにせず、このままの状態でした。 馬の上に架かっている額には、この馬の生れ 年が書かれていましたが、確か昭和53年か 54年でした。ということは24歳か25歳という ことですね。人間の年に換算すると何歳に当た るのでしょうか。だいぶお年寄りなのだとは思 いますが。 |
今度は内宮です。五十鈴川にも春の陽光が差し込んでいました。
でも川の水はまだ冷たいのか鯉はいませんでした。
左の写真は内宮別宮の風日祈宮です。右は内宮所管社の御稲御倉です。
荒祭宮に向かう途中にあります。
五十鈴川巡りのところでも紹介しました神宮神田から収穫した稲が納められ、
祭りの際には大御饌に用いられています。
神社名 | 格式 | 祭神 | 備考 |
御稲御倉 | 内宮 所管社 | 御稲御倉神 |
左の写真は外幣殿です。同じ外幣殿でも外宮にあるものは、板垣の内側にあり、
一般の人が見ることはできません。 ここ外幣殿には、古神宝類がお納めしてあります。
写真右は忌火屋殿です。外宮にもあります(現在再建中ですが)。
切妻造、二重板葺きの建物で、内宮と内宮所管の宮社の神饌を御調理するところです。
最後は別宮荒祭宮です。右の写真は正宮古殿地から荒祭宮へ至る階段です。
この階段の途中に「踏まぬ石」があります。
次回の125社巡りの報告をお楽しみに。