伊勢・祈年祭

今回、伊勢は伊勢神宮「祈年祭」を見学するために訪れました。 
 「祈年祭」は「としごいのまつり」ともいい、毎年二月十七日に全国の神社で行われるお祭りです。
祈年祭では、稲だけでなく五穀の豊穣と国の繁栄、そして皇室の安泰や国民の幸福なども祈願されます。
この日は、宮中の賢所(かしこどころ)においても祭具が行われ、天皇が御親拝になられるということです。
伊勢神宮では、外宮と内宮でそれぞれ行われます。このお祭りは2つのお祭りから成っています。
ひとつは神饌をお供えして、豊作と平和をお祈りする大御饌の儀と、もうひとつは
皇室から勅使(ちょくし)が参向して奉仕される奉幣(ほうへい)の儀です。
 

 平成14年2月17日
  外宮 奉幣の儀 午前7時 
 (奉幣の儀に先立って大御饌の儀も行われますが、午前4時からのため参拝時間外のため見学できません) 

   

左の写真は、お祭りの開始を告げる太鼓をたたいて知らせているところです。
右は、奉幣や神事に携わる方々を清めるための塩をもってお祓いをする神職の方々です。

   

左は正宮正面入り口です。まだ少し暗いのではっきりしませんが。
右は奉幣の入った辛櫃です。後ろに続く黒い衣装の方は、確か天皇陛下から使わされた勅使だったと思います。

   

左は勅使の方の後ろに続く神職の方々です。右の写真の緋の袴の方は祭主様で、池田厚子さんです。
今の天皇陛下のお姉さまです。

   

正宮での小1時間ほどの儀式の後、外宮別宮の多賀宮にても儀式が行われます。
儀式の直前までは、多賀宮そばで見学できましたが、最後は階段の下まで降りるように言われてしまいました。
左は儀式を終え多賀宮から降りてこられた一行です。その後この一行は神楽殿横を通り、斎館へ戻られていきました。

   

場所を移動しまして、今度は内宮です。午前11時から執り行われる大御饌の儀を見学するためです。
左は火除橋そばにあった花(紅梅でしょうか)を撮ったものです。
右は、御手洗場からちょっと先にある瀧祭神です。ご神体は岩となっています。
あまり瀧祭神のところまで訪れる人は少ないようです。

   

さて、いよいよ祭礼の始まりが近づいてきました。斎館(祭主や神職が潔斎するところ)の前に神職の
方々が集まっておられます。右はいよいよお祭りが開始されることを告げる太鼓です。

   

さあ、いよいよお祭りの始まりです。祭主様を先頭に大宮司、少宮司があとに続きます。
右は五丈殿横の広場です。唐櫃と神職たちのお祓いが行われます。お祓いは2名の神職の方が行い、
1名が素焼きの皿に入った塩で清め、もう一人がシデのついた榊でお祓いを行います。

   

上記と同じく五丈殿横の広場での様子です。この後正宮へ一行は向うこととなります。

   

基本的に板垣(正宮を囲む一番外側の囲い)内での撮影は禁止です。右側の写真で「撮影禁止」となっています。
悪いとは思ったのですが、正月用(今回は2月でしたが)の出口から撮影してのがこの2枚です。
右側では、内玉垣内に入ってゆく神職の姿が見えています。

   

正宮での儀式の後、外宮と同じように、別宮第1位の「荒祭宮」にて儀式が執り行われます。
祭神は天照大御神の荒御魂です。

   

この写真は荒祭宮からの帰り道にある忌火屋殿です。正宮にお供えする御神饌を調製する場所です。
平たく言うと台所ということでしょうか。先ほどの唐櫃が見えていますよね。

   

今度は午後2時から行われた奉幣の儀です。大御饌の儀と違うのは、勅使が付きと幣帛が運ばれることです。
左の写真で映っているのが幣帛です。唐櫃に掛けられた覆いには菊の御紋がついています。
祭主や大宮司の前に幣帛や勅使がいることからも午前中のお祭りと性格が違うことがお分かりかと思います。
あいにく雨天となってしまったため、お祓いは五丈殿の中で行われることとなりました。
もともと、この五丈殿は雨天時のために用意されている場所のようです。

   

神職の一行が正宮の中に入っていく様子を、階段下より撮ったのが左の写真です。
雨天であったので、この儀式も外玉垣内にある四丈殿にて行われました。
晴天であれば外玉垣内の岩壷に祭主を始め神職が座って儀式が行われます。
右は、正宮での儀式終了後に、荒祭宮で行われる儀式に向う一行です。このときも幣帛が運ばれます。

   

荒祭宮での儀式終了後の様子です。儀式中は撮影できる雰囲気ではありませんでしたので
撮影はしませんでした。以上で祈年祭の報告は終了です。
しかし、祈年祭はこの2月17日の1日で終わりではありません。2月23日までの1週間で
別宮、摂社、末社合わせて125社で祈年祭のお祭りが執り行われます。

アルバムのページへ