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このページでは、単行本化されていない「NewType」連載分について取り上げていきます。
現在は2013年5月号以降の連載分が主な内容です。 下に行くほど新しい記事になります。 |
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■ 2013年5月号 |
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■ 設定変更について (2013年5月号p55〜) 連載再開と同時に、ロボットのデザイン、名称、設定の数々が大きく変更されたことが明かされる。この辺は考察しても仕方がないので基本スルーします。 まあ、再開直前に発売されたトレーサーEx.2や4月号以前のニュータイプを見ていたヒトには何となく予想できた展開ではないかと。ダッカスがカッコよすぎる。 (2013.08.13) ■ 4つに分裂したハスハ連合共和国 (p55〜56) デザインズ3を購入していない場合はかなり混乱してしまうミノグシア連合(旧ハスハ連合共和国)の現在の状況。簡単に整理すると、以下のとおりになる。 枢軸軍による侵攻は抑えつつ旧体制を維持・復権しようとするグループ・・・ミノグシア連合(ハスハント共和国、カッツェー公国、シーゾス王国、ベラ国、ボルサ諸島列島) 枢軸軍による侵攻は抑えつつ旧体制からも離れようとするグループ・・・中部ミノグシア(ナカカラ王国、ナオス国) 枢軸軍による侵攻を受け入れる代わりに独自路線で戦乱を回避するグループ・・・ギーレル王朝 枢軸軍による侵攻がほとんど無いために静観もしくは中立を表明できたグループ・・・バトラント共和国、イェンシング共和国、イースト・ハスハ(もしくはイースト・カステポー) そしてもうひとつ。 枢軸軍による影響は無いが大戦を機に分離・独立したグループ・・・ダンダグラーダ宇宙都市 ギーレル王朝はハスハ連合共和国が成立する以前にハスハント共和国と争っていた過去があるため、魔導大戦を機に連合体制からの分離を狙っているらしい。コミック11巻で描かれていたギーレル国境沿いの戦闘は、もともとギーレル王朝の国土を狙って侵入したジャスタカーク公国に対して、ギーレル王朝のAP騎士団と国家騎士団が迎え撃つ格好となっていた。今月号の状況では、さらに難民救済の目的で介入したクバルカン法国と、詳細不明の同盟軍が加わって乱戦に発展したようだが、バルンガのセリフからこの戦闘は既にギーレル王朝主導の出来レースになっていることが判る。つまり、ギーレル王朝から両国に停戦を呼びかけ、両軍の駐留を認める口実を作るために、あえて戦闘を継続させているということだろう。 p84のパワーバランス表を見ると、ギーレル王朝騎士団(旧パローラ隊)を中心に、クバルカン法国とジャスタカーク連合が同盟を組んだ状態になっており、今月号で描かれた状況よりもわずかに先の状況をまとめた表であることが判る。おそらく、ギーレル王朝はかつて南部にあったジャスタカーク公国ハスハ領を差し出す見返りに、ミノグシア連合からの独立を支援してもらうよう協定を結んだのだろう。一方、クバルカンの目的はまた異なるらしく、彼らの同盟体制がどの方向を向いているのかは現時点では不明である。 (2013.10.21) ■ リードホストでできること (p57〜) シュマイスの通信に対して返答しているウークーツが描かれるが、彼女の話している内容は明らかにGTMの眼や各種センサーで捉えた映像・情報を見た反応である。が、この後のシーンでウークーツはGTMに搭乗していない状態で登場する。つまり、ウークーツはこの時点で既にバーガ・ハリを遠隔操作しており、その情報解析からシュマイスに状況を報告していたことになる。p64以降で見られる光学アンテナを伸ばした状態は、複数のGTMや兵器群を制御下に置いているためで、1騎のみを制御下に置く場合は、アンテナの伸長なしで可能なことが判る。 また、p66ではバギィが透過モードでファティマを探しているのに対し、ウークーツが発見されたことに気付くシーン(劇中で「ん?」というシーン)がある。ファティマの眼には電子銃が装備されている訳ではないため、透視されている相手が見えている訳ではない(彼女の視界には手前の建物しか見えていない)。おそらく、制御下のバーガ・ハリが敵GTMの視線を感知し、ホストAFのウークーツに情報が伝達されたのだろう。 一方、エストが行っているリードホストは、自軍の全GTMのサポートと割り込み制御であり、同じリードホストであっても役割が異なる。 この辺の描かれ方を見るだけでリードホストの万能性・拡張性を窺い知ることができる。 (2013.10.21) ■ バーガ・ハリの防御性能について (p65) バーガ・ハリの背中についているアイドラ・フライヤーが防御時に伸長・展開していることから、おそらくモーフィング装甲を採用していることが窺える。旧設定では、モーフィング装甲を採用していたMHがスピード・ミラージュに限られていたため、この辺も地味に設定変更したことになるだろうか。 また、フライヤーに着弾する前の段階で弾丸(実弾かエネルギー弾かは不明)を弾いていることから、バリアを展開していることも判る。しかし、p68ではホストが外れたことでフライヤーの操作ができなくなり、バリアを簡単に破られて被弾する描写がある。おそらく、アイドラ・フライヤーは通常のバリアに被せてさらに強度の高いバリアを張る機能が搭載されており、操作が外れるとバリアの展開ができなくなるのだろう。 こういった防御力特化の性能が知れ渡っているために、デコースも「防御戦闘に回られたらオレでもつぶせん」と云ったのではないだろうか。 (2013.08.13) ■ 3点バースト (p67) ウークーツがガット・ブロウで射撃するシーン。おそらく左手で弾種と射撃モードの切り替えをしている。通常弾からフラクタル弾に変更しつつ、スナイパーモードで3点バーストを行ったのだろう。バギィがアナクロと云っている点から想像するに、フラクタル弾は対GTM戦で滅多に使わない戦法であることが窺える。眼くらましにはなるが、GTMの動きを止めることはできないからだろう。 (2013.08.14) ■ シュペルター⇒デムザンバラ (p70) バッハトマに鹵獲された剣聖騎デムザンバラ登場。シュペルター・マークとナイトマスターの紋章が確認できるが、ジィッドのセリフから既に装甲を換装していることが判る。シュペルターは比較的人気が高い騎体だけに、今回のデザイン変更がショックな方も多いのでは。エンジン音も微妙にイメージが違いますね。 (2013.10.21) ■ 40年ではない (p71) デコースが黒騎士となったのは星団暦3001年。40年ではなく、30年の間違いである。 (2013.11.07) ■ 設定変更に伴うアレヤコレヤ (p76〜) 正直、名称や設定の変更についてはなんも問題はない。が、微妙に気になった点をメモしておく。考察ではない。 まず、ダッカス(バッシュ)の開発経緯が変更になったことで、ユーレイ(サイレン)、オスカード(グルーン)、ワイマール(ベルリン)、SR2以降のハイレオン(エンゲージ)に連なる流れが大幅に変更されたっぽい。旧設定では、ユーレイM型の開発スタート⇒頓挫⇒ルミラン・クロスビン引取り⇒オスカード完成⇒ダッカス製作⇒ワイマールに反映⇒チーター・フレームのハイレオンSR2製作という流れであった。新設定では、ユーレイK型の開発からスタートしてダッカスが完成したことになっており、オスカードはその同型騎となっている。 ワイマールやハイレオンについては今後の設定公開まで待つしかないだろう。 こうなってくるとハイレオンSR1とモルフォ・ザ・スルタン(AUGE?)の関係も怪しくなってくるなぁ。メロウラ(ネプチューン)とウィリーズ(プロミネンス)も姉弟騎ではなくなったようだし。 MHの構造が内部フレームと装甲で構成されていたのに対し、GTMは骨格と装甲が一体化した構造になっている。いわゆるモノコック構造を突き詰めた状態であり、かつて永野センセーが提案したムーバブル・フレーム(もしくはムーバル・フレーム)とは真逆の構造になっていると云えるだろう。こういった変更を強引にやってしまうところが、というか、やれてしまうところが、永野センセーのスゴイところだと思う。自分自身が築いたものを全否定している訳ですから。 センセーの解説のとおり、S&W社のリボルバーの画像や解説をみるとフレームのイメージが付きやすい。ネット検索で十分な情報が得られるので、気になる方は調べてみては。 ファティマスーツの歴史についてはとくに考察ポイントなし。町とコンコードが同じカイゼリン・スーツを所有する点が気になるが、この辺はすぐに設定公開されるだろう。むしろファティマの万能性が高まってきたことで、今後の戦闘シーンが大きく変わってくることが気がかり。艦隊を含むあらゆる兵器の操作が可能になると、宇宙軍と地上軍の大部分が不必要になってくる可能性もある。高性能ファティマの有無によって戦局が大きく変わる状況下で、騎士・ファティマ以外の軍人がどのような形で絡んでくるのか、今後の描写に期待ですね。 パワーバランス表では、フィルモア帝国の聖騎士とノイエスルチス茶グループ、クバルカン法国のルーン・リッターと薔薇騎士団、いつの間にかウモスに移籍しているファティマ・ヴィルマー、カリギュラと超帝國関連の追加情報が気になるぐらい。名称の変更については辞書ページにそれぞれまとめてあるので参考にされたし。 星団年表に関しては、形成紀に替わってモナーク紀、伝承紀、アズデビュート紀が追加されたほか、時事、年代、名称がかなりアチコチ変わっている。とは云え、あまり気にすることもないか。旧設定においてもアズデビュート・デルタベルン・モンソロン大帝がモナーク・セイクレッドを発見したことになっていたため、アズデビュート紀の前にモナーク紀が入ってくるのはなるほど納得。 ツァラトウストラ・アプターブリンガー・・・名前が非常に云い難い以外はなんも問題なし。こんなにブッ飛んだデザインは永野センセーにしかできないだろう。全体のシルエットがウェディングドレスのように見えますね。カイゼリンはメイド服、マーク2はセーラー服、ダッカスは喪服?だろうか。 (2013.08.14) そういう訳でついに連載が再開されたFSS。毎度更新が遅いサイトですが、こんな感じでつきあっていこうと思います。 |
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■ 2013年6月号 |
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■ 騎士団編成について (2013年6月号p58〜59) 騎士団編成については、センセーが解説しているとおり、とくに気にすることはないと思われる。バクスチュアルの説明、ツラック隊は小規模編成の部隊であるということ、カイゼリン、メロウラ、ウィリーズが同型騎という部分だけ記憶に留めておけばいいだろうか。 むしろミノグシア連合統合議会がスバース市に置かれており、ギラがその議長に就いていること(先月号p55)の方が重要ではないだろうか。コレット王が没した後、テリウス議長が議会を預かっていたはずであるが、その後でギラが国家代表に立ったことになる。おそらく、戦時下で騎士団の統制に重点が置かれたのだろう。 (2013.08.14) ■ニナリスのファティマスーツについて (p60) 先月号のニナリスのスーツはアシリア・セパレート。今月号はアラビク・プレタポルテである。後半に出てくるS型のスーツはサイズが異なるものの、胸元のリボンを除いて凡そデザインが共通していることから、ニナリスのアラビク・スーツはバッハトマ軍が採用している共通のファティマスーツ(=制服)であることが判る。 (2013.08.14) ■ トモエの階級について (p61) ジィッドのセリフからトモエが師団長になっていることが判る。師団長クラスになると歩兵、工兵、砲兵、戦車兵といった各兵科の大隊を従えているはずで、階級は少なくとも大佐もしくは将官クラスになる。マグダルを追っていた際は忍者軍を率いていたはずで、おそらく彼女も魔導大戦の初戦を通して昇進したのだろう。トモエの後ろに控えている軍人の多くも、(騎士や忍者ではない)一般の軍人であるようだ。おそらく各兵科のリーダーだろう。 もっとも、騎士は師団以下のグループの指揮を執ることが普通で、通常はそのレベルの教育を受けて初めて一人前の騎士となる。トモエに限らず、騎士であれば師団長クラスになることも多々あるということは覚えておいた方がいいかも知れない。 (2013.10.21) ■ デコースの謎な反応 (p65) アララギ・ハイトを一瞥した後で、なぜかメンチ切るデコース。大騎士団を率いるリーダーとして威圧してみせただけなのか、ハイトの立ち振る舞いの中で何か気になるモノでもあったのか、現時点では全く以って不明。 (2013.08.14) ■ バランシェ邸の前にスキッパー (p67) ミースの邸宅の前に詩女ベリンが都行で使用したラーン・スキッパーが見える。聖宮ラーンから来客でもあったのか・・・とも思ったが、この後のシーンではとくに触れられない。7月号でこの邸宅は昔のガーランドの邸宅を改造したものであることが明かされる。おそらく、聖宮ラーンとつながりが深いガーランドがこの邸宅を使用しており、何らかの理由があってスキッパーを受け継いだのだろう。 あるいは、この後でこの邸宅に辿り着く誰かのために(例えばマグダルとか)、詩女の指示でスキッパーが渡されたのかも知れない。 (2013.08.14) ■ アララギくんの行き当たりばったりな生き方 (p68) ジィッドの立ち振る舞いにイライラする読者も多いと思われるが、アララギの動き方・生き方も結構無茶すぎる。 戦争が始まった勢いに任せて警察を勝手に退職⇒一旗揚げるつもりがカイエンのニセモノとしてデビュー⇒トモエに情けで拾われる⇒呼ばれてもいないのに騎士団長に謁見⇒騎士団長のパートナーのメンテに付き添い⇒一番気合入れなきゃダメなところでガーランドに一目惚れ・・・お前は一体何がしたいんだと問い詰めたくなる。 とは云え、同じバッハトマで、成り上がろうとする野心をもつアララギとジィッドが出会ったことはなかなか興味深い。エストの付き添いであったとしても、アララギはガット・ブロウと騎士服を得てバランシェ邸に辿り着いた訳だし、少なくともFSSを代表する主要なキャラクターとのつながりが形成されたことになる。 (2013.08.14) ■ 5大AFガーランド (p70) バランシェ邸に集った5大ガーランドとエスト・ビルド姉妹とアウクソー。ミース、コークス、アウクソーはコミック4巻以来の再会か。ミース、ビルド、モラードはコミック9巻以来。 サリタ・アス・ジンクはロッゾ帝国に籍を置いているため、着ている衣装の背中にロッゾ帝国のエンブレムが見える。ただし、彼女は帝国専属という訳ではないようだ。モラードとは旧知の仲。 桜子はスティール・クープに師事していたため、同じくカラミティで活動していたジンクとは知り合いだったのだろう。相変わらずおっさんには中指立ててるし。桜子にとってエストは微妙に恋敵的な立場にある。そのエストがヨーンと放浪していた際に出会ったファティマが静である(コミック10巻)。そう考えると、桜子が静に興味をもつというのもなかなか面白いつながりと云える。 このメンバーそれぞれに、カイエン、ヤーボ、ハレーのエピソードが絡んでいて、カイエンと顔見知りになったレスターのパートナーが、今現在はヨーンのパートナーである。考えてみれば、そのレスターがアウクソーに重症を負わせていなければ、カイエンがツアイハイ地方に逃げ込むことも無かった訳で、したがってカイエンとミースが出会うことも無く、ミースがガーランドになることも無かったことになる。この辺の複雑な関係性はホントにすごい。 さらに云うならば、アウクソーはこの後でデルタベルンというファティマに再構築され、最終的にエストとグラード卿が命懸けで守ったSR4の頭部に収まることになる。この時点でエストとアウクソーが並んでいるということが、既にひとつのドラマになっている点に注目したい。 (2013.08.15) ■ ダーク・ビジター (p72) ついにFSS本編に登場したエルディアイ・ツバンツヒ。彼女が搭乗しているGTMマーク2は、星団暦の初頭に彼女自身が設計・製作した可変GTMである。映画GTMを鑑賞できた方は、劇中の音、スピード感、航行灯の光が思い出せるだろう。天照が星団暦4000年代に開発するヴォルケシェッツェ(新称不明)とデザイン面で共通項が見られるが、新設定において両者の関係がどのようになるかは不明。エルディアイはマーク2をA.K.D.に持ち込むらしいので、これがそのまま改装されたとしても不思議ではない。 システム・カリギュラの本拠地はスタント遊星にあるらしいが、GTMが単独でテレポートしてきたのか、星団のどこかに別の拠点が存在するのか、その辺の背景は一切不明。魔導大戦の序盤でもカリギュラのメンバーが動いている様子が描かれており、ユーゴ・マウザーがこの後で絡んでくることも判っているので、少なくとも数名〜数十名の規模が拠点とする基地もしくは宇宙船があると考えた方がいいだろうか。 それにしても、コミック12巻から今回の連載再開まで、劇中で流れた時間はわずか1ヶ月、現実世界ではナント8年以上も経過しているというのに・・・映画GTMに登場したエルディアイは劇中の時間で2500年以上前に星団を訪問しており、今回の登場まで現実世界ではわずか数ヶ月間しか経過していないというね・・・こういう時間のズレというかブッ飛び具合こそがFSSの醍醐味という感じですな。 (2013.08.15) |
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■ 2013年7月号 |
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■ 湖のオーハイネ (2013年7月号p59) オーハイネの解説で、彼女は破烈の人形、ルッセンフリード、マーク2への搭乗経験があることが明かされる。おそらく、サヤステ家に在籍したいた頃に剣聖ヘリデ・サヤステのパートナーとして法王騎MK3リッター・ジェット(破烈の人形)に搭乗し、ルッセンフリードの設計から試作騎もしくは制式騎に至るファティマ・コントロールの調整に参加。その手腕を見込まれて、エルディアイから譲渡要求があり、彼女のパートナーになった感じだろうか。 マーク2が製作された当初はシン・ファイアを搭載していたことから、おそらくエルディアイ自らの手でファティマ搭載型に換装したのだろう。また、彼女のアシリア・スーツはデカダン・スーツ(アラビク・スーツ)のドレスラインを取り入れているらしい。つまり、アラビク・プレタポルテが導入された2800年代以降に、エルディアイが星団を訪問した可能性が示唆される。もっとも、システム・カリギュラは思った以上に頻繁に星団に干渉しているらしいので、星団内の最新技術がすぐにカリギュラ内で共有できたとしても不思議ではないか。 (2013.08.15) ■ ミース邸の夕食について (p60) ミース邸の夕食に出たジビエは鹿肉と山うずら。鹿は北方・南方のそれぞれで食されるが、ジビエに用いられるヤマウズラは主にヨーロッパ周辺に生息するヨーロッパヤマウズラになる。また、インカのめざめは北海道でつくられたバレイショの品種であり、夕食のメニューがやや北方系で占められている。一方、ファティマたちの賄にあるウコン茶やケットウ茶(ゲットウ茶の間違い)は南方系のお茶。食後のお茶に出されたデザートの多くは有名どころのお店で購入したものだろう。 ガーランドの衣食住は戦乱に影響されにくいことは予想できるが、ここまで贅沢できるのも聖宮ラーンの近郊に位置しているためだろうか。和洋折衷なメニューなところが実に日本的です。 各料理、食材、スィーツブランドの詳細は単語辞書にまとめたので参考にされたし。東京在住の方はがんばれば再現できます。 (2013.08.15) ■ ファティマが大挙して押し寄せてきた (p60) 誤植が多いので混乱してしまうが、コークス製作のファティマがゼーリス、ジンク製作のファティマがシュミレ、桜子製作のファティマが白桃(パイタオ)、ミース製作のファティマがアルファということでいいだろう。ソナー(もしくはソーナー)はバランシェの22番目の作品。現在はミース預かりでマスターは無し。それ以前の経歴や戦績は不明である。 (2013.08.15) ■ アウクソーの状態について (p62〜) 今回はアウクソーの状況について詳細が明かされた。曰く、マスター認識が解除できず(既に死亡したカイエンをマスターとして認識したまま)、GTM感応機能が消失しており、ガーランドによる操作も不可能という状態である。エルディアイの所見では、ある種の生存本能を発揮したことで外部からの干渉を全てキャンセルしているということらしい。 うーん・・・要するに、剣聖カイエンおよびデムザンバラの記憶を消されないようにしていることになるだろうか。フォーカスライトが純血の騎士を求めることと何らかの関係があるのかも知れない。 バランシェが勘当した理由は不明であるが、アウクソーに教育を施すこと自体が無駄と思わせる現象・事象が確認できたのかも知れない。あるいは、既にファティマの範疇から外れた存在になっているとか。 問題は、アウクソーの素性について5大ガーランドがどこまで知り得ているか、ということ。 今回の会話から察するに、フォーカスライトの情報を保持していることは判っているようだが、歴代の詩女がマグダルに語った事実、すなわち、セントリーと同じ組成をもつファティマであり、細胞の一片からでも記憶と能力の再生が可能ということを知っているか否かは不明である。ではなぜ詩女がそのことを知り得ているのかと云えば、バランシェがジキジディーに情報を与えた可能性がある(バランシェはカイエンの成長を促すためにジキジディーに接触したという設定があるため)。 劇中のキャラクターが知り得ている情報と読者が知り得ている情報に格差があるため、この辺はなんとも判断が難しい。・・・と云うか、セントリーと同じ組成をもつという設定がイキかボツかも不明ですな。 今回の考察はこれだけ。p72のミースの表情がいい味でてますね。娘の恋心に気付かない野暮なオッサンを見る眼になっとる。 (2013.08.15) |
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■ 2013年8月号 |
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■ アシリア・セパレートは備品扱い (2013年8月号p59) アシリア・セパレートはファティマが個人で所有するものではなく、国家や騎士団が所有して各ファティマに与えている物品になるらしい。つまり、オートクチュールのアシリア・スーツというモノは基本的に無く、各国家・騎士団でデザインが共通しているということ。なるほど、連載再開後のページを見直してみたら、ミノグシア連合のファティマのアシリア・スーツは全て共通している。エストのスーツは流石に個人管理のスーツということになるだろうか。 カイゼリン・スーツについては、カイゼリンに搭乗するファティマに引き継がれる可能性があるが、シアン夫人が製作したのであれば、コンコードと町はおそらく最初の所持者ということになるだろう。 コンコードの2989年時のアシリア・スーツが描かれたということは、コミック3巻のシーンもアシリア・スーツを着用していたことに置き換わっているのかも知れない。・・・と思ったら、9月号でちゃんと2989年当時のエピソードが描かれた。こうなってくると、デカダン・スーツがどの時期に流行っていたのか、よく判らなくなってくる。 (2013.08.16) ■ 荷物の多いモラード博士 (p60) モラード博士の荷物が多いのは、おそらくタワーの育成に必要な機材を持ってきているため。タワーは謎の生命体ショウメを吸収して完成することが判明しており、カイゼリンの専任ファティマとして作られることを考えると、ミノグシア国内もしくは聖宮ラーンで育成されることが予想できる。 (2013.08.16) ■ ワンダン・ハレーが有名人になっている (p64) ハレーの名を聞いただけでスタック・コードの察しがついているコークス博士。インタシティの事件の詳細や関係者が少なくともガーランドの間で有名になっていることが判る。その一方で、当事者としてその場にいたはずのモラードは一切気付いていないというね・・・このヒトは相変わらず呑気というかネジが一本抜けているというか。その割にはエルディアイの恋心を見抜いたようだし。 コークスは携帯端末でハレーの素性を調べていたようなので、おそらく星団騎士名簿で出身国の情報を得たのだろう。ミラージュ騎士の左翼などはこういった検索では死亡扱いになっていると思われる。 (2013.08.16) ■ システム・カリギュラの限界 (p67) モラードとエルディアイの会話からシステム・カリギュラの限界が窺える。あらゆる情報網を駆使したとしても、詩女に直接会うことはできないし、預言の概要を掴んだとしてもその詳細は掴めない。また、天照に縁のある人物に接触することはできず、天照そのものと戦うこともできない。完全な神である天照は別として、炎の女皇帝が残した「詩女」のシステムも、カリギュラの手で解析・再現することはできないということ・・・同じ超帝國時代の遺物でありながら、システム・カリギュラと女皇帝の間には技術的格差が存在するようだ。 天照に近付こうとして消された、と云えば、かつてのボスヤスフォートと同じ行動パターンである。ボスやんについては超帝國が残した純血のダイバー(現在の設定ではバイター)という設定もあり、システム・カリギュラと出自が近い状態にあると云えるだろう。そのボスやんが直接手を下したのが詩女本人であったことを考えると、ボスやん思考・行動パターンはほとんどシステム・カリギュラと同一と云ってしまってもいいかも知れない。 それにしても・・・星団暦451年の詩女暗殺計画が完遂されていたならば、この時代において「ショウメ」の情報がエルディアイあるいはシステム・カリギュラに伝わることも無かったのではないだろうか。暗殺計画の失敗を見届け、何の手出しもしなかったエルディアイに、預言を受けたモラード本人の口から有力な情報が伝わることになるとは・・・人間万事塞翁が馬と云うべきか。もっとも、詩女の記憶の継承は血筋に拠らないため、もし暗殺が成功していたとしても、ベリンに替わる新たな詩女が誕生していたのかも知れないが。 (2013.10.13 追記) ■ 56億7千万年後に出現する地獄 (p70〜) モラードが伝える遥か未来のお話。炎の女皇帝が辿り着いた場所は、光のタイ・フォンがモナーク・セイクレッドを読み解いていた場所すなわちクラウン銀河の中心部スターバーストであった。 まず、この時代の炎の女皇帝はカイゼリン・クオーツ(精神体の無機体)として存在しているらしい。p71の描写からGTMカイゼリンの頭部前面にある結晶体がカイゼリン・クオーツであることが読み取れる。が、果たして星団を離れた後のナインがカイゼリンの頭部に収まる状況が発生するのか否か、あるいは最初から収まっていたのか否か・・・この辺はまったく予想が付かない。カイゼリンかどうかもかなり怪しい。また、このような姿になったナインに対してファティマがパートナーとして付くことができるのか、あるいは付くことに意味があるのか否かも不明である。56億7千万年後の世界でGTMの需要があるかどうかも判らない。とにかく不明なことだらけ。 連載再開時の情報では、ナインがタイ・フォンを得た後で製作するGTMの名前がウーシング・ウーユーとされていた。つまり、タイ・フォンはこの時点でまだ存在していないはずのGTMの名前を口にしたことになる。とりあえず、ウーシング・ウーユーが今後のエピソードで登場するのであれば、それはすなわち56億7千万年後の未来から来たモノということになるだろう。 タイ・フォンのセリフ「ジョーカー星団の人類はモナーク紀より以前に」の後に続く言葉は、おそらく「遺伝情報を書き換えられています」といった感じの言葉になるはず。 デザインズ1に掲載されていた情報に拠ると、ジョーカー星団に生息する全ての生物の生体コードには、「モナーク・セイクレッドののぞみ」という言葉が記されているらしい。この事実に気付いた炎の女皇帝はネッド・スバースの遺伝情報にメッセージを残し、後世においてこのメッセージを受け取ったアルセニック・バランスが「光のタイ・フォン」を製作。モナーク・セイクレッドの探索という重大な使命を負わせたことになっている。つまり、ジョーカー星団に存在する人類は既にヒト本来の姿とは異なる生命体になっており、ナインはその事実を予測した上で星団を発ち、同時に後世のヒトがその事実を追えるよう機会を残していったことになる。結果、後発したタイ・フォンがナインよりも先にモナーク・セイクレッドに辿り着いてしまったのだろう。 ナインはジョーカー星団の人類が既に本来の姿では無くなっていることを知りつつも、騎士と魔導師の血を作って世に広めた・・・すなわち、ヒトの遺伝情報にさらなる変更を加えた。モナーク・セイクレッドを読み解いたタイ・フォンは、そういった変更が繰り返されたことで「人が望んだ人の姿」から離れてしまったという事実を、あるいは警告を、ナインに突きつけた格好になる。目の前にある小さな光を「人ではない」と云うならば、カイゼリン・クオーツに姿を替えたナインもまた「人ではない」と云えるのではないか。 一方、騎士の血が次第に薄まるように設定されていたことを考えると、ナイン自身もヒトの遺伝子操作に対して何らかの抵抗あるいは危機感を抱いていた可能性もある。その辺の葛藤、あるいは遺伝子操作の謗りを免れない自分自身というものを理解しているからこそ、「言うな」、「言わずとも良いっ」というセリフが飛び出したのだろう。 モラードが詩女から預言を受けたのは星団暦2989年。ということでコミック3巻をチェックすると・・・いろいろと見えてくる。 おそらく、コーラス・ハグーダ戦でラキシスと出会ったモラードは、戦後に詩女ムグミカの下を訪問したのだろう。時を同じくしてムグミカが56億7千万年後の世界を幻視し、モラードにショウメのことを示唆すると共に、タワーの製作を依頼したのではないだろうか。 んで、コミック3巻p175でムグミカがヤーボに伝えていた「五つの星の物語」は、その直前にムグミカ自身が幻視した内容でもあったと。このページに描かれている女神はタイ・フォンで、ムグミカが語った「はるか彼方の星団史で偉大なる女王が」のくだりが今回のシーンになる。なぜ、ムグミカは幻視した内容をヤーボに伝えたのだろうか、という疑問が残るが・・・おそらく彼女はヤーボとカイエンが出会うことを予見してカステポーに遣わしたはず。よって、この物語をあえて語ったのは、生まれてくる詩女マグダルと皇子デプレ(=カイゼリンの搭乗者)に贈る祝福であったと考えればいいだろうか。 (2013.08.16) |
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■ 2013年9月号 |
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■ ショウメ・タワーについて (2013年9月号p59) ショウメ・タワーの詳細が明かされる。ま、とりあえず書いてあるとおりの内容だと思うのでとくに考察なし。 赤い服、変身、必殺技って・・・どこぞの戦隊モノのリーダーですか?という感じである。 カイゼリン・スーツと同様の機能を備えたスーツであるなら、デザイン画とは別にワイドレンジ・ヘッド・キャパシタが付くはず。いわゆる軽装アシリアのデザインですね。彼女はミラージュ騎士でもあるので、真紅のガット・ブロウを所持することになる。炎色のスーツに「血の十字架」を携えた姿・・・これはかなりカッコイイんじゃないかと。 (2013.08.17) ■ ヤーボとヘアードの会話 (p61〜) 星団暦2989年の時点でのヤーボとヘアードの会話。このシーンで重要なのは、ムグミカがヤーボに預言を与えたという事実を、ヘアードが知り得ていたということ。つまり、ヘアードから見れば、この数年後にヤーボが身篭って帰還したことこそが「預言の成就」であり、生まれてきたマグダルとデプレは「預言の子」ということになる。コミック12巻ではマグダルを抱えたヘアードの逃避行が描かれたが、彼女があれだけ必死になる理由・背景が、今回のエピソードで描かれたことになる。なんつーかパズルみたいな構成ですね。毎度のことながら。 (2013.08.17) ■ ムグミカさんパネェ! (p64〜) 何でも知っているムグミカさん。ハンパねぇ。彼女のセリフを整理すると・・・。 56億7千万年後の世界から来たラキシスの問い掛けは「ヒトの姿を捨てた人間は果たして人間と呼べるか?」というモノ。これに対する答えは「ヒトの記憶を受け継いでいるなら、それは人間と呼べる」というのが正解。ただし、この答えはあくまでモナーク紀の人間が導いたものであって、既に作り変えられた自分たちの意思で、この答えとは異なる答えを導いてもいいのでは・・・ヒトの記憶を受け継ぐモノは、やはりヒトの姿をもつ人間であって欲しい。例えそれがエゴであったとしても、それが人間の「希望」であり、「願い」である・・・というのがムグミカの考え方であるようだ。 つまり、ムグミカがモラードに依頼したのは、「遥かなる未来において、ヒトの姿をした人間にヒトの記憶を継承するため、それを成し遂げるモノを生み出して欲しい」というものだったのだろう。だからこそ、新たに生み出されるファティマの名前はタワー(塔)なのか、と合点がいきます。塔とは、積み上げるモノ、監視するモノ、未来まで残すモノ、伝達するモノ、である。この全ての要素を備えた存在が、人類にとっての塔=ファティマ・タワーということ。すげぇ。 ここで先月号を読み返してみると、システム・カリギュラの考え方・捉え方がかなり間違っていることが判る。天照の帝という「不可解の象徴」に挑むため、詩女ムグミカはモラードにタワーの製作を依頼したのではないか。そのための重要な要素が「ショウメ」であるというならば、それを奪ってしまえばいいのではないか。その入手こそが天照と戦うための糸口になるのではないか。・・・というのが、システム・カリギュラの考え。理解できない存在は戦って無くしてしまえばいい、という考え方である。 ムグミカが依頼したのは、あくまでも「ヒトの記憶の継承」を託せるモノを生み出して欲しいというもので、ショウメは無限の生命力を得るための拠所である。戦うための武器や糸口ではない。 一方、エルディアイは天照に対抗しようとしているのではなく、乙女の恋心でもって天照に近付こうとしている。であれば、ショウメの正体を明かしてしまった方が後々うまくいくんじゃないの、という判断をしたからこそ、モラードは全てを打ち明けたのだろう。 ちなみに、ムグミカは天照に対して戦いを挑む姿勢を見せている訳ではないが、いずれ来る対峙のための準備は進めていたようだ。「血の召還」を成し遂げたことでナインに天照とラキシスの存在を知らせ、同時に十曜の守護者たるマキシを呼び出している。彼女なりに人類の進むべき道を、あるいは、神々との共存の道を模索していたのではないだろうか。 それにしても、ムグミカがやろうとしていることは「未来の改変」である。幻視した未来、ヒトがヒトで無くなる地獄を回避するための方策・・・ファティマ・タワーを生み出すことでその「希望」と「願い」を果たしたい。ここでFSSの読者の多くはこう思うのではないだろうか・・・ジョーカー星団の未来は変わらないはず。全て星団年表に書かれているとおり。ヒトはいずれナインが見たモノへと姿を変える、と。 桜牧師は少なくともそう考えていたのですが、今回のエピソードと5月号の星団年表を見ていたら、実は歴史自体が揺らいでいるのかな、とも思えてきました。星団年表が変わっているのは設定の変更ではなく、ホントに変わっているんじゃないかと。いわゆる世界線が変わって、未来と過去が再構築されているのではないかと。まあ、ただの妄想ですが。 例えばコミック1〜7巻に掲載されていた年表では3010年の魔導大戦や4100年のデルタ・ベルン消滅が記載されていないのに、8巻の年表ではこれが掲載されている。8巻でボスヤスフォートの復活を許したことで魔導大戦というイベントが歴史上に新たに「出現」した。あるいは、アトロポスがすえぞうに「私を殺して」とお願いしたから、デルタ・ベルン消滅というイベントが新たに「出現」した。・・・と考えてみても面白い。 5月号に掲載された星団年表では、タワーがフォーチュンに辿り着くことが明記されており、おそらくムグミカの悲願が達成されたことが読み取れる。んが、このイベントも以前の年表には見られなかったもので、何らかの要素が絡み合って新たに「出現」した可能性がある。 そもそも、セントリーの転生には順番があり、本来はライブ(すえぞう)が完全に進化を遂げてから、他のセントリーが転生に入ることになっていたはず。この場合、ショウメが出現するためにはライブが完全な成長を果たす必要があり、それを待っていてはモラードが老衰で死亡したことになっただろう。んが、デザインズほかの情報を読み解く限り、魔導大戦中のある出来事によって他のセントリーが転生を開始してしまうらしい。この結果、ブリッツの新幼生たるショウメが出現することになるのだから、神憑り的な偶然の連鎖によってショウメ・タワーが完成することになるのは間違いない。ファティマ・タワーが生まれてミラージュ騎士になる歴史は以前から見られたものだが、魔導大戦中はカレンも出現するようだし、そういったナンヤカンヤの影響でタワーが想定外のスペックをもつに至り、ムグミカの悲願が達成されることになるのかも知れない。というか、その影響でジョーカー星団の歴史そのものが旧設定から新設定に置き換わってしまったのかも知れない。 そういえば、初期設定のモラードはバランシェと同じ延命処理を行って長生きすることになっていたはず。これも新幼生を出現を待った結果だったのかも。 他にも、天照が星団暦7281年に出会うモニュメントって、炎の女皇帝が見たヤツじゃねぇの?とか、ログナーの出現が2443年から2020年(=天照が誕生した年)に変わっとる?とかいろいろありますが、この辺で止めときます。 (2013.08.18) ■ ところ変わってムンスター (p68〜) 天照からヨーンの情報をもらってムンスターに辿り着いたちゃあ。まさかその数日前(数週間前?)に実の姉が拉致監禁したとは思いも拠るまい。ユキノジョウはコミック12巻でヘアード、マグダル、ランドを見送ったはずで、この時点でミノグシア北部にかなりの主要キャラクターが揃ったことになる。8月号のp64にある地図に注意。ムンスターはベラ国の国境付近にある自由都市である。んで、この後で大おじ様こと天照本人がここにやって来ることになると。 ちゃあとユキノジョウが会話しているシーンをよく見ると・・・この後で絡んでくる2名の騎士の姿が確認できる。 (2013.08.18) ■ ルーン騎士団の介入 (p71〜) ちゃあに絡んできた騎士の会話から、彼らがルーン騎士団の所属であることが判る。ギーレル王朝に駐屯しているはずの彼らが、わざわざミノグシア北部まで足の伸ばしてきた理由は不明。ナカカラの情勢を探りにきたのであれば、フィルモア帝国の動きに注視しているという可能性もあるが・・・。ちゃあ・鼎に絡んできた理由は、この後の10月号で語られる。ジークの最後のセリフから、この女性はMK4マッハ・シャルトマに関係する人物であることが判る。つまり、ルーンリッターのイゾルデ・サヤステである。(マッハ・シャルトマが装備している剣と同じ形状の剣であることに気付いたのか、マッハ・シャルトマに搭乗する騎士の剣であることを知っているのか、この辺はイマイチ不明)。偵察にしてはメンバーがすご過ぎる。つまり、単なる偵察ではないということだろう。 (2013.09.16 追記) |
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■ 2013年10月号 |
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■ ガット・ブロウの解説 (2013年10月号p59) ガット・ブロウの解説の内容からとくに考察することはないが、ガーランドやスライダーもヴィーニッヒを持っているとのことで、FSSの世界からスパッドが完全に無くなったことが判る。懐園剣の雌剣もスパッドでは無くなっており、ダグラス・カイエンのデザイン画でガット・ブロウが描かれていたと思う。雄剣の新デザインはまだ出ていないはず。これもそのうち出るだろう。 (2013.10.22) ■ メヨーヨとクバルカンが絡む理由 (p64) クラーケンベールの言葉をそのまま受け取るなら、メヨーヨは現在、実戦を行うためにルーン騎士数名を迎えていることになる。とは云え、戦時中にわざわざ他国の筆頭騎士を招待して戦闘するというのもおかしな話だし、招待した騎士を使ってちゃあ・鼎の捜索に当たらせるというのも妙な話である。フィルモア帝国とぶつかったメヨーヨはハスハ王宮の陥落を受けて国境付近に移動(おそらく王都ナカカラから距離を置いて北側に移動)していたはず。一方、ルーン騎士団はギーレル王朝に駐屯しているはずで、そこからムンスターまで筆頭騎士を派遣するとなると・・・偵察もしくは協定締結が本来の目的であった可能性が高い。 おそらく、ギーレルに駐屯した本隊の戦闘を避けるため、北部国境付近に陣を構えたメヨーヨに対して協定締結を打診。メヨーヨ側は締結を飲む代わりに情報提供(この後で戦闘が発生しそうな北部への偵察)を求め、その際にGTMホウライを敗退させた騎士の捜索を依頼したのだろう。クラーケンベールがこの場にいたのは本当にたまたまで、捜索対象の騎士がすぐ近くで見つかったのであれば直接会いに行く、というやりとりをしていたものと考えられる(先月号のp73)。クラーケンベールの服装が極端に砕けている点から察するに、彼自身はただ単にミノグシアの玄関口として知られるムンスターでブラブラしたかったのではないだろうか。 (2013.10.22) ■ ジークの正体について (p67) ジークの正体が完全に判明した訳ではないが、クラーケンベールが語った話とこれまでに明かされている設定からある程度の予想が立てられる。 カイエンとの絡みで右肩に大きな傷を負った人物と云えばダイ・グである(コミック10巻p154)。ダイ・グが幼少時に過ごしていた場所はバキン・ラカンのエラルド島。一方、ジークはカイエンに認められてミマス聖帝から天位を得ているという設定がある。ダイ・グの肩にある傷は切り傷には見えないが、その辺を気にしなければこの2人の幼少時のエピソードということになるだろう。ダイ・グとジークが顔見知りであれば、ジークはフィルモア帝国の王家に近い人物ということになる。 あと、これはわざとセンセーが描いていると思われるが、緊張した時に眼が痙攣するクセはトリハロン(=フィルモア1世)と一緒である。ジークがトリハロンの直系に位置するとは思えないが、こういった符合を意味無く描く理由もないだろう。 つけたし情報として・・・ ・フィルモア帝国は「蒼い血」帝国とも呼ばれる。 ・ジークが所有するGTMは蒼い騎体で「皇帝」と呼ばれる。 ・ジークだけが引き継いでいる古い名があるらしい。 ということで、ジークはフィルモア帝国の王族・貴族の中でもかなり古くからある王家の血筋であることが予想される。個人的には「美しく青きドナウ」からドナウ帝国との関連性を想像してしまうが、ドナウ帝国は別に蒼い紋章や旗印を持っている訳でもないので、無関係と考えた方がいいだろう。 と云うか、カイエンはどんだけ子供に手を出してんだよっつー話です。 (2013.10.22) ■ フリーズ合流 (p73) かなり厄介なジークママの考察は後回しにして、とりあえずシトロン・メナーが合流。ミラージュ騎士団左翼のNo.16。パートナーはオーバーハイム。ログナーの代わりに来たようだが、マグナパレスを持ち歩いているちゃあの支援に来たのであれば、フリーズもGTMを持ってきている可能性がある。今後の活躍に期待。 ところで、フリーズが登場したことでジークママが騎士だということが判明する。フリーズの履いている靴はパンプスである。したがって、先月号のp73に描かれている足はフリーズの足ではない。よく見たらジークママの足である(眼を凝らして見たらジミーチューと書いてあった)。ちゃあとジークの危機に対して2人の騎士が動いていた訳ですね。これ全然気付かなかった。 (2013.10.22) ■ んで、ジークママ (p70〜) リブートおよびトレーサーEx.2に掲載されていた情報を読んだヒトであれば、ジークママが口にした「サクリファイス」という単語で、彼女の正体についていくつかの候補が挙げられると思う。 @同じくサクリファイスと呼ばれている皇女・茄里と聖騎士ニーゼルが同一人物で、且つ、ジークママも同一人物 (茄里=ニーゼル=ジークママ) A茄里とニーゼルは別の人物で、ジークママはそのいずれかと同一人物 (茄里≠ニーゼル and 茄里=ジークママ or ニーゼル=ジークママ) B茄里、ニーゼル、ジークママはそれぞれ全く異なる人物 (茄里≠ニーゼル≠ジークママ) この場合でも、ジークママはフィルモア帝国の王族・貴族のひとり んで、11月号を見ると、茄里はサクリファイス(帝国聖騎士)に守られる人物であって、サクリファイスでは無いことが判る。おそらく、茄里をサクリファイスとしていた設定自体がボツになった可能性が高い。また、茄里はまだ若いという設定であるため、茄里=ジークママという可能性はほぼ無くなる。よって、残る選択肢はニーゼル=ジークママもしくは全く異なる第三者という2択になる。 前述のとおり、ジークママが騎士であることは判明したので、最も濃い線はニーゼル=ジークママということになるだろう。んが、公開されているニーゼルのデザイン画はかなり目つきの鋭いオッカナイおばさんなので、果たして髪を盛って眼を大きくするだけでここまで変身できるかは不明。とは云え、ジークも全然判らなかったと云っているので、ホントに変身したのかも知れん。気になるのが・・・サクリファイスという称号・役目を考えるに「あなただけのサクリファイス」という言葉が口から出るだろうか、という点。サクリファイスは「帝国に捧げられた供物」であって、口が裂けても「ただひとりに捧げられた」とは云えないんじゃないかと。となると、ジークママは「サクリファイス」を知る人物・・・おそらくは「サクリファイスという言葉が日常的に交わされていた家」の人物である予想ができる。 一方、11月号のトライトンのセリフから、皇女・茄里はバルバロッサ王家に囲われており、聖騎士とは現在引き離されていることが判る。こうなってくると、聖騎士ニーゼルはバルバロッサ王家とも離れた位置にいる出自不明の騎士となってしまい、ジークママと同一の人物であったとしても辻褄が合うし、2人が身近な縁者であったとしてもそれはそれで説明ができてしまう。うーん、困ったな。 まあ、少なくともジークに過度な教育を施した人物であり、そのことでジークが出奔したために後悔しているらしいことが読み取れる。彼女がニーゼルであるならば、デザイン画から受けたイメージとはまた異なる「母親」としての要素っが強いキャラクターということになるだろう。 つーことでプロムナードが終了のようです。 (2013.10.23) |
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■ 2013年11月号 |
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■ 聖宮ラーン訪問 (2013年11月号p59) 駐屯地から離れて聖宮ラーンを訪問するダイ・グとクリス。ダイ・グが話している初代皇帝のエピソードは映画GTMの劇中終盤で描かれたエピソードである。 詩女ベリンが渡した衣がフィルモア総本家筋の皇帝に引き継がれてきてダイ・グで5人目になるとのこと。つまり、フィルモア1世、2世、3世、4世、5世ということだろう。となると、映画の終盤に描かれた黒髪の皇帝もフィルモア総本家筋の皇帝ということになる。んが、黒髪の皇帝はファティマ・エストを連れていたことから、おそらくはレーダー9世ということになるはず。ということで、レーダー9世はレーダー王家とフィルモア王家の双方の血筋を引き継ぐ人物であるという予想がつく。 ダイ・グは幼い頃から皇帝としてこの旧街道を歩くことを夢見ていたらしい。つまり、幼少時から既に皇帝になることが決められていたということ。この点からも、他星への大移民を目的として、バキン・ラカンおよび聖宮ラーンとのつながりが深いダイ・グが政治的な判断で皇帝に選出されたことが判る。この地に剣を向けないという決意をクリスに語ったということは、剣を向けることを命じられる可能性を考えているということ。今月号で描かれた元老院とアドー・バルバロッサの来訪が、その辺を匂わせているような感じですね。 ところで、コミック12巻の剣聖慧茄のセリフ「あなたたち2人の花壇に絶対 花が咲くことはありません」というセリフを思い出すと、今回のシーンは実に意味深である。映画GTMで描かれたエピソードや、9月号で描かれたヤーボとヘアードの会話などから、「花」と「花壇」に込められている意味合いがものすごく重くなってきていることに気付く。 ダイ・グとクリスの間には「花」が咲かない。・・・単純に恋が実らないという見方もできるし、平和への道程が見えなくなる・さらなる流血や政治的混乱につながる、という意味が込められていてもおかしくはない。そこへきて、今回の2人で歩くシーンである。ダイ・グとクリスが歩いているシーンでは、他のキャラクターが割り込んでいない点に注意。花壇は無くとも、2人の周りには花がある。この花を前にダイ・グが決意を語ったことは覚えておきたい。 (2013.10.24) ■ サイレン⇒ユーレイ (p64) 重装甲型のサイレンが細マッチョなユーレイに。両肘のガードスパイクは格闘戦の際に外れて回りに浮遊するのではないだろうか。そのまま付いていたら流石に少し邪魔そう。 放熱ウィングが非常に巨大なことから、大出力を誇るGTMであることが予想される。バーガ・ハリはこの余剰エネルギーを可動式のアイドラ・フライヤーに回しており、防御力の向上に役立てている。おそらく、背中のパーツが巨大なタイプはライオン型と考えてもいいかも知れない。逆に、背中のパーツがあまり巨大ではないライオン型は、エネルギーを効率的に使用する騎体に仕上がっているものと思われる。カイゼリンなどはその最たるものだろう。 (2013.10.25) ■ バルバロッサ騎士とバルバロッサ王家 (p67) バルバロッサ騎士団の服装は星団暦の初頭にトリハロンの副官を務めたボットバルトの制服の意匠を引き継いでいるようだ。バルバロッサ騎士団はバルバロッサ王家直属の騎士団で元老院の警護役を務める。リブート7巻に掲載された情報によると、騎士団長はギャリー・アドモン。同様に、2大王家にはそれぞれ直属の騎士団があり、ブラウ・フィルモア王家直属がブラウ王家親衛騎士団。騎士団長はアン・マーカス。おそらく、ボルガ・レーダー王家直属がレーダー王家近衛騎士団。騎士団長はバルファ・レストである。 アドー・バルバロッサの肩書きが元老議長代理になっている。ということは、おそらくバシル・バルバロッサが議長ということだろう。ティルバー女王が元老院議長という設定はボツになったようだ。 トライトンのセリフからフィルモア帝国が抱えている厄介な裏事情が語られる。フィルモア帝国は帝位継承(皇位継承)に係わる諸問題を無くすため、統合帝国の初代皇帝フィルモア1世の時代から血縁による継承を無くすシステムを作り上げた。が、継承権の優劣はやはり血縁に縛られており、正王家の直系に近ければ近いほど、継承上位に位置付けられるようだ。皇女・茄里は正王家筆頭の継承1位。正王家ということはブラウ・フィルモア王家の出自ということになるだろう。それを政略のコマとして預かることで、各王家への支配力を強めているのがバルバロッサ王家ということになる。要するに、フィルモア1世が残した遺志を蔑ろにしようとしているのがバルバロッサ王家である。 問題は、この元老院議会が何のために開催されているかということ。まあ、来月号以降で描かれることになるだろう。システム・カリギュラの動向とかナイアスの派遣とか、元老院がどのレベルまで抑えているのか、気になりますね。 後は・・・誤植なのか設定変更なのか、よくわからん部分がアチコチありますね。 ボルガ・フィルモア王家はおそらくボルガ・レーダー王家の間違い。 初代皇帝の直系王家はボルガ・フィルモア王家ではなく、ブラウ・フィルモア王家のはず。大帝国ダス・ラントもしくは太陽王国の初代皇帝の直系という意味であればボルガ・レーダー王家になるかも知れないが。 皇女茄里がサクリファイスという設定はボツになり、彼女の警護騎士がサクリファイス=聖騎士ニーゼルということで確定だろう。が、ニーゼルと茄里も引き離されているらしい。 この辺の設定はデザインズ4で補完されるだろう。 (2013.10.25) ■ その他の変更点 聖宮ラーンの解説の内容から、グリント・ツヴィンゲンがブリッツェン・バイターに変更されたっぽい。 典星舎も学校名ではなくて天照配下のバイター・ギルドとなっている。この辺、単行本化される際に情報が整理されるといいですね。 ラーンに入った後のシーンについてはよく判らないので、来月号を待ちましょう。 (2013.10.26) |
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■ 2013年12月号 |
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■ ぼよよん (2013年12月号p66〜) あのですね・・・子供を産んで母乳で育てたお母さんの胸はあんまり「ぼよよん」になりません。どんどん萎みます。フンフトさんは桜子を母乳で育てていないのか。 というツッコミは置いておいて。 今月号の内容から、フィルモア帝国元老院の企み、ブーレイ傭兵騎士団を派遣した本当の目的、ラーン王宮支隊が殺気立っていた理由など、この辺全てが明らかになる。 神官たちが妙にニコニコしていたのは・・・詩女に返り咲いたフンフトを快く思っておらず、厄介払いしたい一派が出張っていたのだろう。 一方、剣聖慧茄も元老院の意向を知り得ているはずであるが、彼女は詩女に全てを任せておけば問題無しと考えているようだ。 慧茄は詩女ボルサの伯母として聖宮ラーンに仕えていたことがあり、フィルモア4世(フルダ・ダイ・グ・フィルモア4世)の妻でもあった。歴代のフィルモア皇帝は炎の女皇帝から何らかの指示を受けていたらしいので、4世も詩女の預言を得ていた可能性が高い。つまり、慧茄は詩女の預言が「本物」であることを知っており、これに懐疑的な元老院の面々とはスタンスが完全に異なる。詩女の能力を知っているからこそ、余裕の笑みを浮かべていることができるのではないだろうか。 ダイ・グは聖宮ラーンに入る以前に詩女フンフトを后に娶る算段を吹き込まれていたものと考えられる。コミック12巻ではティルバー女王に「お后は我々元老院にお任せください」と云われていたので、おそらく1ヶ月の間にその辺の指示だしが行われていたのだろう。慧茄と仲の良いダイ・グであれば、どのような嘘であれ詩女に見抜かれることは重々承知しているはず。その上でほとんど茶番に近いプロポーズを演じさせられているのだから、極度に緊張していたとしても不思議ではない。全てを見透かされることを判っていながら会話するには、ダイ・グは若過ぎる(今月号の扉絵の解説では21歳ぐらいとのこと)。 p76では、全ての思惑を知り抜いた上でフンフトが「乗っかっている」ことが判る会話をしているので、ダイ・グは本心から「お笑いください」と云っているようだ。んが、フンフトが「乗っかっている」のか、「乗っかってみせている」のかは、イマイチ不明。詩女が子を生すこと自体が本来は禁忌のはず・・・フィルモアはその枷をかなり軽く考えているようだが、これまでの経緯を考えればフンフトが嫁入りすることはほとんど無理だろう。 ダイグの眼が緊張で痙攣するクセはジークと同じで、トリハロンとの共通項となる。眼瞼痙攣の原因には様々なものがあるが、そのひとつに遺伝子異常があるらしい。トリハロンとフィルモア王家は直系の関係では無いが、ジークとダイ・グに見られる共通のクセはアルカナス帝家から続く遺伝子疾患の可能性もある。 (2013.11.24) ■ ジークママの正体 (p75) ジークママの正体がブラウ・フィルモア王であることが明かされる(ジークママ=聖騎士ニーゼル=ブラウ・フィルモア王と書くべきか)。 ブラウ・フィルモア王はブラウ・アルカナス・フィルモア王家とボルガ・レーダース・フィルモア王家の双方の血筋を継ぐ人物。んで、ブラウ・フィルモア王家は帝国正王家とも呼ばれており、正王家筆頭の尊い血をもつ人物が皇位継承1位の皇女・茄里である。つまり・・・皇女・茄里はブラウ・フィルモア王の娘にして、ジークの姉もしくは妹ということになる。世継ぎを巡って騒動があったと云うなら、本来1位のジークが実家から出奔したために、その妹が1位に繰り上がったと考えるべきだろう。 おそらく、何らかの理由があって茄里は幼少時からバルバロッサ家に預けられており、ジークが出奔した後もバルバロッサ家に囲われてしまったために、フィルモア王家、レーダー王家、バルバロッサ王家の御三家の権力バランスが崩れてしまったのではないだろうか。先月号の内容を読み直すと、その理由についてはトライトンも知り得ていないようだ。 その他はメモ程度に。 ブラウ・フィルモア王のパートナーはオデット。以前の設定では、オデットは青銅騎士団の筆頭騎士クローター・ダンチーヒのパートナーとされており、魔導大戦の途中からジークの預かりになるとされていた。設定変更の可能性もあるし、魔導大戦に先駆けてダンチーヒ⇒ブラウと引き継がれ、この後でジークのパートナーになる可能性もある。これに関連して、ジークが所有するというGTM「皇帝」は、現時点でニーゼルが搭乗することになっているジー・ボリショイ・グーカントを指している可能性が見えてくる。 ドナウ帝国最後の皇帝となったブラウ皇帝はおそらくトリハロンの兄である(映画GTMの劇中で、トリハロンが皇帝位を兄に譲ったことが説明されている)。よって、ブラウ・フィルモア王家はトリハロンの兄の直系となる。 マーカス家は「王家」と呼ばれず「筆頭騎士家」と呼ばれている。星団暦の初頭に活躍したシャンディ・マーカスは同国の王女であったことから、ハロルドラントは王制を廃止したことが窺える。 今月号はこのぐらいですね。 (2013.11.24) |
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■ 2014年1月号 |
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■ メロウラの2号騎 (2014年1月号p59〜) 扉絵のメロウラの型式がHolda19-A2となっている。リブート7巻に掲載された設定をみると、星団暦の初頭に使用されていた騎体(=映画GTMに登場したメロウラ)はシン・ファイア搭載型の1号騎、ファティマ搭載型に換装された現在のメロウラは2号騎として扱うらしい。Holda19-Aが1号騎、Holda19-A2が2号騎ということになるだろうか。 となると、メロウラと同じく19型に分類されるダス・ガイストはHolda19-Bになるのではないだろうか。 映画GTMに登場した1号騎と比べて腿の外側の装甲と騎体色が若干異なるようだが、この辺はその都度変わったとしても不思議ではない。 また、メロウラにはスクリーマ(SCREAMA)という別名があるようだ。 (2013.12.17) ■ フンフトの思惑 (p60〜) 今回、フンフトがかなり意地悪にクリスを弄っているようにみえるが、慧茄との会話を見れば判るとおり、実際にはかなり気を使っていることが判る。 ダイ・グの真意を問いただす際もわざわざクリスの近くに寄っている。おそらく、自分の立ち位置をクリスの傍に変えることで、ダイ・グの表情をクリスに見せようとしたのではないだろうか。すなわち、自分の意思と帝国の意志の間で板挟みになってもがいているダイ・グの表情を、である。 そもそもフンフトであればダイ・グの考えはおおよそ見抜いているはずで、この会話自体がダイ・グの口からクリスに真実を語らせるためのものであったことが予想できる。 これに対してクリスがあまりにも意固地な態度しか見せないために、フンフトは敢えて馬鹿にしてみせているのではないかと。 クリスは「皇帝・帝国のためならばどんな命令でも従う」と意気込んでいる。その皇帝ですら、帝国の意志と板挟みになって悩んでいるというのに、である。 それを敢えて目の前で見せてやったのに、妄信的に命令に従うという意志だけを見せてしまうのは、なんともお子様である。 自分自身の意志でダイ・グを支えてみせる!という気概を見せなければ、ずーっと馬鹿にされてしまうのではないだろうか。 (2013.12.17) ■ 帝国議会と元老院と司法院 (p63) フィルモア帝国の議会、元老院、司法院がひとつになることで何が起きるか。この点はデザインズに掲載されている情報を読み解いておかないと少し混乱するかも知れない。 帝国議会は行政と立法を担う立場にある。より正確には、帝国議会は議院内閣制を採用しており、議会(立法機関)は内閣(行政機関)の下に位置し、上院議会と下院議会の協議・議決によって内閣の信任を行う立場にある。ミヤザは内閣官房長官(=首相)であるため、本来は自由に議会を制御できる立場ではないが、彼らの会話を見る限り、議会の決定権もミヤザの思い通りになってしまっているのだろう。この議会に元老院と司法院の後ろ盾が付いてしまうと、行政、立法、司法の全てが元老院の思いのままということになる。さらに、フィルモア帝国の騎士団は一部を除いて議会の直下に置かれているため、民衆と騎士団の動きもミヤザの意志で制御できてしまうことになる。 貴族に対する反発を見越してミヤザを取り込むあたり、アドー王の政治的な手腕と思想は薄っぺらな訳では無いようだ。 (2013.12.17) ■ メロウラとプリンシパルについて (p64) 統合フィルモア帝国が成立した際にドナウ帝国と太陽王国の皇帝騎を交換したらしい。また、p70のブラウ・フィルモア王のセリフから、彼女の搭乗騎はプリンシパルであったことも判る。これに付け足して5月号で公開されていたホルダ系列GTMの情報を整理すると以下の通りになる。 ホルダ17型カイゼリン:ドナウ帝国皇帝騎⇒詩女に譲渡⇒剣聖ビザンチン⇒ヤーボ⇒デプレ ホルダ19型メロウラ:ハロルドラント王騎⇒ドナウ帝国皇帝騎(カイゼリン移籍後)⇒フィルモア帝国統一後にボルガ・レーダー王家に譲渡⇒歴代レーダー王家皇帝?⇒レーダー8世⇒クリス ホルダ19型ガイスト:サヤステ家所有⇒現在の詳細は不明 ホルダ21型プリンシパル:太陽王国皇帝騎⇒フィルモア帝国統一後にブラウ・フィルモア王家に譲渡⇒歴代のブラウ・フィルモア王?⇒現在はジェイン・レーダー王女所有 ホルダ21型ウィリーズ:不明(メロウラと同型という設定もあることからおそらくドナウ帝国所有)⇒フィルモア帝国統一後は歴代フィルモア王家皇帝?⇒慧茄⇒ダイ・グ ホルダ29型Aレイジョ:現在はブラウ・フィルモア王所有 いまいち確証が持てないが、皇帝騎が交換された後に「フィルモア帝国の皇帝騎」として運用されたのではなく、筆頭王家(ブラウ・フィルモア王家とボルガ・レーダー王家)の歴代当主に引き継がれたと考えればいいだろうか。プリンシパルの現在の所有者がジェイン・レーダー王女というのもよく判らない。皇女茄里がブラウ・フィルモア王の娘で、現在はジェイン・レーダーを名乗っているというのであればスジは通るか。 ついでながら、皇帝騎メロウラがハイランダーに渡されるパターンは過去にもあったのかも知れないが、レーダー8世がクリスに渡すことを宣言したのはハイランダーとなる以前の幼少時である。これは帝国の歴史の中でもかなり特殊な事例であったと考えられる。 (2013.12.17) ■ フィルモアが払うべき代償 (p67) 全星団がフィルモア帝国のナカカラ支配に理解を示すようにする・・・つまり、国家基盤を他星に移すことに関して、誰もが納得できるような状況を生み出すということ。それだけの大義名分を得るには、フィルモア帝国そのものが揺らぐだけの「何か」が起こらなければ無理だろう。アドー王はその「何か」を起こすようシオの門番に依頼したらしい。 その「何か」がどのようなものになるかは不明であるが、少なくとも星団暦3239年までフィルモア帝国が健在であることは判明している。国家そのものが無くなるような代償では無いということだろう。 (2013.12.18) ■ ニオ泥酔 (p68) ニオが泥酔しているのは、おそらくダイ・グの婚礼の話を知ってしまったため。飲んで忘れようとするあたり、ある意味クリスよりオトナかも知れない。 (2013.12.18) ■ あの子とジークと (p70) ブラウ・フィルモア王が変わったのは「あの子」が産まれたため。その影響で息子が去ったのであれば、「あの子」とは息子の後に産まれた子ということになる。 という訳で、ブラウ・フィルモア王が狂気に走った背景には、ジークの(おそらく)妹にして皇位継承1位の皇女茄里が生まれたことが影響しているらしい。茄里の誕生を機に、ブラウ・フィルモア王が「最強騎士であろうとする強迫観念に駆られてしまった」のであれば、その理由は茄里の登場と共に明かされることになるのではないだろうか。 とは云え、ブラウ・フィルモア王はジークが家から出て名前を捨てたことで「自分が変わった」と感じてるようだし、なんつーか精神的にちょっとヤバイ感じのヒトですね。 剣聖に負けて倒れているニーゼルの横でオデットがリード・サポートの展開をしている。この時点でなぜGTMとリンクしている必要があるのか不明。城内でGTMを移動させている訳ではないだろうし・・・あるいは、GTMの透視機能を用いてニーゼルの身体の診ているのかも知れない。ハンガーにGTMが格納されていたとしても、首だけ動かせれば城内の全てを透視することは可能なはず。また、GTMの眼が捉えた映像や情報は、リード・サポートを行っているファティマの眼に転写することも可能だろう。 慧茄とフンフトの会話から、ジークの足取りが判る。ジークはブラウ・フィルモア王家から出奔した後にエラルド島に渡って、慧茄およびダイ・グと過ごしていたらしい。 以前に明かされていた設定で、ジークはアドラーおよびボォスで事業展開するノルガン財閥に籍を置いていることになっていた。おそらく、ジークは実家から可能な限り遠くに離れることを考えたのだろう。他星への足掛かりとしてエラルド島に本拠を置くダイ・グ家を頼り、その紹介でノルガン財閥に移籍。財閥に身を置くことも避けて、デルタ・ベルンのルミナス学園に入学したのだろうか。こうやって考えると、ジークとちゃあの抱えている背景は何となく似ていることが判る。2人とも「実家から距離を置きたい」と考えている訳である。 逃げる生き方を選んだ2人が、追い求めることを選んだヨーンに惹かれてしまう。この辺の構図もなかなか面白い。 (2013.12.27) |
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■ 2014年2月号 |
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■ 出番待ちの詩女たち (2014年2月号p55) 本番直前で何やらもめている詩女たち。一番手前の若い少女は歴代の詩女からかなり心配されている模様。正体は不明。デザインズ4の刊行を待ちましょう。 後ろに並んでいる詩女は・・・左から星の詩女スジタス・ボォス、ボルサ、開国の詩女リルレ、おそらくタイダル、北限の詩女オーハイネ、水源の詩女アイオ、おそらくジキジディ。 本編中にもうひとり、よく判らない詩女が登場している。 (2014.01.12) ■ 預言(もしくは予言)を受けるクリス (p56〜) フンフトの預言と共に現れる歴代の詩女たち。映画GTMのラストシーンに重なる状況であるが、ナインやダッカスは現れず、集まっている詩女が結構異なる。ベリンの背後に現れた詩女もみられるが、ベリンの場合は未来の詩女を呼び出すことも可能であったらしい。今回集まった詩女は意外とベリン以降の詩女だけで構成されている可能性もある。 映画GTMの劇中では、夕闇が迫る中でトリハロンの眼前に詩女たちが現れた。今回は夜明けのシーンである。 日の出・日の入りは「生」と「死」の象徴であり、それらは「再生」や「復活」につながる。 既に他界している詩女が現世に関与する際には、日の出・日の入りに乗じる必要があるのかも知れない。 詩女の預言によると、クリスティンが倒れない限り、ダイ・グの望みは叶うことになるという。 つまり、フィルモア帝国がミノグシアを蹂躙することはなく、両民族の共存はいずれ可能になるということ。その瞬間こそが、映画GTMのカーテンコールに描かれたシーンになるのかも知れない。・・・とは云え、私個人としてはあのシーンに登場したのはレーダー9世とクリスティンの縁者(?)ではないかと考えているので、この辺の解釈は難しい。 詩女たちが云っている「私たちの目をもつ詩女」というのも、誰を指しているのか全く予想がつかない。「その時」に「生まれる」のであれば、現時点で生まれている人物ではない。マグダルは星団暦3075年の時点で既に「時の詩女」と呼ばれているので、彼女よりも先の未来で出現する詩女になるだろうか。んが、マグダルは4000年代においても聖宮ラーンにいるという設定もあったはずだし。うーん・・・この世に「産まれる」のではなく、詩女として「生まれる」という意味だろうか。 (2014.01.17) ■ バシル大王とレーダー前皇帝 (p64) レーダーとバシルの会話が少し判りづらいのでメモしておく。 このふたりはダイ・グとフンフトの婚礼の話を事前に知り得ており、互いにその情報を持っているであろうことも知っている。レーダーがいうところの「元老がいろいろざわついておる」というのは、婚礼の話だけでなく、クリスの処遇に関する話を多分に含んでいる。レーダーがバシルの元を訪れたのは、クリスを養女に迎えることを伝え、元老院が好き勝手しないようバシルの側から忠告させるためだったのだろう。んが、この話を伝える前にバシルの側から養女に迎えてはどうかという提案が出されたため、レーダーは驚いているのである。 今月号の内容を見る限り、バシルはクリスがもつ魔性を畏れており、その血が後世に残ることを未然に防ごうとしているようだ。元老の好き勝手にやらせていては、クリスの「魔女の血」は拡散することになる。また、ダイ・グはクリスを気にかけているため、彼女が「子を産む道具」として使われればこれまで以上に心労が増えることになる。現状では、クリスと元老を離して置くことが先決であるため、レーダーの手許に置いておくことが最も望ましいと判断したのだろう。この辺の考え方から察するに、レーダー前皇帝と元老院の関係はあまり良いものではないことが判る(反目しているというべきか)。この点についてはバシルとレーダーが若い頃にやり合っていた、という会話からも読み取れる。また、レーダーを含む帝国老人クラブの面々が城の地下で会話していたことも(コミック10巻)、この辺の関係性を表していたのではないだろうか。帝国老人クラブの面々が紅一点として慧茄を加えようとしていたという設定もあったが、これも案外政治的な理由が大きいのかも知れない。 (2014.01.18) ■ んで、皇女茄里の登場 (p68) 茄里が口にしている「裏切り者」が誰のことを指しているのかは不明。フィルモアと関係があり、天照家典星舎が絡んでくる人物となると・・・ちゃあと一緒に行動していたジークということになるだろうか。ジークは彼女の実の兄であるため、もしこの「裏切り者」がジークを指しているのであれば、茄里の異常性・・・彼女の母親を狂気に走らせた理由も見えてくるだろうか。 オディールとはバレエ「白鳥の湖」に登場する魔王ロットバルトの娘の名。劇中では、白鳥に姿を変えられたオデット姫のニセモノとして登場する(黒い衣装を纏っているため黒鳥と呼ばれる)。バレエの公演ではプリマが一人二役を演じることが多いが、白鳥と黒鳥は性格が全く正反対の対存在である。ファティマ・オディールの衣装も、オデットの衣装(1月号)と対になっているファティマスーツのようだが、これはおそらくシアン夫人がセットで製作したのだろう。その名前から察するに、極めて凶悪な思考をもつファティマであることが予想される。 この場所でリード・サポートの展開を始めたことから、GTMダス・カイザースは少なくとも「この場所の近隣」に置かれていることになる。レーダーがわざわざこの土地を訪問してきたことも含めて考えると、バルバロッサ王家の本拠地はこのンビドーにあるということになるだろう。ンビドーは帝都デュアンスの南西に位置しており、ちょうど西都レーダース(レーダー王家の本拠地)と東都フィルモア(フィルモア王家の本拠地)の間に位置している。両王家の調停役たるバルバロッサ王家が、フィルモア帝国のちょうど中央部を治めているというのもなかなか面白い。立地的にも両国の間を取り持っていることになる。 にしても、この後で茄里も魔導大戦に乱入してくるのね。 ほんとお祭り騒ぎですな。 (2014.01.20) |
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■ 2014年3月号 |
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■ ファティマ・オデット (2014年3月号p51) 扉絵はファティマ・オデット。一目瞭然で先月号に登場したオディールと対になっているスーツであることが判る。 (2014.02.19) ■ ドヌーブとミルク・バー (p55) ドヌーブ・ガセットはAP騎士団[ラーン王宮支隊]の支隊長。ニナ・エリスが聖宮ラーンの帰還命令を無視してスバース市に残留したため、暫定でその後任に就いた人物である。パートナーはカナハ。髪型から察するに、ダイ・グら御一行をラーンで出迎えていたのは彼女たちだろう。11月号の時点で既に登場していたのね。 ドヌーブたちが向かった先はMILK BARというお店。 ミルク・バーと云えば、「A Clockwork Orange(時計仕掛けのオレンジ)」に登場するThe Korova Milk Bar(コロヴァ・ミルク・バー)が有名。「Korova」はロシア語で「雌牛」の意。劇中ではドラッグ入りのミルクが出てくるヤバイお店である。 時計仕掛けのオレンジが映画化されてからニューヨークのイーストヴィレッジに同名のバーが開店したようだが、これは2006年に閉店している(2007年に再び開業したものの、間もなく閉店したらしい)。コミック6巻でもザンダシティの街中にあった看板に「THE AGE of LOVE AT MILK BAR」という文字が描かれていたので、永野センセー行き着けの「MILK BAR」という名のライブハウスがあるのかも知れない。 ・・・と思ったら、やっと見つけました。 ロンドン出身のDJでレコード・プロデューサーのNicky Holloway(ニッキー・ホロウェイ)が1990年に同名のナイトクラブをオープンしていました。Paul Oakenfold(ポール・オークンフォールド)やDanny Rampling(ダニー・ランプリング)といったロンドンの売れっ子DJが各曜日を担当して毎晩ライブを開催。ニッキーはロンドンでアシッド・ハウスを流行らせた人物で「a prototype of the superstar DJ」と呼ばれていたらしい。彼らの活躍の裏には地中海のイビザ島で見たAlfredo Joaquin Fiorito(アルフレド・ホアキン・フィオリート)のDJプレイがあったとか。要するにイビザ島で練り込まれたカウンター・カルチャーの流れが、ニッキー・ホロウェイら数名のDJによってロンドンに持ち込まれ、ロンドン・クラブ・シーンを一気に持ち上げたということだろう。その中心地のひとつがMILK BARだったことになる。永野センセーの趣味(?)から云えば、おそらくこのお店が元ネタではないかと。 ちなみに、時計仕掛けのオレンジがAnthony Burgess(アンソニー・バージェス)によって執筆・発表されたのが1962年。Stanley Kubrick(スタンリー・キューブリック)の手に拠り映画化されたのが71年である。ニッキー・ホロウェイが開店したナイトクラブの名前は、コロヴァ・ミルク・バーからの引用の可能性もある。 (2014.02.19) ■ にきたまの詩女 (p55) 先月号で出オチを飾った詩女は、にきたまの詩女と謳われたナカカラであったらしい。 ナカカラの在位期間は2030〜2188年という設定があったが、今月号のコマ外の解説では「アマテラスの誕生を知っていた」と書かれており、若干早まった可能性がある(天照は2020年生まれ)。ちなみにボスヤスフォートによるグリース王国侵入は2121年である。 一方、リトラ(あらたまの詩女)は天照家に移った後に典星舎で成長し、2087年に結婚、2099に他界している。享年67歳という設定であったが、この辺も設定が変わっている可能性がある。 順当に考えれば・・・にきたまの詩女ナカカラの後任があらたまの詩女リトラ。しかし、リトラはすぐに天照家に嫁に出されたため、その後任として再びナカカラが選ばれたと考えるべきか。とは云え、クリスの眼前に出現したナカカラは他の詩女と比べてかなり若い容姿であるため、彼女は若くして他界した可能性もある。出現する際に自由に年齢設定を変えられる可能性もあるが、この辺はよーわからんです。案外、あらたまの詩女とにきたまの詩女のふたりが同時期に記憶の継承を受ける前代未聞の事態が発生し、混乱したラーンの神官たちがリトラを嫁に出させたのかも知れない。 リトラに関連して少し考察を広げる。 コミック11巻では、ムグミカの「血の召還」によって呼びだされた炎の女皇帝ナインが、その場にいないはずの天照の存在を感知して「神」と認識するシーンが描かれた。このシーン、よくよく考えると「ナインが超常的な感知能力によって天照を見た」のでは無く、「歴代の詩女の記憶にある天照の情報を受け取った」と考えた方がいいのではないだろうか。これをさらに広げると、ナインは「天照の嫁として過ごしたリトラの記憶をも受け取った」可能性が出てくる。考え様によっては、ナインは天照の命(ミコト)に次いで、天照の帝のことを「よく知る」人物ということになるかも知れない。56億7千万年後の未来を知る人物が(ん?この時点では知らないのか)、神と対峙したときにどういった行動を採るのか・・・この辺なんだか気になりますね。現在のFSSの主人公はナインという解説もあったので。 (2014.02.20) ■ 悩めるランド (p60) 髪を切ったヘアードを見て動揺するランド。 元ミラージュ騎士とは云え、ランドはほとんど私怨でミノグシアに降り立っている。そのランドの眼から見て、ただ一心にマグダルを守ろうとするヘアードの生き様がどのように映るのか・・・。 他者に仕えることの意味を知っているランドだからこそ、マグダルに仕えようとするヘアードの立ち振る舞いに、心を揺さぶられてしまうのだろう。天照に仕えているだけで、この戦争を終わらせることが果たしてできるのか。それに気付けない男ではないだろう(なんせ天照本人はラキシスの機嫌取りで手一杯である)。ランドが後にスバース隊に収まる理由が、なんとなく見えてきたということで。 (2014.02.19) ■ ブーレイ⇒ラムアド (p63) ブーレイ傭兵騎士団が登場。肩のあたりに旧デザインの名残が見える。 サージ(surge)とは「大波」、「うねり」、「動揺」の意。おそらく、ハーモイド・サージとはハーモイド・エンジンの出力が高まった際に発する音や振動を指しているのではないだろうか。ランドは「3点バースト?」と口にした瞬間に「ズッ」という音と振動を感じている描写がある。GTMをよく知る騎士だからこそ、エンジンの動揺を敏感に感じ取り、すぐ近くまでGTMが来ていることに気付いたのではないだろうか。 (2014.02.19) ■ 青騎士⇒ボルドックス (p64) 映画に出ていたボルドックスはX-3、今回登場した騎体はX-9である。 X-9はジーシャンガン(紫仙鋼)という設定もあったはずだが・・・おそらく、正式名称とは別にXナンバーのGTMを指して「青騎士」と呼ぶ風潮があるのだろう。機密兵器の名称はもともと公にされるものでもないし、他国に勝手に付けられてそれが定着する場合も多々あるはず。タイガーIIだってキングタイガーとかロイヤルタイガーとか呼ばれて、ドイツに逆輸入されてケーニッヒス・ティーガーと呼ばれるようになったらしい。XナンバーGTMが全て青騎士と呼ばれていたとしても、不思議ではない。というか、この辺は拘らずスルーしておいた方が無難だろう。 オリバー・メルシュがついに登場。・・・長かったですね。出るまで。 (2014.02.19) |
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■ 2014年4月号 |
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■ グリット・ブリンガーの上半身 (2014年4月号p14) デザインズ4の発売からこっち辞書ページの作成に手一杯だったので考察ページを休んでいました。ぼちぼち再起動です。 さて、グリット・ブリンガーのデザイン画と共にブリンガー・シリーズの詳細が明かされた。基本的に旧設定のミラージュ・シリーズを引き継いでいるようだが、エレーナが搭乗する予定だったクルツ・ミラージュに該当する騎体が無くなったっぽい。汎用GTMが全てグリットに統一されたようだ。 デザインズ4に掲載されたコメントで、永野センセーがダッカスについて「最高峰のデザイン」と語っていたのだが・・・このグリットのデザインを見ると、何となくセンセーの云いたいことが判るような気がする。 おそらく、ダッカスのデザインに比べてブリンガー・シリーズのデザインは「楽」である。 ブリンガー・シリーズはいずれも規格外の性能を有しており、天照はなんでもごちゃごちゃ付けるクセがある。よって、ブリンガー・シリーズは「適当にカッコよく」書いたとしても設定に破綻が無い。ある意味、センセーの好きにデザインができるはずである。 また、ユーレイやカイゼリンは出力に余裕のあるライオン・フレームを採用していることから、こちらも頭を大きくしたり、背中に適当に部品を付けたりすることが可能。開発系譜にも連続性があるため、デザインラインが似ていても問題が無い。要するに、基本のデザインラインがあり、それに適当な部品を付けたとしてもデザインとして成立する状況と云える。 んが、ダッカスはそういう訳にはいかない。 まず、ライオン・フレームをコンパクトに収めている設定のため、騎体に適当なパーツを付ける訳にはいかない。エンジンに余裕があったとしても、小さな騎体に余計なパーツをつけたのでは小型化した意味がなくなる。また、単騎生産のワンオフ騎であり、単独行動を基本とするダッカスは、他のGTMからパーツをとって応急処置をとる運用も必要になるだろう。よって、パーツの共有性を考慮して、関節部などは標準化されたデザインで無ければならない。一方、クロスビンはガーランドの系譜においてかなり異端であるため、他のGTMのデザインラインに引っ張られる訳にもいかない。こういった設定上の要素に加え、主役を張れるだけの見栄えを確保し、黒が似合う騎体に仕上げる・・・これはかなりキツイ。黒はのっぺりした印象を与えるため、一般に主役クラスのロボットには適さないとされるくらいである。 連載再開の一発目で度肝を抜く必要もあったであろうから、これらの苦労の末に生み出されたダッカスが「最高峰」とされるのは至極当然のことだろう。 あの曲線と直線の妙だけでも、デザインとして驚嘆に値すると思います。ヘイ。 グリットについては・・・正面顔が早く見たいですね。右目と額のつながり方がよく判らんです。 (2014.08.23) ■ ミラージュ騎士団各員について (p16) ミラージュ騎士団各員のパーソナルカラーが明かされた。今までに発表されているデザインを改めて見直すと・・・ちゃんと特定の色が個々に割り振られていることが確認できる。 後付け設定だとしても、女性陣のタイツがちゃんと統一されていたのは見事。 ログナー:正装とワルツ・エンデの衣服の刺繍がゴールド。 ランド:カステポー訪問時の普段着(騎士服かも)のパンツがダークシルバー。 スペクター:宮殿服が4色。 ハインド:騎士服か執務服か判らないが和服の色がブルーシルバー。 レオパルト:騎士服の帽子がメタルレッド。ちなみにカーレルは袖や襟の一部がメタルレッドになっているっぽい。 ウラッツェン:騎士服がブラックブルー。 カイダ:騎士服の羽織がブラックパープル。 ヨーン:成人後のデザインのパンツがメタルブラック。 ブラフォード:入団前の騎士服が一応カッパーゴールド・・・なのか。 マキシ:騎士服の甲冑が金と黒。 ブローズ:騎士服のパンツがシャンパンゴールド。 バイズビス:ライトブルーはおそらく未登場。パートナーのスパルタのスーツがライトブルー。 マエッセン:マリーゴールドはおそらく未登場。 アイシャ:イエローグリーンは確かに未登場。正装はライムグリーン。カステポー訪問時の騎士服のタイツがアイボリー。 ディッパ:赤いスーツとGTMスーツのタイツがダークブラウン。 シャーリィ:騎士服のタイツが白いレース。 イマラ:緑の騎士服のタイツがライトイエロー。 ルン:執務服の上着がライトグリーン。 キュキィ:初期デザインの騎士服のタイツがライトグレー。 カーリー:初登場時のタイツにオリーブグリーンあり(エメラルドグリーン、ピンク、ブラウンの4色)。 キンキー:騎士服がかなり暗い紺色。もしくはイルペオとお揃いの帽子が明るい紺色。 スパーク:騎士服と私服のタイツがダークグレー。 マドラ:発表されているデザイン2種のタイツがライトベージュ。生足じゃなかったのね。そりゃそーか。 じゃーじゃー:成人後の騎士服の帯と髪飾りがスカイブルー。 パナール:騎士服のタイツがブルーバイオレット。リィとアラートも同様。 メナー:クリーグケープのデザインでグリーングレーが確認できる。 ツバンツヒ:最新デザインの騎士服のタイツがローズピンク。 ワスチャ:たぶん成人後のデザインの衣装がバーミリオン。ライトグリーンは未登場か。 カイエン:入城時の騎士服が黒とシルバー。 ジャコー:ガンブルーはおそらく未登場。 斑鳩:成人後の赤い騎士服の手袋が白。でもタイツがカーキイエロー。 天照:甲種1等正装のリボンがバーミリオンとゴールド。太祖帝フォーカスライトのリボンも同様。 色名が明かされていないメンバーについても、デザイン画からおおよその予想がつくが・・・印刷物の色から色名を断定するのはかなり難しい。 大体、集団の中でこれだけの色を識別するのは無理である。コミック本編が白黒だからそもそも判りようがない。これかなりどうでもいい設定ですわ。 んで、上記の設定を読む限り、マエッセンのミラージュ騎士団入りが確定したっぽい。 以前の設定では、ミラージュ騎士ではないがミラージュ・マシンに搭乗することになっていたはず。 ミラージュ・ファティマのアシリア・スーツは全てが別デザインとのこと。ヨカッタヨカッタ。京のアシリアとか楽しみですね。 (2014.08.23) ■ 引き続きブリンガー・シリーズの解説 (p55) 本編扉絵にブリンガー・シリーズの解説あり。 レオパルト・フレームの設計者は天照と書いてあるが、デザインズ4の解説ではリィ・エックスの実母フラム・アトワイトが設計者となっている。 型名につく「イー」はドイツ語で「開発タイプ」を意味する「Entwicklungstypen」の頭文字「E」と思われるが・・・これはドイツ語だと「エー」と呼ぶはずなので、ホントのところは不明。 マーク2がコーラス6のところに行く、というのは新しい設定であるが、FSSの原作?に当たるイラストでは、反乱軍にエルガイムのマーク1(アーメス)、マーク2(グレイオン)、マーク3(ワンダースカッツ)が揃う設定になっていたはず。当時の設定を今の設定に無理やりコンバートすると・・・ エルガイム・マーク1 ⇒ SR4エンドレス カモン・マイロード ⇒ コーラス6世 エルガイム・マーク2 ⇒ マーク2 ガウ・ハ・レッシィ ⇒ ロレッタ・ランダース エルガイム・マーク3 ⇒ スカイアギフト ネイ・モー・ハン ⇒ アラート・エックス という図式が成り立つ訳で・・・設定としてはむしろ後戻りしているようなものか。 その他、トリバネルなのかトリバネラなのか、1015型なのか1051型なのか、判断に迷う部分あり。エンドレスもK型ミラージュからL型ミラージュに変更。 連載再開後の設定変更がちょこちょこ続いており、未だに落ち着いていない印象である。 (2014.08.23) ■ ヘアードは石頭・・・なのか (p58) 本編考察。 爆発したバージの破片が頸部を直撃し、「生命反応ゼロ」の状態になるヘアード。んが、直後にティスホーンが調べてみると、死んでいてもおかしくない状況であるにも関わらず、無事であったことが判る。では、赤十字のメンバーが単純に診断ミスを犯したのかというと、これも少々おかしい。ジョーカー星団ほど科学力が進んでいる世界で、こんなにアッサリと診断ミス(というかスキャナの誤作動)が起こるということはないだろう。 となると、ヘアードは一旦死亡し、何らかの加護によって瞬時に蘇生されたと考えるべきか。ファイブ・スターの影響に拠るものか、それを介したセントリーの力の影響なのか・・・。ティスホーンのセリフでは、もう1回こういうことがあるそうなので、その時に詳細が明かされるだろう。 (2014.08.23) ■ メルシュとジャカルナ (p60) メルシュとジャカルナの会話から、戦闘区域のすぐ上空にNPOが来ていたことが判る。 が、これは偶然ではなく、最初からNPOのいる場所で戦闘が展開されるよう仕組まれていたことが後で判明する。 メルシュはパルスェットの身を案じているようだが、パルスェットがレスターを失ったのは2989年・・・およそ40年前である。騎士団に所属している以上、個人の意思で国外に出ることが難しいのは判るが・・・この間に一切動けなかったのであれば、対応としてあまり褒められたものではない。というか、パルスェットは公式記録上で未だに行方不明のままになっているのか。おそらく、アイシャが3001年に保護した情報は星団のライブラリに登録されていないのだろう。キュキィとアイシャがノーキィ市を訪問していたのは、公務と切り離された隠密行動だったということか。 アイシャがガーランドの下に届けれていば、リフレッシュしてからお披露目に回すこともできただろうが・・・あるいは、パルスェットもスタックコードを発症したために、お披露目に回すことができないままアイシャの預かりになっていたのかも知れない。ファティマが兵器であることを考えると、こういった情報が公にされないことも当然かも知れないが・・・単純に全員が呑気なだけのような気もする。 (2014.08.23) ■偽名アンジュについて (p61) アンジュの名前の由来は、永野センセーが以前NTの記事で語っていた内容から察するに、童話「安寿と厨子王丸」に登場する安寿姫である。 安寿と厨子王丸は岩城判官正氏(奥羽五十六郡の太守であった人物)を父にもつ姉妹。冤罪によって筑紫に流された父に会おうと故郷を旅立った姉妹は、人買いに騙され山椒大夫の下で奴隷としてこき使われることになる。姉の安寿は弟の厨子王丸を都に行くよう説得して逃がした後、入水自殺する(あるいはなぶり殺しにされてしまう)・・・という内容。 マグダルはこの後でカーマントーに送られ、悲惨かつ過酷な状況に置かれるようだ。 (2014.08.24) |
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■ 2014年5月号 |
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■ ミノグシア軍命令について (2014年5月号p60) チャーター便のパイロットが「接近は危険」と判断しているにも関わらず、ヘアードはミノグシア軍命令を発して宇宙船を進めるよう求めている。 ランドがチャーター便を手配した際に、「ミノグシア軍に所属する騎士」が同行することをパイロットに伝えていたのだろう。ランドの気配りは素晴らしいの一言。 んで、ランドに替ってジャコーがヘアードの手助けに付くことになる。偶然とは云え、「犬も歩けばミラージュに当たる」状態ですな。 (2014.08.24) ■ ファティマによる超法規割り込みについて (p64) 超法規割り込みとは、規定されている法令の範囲を超えて特別な操作を加えること。人道支援・人命救助といった特別な理由があった上での個別コードの書き換えや作成は超法規割り込みとみなされるようだ。不正な割り込みや改竄ではなく、超法規的な措置として見なされることに注意。ファティマだから「できる」操作ではあるが、ファティマだから「やっていい」操作ということではない。 超法規的割り込みの権限を有する騎士のパートナーだからこそ、このような操作が可能な訳で・・・それができるのは、あらゆる越権行為が認められている騎士のみ、ということになる。ミラージュ騎士はあらゆる越権行為が認められており、そのパートナーであるティスホーンだからこそ、こういった操作が可能だったのだろう。 他の国家の騎士については不明であるが、少なくとも一般的な騎士が指示できる行為ではない。なにせ警察権を行使して初めて確認できるはずの情報が、書き換えられているのである。ヴィン・ティンはそれを知っているからこそ、警戒を促しているのだろう。 (2014.08.24) ■ グリット・ブリンガー始動 (p65) びゅーーって索敵中のカレとグリッド・ブリンガー。カレの髪型と髪の色が変わったおかげで誰だか判らなかった。 劇中に登場しているのがグリット2騎。他にハイファとファルトリムがあるようだ。潜入していたミラージュ騎士はアイシャ、カイダ、ブラフォード、キュキィの4名であったため、グリットはカイダとキュキィ、ハイファはブラフォード、ファルトリムがアイシャの搭乗騎になるだろう。となると・・・ヨーンの搭乗騎はランドの持ち込んだ騎体になる可能性が出てくる。 アレクトーとカレのスーツがちゃんと別デザインですね。 (2014.08.24) ■ 親書が届く仕組み (p69) アイシャと天照に連絡を入れてから大した時間も経過していない様子であるにも関わらず、親書が届いている。ランドの連絡が緊急回線を介したものであったとしても、天照の使者が直接渡したであろう書類が届くには早過ぎる。天照家のバイターのネットワークを通せばこのような芸当は訳もないのかも知れないが・・・おそらく東の君(あがりのきみ)がここまで乗り込んできたのだろう。メル・リンスと同じく、彼であれば星団のどこでも瞬時に出現可能である。 (2014.08.24) |
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■ 2014年6月号 |
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■ クロス王国とシャール公領 (2014年6月号p58) 天照王朝のクロス国については、以前から管理する王家の設定が二転三転してきた。今回の親書の内容でランドの管轄地であることが確定したものの、直後に天照に返還された状態となってしまったため、またもや王家不在の状態となってしまった。シャールという名前も10年ぐらい前にNT誌上で出てきただけの設定である。劇中に登場した瞬間に設定が切り替わる・・・いつものFSSである。 という訳でランドはミノグシアに渡り、マグダルはカステポー宙域に、ヘアードはジャコーと共にそれを追う状態となったところでAct-4は終了となる。こっからギャグ回に突入する。 (2014.08.29) ■ ソープとラキシスのバカンススタート (p62) コーラス・ハグーダ戦からこっちほとんど外界に出ることが無かったラキシスがついにお出かけ。ソープとラキシスはおそらくムンスターから入り、北上してベラ国の空港から空路でスバース市に移動しようとしていたのだろう。んが、西部に渡るためにはバッハトマの占領区を横切ることになるため、空港は出発便を止めていたようだ。この後、空港自体が戦場になる可能性が出てきたため、ナルミの指示で足止めしていた飛行機は全て出発。飛行機に乗りきれない人々は(おそらく軍の支援で)ベラ国の中央へ移動することとなった。 GTMのエンジン音を聞いて「にゃ?」の一言で終わるラキシス。ソープの方が詳しいことは判るが、これをちゃんと聞き分けて騎士に情報を与えるのがファティマ本来の役割である。この会話だけで、ラキシスがいかにグータラなファティマかが判る。 ソープのセリフから、バーガ・ハリに搭載されているエンジンの型式にみられる「SM」は「スーパーマーリン」の略語であることが判る。 おそらく、GTMのエンジン型式にみられるアルファベットは、戦車、自動車、航空機などのエンジン名や型式名から引用されているのだろう。 メロウラのエンジン型式にある「HL」はマイバッハ製のエンジンにある「HL」が元ネタ。これはドイツ語で「高性能」を意味する「Hochleistung」の略語である。 マーク2のエンジン型式にある「DB」はおそらくダイムラー・ベンツの頭文字である。 ラキシスが履いている3色アイスクリームのハイヒールは、ロンドンの靴ブランドCharlotte Olympia(シャーロット・オリンピア)の製品。 コレクションの発表は2008年、ブランドショップの開店は2010年。バッグにも描いてあるクモの巣がトレードマーク。ショップはロンドン、ニューヨーク、ロサンジェルスにあり、これもバッグに描いてある。 アイスのハイヒールはその名も「Ice Cream」というモデルで、お値段は995ドル。靴底に「VERO CUOIO MADE IN ITALY」と書いてある。これは「イタリア製の本革」という意味。 ラキシスが名乗っているファナという名前は、一応偽名ではない。彼女の名前は祇妃(ギヒ)・ラキシス・ファナティック・バランス・天照・グリエスである。ファナティック(fanatic)とは「狂気」の意。バランシェがラキシスに与えた名前だったと思う。 ナルミが口にしている「ハスハ民」とは、旧ハスハ連合共和国に籍を置いていた国民のこと。ミノグシア民族とほぼ同義であるが、魔導大戦の勃発後にミノグシア各国が分断された(中立や独立を表明した)こともあり、12ヶ国全ての国民をひとつの民族として見なす意識が低迷してきているようだ。難民全てを含んで「ハスハ民」と呼んだナルミ・アイデルマの器量の大きさが判るだろうか。 という訳で、珍しくシャトルバスを使用しなかったソープ。トラブルに巻き込まれることなく、無事にベラ国に入ることになったようだ。 (2014.08.29) |
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■ DESIGNS #4 |
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■ ゴティックメードのパートで目立つ新規設定 (〜p31) GTMに関してはほとんど全て新規の設定で、連載再開以前のMHとは完全に異なることが判る。 騎士団もしくは騎士所有のGTMとそのGTMを設計・開発したガーランドの関係性が残っているだけで、名称も来歴もかなり変更されているようだ。考察できる部分は非常に少ない。 とりあえず気になった点を挙げると・・・ ・マグナパレスには「写し」が無い。 ・ラミアスのフレームがライオン・サーバル・フレームからプーマ・フレームに変更。 ・GTMの眼球に関する設定が一部変更。 ・アルカナ・ナイトが使用するGTMの名称が二転三転。バイカルなのか、アムールなのか、よく判らん状態に。 ・青騎士系列GTMの名称が変更(それとも別称か)。 ・AP騎士団マルコンナ隊のバーガ・ハリが不明・・・センセーの設定忘れっぽい。 ・ドナウ帝国〜フィルモア帝国系列のGTMの名称が一部変更。 ・その他、GTMのエンジン、装甲、騎体名称、型式などなど、連載再開直後の設定からさらなる変更あり。 マグナパレスに「写し」が無いということは・・・2号騎が存在しないということか。 アトロポスがミラージュ移籍後に搭乗するGTMは、D型(マグナパレス)とは異なる別系統のGTMになるかも知れない。 ホルダ型GTMの起源はダス・ラント時代のクィーンズ・ホルダ・ライルンレー(ホルダ7型)まで遡るらしい。ライオン・フレームの基本はブラウニー・ライドが設計したものであるから、おそらく星団暦の初頭に完成したものである。となると・・・それ以前に存在していたライルンレーがホルダ型に分類されているのは矛盾のような気もする。詩女暗殺計画を阻止するためにトリハロンに同行したブラウニー・ライドが、「名前を引き継いだ2代目のブラウニー・ライド」という可能性もあるが・・・これはおそらく違うだろう。ホルダ7型はライオン・フレームでは無かったと考えるべきか。 女性の幽霊、妖精、あるいは怪異の名前が採用されるのであれば、スペインやフランスの伝承に登場するシャナ(Xana)やメリュジーヌ(Melusine)、四精霊のひとつウンディーネ、アーサー王伝説に登場する「湖の乙女」のうちの誰か、アイルランドおよびスコットランドの伝承に登場するバンシー(banshee)、ケルト神話に登場するメイヴ(Maeve)などが採用される可能性もある。バンシーについては、以前の設定でMHネプチューンを指す異名という設定もあった。コミック12巻の表紙イラストのタイトルも「Christine & Emperor's Bansheeca」である。 ホルダ系列については、連載再開以前に設定されていたホルダ15型(メロウラとガイスト)が空席になったり、騎体番号7011に該当するモノが不明となっている点も気になる。 後者についてはホルダ25型である可能性が高いが・・・デザインズ4の後半の解説にある矛盾点もあるため、この辺は何とも判断しにくい。これについては後で再度取り上げる。 (2015.05.09 修正) ■ ファティマのパートで目立つ新規設定 (〜p55) とりあえずアシリア・セパレートの解説が多い。んが、じっくり読んでみてもとくに考察ポイントはない・・・と思う。 ビリジアン博士がアシリア・セパレートの開発に関わる人物であることは以前の設定でも見られたが、アシリアの登場がアラビク・プレタポルテ(デカダン・スタイル)より以前の時代に設定されたことで、本編中に絡んでくるのかどうかイマイチ判らない状態となってしまった。デザインズ4を読む限り、今後しばらくはユーゴ・マウザーにスポットが当てられるようなので、ビリジアン博士はしばらく出番が無さそうな感じである。 あとは、バシクがウェディングドレスでハスハ・ミノグシアに参戦するのが気になったぐらい。 参戦するとして何に乗って来るのか。ミラージュ・マシンであるかどうかも判らん。マスターは天照だろうか。 (2015.05.09 修正) ■ ボォスの謎について (p56) ボォスの説明でいろいろと混乱してしまう。 ・ファンタスマゴリアとモナーク・セイクレッドを作り上げたのはモンソロンの時代(=アズデビュート紀)。 ・ボォスを不可侵の状態にしたのもモンソロンの時代。 ・惑星バスターは人工星の可能性があり、それもモンソロンの時代に作られたらしい。 ・モンソロンとアズデビュートは別の時代(?)らしい・・・星団暦ではモンソロン帝アズデビュートという名称が設定されている。 ・その真実を知るのはログナーのみ。 星団暦をみると、モナーク・セイクレッドの時代(=モナーク紀)、カラミティ・ゴーダース王の時代(=伝承紀)、モンソロン帝アズデビュートの時代(=アズデビュート紀)、超帝國ユニオの時代(=AD世紀もしくは統合紀)と続いている。また、以前の設定では、モンソロン大帝がモナーク・セイクレッドを発見したことになっていた。普通に考えれば、モナーク・セイクレッドを作り上げたのはモナーク紀の誰か。後の時代でモンソロン帝が再発見したものの、それに至る道標だけをボォスに残して封印。AD世紀においてボォスが解禁され、その道標に気付いた炎の女皇帝がモナークの再発見に向かった、という流れがしっくり来る。 ログナーの正体は伝承紀のカラミティ・ゴーダース王であるため、(後世のアズデビュート紀において)モンソロン帝がボォスを封印したのであれば、その全ての経緯を知っていたとしても不思議ではないだろう。 という訳で、「モナーク・セイクレッドを作り上げたのはモンソロンの時代」という部分がかなり整合性を狂わせていることが判る。この辺はかなり微妙。 モンソロンとアズデビュートの時代を分けてしまっている点も気になる。 次。 星団暦3075年にナインと天照が出会い、「ボォスこそが人類発祥の星ではないか」という問いかけをすることになるらしい。 コミック12巻におけるナインとフンフトの会話では、「命の水の伝説」を単なるおとぎ話としながらも、失われた一説にカラミティ・ゴーダース王が登場することが語られていた。この時点のナイン・・・すなわち3030年のナインは、「セントリーと人類の接触はボォス開拓時が最初であるが、それ以前にカラミティで何かあったかも」という疑念を抱いていたことが窺える。 一方、前述の問いかけの内容から察するに、3075年のナインは「カラミティで何かあったのは事実で、さらにそれ以前の時代にボォスが意図的に封印された」という確信を得ていることが窺える。 3030年のナインと、3075年のナインでは、知り得ている情報に差があるようだ。ムグミカが幻視し、モラードとヤーボに語った遥か未来のエピソードがナインに継承されるのだろうか。あるいは、タイ・フォンを得た(遥か未来の)ナインが突如としてこの時代に帰還するのかも知れない。 (2015.05.09 修正) ■ 詩女と聖宮ラーンのパートで目立つ新規設定 (〜p93) 詩女の役割、歴代の詩女の経歴、天照の妻リトラの詳細が明かされた。 ・ユニオは超帝國の統制システムに引き継がれる名であり、ユニオ1とユニオ2はナインの母体。実体は無し。んで、ナインは超帝國の3代目の皇帝で、彼女自身も作られた人間であるという。 ・ナイン以降の超帝國歴代皇帝は男性。ダッカスは歴代皇帝と同じ生まれ方をしたものの、特別な役割をもって作られた唯一の女性であり、ナインの直系としてユニオの名を引き継いだらしい。 ・ラーンの東宮と西宮は中央のヘリオスリンク内にある。・・・左右に並んでいる2つのリンクが東宮と西宮だと思ってました。 ・詩女ベリンは、在位期間中では無い、後世の星団暦2000年代において、ある人物(ウラニウム・バランス)に花の種を渡したらしい。 ・クリスティンの眼前に出現した若い詩女の正体ははナカカラ。東宮西宮の乱の時代に活躍した詩女で、ヨミ・ルーカ・レーダー・フィルモア2世と色恋沙汰があった模様。 ・リトラの正体は「あらたまの詩女」。星団暦2020年に起きた天照家内宮動乱を目撃している。 ユニオ1、ユニオ2と続いて、ユニオ3が3代目皇帝になったのであれば・・・ユニオ1が初代皇帝、ユニオ2が2代目皇帝ということになるだろうか。ユニオ1とユニオ2も超帝國の統制システムとして生み出されたはずなので、そもそも超帝國には王家・皇家という血縁による支配体制が無かったと考えるべきだろう。時の指導者たちが自らを統治する者として超越的な存在の出現を望み、当時の科学の粋を集めてユニオ1を開発。それを母体としてユニオ2が作られ、最終的にユニオ3が完成したのではないだろうか。旧設定にみられた初代皇帝「山羊の頭皇帝」や30以上の皇帝家から成る「皇帝群家」などは全てボツ設定になるかも。 また、ユニオ3以降は「血統を引き継いでいく」とあるが、ユニオ5となるベリン・ラーンの血筋についてはとくに言及されておらず、彼女が何故ユニオの名を引き継いでいるのかは不明のままである。 ベリンに関して云えば、特別長命とは思えない彼女の名が後世においても度々登場している点や、彼女だけが「預言」ではなく「予言」ができるという点から察するに、おそらく時間を超越して先の未来に現出する技を身に付けていたのではないだろうか。そう考えれば、あらゆる時代に登場する理由も説明できるし、ただひとりの「予言者」であることも納得できる。彼女は記憶の並列処理によって未来を予測していたのではなく、花の種をもって時代の要所々々に現れ、自らの手で花の種を渡していったのである。おそらくは何らかの予言を添えて。その類稀な能力をもって、超帝國の時代から続く「ユニオ」の名を引き継ぐに足る資格を有していたと云えるのではないだろうか。 詩女ナカカラについては・・・まあ、そのうちまた登場するんだろーなーって程度でいいのではないだろうか。ジョーカー太陽星団学校案内手帳では名前が伏せられていたツィー・ミーンの設定も明かされたので、そのうち本編に登場するだろう。・・・何年先になるのか判らんが。 んで、ヨミ・ルーカ・レーダー・フィルモア2世はエラルド・フィルモア王家の始祖となった人物。つまり、ダイ・グのご先祖さまである。フンフトがダイ・グの表情を見て「そっくり」と云っていたのは、「サイレンにそっくり」ではなく、「ヨミにそっくり」という意味になるかも知れない。 リトラが詩女のひとりであり、彼女が目にしていたモノをナカカラがモニターしていたのであれば、記憶継承ができていなかったとしても、天照の正体、ログナーの正体、カレンや懐園剣の介入について、歴代の詩女は「知り得ている」と考えていいだろう。ムグミカが血の召還によって炎の女皇帝を呼び出した際、「神が現世に出現している」ことを伝えたらしい描写があったが・・・ムグミカがその記憶を引き渡したのであれば、ログナーの正体やカレンの存在なども伝わった可能性がある。 問題は、神と対峙し得る存在である「十曜の守護者」について、ナインとムグミカ(とセントリーたち)が事前に知り得ていたこと。この2人が知っているのであれば、おそらくナインがAD世紀において十曜の守護者と出会っており、その記憶を歴代の詩女が継承していたと考えるべきだろう。これまでに明かされている設定では、マキシが(あるいはファーンドームの星王が)AD世紀に出現したとの記録はないが・・・AD世紀における魔王襲来の際に乱入してきたのだろうか。 うーん・・・「未来を知るベリン」という存在が設定されたことで、詩女の知る事象が過去だけでなく未来も含む内容になってしまいましたね。今後の考察もかなり複雑になりそうです。 ログナーが対タンツミンレ戦で敗れたのは、星団暦2020年のことになるらしい。これまでに明かされている設定では、タンツミンレの出現時期はAD世紀5000年代後半と星団暦3225年頃になっていたはず。うーん・・・懐園剣の歴史とかそれに伴うこちらの予想も全てリセットした方がいいかも知れない。 他にも、天照の命(ミコト)が死後の出現しているのはリトラの影響っぽかったり、アウクソーの人格形成にボルサが関係していそうだったり、マグダルがセントリーから無視されていたり、なんかいろいろ山盛り。 3200年頃からマグダルの次の詩女が登場するらしいので、その後のマグダルがどういった扱いになるのか(詩女の職務を辞してアトール聖導王朝の国家元首になるのだろうか)も気になります。 詩女の名前とデザインが多過ぎて、顔と名前が一致しないっすね。 (2015.05.09 修正) ■ フィルモア帝国関連で目立つ新規設定 (〜p113) 新規設定もチラホラ見られるが、とくに考察ポイントはなし。 フィルモア帝国にとって「サイレン」と云う名が極めて特別な意味をもつらしい。秘匿されているジークボゥの名に「サイレン」が与えられている可能性がある。 あと、マーカス家の直系はローラ・マーカスとなっているが、劇中に登場したのはメリー・マーカスである。単行本収録時に訂正されるのだろうか。 ブラウ・フィルモア王の正装に見られる白黒はドナウ帝国の親衛騎士団から引き継がれてきた色らしい。んが、NT2014年10月号に掲載されたフィルモア1世の騎士服もやはり皇子時代と同じ白黒の衣装であった。フィルモア王家系列は基本的に山吹色を王家色としており、一方でブラウ近衛騎士団の制服も白黒であることから、白黒はおそらく王家ではなくてドナウ系列・フィルモア系列の騎士に引き継がれる限定色であることが想像できる。 慧茄がナカカラを訪問した際の騎士服は白黒のストライプであり、これ自体は帝国内で見なかったことにされているらしいが・・・実は「フィルモアの太皇太后として」ではなく「ひとりの騎士として」ナカカラの地を踏むことの意思表示だったのではないだろうか。慧茄がボォスに降り立って最初にやったことは、フィルモア帝国に全く関連のない、「ミノグシアに混乱をもたらしている騎士団の排除」である。その意志と行動はサイレン皇子の目指したモノに通ずる。 (2015.05.09 修正) ■ その他の新規設定 (〜p131) Act-4に登場したキャラクターたちの設定解説から気になった点を列挙。 メナー家は後にコーダンテ領に引っ越してくるらしい。 設定上、メナー家は天照王朝シナーテ王家から分家した衛星王族となっており、アトワイト公国の西端にピタ区と呼ばれる領地をもっていることになっている。今回の設定をみるに、ピタ区は現時点においてまだ成立していないと考えるべきだろう。ワスチャが王朝に復帰した後に、メナーに領地を与えることで成立するのかも知れない。 クバルカン法国の騎士団は男性限定のルーン騎士団と女性限定のローテ騎士団から成るらしい。イゾルデは女性且つ筆頭騎士であり、この2つの騎士団を預かる団長とは異なる立ち位置のようだ。 MK4マッハ・シャルトマの設定があちこち分散しているために判りづらいが・・・[白の婦人]と[赤の婦人](もしくは[赤い貴婦人])と呼ばれる2種が存在しており、[白の婦人]は騎体色が白と深紅、[赤の婦人]は全身が深紅と思われる(旧設定におけるカーディナル・バングに相当)。おそらく、本来はルーン騎士団の騎士団長(男性限定)がMK4マッハ・シャルトマ[白の婦人]を、ローテ騎士団の騎士団長(女性限定)がMK4マッハ・シャルトマ[赤の婦人]を、法王直属の筆頭騎士がMK3リッター・ジェットを、それぞれ使用するのだろう。3000年代初頭の時点では、法王自身(=ミューズ)が騎士ということもあってMK3を使用。イゾルデは女性であるためにルーン騎士団の騎士団長になれないが、空いているMK4を使用しているものと思われる。 センセーの解説によると、魔導大戦の終盤にはイゾルデがMK3に搭乗するらしいので・・・3075年のミノグシア解放戦ではミューズがMK4に搭乗しているのかも知れない。 ナルミのパートナーはビューリー。 ビューリーの名前はキャラクターズ4の段階で公開されていた。なんと1989年のことである。ミースの初期ファティマという設定なので、ナルミ以外の人物をマスターにしていた可能性がある。 ウィルの次元航行システムはバランシェが残した遺産という設定(劇中で天照に設計図を渡すシーンあり)であったが・・・エルディアイが設計することになるらしい。解説に拠ると、スカイアギフトとウーラソニックのシステムを転用したらしいので、少なくともこの2騎については恒星間飛行を可能とするシステムが組み込まれていることが判る。映画GTMの劇中でも、エルディアイ率いるシオの門番がスタント遊星に帰還することを口にしていたので、MK2やMK3を製作していた時点で(=星団暦の初頭には)そういったシステムが完成していたのだろう。というか、システム・カリギュラであれば、超帝國由来のオーバーテクノロジーを保持していたとしても不思議ではないか。 また、エルディアイは天照家J型駆逐戦闘兵器のバスター砲(チェーンカートリッジシステム)の改良も担当するらしい。ミラージュ・マシンの開発後期はほとんど全てエルディアイに任せているような状態である。天照はB型とJ型を完成させた後にマグナパレスの改良に全力を注ぐのかも知れない。 J型駆逐戦闘兵器の正式名は3159年まで非公開。劇中登場はいつになることやら。 ユーゴ・マウザーは3100年と4100年のイベントに関わってくるらしい。つまり、アドラー動乱や反乱軍の星団解放に絡んでくる人物、ということになる。 システム・カリギュラが星団の混乱に乗じて介入してくることは予想できるが、4100年より後の時代、つまり、天照が星団を離れた後の時代は、ジョーカー人類が衰退の一途を辿る時代となる。システム・カリギュラから見れば、興味の対象が全て消え去った時代に進んでいく訳で・・・不老の肉体をもつユーゴにとって最高につまらない時代に突入することになるのではないだろうか。そう考えると、天照と共に星団を去るエルディアイの方が、より深い知識を求めるという意味で「カリギュラが採るべき正しい行動」を採っているように思える。知識欲の権化が最後に手を出したのが「色恋」というのも、なかなか面白いではないか。 ノルガン・ジークボゥは映画GTMのラストに登場している、とのこと。 ということで、ジークの正体は後のレーダー9世ということが確定した。p130の解説でも、劇中のキャラクターはこちらが思っている以上にかなり若く見える、との解説もあるので、ジークと一緒に歩いていたのはクリスティン・Vということになる。なんかいろいろ考え過ぎてました。すんません。 今回の設定公開で、ジークの奥さんになる人物=フィルモアの皇后になる人物、ということが判る。誰もが予想できない人物を嫁にするらしいので・・・フィルモア的に在り得ない・在ってはならない女性ということですね。ふーむ。 ところで、ブラック・プリンスと云えば、14世紀にイングランドを治めていたエドワード3世の長子、エドワード黒太子が有名である。王族であると同時に軍人であり、百年戦争で活躍した人物として知られる。2001年公開の映画「ROCK YOU!」では身分を隠して馬上槍試合に参加する人物として登場(この映画はオススメ)。また、チャーチル歩兵戦車の試験開発型のひとつに、エドワード黒太子の名前を頂いたブラック・プリンスという歩兵戦車があるようだ。戦に勝利をもたらす者の肩書きとしてブラック・プリンスという呼び名が定着している訳で、そういった意味では王家の跡取りで騎士でもあるノルガンにブラック・プリンスという名はしっくり来るものがある。 他にもp130〜131の設定がちょこちょこ気になる。 マドラのミラージュ入団は2988年。意外に遅い。 エストは3159年の大侵攻にログナーのパートナーとして参戦し、フィルモア帝国に移るらしい。3200年頃には改めて聖宮ラーンに戻るようだが・・・となると、映画GTMの最後に描かれた聖宮ラーンへの訪問シーンは、カラミティの崩壊を受けた移民のシーン(星団暦3239年)ではないということか。フィルモアの艦隊が降下してくるので、てっきり母星を失ってボォスに移ってきたシーンかと思ってました。 3068年にダイ・グと天照が出会い、ちゃあとジークが魔導大戦に復帰・参戦するらしい。この辺でダイ・グとジークの会話もあるかも知れない。 アイシャの退団、ヨーンの入団、クリスのエンペラーズ・ハイランダー拝命、ログナーの魔導大戦復帰、エストの天照家入りが全て3069年。ベルベットの誕生が3060年(推定)になっているので、3060年から69年の間に、デコース、エスト、ヨーンの関係性に決着がつくということか。 3075年のミノグシア解放戦にクリスが参戦するらしい。コミック11巻p18のシーンではナイアスを除いてフィルモア軍に関する情報は無いが、フィルモア本隊が別動部隊として動いていたことになる。 ビュラードの死去が3100年であることに変わりはないが、その後でアドラー動乱が始まり、ジークが出陣することになっている。ジーク=レーダー9世となるので、3159年の大侵攻に先駆けて、フィルモアがアドラーに介入してくることになる。フィルモアが動く理由を考えるに・・・かつての所領地であったバキン・ラカン帝国に混乱が及ぶのか、他星の移民の足がかりとして動くのか、ハタマタ別の理由に拠るものか(例えばジークの奥さんがアドラーに関係する人物とか)・・・この辺が気になりますね。3159年にはアイシャが帝(?)になっている点も注意。単なる誤植かも知れないが。 ミノグシア解放戦で共に戦うミラージュ各員、フィルモア、クバルカン、ミノグシアの面々が、3159年に始まる天照の大侵攻によって敵対することになる。 次の世代の話ではない。少なくとも大侵攻の初戦では共に戦ったメンバーがまさにそのまま剣を交えることになる。魔導大戦だけでもこれほどの混乱を生んでいるのに、A.K.D.ほどの大国が動くことでどれだけの混乱が生まれるのか・・・歴史に刻まれない部分での当事者たちの葛藤。この辺がぜひとも描かれて欲しいですね。 (2015.05.09 修正) ■ ガーランドとGTMの系譜について (〜p135) AD世紀から続くガーランドの系譜が明かされた。これまでに明かされているとおり、世界各国の銃器メーカーや設計者が元ネタになっている。詳細は辞書ページを参照のこと。 気になるのがやはりホルダ系列。 マール・クルップがスルーエクセルナSR1とホルダ23型以降を担当したらしい。ホルダ27型以降はリーキ・クルップが担当。現行型の31型はバルミドラン・シャープスが担当したようだ。 ダス・カイザースはメリンダ・クルップによる製作途中とのこと。ライオン・フレームであればホルダ37型になるだろうか。 ホルダ23型はディー・ウィリーズの型式名であり、ディー・ウィリーズはクバルカン法国の太閤騎でルドルフ・サヤステの搭乗騎でもあったはず。となると、マール・クルップの活躍した時代はルドルフ・サヤステと同じく星団暦の初頭ということになってしまう。マール・クルップ製作のスルーエクセルナSR1はハイレオン・シリーズのオリジナル騎になると思われるが・・・この点から考えればマール・クルップの活動時期はコーラス21世と同じ2400年代前後になるのではないだろうか。この辺はかなり混乱する。あるいは、スルーエクセルナSR1とハイレオン・メロディSR1が別騎体ということになるのかも知れないが。 ホルダ25型もマール・クルップの製作となるが・・・おそらくホルダ系列で騎体番号7011に該当するGTMということだろう。ホルダ25型=スルーエクセルナSR1という可能性もあるが・・・やっぱよく判らんですね。ついでに、コーラス・南部1世がハイレオンSR2からSR4までを製作したようにも見えるが・・・これはさすがに無理がある。ハイレオン・シリーズのベース・フォーマットを南部1世が作り上げた、という意味で捉えておいた方が無難だろう。 ブラウニー・ライドの直系に当たるライド家(ブラウニー家)がクルップ家に変わったとの解説もあるが、この辺も旧設定と微妙に異なる。というか、銃器メーカーの歴史と合わせて考えると、ヘンシェルやクルップのドイツ系列と、レミントン、ブローニング(ブラウニー)、シャープス、ボウチャード、コルトといったアメリカ系列は源流が基本的に異なると考えて差し支えないと思う。そういった意味でいろいろ違和感がありやす。 有名な銃器設計者から云えば、ゴリューノフ(グリオノフ)で新たにロシア系列の設計者が出てきたので、ドラグノフ、カラシニコフ、トカレフなども入ってくるかも知れない。他にも、アメリカ系列でイングラム、ガトリング、スミス&ウェッソン、ウィンチェスターは・・・製造権を買っただけなので違うか、ヨーロッパ勢も有名な設計者がチラホラいるので、まー今後もいろんな名前が出てきそうですね。 SBBファウストが「SBB 1st」の意味かと思ったが、SBB-1はデモール・ゾロと呼ばれるらしい。ゾロはドイツ語で「独唱」や「独奏」の意。ちなみにファウスト(Faust)はドイツ語で「拳」の意。マヨールの搭乗騎(試作騎)がSBB-0、量産騎がSBB-1になるようなので、ファウストは特別仕様騎になるだろうか。 (2015.05.09 修正) ■ 三色の娘について (p141) 三色の娘の英訳表記はBlack Princess(ブラック・プリンセス)。ブラック・プリンスと対になっている呼び名であり、ノルガン・ジークボゥとの関連性が窺える。まあ、大方の予想で云えばジークの妹君ということになるだろうか。 オデットとオディールは同一のファティマとのこと。本編の動きを追うと・・・オデットはブラウ・フィルモア王と一緒にボォスに行き、息子ジークにドギマギしている母親を見て、元老議会が終わった途端にカラミティに帰還。モード変更した後にンビドー湖の湖畔に向かい、そこでジークを粛清しようとしている妹からダス・カイザースの用意を命じられたことになる。・・・なんというか、母ちゃんと娘の行動パターンが逆過ぎる。ファティマのメンタル面で負荷が掛かりそうなもんだが、バレエ作品におけるオデットとオディールが正反対な性格をしていることを考えると、これでいいのか。 (2015.05.09 修正) |