紙谷 芳彦

Yoshihiko Kamitani
□ ノコギリ屋根の家(南大泉F邸) 1998-1999
 この建物の特徴の一つである「ノコギリ屋根」は、雨仕舞の難しさから、住宅ではあまり使われてない。工場のように長いスパンゆえ、上部からしか採光や通風を確保できない場合の苦肉の策である。現在、都市における住宅をめぐる状況もこれに似ている。住宅が密集し、隣家が接近している地域において、プライバシーを保ちながら、有効な採光や通風や自然を確保するためには、上部を解放するしかない。その手法の一つとして、ノコギリ屋根は、都市型住宅のボキャブラリーとなるであろう。
 もう一つの特徴である「デッキテラス(空中庭園)」は駐車スペースの上部を利用し、11畳の広さがある。22畳のLDKと大きな開口部によって繋がり、一体となった利用が可能である。三方壁に囲まれた北側テラスにもかかわらず、ノコギリ屋根越しに南の光が差込む明るいスペースとなった。
所在地  東京都練馬区南大泉二丁目
敷地面積 109.88F(33.23坪)
用途地域 第1種低層住居専用地域
その他  準防火地域 第1種高度地区
     土地区画整備事業を施行すべき区域
建築面積  54.83F(16.59坪)
延床面積 109.66F(33.17坪)
建蔽率   49.90%< 50%
容積率   99.80%<100%
規 模  木造 地上2階建
高 さ  7.98E 
工 期  平成10年8月〜平成11年2月
南側ファサード北側ファサードリビングテラス子供室