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コミック初版を参考に。
11巻および12巻と同様にNT連載時の扉絵が考察の参考になっている場合があるので、可能な限り補足を入れて整理しています。 |
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■ 設定の変更について |
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毎月発売のニュータイプを購入せず、デザインズなどの副読本も購入せず、映画GTMも鑑賞せず、コミック12巻の入手から数年を経て13巻を購入された方もいらっしゃると思います。 FSSはニュータイプ2013年5月号の連載再開と同時に、ロボットのデザイン、名称、設定の数々が大きく変更されました。 13巻を購入して初めて設定変更を知った方・・・少ないとは思いますが、かなり混乱すると思います。 桜牧師は高校の途中から下宿して、大学に入って卒業するまで、FSSは単行本しか買えませんでした。 その昔はインターネットも無かったので、情報を集める手段が少なく、普通に読み進めるのに、理解するのに苦労した覚えがあります。そんな状態のとき、ここまで派手な設定変更があったとしたら・・・いくらファンだとしてもかなり引いてたと思います。 もちろん、そんな状態で無かったとしても、今回の設定変更で引いてくファンも多いと思います。まあ、それはそれで仕方がないでしょう。 それでもなお、FSSを楽しみたいと考える方が、この辺鄙なページに来てくれたのだと思います。せっかくなので、FSSをしっかり楽しみましょう。 ここはFSSのファンページですので、少しでもFSSを楽しめるヒトが増えていくよう、今後も解説&考察&雑談を続けていきます。読みにくい点も多々あると思いますが・・・そこはまあ、個人サイトということでご容赦ください。 んで、早速ですが・・・この文章から先はデザインズを含め発表されている新設定を元にごちゃこちゃ書いてます。新設定は可能な範囲で辞書ページにまとめましたので、適宜活用して読み進めてください。お金のある方はもちろん、FSSが今後も続くよう、応援の意味を込めて副読本を購入しましょう。 (2015.11.19) |
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■ 詩女ラーンの出自 (p3) |
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ベリン・ラーンが炎の女皇帝の実子で、ヤーン・ダッカスの実妹というのは、初出の情報である。彼女がユニオVと呼ばれる理由が、単純に超帝國から続く血縁に拠るものだったとは・・・。 その彼女が星団暦400年頃に旧北都マグダルに出現した、というのであれば、そもそもマグダルという都市自体がベリンの出現のために遺されていた遺跡、ということになるのかも知れない。ボォス各所にある旧超帝國の遺跡・・・東都ハツーダンと南都ミギアの周辺は、セントリーの攻撃によって特殊地形が形成されており、おそらく遺跡となる以前に壊滅している。北都マグダルと廃都アマダ・ジーはセントリーの攻撃を受けておらず、アマダ・ジーには炎の女皇帝が何かを封じたことが判明している(=封印の地)。もう一方のマグダルに何らかの「遺産」を残していたとしても不思議ではないだろう。 ベリンがどのように「出現」したのか・・・コールドスリープで眠っていたのか、その時点で生み出されるようプログラミングされていたのか、他所から転移してきたのか・・・その経緯は不明であるが、いずれにしてもAD世紀から残る「何か」が北都マグダルに無ければ、彼女の「出現」は在り得なかったのではないだろうか。そう考えると・・・他星に残る遺跡にもいろいろ超帝國の「遺産」が潜んでいるような気がしてきますね。 (2015.11.19) |
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■ 4つに分裂したハスハ連合共和国 (p9) |
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デザインズ3を購入していない場合はかなり混乱してしまうミノグシア連合(旧ハスハ連合共和国)の現在の状況。簡単に整理すると、以下のとおりになる。 枢軸軍による侵攻は抑えつつ旧体制を維持・復権しようとするグループ・・・ミノグシア連合(ハスハント共和国、カッツェー公国、シーゾス王国、ベラ国、ボルサ諸島列島) 枢軸軍による侵攻は抑えつつ旧体制からも離れようとするグループ・・・中部ミノグシア(ナカカラ王国、ナオス国) 枢軸軍による侵攻を受け入れる代わりに独自路線で戦乱を回避するグループ・・・ギーレル王朝 枢軸軍による侵攻がほとんど無いために静観もしくは中立を表明できたグループ・・・バトラント共和国、イェンシング共和国、イースト・ハスハ(もしくはイースト・カステポー) そしてもうひとつ。 枢軸軍による影響は無いが大戦を機に分離・独立したグループ・・・ダンダグラーダ宇宙都市 ギーレル王朝はハスハ連合共和国が成立する以前にハスハント共和国と争っていた過去があるため、魔導大戦の勃発を機として連合体制からの独立を狙っているらしい。コミック11巻で描かれていたギーレル国境沿いの戦闘は、もともとギーレル王朝の国土を狙って侵入したジャスタカーク公国に対して、ギーレル王朝のAP騎士団と国家騎士団が迎え撃つ格好となっていた。 現在の状況を見ると、さらに難民救済の目的で介入したクバルカン法国と、詳細不明の同盟軍が加わって乱戦に発展。しかしながら、バルンガのセリフから、この戦闘は既にギーレル王朝主導の出来レースになっていることが判る。つまり、ギーレル王朝から両国に停戦を呼びかけ、両軍の駐留を認める口実を作るために、あえて戦闘を継続させているということだろう。 巻末のパワーバランス表を見ると、ギーレル王朝騎士団(旧パローラ隊)を中心に、クバルカン法国とジャスタカーク連合が同盟を組んだ状態になっており、劇中で描かれている状況よりもわずかに先の未来をまとめた表であることが判る。おそらく、ギーレル王朝はかつて南部にあったジャスタカーク公国ハスハ領を差し出す見返りに、ミノグシア連合からの独立を支援してもらうよう協定を結んだのだろう。一方、クバルカンの目的はまた異なるらしく、巻末の解説では他星移民の足がかりを模索しているようだ。 (2015.11.20 修正) |
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■ リードホストでできること (p11) |
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シュマイスの通信に対して返答しているウークーツが描かれるが、彼女の話している内容は明らかにGTMの眼や各種センサーで捉えた映像・情報を見た反応である。が、この後のシーンでウークーツはGTMに搭乗していない状態で登場する。つまり、ウークーツはこの時点で既にバーガ・ハリを遠隔操作しており、その情報解析からシュマイスに状況を報告していたことになる。p18以降で見られる光学アンテナを伸ばした状態は、複数のGTMや兵器群を制御下に置いている状態であるため、GTM1騎のみを制御下に置く場合は、アンテナの伸長なしで可能なことが判る。 また、p20ではバギィが透過モードでファティマを探しているのに対し、ウークーツが発見されたことに気付くシーン(劇中で「ん?」というシーン)がある。ファティマの眼に電子銃が装備されている訳ではないため、透視されている相手が直接見えている訳ではないはず(彼女の視界には手前の建物しか見えていない)。おそらく、制御下のバーガ・ハリが敵GTMの視線を感知し、ホストAFのウークーツに情報が伝達されたのだろう。 一方、エストが行っているリードホストは、自軍の全GTMのサポートと割り込み制御であり、同じリードホストであっても役割が異なる。 この辺の描かれ方を見るだけでリードホストの万能性・拡張性を窺い知ることができる。 (2013.10.21) |
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■ バーガ・ハリの防御性能について (p19) |
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バーガ・ハリの背中についているアイドラ・フライヤーが防御時に伸長・展開していることから、おそらくモーフィング装甲を採用していることが窺える。旧設定では、モーフィング装甲を採用していたMHがスピード・ミラージュに限られていたため、この辺も地味に設定変更したことになるだろうか。 また、フライヤーに着弾する前の段階で弾丸(実弾かエネルギー弾かは不明)を弾いていることから、バリアを展開していることも判る。しかし、p22ではホストが外れたことでフライヤーの操作ができなくなり、バリアを簡単に破られて被弾する描写がある。おそらく、アイドラ・フライヤーは通常のバリアに被せてさらに強度の高いバリアを張る機能が搭載されており、操作が外れるとバリアの展開ができなくなるのだろう。 こういった防御力特化の性能が知れ渡っているために、デコースも「防御戦闘に回られたらオレでもつぶせん」と云ったのではないだろうか。 (2013.08.13) |
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■ 3点バースト (p21) |
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ウークーツがガット・ブロウで射撃するシーン。おそらく左手で弾種と射撃モードの切り替えをしている。通常弾からフラクタル弾に変更しつつ、3点バーストを行ったのだろう。バギィがアナクロと云っている点から想像するに、フラクタル弾は対GTM戦で滅多に使わない戦法であることが窺える。眼くらましにはなるが、GTMの動きを止めることはできないからだろう。 (2013.08.14) |
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■ シュペルター⇒デムザンバラ (p24) |
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バッハトマに鹵獲された剣聖騎デムザンバラ登場。シュペルター・マークとナイトマスターの紋章が確認できるが、ジィッドのセリフから既に装甲を換装していることが判る。シュペルターは比較的人気が高い騎体だけに、今回のデザイン変更がショックな方も多いのでは。エンジン音も微妙にイメージが違いますね。 (2013.10.21) |
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■ 40年ではない (p25) |
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訂正。 デコースが黒騎士となったのは2995年。36年が経過しているので、四捨五入で40年になります。ご指摘ありがとうございました。 (2018.04.01 修正) |
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■ニナリスのファティマスーツについて (p29-30) |
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p29のニナリスのスーツはアシリア・セパレート。p30のスーツはアラビク・プレタポルテである。後半に出てくるS型のスーツはサイズが異なるものの、胸元のリボンとスカートを除いて凡そデザインが共通している。よって、ニナリスのアラビク・スーツはバッハトマ軍が採用している共通のファティマスーツ(=制服)であることが判る。 (2013.08.14) |
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■ トモエの階級について (p31) |
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ジィッドのセリフからトモエが師団長になっていることが判る。師団長クラスになると歩兵、工兵、砲兵、戦車兵といった各兵科の大隊を従えているはずで、階級は少なくとも大佐もしくは将官クラスになる。マグダルを追っていた際は忍者軍を率いていたはずで、おそらく彼女も魔導大戦の初戦を通して昇進したのだろう。トモエの後ろに控えている軍人の多くも、(騎士や忍者ではない)一般の軍人であるようだ。おそらく各兵科のリーダーだろう。 もっとも、騎士は師団以下のグループの指揮を執ることが普通で、通常はそのレベルの教育を受けて初めて一人前の騎士となる。トモエに限らず、騎士であれば師団長クラスになることも多々あるということは覚えておいた方がいいかも知れない。 (2013.10.21) |
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■ デコースの謎な反応 (p35) |
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アララギ・ハイトを一瞥した後で、なぜかメンチ切るデコース。大騎士団を率いるリーダーとして威圧してみせただけなのか、ハイトの立ち振る舞いの中で何か気になるモノでもあったのか、現時点では全く以って不明。 デコースが所持しているガット・ブロウは、GTMダッカスが装備しているガット・ブロウとデザインが似ているようだ(トモエのガット・ブロウとは異なる)。黒騎士となってから新たに調達した剣か、泰千錫華が打ったとされる黒騎士の剣だろうか。後者であれば、エストから受け取ったガット・ブロウということになる。 (2013.08.14 修正) |
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■ バランシェ邸の前にスキッパー (p39) |
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ミース邸の前に詩女ベリンが都行で使用したラーン・スキッパーが見える。聖宮ラーンから来客でもあったのか・・・とも思ったが、この後のシーンではとくに触れられない。この後でこの邸宅は昔のガーランドの邸宅を改造したものであることが明かされる。おそらく、聖宮ラーンとつながりが深いガーランドがこの邸宅を使用しており、何らかの理由があってスキッパーを受け継いだのだろう。 (2013.08.14) |
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■ アララギくんの行き当たりばったりな生き方 (p41) |
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ジィッドの立ち振る舞いにイライラする読者も多いと思われるが、アララギの動き方・生き方も結構無茶すぎる。 戦争が始まった勢いに任せて警察を勝手に退職⇒一旗揚げるつもりがカイエンのニセモノとしてデビュー⇒トモエに情けで拾われる⇒呼ばれてもいないのに騎士団長に謁見⇒騎士団長のパートナーのメンテに付き添い⇒一番気合入れなきゃダメなところでガーランドに一目惚れ・・・お前は一体何がしたいんだと問い詰めたくなる。 とは云え、同じバッハトマで、成り上がろうとする野心をもつアララギとジィッドが出会ったことはなかなか興味深い。エストの付き添いであったとしても、アララギはガット・ブロウと騎士服を得てミース邸に辿り着いた訳だし、少なくともFSSを代表する主要なキャラクターとのつながりが形成されたことになる。 (2013.08.14) |
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■ 5大AFガーランド (p42) |
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ミース邸に集った5大ガーランドとエスト・ビルド姉妹とアウクソー。ミース、コークス、アウクソーはコミック4巻以来の再会か。ミース、ビルド、モラードはコミック9巻以来。 サリタ・アス・ジンクはロッゾ帝国に籍を置いているため、着ている衣装の背中にロッゾ帝国のエンブレムが見える。ただし、彼女は帝国専属という訳ではないようだ。モラードとは旧知の仲。 桜子はスティール・クープに師事していたため、同じくカラミティで活動していたジンクとは知り合いだったのだろう。相変わらずおっさんには中指立ててるし。桜子にとってエストは微妙に恋敵的な立場にある。そのエストがヨーンと放浪していた際に出会ったファティマが静である(コミック10巻)。そう考えると、桜子が静に興味をもつというのもなかなか面白いつながりと云える。 このメンバーそれぞれに、カイエン、ヤーボ、ハレーのエピソードが絡んでいて、カイエンと顔見知りになったレスターのパートナーが、今現在はヨーンのパートナーである。考えてみれば、そのレスターがアウクソーに重症を負わせていなければ、カイエンがツアイハイ地方に逃げ込むことも無かった訳で、したがってカイエンとミースが出会うことも無く、ミースがガーランドになることも無かったことになる。この辺の複雑な関係性はホントにすごい。 さらに云うならば、アウクソーはこの後でデルタベルンというファティマに再構築され、最終的にエストとグラード卿が命懸けで守ったSR4の頭部に収まることになる。この時点でエストとアウクソーが並んでいるということが、既にひとつのドラマになっている点に注目したい。 (2013.08.15) |
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■ ダーク・ビジター (p45) |
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ついにFSS本編に登場したエルディアイ・ツバンツヒ。彼女が搭乗しているGTMマーク2は、星団暦の初頭に彼女自身が設計・製作した可変GTMである。映画GTMを鑑賞できた方は、劇中の音、スピード感、航行灯の光が思い出せるだろう。天照が星団暦4000年代に開発するウーラソニック(旧設定のヴォルケシェッツェ)とデザイン面で共通項が見られるが、スピード・ミラージュはミラージュ移籍後のエルディアイが天照と共同で設計・開発するようだ。 システム・カリギュラの本拠地はスタント遊星にあるらしいが、GTMが単独でテレポートしてきたのか、星団のどこかに別の拠点が存在するのか、その辺の背景は一切不明。魔導大戦の序盤でもカリギュラのメンバーが動いている様子が描かれており、ユーゴ・マウザーがこの後で絡んでくることも判っているので、少なくとも数名〜数十名の規模が拠点とする基地もしくは宇宙船があると考えた方がいいだろうか。 それにしても、コミック12巻から13巻の発売まで、劇中で流れた時間はわずか1ヶ月、現実世界ではナント9年以上も経過しているというのに・・・映画GTMに登場したエルディアイは劇中の時間で2500年以上前に星団を訪問しており、今回の登場まで現実世界ではわずか数ヶ月間しか経過していないというね・・・こういう時間のズレというかブッ飛び具合こそがFSSの醍醐味という感じですな。 (2013.08.15) |
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■ ミース邸の夕食について (p46) |
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ミース邸の夕食に出たジビエは鹿肉と山うずら。鹿は北方・南方のそれぞれで食されるが、ジビエに用いられるヤマウズラは主にヨーロッパ周辺に生息するヨーロッパヤマウズラになる。また、インカのめざめは北海道でつくられたバレイショの品種であり、夕食のメニューがやや北方系で占められている。一方、ファティマたちの賄にあるウコン茶やケットウ茶(ゲットウ茶の間違い)は南方系のお茶。食後のお茶に出されたデザートの多くは有名どころのお店で購入したものだろう。 ガーランドの衣食住は戦乱に影響されにくいことは予想できるが、ここまで贅沢できるのも聖宮ラーンの近郊に位置しているためだろうか。和洋折衷なメニューなところが実に日本的。 各料理、食材、スィーツブランドの詳細は単語辞書にまとめたので参考にされたし。東京在住の方はがんばれば再現できます。 (2013.08.15) |
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■ ファティマが大挙して押し寄せてきた (p46) |
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コークス製作のファティマがゼーリス、ジンク製作のファティマがシュミレ、桜子製作のファティマが白桃(パイタオ)、ミース製作のファティマがアルファ。・・・多過ぎて混乱する。ソナー(もしくはソーナー)はバランシェの22番目の作品。現在はミース預かりでマスターは無し。それ以前の経歴や戦績は不明である。スーツは全員カレント・スーツ。 (2013.08.15) |
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■ アウクソーの状態について (p48) |
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アウクソーの状況について、その詳細が明かされた。曰く、マスター認識が解除できず(既に死亡したカイエンをマスターとして認識したまま)、GTM感応機能が消失しており、ガーランドによる操作も不可能という状態である。エルディアイの所見では、ある種の生存本能を発揮したことで外部からの干渉を全てキャンセルしているということらしい。 うーん・・・要するに、剣聖カイエンおよびデムザンバラの記憶を消されないようにしていることになるだろうか。フォーカスライトが純血の騎士を求めることと何らかの関係があるのかも知れない。 バランシェが勘当した理由は不明であるが、アウクソーに教育を施すこと自体が無駄と思わせる現象・事象が確認できたのかも知れない。あるいは、既にファティマの範疇から外れた存在になっているとか。 問題は、アウクソーの素性について5大ガーランドがどこまで知り得ているか、ということ。 今回の会話から察するに、フォーカスライトの情報を保持していることは判っているようだが、歴代の詩女がマグダルに語った事実、すなわち、セントリーと同じ組成をもつファティマであり、細胞の一片からでも記憶と能力の再生が可能ということを知っているか否かは不明である。ではなぜ詩女がそのことを知り得ているのかと云えば、バランシェがジキジディーに情報を与えた可能性がある(バランシェはカイエンの成長を促すためにジキジディーに接触したという設定があるため)。 劇中のキャラクターが知り得ている情報と読者が知り得ている情報に格差があるため、この辺はなんとも判断が難しい。・・・と云うか、セントリーと同じ組成をもつという設定がイキかボツかも不明ですな。 p58のミースの表情がいい味でてますね。娘の恋心に気付かない野暮なオッサンを見る眼になっとる。 (2013.08.15) |
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■ 荷物の多いモラード博士 (p60) |
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モラード博士の荷物が多いのは、おそらくタワーの育成に必要な機材を持ってきているため。荷物の箱に描いてある文字は、「Trace Eriot -ENERGY SYSTEM-」と「HUSH REDUCTION SYSTEM」。詳細は辞書ページにまとめた。タワーは謎の生命体ショウメを吸収して完成することが判明しており、カイゼリンの専任ファティマとして作られることを考えると、ミノグシア国内もしくは聖宮ラーンで育成されることが予想できる。 (2015.11.19 修正) |
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■ ワンダン・ハレーが有名人になっている (p64) |
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ハレーの名を聞いただけでスタック・コードの察しがついているコークス博士。インタシティの事件の詳細や関係者が少なくともガーランドの間で有名になっていることが判る。その一方で、当事者としてその場にいたはずのモラードは一切気付いていないというね・・・このヒトは相変わらず呑気というかネジが一本抜けているというか。その割にはエルディアイの恋心は見抜いたようだし。 コークスは携帯端末でハレーの素性を調べていたようなので、おそらく星団騎士名簿で出身国の情報を得たのだろう。ミラージュ騎士の左翼などはこういった検索では死亡扱いになっていると思われる。 (2013.08.16) |
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■ システム・カリギュラの限界 (p68) |
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モラードとエルディアイの会話からシステム・カリギュラの限界が窺える。あらゆる情報網を駆使したとしても、詩女に直接会うことはできないし、預言の概要を掴んだとしてもその詳細は掴めない。また、天照に縁のある人物に接触することはできず、天照そのものと戦うこともできない。完全な神である天照は別として、炎の女皇帝が残した「詩女」のシステムも、カリギュラの手で解析・再現することはできないということ・・・同じ超帝國時代の遺物でありながら、システム・カリギュラと女皇帝の間には技術的格差が存在するようだ。 天照に近付こうとして消された、と云えば、かつてのボスヤスフォートと同じ行動パターンである。ボスやんについては超帝國が残した純血のバイターという設定もあり、システム・カリギュラと出自が近い状態にあると云えるだろう。そのボスやんが直接手を下した対象が、カリギュラも注視している詩女本人であったことを考えると、ボスやん思考・行動パターンはシステム・カリギュラとほとんど同一と云ってしまってもいいかも知れない。 それにしても・・・星団暦451年の詩女暗殺計画が完遂されていたならば、この時代において「ショウメ」の情報がエルディアイあるいはシステム・カリギュラに伝わることも無かったのではないだろうか。暗殺計画の失敗を見届け、何の手出しもしなかったエルディアイに、預言を受けたモラード本人の口から有力な情報が伝わることになるとは・・・人間万事塞翁が馬と云うべきか。もっとも、詩女の記憶の継承は血筋に拠らないため、もし暗殺が成功していたとしても、ベリンに替わる新たな詩女が誕生していたのかも知れないが。 (2013.10.13 追記) |
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■ 56億7千万年後に出現する地獄 (p70) |
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この辺から一気に考察が増える。 モラードが伝える遥か未来のお話。炎の女皇帝が辿り着いた場所は、光のタイ・フォンがモナーク・セイクレッドを読み解いていた場所すなわちクラウン銀河の中心部スターバーストであった。 まず、この時代の炎の女皇帝はカイゼリン・クオーツ(精神体の無機体)として存在しているらしい。p71の描写からGTMカイゼリンの頭部前面にある結晶体がカイゼリン・クオーツであることが読み取れる。が、果たして星団を離れた後のナインがカイゼリンの頭部に収まる状況が発生するのか否か、あるいは最初から収まっていたのか否か・・・この辺はまったく予想が付かない。カイゼリンかどうかもかなり怪しい。また、このような姿になったナインに対してファティマがパートナーとして付くことができるのか、あるいは付くことに意味があるのか否かも不明である。56億7千万年後の世界でGTMの需要があるかどうかも判らない。とにかく不明なことだらけ。 連載再開時の情報では、ナインがタイ・フォンを得た後で製作するGTMの名前がウーシング・ウーユーとされていた。つまり、タイ・フォンはこの時点でまだ存在していないはずのGTMの名前を口にしたことになる。とりあえず、ウーシング・ウーユーが今後のエピソードで登場するのであれば、それはすなわち56億7千万年後の未来から来たモノということになるだろう。 タイ・フォンのセリフ「ジョーカー星団の人類はモナーク紀より以前に」の後に続く言葉は、おそらく「遺伝情報を書き換えられています」といった感じの言葉になるはず。 デザインズ1に掲載されていた情報に拠ると、ジョーカー星団に生息する全ての生物の生体コードには、「モナーク・セイクレッドののぞみ」という言葉が記されているらしい。この事実に気付いた炎の女皇帝はネッド・スバースの遺伝情報にメッセージを残し、後世においてこのメッセージを受け取ったアルセニック・バランスが「光のタイ・フォン」を製作。モナーク・セイクレッドの探索という重大な使命を負わせたことになっている。つまり、ジョーカー星団に存在する人類は既にヒト本来の姿とは異なる生命体になっており、ナインはその事実を予測した上で星団を発ち、同時に後世のヒトがその事実を追えるよう機会を残していったことになる。結果、後発したタイ・フォンがナインよりも先にモナーク・セイクレッドに辿り着いてしまったのだろう。 ナインはジョーカー星団の人類が既に本来の姿では無くなっていることを知りつつも、騎士と魔導師の血を作って世に広めた・・・すなわち、ヒトの遺伝情報にさらなる変更を加えた。モナーク・セイクレッドを読み解いたタイ・フォンは、そういった変更が繰り返されたことで「人が望んだ人の姿」から離れてしまったという事実を、あるいは警告を、ナインに突きつけた格好になる。目の前にある小さな光を「人ではない」と云うならば、カイゼリン・クオーツに姿を替えたナインもまた「人ではない」と云えるのではないか。 一方、騎士の血が次第に薄まるように設定されていたことを考えると、ナイン自身もヒトの遺伝子操作に対して何らかの抵抗あるいは危機感を抱いていた可能性もある。その辺の葛藤、あるいは遺伝子操作の謗りを免れない自分自身というものを理解しているからこそ、「言うな」、「言わずとも良いっ」というセリフが飛び出したのだろう。 モラードが詩女から預言を受けたのは星団暦2989年。ということでコミック3巻をチェックすると・・・いろいろと見えてくる。 おそらく、コーラス・ハグーダ戦でラキシスと出会ったモラードは、戦後間もなく詩女ムグミカに招請されたのだろう。時を同じくしてムグミカが56億7千万年後の世界を幻視し、モラードにショウメのことを示唆すると共に、タワーの製作を依頼したことが明かされる。 んで、コミック3巻p175でムグミカがヤーボに伝えていた「五つの星の物語」は、その直前にムグミカ自身が幻視した内容でもあったと。このページに描かれている女神はタイ・フォンで、ムグミカが語った「はるか彼方の星団史で偉大なる女王が」のくだりが今回のシーンになる。なぜ、ムグミカは幻視した内容をヤーボに伝えたのだろうか、という疑問が残るが・・・おそらく彼女はヤーボとカイエンが出会うことを予見してカステポーに遣わしたはず。よって、この物語をあえて語ったのは、生まれてくる詩女マグダルと皇子デプレ(=カイゼリンの搭乗者)に贈る祝福であったと考えればいいだろうか。 (2013.08.16) |
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■ ヤーボとヘアードの会話 (p76) |
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星団暦2989年の時点でのヤーボとヘアードの会話。このシーンで重要なのは、ムグミカがヤーボに預言を与えたという事実を、ヘアードが知り得ていたということ。つまり、ヘアードから見れば、この数年後にヤーボが身篭って帰還したことこそが「預言の成就」であり、生まれてきたマグダルとデプレは「預言の子」ということになる。コミック12巻ではマグダルを抱えたヘアードの逃避行が描かれたが、彼女があれだけ必死になる理由・背景が、今回のエピソードで描かれたことになる。なんつーかパズルみたいな構成ですね。毎度のことながら。 (2013.08.17) |
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■ ムグミカさんパネェ! (p78) |
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何でも知っているムグミカさん。ハンパねぇ。彼女のセリフを整理すると・・・。 56億7千万年後の世界から来たラキシスの問い掛けは「ヒトの姿を捨てた人間は果たして人間と呼べるか?」というモノ。これに対する答えは「ヒトの記憶を受け継いでいるなら、それは人間と呼べる」というのが正解。ただし、この答えはあくまでモナーク紀の人間が導いたものであって、既に作り変えられた自分たちの意思で、この答えとは異なる答えを導いてもいいのでは・・・ヒトの記憶を受け継ぐモノは、やはりヒトの姿をもつ人間であって欲しい。例えそれがエゴであったとしても、それが人間の「希望」であり、「願い」である・・・というのがムグミカの考え方であるようだ。 つまり、ムグミカがモラードに依頼したのは、「遥かなる未来において、ヒトの姿をした人間にヒトの記憶を継承するため、それを成し遂げるモノを生み出して欲しい」というものだったのだろう。だからこそ、新たに生み出されるファティマの名前はタワー(塔)なのか、と合点がいきます。塔とは、積み上げるモノ、監視するモノ、未来まで残すモノ、伝達するモノ、である。この全ての要素を備えた存在が、人類にとっての塔=ファティマ・タワーということ。すげぇ。 ここでp68を読み返してみると、システム・カリギュラの考え方・捉え方がかなり間違っていることが判る。天照の帝という「不可解の象徴」に挑むため、詩女ムグミカはモラードにタワーの製作を依頼したのではないか。そのための重要な要素が「ショウメ」であるというならば、それを奪ってしまえばいいのではないか。その入手こそが天照と戦うための糸口になるのではないか。・・・というのが、システム・カリギュラの考え。理解できない存在は戦って無くしてしまえばいい、という考え方である。 ムグミカが依頼したのは、あくまでも「ヒトの記憶の継承」を託せるモノを生み出して欲しいというもので、ショウメは無限の生命力を得るための拠所である。戦うための武器や糸口ではない。 一方、エルディアイは天照に対抗しようとしているのではなく、乙女の恋心でもって天照に近付こうとしている。であれば、ショウメの正体を明かしてしまった方が後々うまくいくんじゃないの、という判断をしたからこそ、モラードは全てを打ち明けたのだろう。 ちなみに、ムグミカは天照に対して戦いを挑む姿勢を見せている訳ではないが、いずれ来る対峙のための準備は進めていたようだ。「血の召還」を成し遂げたことでナインに天照とラキシスの存在を知らせ、同時に十曜の守護者たるマキシを呼び出している。彼女なりに人類の進むべき道を、あるいは、神々との共存の道を模索していたのではないだろうか。 それにしても、ムグミカがやろうとしていることは「未来の改変」である。幻視した未来、ヒトがヒトで無くなる地獄を回避するための方策・・・ファティマ・タワーを生み出すことでその「希望」と「願い」を果たしたい。ここでFSSの読者の多くはこう思うのではないだろうか・・・ジョーカー星団の未来は変わらないはず。全て星団年表に書かれているとおり。ヒトはいずれナインが見たモノへと姿を変える、と。 桜牧師は少なくともそう考えていたのですが、今回のエピソードと巻末の星団年表を見ていたら、実は歴史自体が揺らいでいるのかな、とも思えてきました。星団年表が変わっているのは設定の変更ではなく、ホントに変わっているんじゃないかと。いわゆる世界線が変わって、未来と過去が再構築されているのではないかと。まあ、ただの妄想ですが。 例えばコミック1〜7巻に掲載されていた年表では3010年の魔導大戦や4100年のデルタ・ベルン消滅が記載されていないのに、8巻の年表ではこれが掲載されている。8巻でボスヤスフォートの復活を許したことで魔導大戦というイベントが歴史上に新たに「出現」した。あるいは、アトロポスがすえぞうに「私を殺して」とお願いしたから、デルタ・ベルン消滅というイベントが新たに「出現」した。・・・と考えてみても面白い。 最新の星団年表では、タワーがフォーチュンに辿り着くことが明記されており、おそらくムグミカの悲願が達成されたことが読み取れる。んが、このイベントも以前の年表には見られなかったもので、何らかの要素が絡み合って新たに「出現」した可能性がある。 そもそも、セントリーの転生には順番があり、本来はライブ(すえぞう)が完全に進化を遂げてから、他のセントリーが転生に入ることになっていたはず。この場合、ショウメが出現するためにはライブが完全な成長を果たす必要があり、それを待っていてはモラードが老衰で死亡したことになっただろう。んが、デザインズほかの情報を読み解く限り、魔導大戦中のある出来事によって他のセントリーが転生を開始してしまうらしい。この結果、ブリッツの新幼生たるショウメが出現することになるのだから、神憑り的な偶然の連鎖によってショウメ・タワーが完成することになるのは間違いない。ファティマ・タワーが生まれてミラージュ騎士になる歴史は以前から見られたものだが、魔導大戦中はカレンも出現するようだし、そういったナンヤカンヤの影響でタワーが想定外のスペックをもつに至り、ムグミカの悲願が達成されることになるのかも知れない。というか、その影響でジョーカー星団の歴史そのものが旧設定から新設定に置き換わってしまったのかも知れない。 そういえば、初期設定のモラードはバランシェと同じ延命処理を行って長生きすることになっていたはず。これも新幼生を出現を待った結果だったのかも。 他にも、天照が星団暦7281年に出会うモニュメントって、炎の女皇帝が見たヤツじゃねぇの?とか、ログナーの出現が2443年から2020年(=天照が誕生した年)に変わっとる?とかいろいろありますが、この辺で止めときます。 (2013.08.18) |
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■ ところ変わってムンスター (p82) |
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天照からヨーンの情報をもらってムンスターに辿り着いたちゃあ。まさかその数日前(数週間前?)に実の姉が拉致監禁したとは思いも拠るまい。ユキノジョウはコミック12巻でヘアード、マグダル、ランドを見送ったはずで、この時点でミノグシア北部にかなりの主要キャラクターが揃ったことになる。p64にある地図に注意。ムンスターはベラ国の国境付近にある自由都市である。んで、この後で大おじ様こと天照本人がここにやって来ることになると。 ちゃあとユキノジョウが会話しているシーンをよく見ると・・・この後で絡んでくる2名の騎士の姿が確認できる。 ところで、ちゃあの電話はもともと桜子に金の無心をお願いするものであったことが窺える。実家から出奔しているちゃあはもともとバイト学生であったため、大したお金は持っていない。コミック12巻で旅費をもつと云っていた桜子が、ミース邸に行く際にお金のことを忘れてしまったのだろう(ログナーが来たことでパニックになったか)。とんだ凸凹コンビである。 (2013.08.18) |
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■ ルーン騎士団の介入 (p85) |
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ちゃあに絡んできた騎士の会話から、彼らがルーン騎士団の所属であることが判る。ギーレル王朝に駐屯しているはずの彼らが、なぜミノグシア北部まで足の伸ばしてきたのか、その理由は後述する。ジークのセリフから、女性騎士はMK4マッハ・シャルトマに関係する人物であることが判る。つまり、ルーンリッターのイゾルデ・サヤステである。マッハ・シャルトマが装備している剣と同じ形状の剣であることに気付いたのか、マッハ・シャルトマに搭乗する騎士の剣であることを知っているのか、この辺はイマイチ不明。偵察にしてはメンバーがすご過ぎる。つまり、単なる偵察ではないということ。 この後で登場したクラーケンベールの言葉をそのまま受け取るなら、メヨーヨは現在、実戦を行うためにルーン騎士数名を迎えていることになる。とは云え、戦時中にわざわざ他国の筆頭騎士を招待して戦闘するというのもおかしな話だし、招待した騎士を使ってちゃあ・ティの捜索に当たらせるというのも妙な話である。フィルモア帝国とぶつかったメヨーヨはハスハ王宮の陥落を受けて国境付近に移動(おそらく王都ナカカラから距離を置いて北側に移動)していたはず。一方、ルーン騎士団はギーレル王朝に駐屯しているはずで、そこからムンスターまで筆頭騎士を派遣するとなると・・・偵察もしくは協定締結が本来の目的であった可能性が高い。 おそらく、ギーレルに駐屯したクバルカン本隊の戦闘を避けるため、北部国境付近に陣を構えたメヨーヨに対して協定締結を打診。メヨーヨ側は締結を飲む代わりに情報提供(この後で戦闘が発生しそうな北部への偵察)を求め、その際にGTMホウライを敗退させた騎士の捜索を依頼したのだろう。クラーケンベールがこの場にいたのは本当にたまたまで、捜索対象の騎士がすぐ近くで見つかったのであれば直接会いに行く、というやりとりをしていたものと考えられる(p87)。クラーケンベールの服装が極端に砕けている点から察するに、彼自身はただ単にミノグシアの玄関口として知られるムンスターでブラブラしたかったのではないだろうか。 (2015.11.20 修正) |
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■ ジークの正体について (p94) |
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ニュータイプや副読本を購入している方であれば、ジークの正体、あるいは、成人後にどのような人物になるか、という情報は既に知り得ているはず。 ここでは、クラーケンベールが語った昔話から判る情報を整理しておく。 カイエンとの絡みで右肩に大きな傷を負った人物と云えばダイ・グである(コミック10巻p154)。ダイ・グが幼少時に過ごしていた場所はバキン・ラカンのエラルド島。一方、ジークはカイエンに認められてミマス聖帝から天位を得ているという設定がある。ダイ・グの肩にある傷は切り傷には見えないが、その辺を気にしなければこの2人の幼少時のエピソードということになるだろう。ダイ・グとジークが顔見知りであれば、ジークはフィルモア帝国の王家に近い人物ということになる。 あと、緊張した時に眼が痙攣するクセはトリハロン(=フィルモア1世)と一緒である。ジークがトリハロンの直系に位置するとは思えないが、こういった符合を意味無く描く理由もないだろう。要するに、帝国王家の中でもかなり重要な血筋の関係者、ということが判る。 ここまでの内容でジークとフィルモアの関係性の半分が描かれたことになる。残りの半分は、この後のジークママの登場以降でしっかり描かれることになる。 (2015.11.20 修正) |
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■ ジークママ登場 (p98) |
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ジークママの正体と彼女のお家事情はコミック13巻を通して少しずつ情報が開示されるため、考察はこの後の元老院のシーンに回す。 彼女のお着替えの変遷については、辞書ページも確認しつつ読み進めてください。ブランド名、ショップ名、雑誌名ほか、まとめて登録してあります。 (2015.11.20) |
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■ フリーズ合流 (p101) |
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ジークママの考察は後回しにして、とりあえずシトロン・メナーが合流。ミラージュ騎士団左翼のNo.16。パートナーはオーバーハイム。ログナーの代わりに来たようだが、マグナパレスを持ち歩いているちゃあの支援に来たのであれば、フリーズもGTMを持ってきている可能性がある。今後の活躍に期待。 ところで、フリーズが登場したことにより、ジークママが騎士だということが、この時点で判明する。フリーズの履いている靴はパンプスである。したがって、p87に描かれている足はフリーズの足ではない。よく見たらジークママの足である(連載時の大判サイズで眼を凝らすとJimmy Chooと書いてあるのが確認できる)。ちゃあとジークの危機に対して2人の騎士が動いていた訳だ。もっとも、この後のフィルモア元老院のシーンでジークママの正体は明かされることになるのだが。 (2015.11.20 修正) |
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■ 聖宮ラーン訪問 (p110) |
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駐屯地から離れて聖宮ラーンを訪問するダイ・グとクリス。ダイ・グが話している初代皇帝のエピソードは映画GTMの劇中終盤で描かれたエピソードである。 詩女ベリンが渡した衣がフィルモア総本家筋の皇帝に引き継がれてきてダイ・グで5人目になるとのこと。つまり、フィルモア1世、2世、3世、4世、5世ということだろう。となると、映画の終盤に登場した皇帝も、同じ衣を引き継ぐ者=フィルモア総本家筋の皇帝ということになる。この辺は後述する。 ダイ・グは幼い頃から皇帝としてこの旧街道を歩くことを夢見ていたらしい。つまり、幼少時から既に皇帝になることが決められていたということ。この点からも、他星への大移民を目的として、バキン・ラカンおよび聖宮ラーンとのつながりが深いダイ・グが政治的な判断で皇帝に選出されたことが判る。この地に剣を向けないという決意をクリスに語ったということは、剣を向けることを命じられる可能性を考えているということ。元老院とアドー・バルバロッサの来訪が、その辺を匂わせているような感じですね。 ところで、コミック12巻の剣聖慧茄のセリフ「あなたたち2人の花壇に絶対 花が咲くことはありません」というセリフを思い出すと、このシーンは実に意味深である。映画GTMで描かれたエピソードや、p76で描かれたヤーボとヘアードの会話などから、「花」と「花壇」に込められている意味合いがものすごく重くなってきていることに気付く。 ダイ・グとクリスの間には「花」が咲かない。・・・単純に恋が実らないという見方もできるし、平和への道程が見えなくなる・さらなる流血や政治的混乱につながる、という意味が込められていてもおかしくはない。そこへきて、今回の2人で歩くシーンである。ダイ・グとクリスが歩いているシーンでは、他のキャラクターが割り込んでいない点に注意。花壇は無くとも、2人の周りには花がある。この花を前にダイ・グが決意を語ったことは覚えておきたい。 (2015.11.20 修正) |
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■ リン皇后の衣装について (p116) |
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デザインズ3を持っている方であれば、p116の里韻(リン)皇后の衣装とクリスの帝国第一正装が似ていることに気付くはず。こういった衣装の様式と役割が、その国家の歴史の中で大きく変わるとは思えない。クリスが成人後に着用するドレスは、果たしてただ単にハイランダーの正装ということで片づけていいのだろうか。 ついでに云うと、映画GTMのカーテンコールに登場したレーダー9世、クリスティン・V、ファティマ・町は双頭竜の紋章を身に付けているのが確認できる。 ブラウ・フィルモア王の直系であるジークはともかくとして、クリスと町が果たしてその紋章を身に付ける資格があるのか・・・身に付けるということは、クリスがブラウ・フィルモア王家の血縁に加わるってことを示唆しているのでは。 つまり、衣装デザインだけ追っていくと・・・クリスは最終的に皇后になる可能性が見え隠れする訳で・・・この辺から察するに、ジークの奥さんになる人物というのは・・・と妄想できますね。 (2015.11.20) |
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■ 現れるベリン・ラーン (p120) |
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ラブを伴ってこの時代に出現した(と思われる)ベリン・ラーン。 この描写を見るに、ユニオVでもある彼女は、時を超えて未来に出現することで「予言」の根拠たる事象を見ていた、ということになるのではないだろうか。 ベリンが口にしている赤い「花」を引き継ぐ形で、この後のフンフトの預言のシーンでも「花」というキーワードが登場する。 (2015.11.20) |
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■ サイレン⇒ユーレイ (p122) |
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重装甲型のサイレンが細マッチョなユーレイに。両肘のガードスパイクは格闘戦の際に外れて回りに浮遊するのではないだろうか。そのまま付いていたら流石に少し邪魔そう。 放熱ウィングが非常に巨大なことから、大出力を誇るGTMであることが予想される。バーガ・ハリはこの余剰エネルギーを可動式のアイドラ・フライヤーに回しており、防御力の向上に役立てている。おそらく、背中のパーツが巨大なタイプはライオン型と考えてもいいかも知れない。逆に、背中のパーツがあまり巨大ではないライオン型は、エネルギーを効率的に使用する騎体に仕上がっているものと思われる。カイゼリンなどはその最たるものだろう。 (2013.10.25) |
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■ バルバロッサ王家と元老院 (p125) |
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バルバロッサ騎士団の服装は星団暦の初頭にトリハロンの副官を務めたボットバルトの制服の意匠を引き継いでいるようだ。バルバロッサ騎士団はバルバロッサ王家直属の騎士団で元老院の警護役を務める。リブート7巻に掲載された情報によると、騎士団長はギャリー・アドモン。 同様に、2大王家にはそれぞれ直属の騎士団があり、ブラウ・フィルモア王家直属がブラウ王家親衛騎士団(=ドナウ騎士団)。騎士団長はメリー・マーカス(旧設定ではアン・マーカス)。ボルガ・レーダー王家直属がレーダー王家近衛騎士団(=青百合騎士団)。騎士団長はバルファ・レストということになる。 アドー・バルバロッサの肩書きが元老議長代理になっている。ということは、おそらくバシル・バルバロッサが議長ということだろう。ティルバー女王が元老院議長という設定はボツになったようだ。 トライトンのセリフからフィルモア帝国が抱えている厄介な裏事情が語られる。フィルモア帝国は帝位継承(皇位継承)に係わる諸問題を無くすため、統合帝国の初代皇帝フィルモア1世の時代から血縁による継承を無くすシステムを作り上げた。が、継承権の優劣はやはり血縁に縛られており、正王家の直系に近ければ近いほど、継承上位に位置付けられるようだ。皇女・茄里は正王家筆頭の皇位継承1位。正王家ということはブラウ・フィルモア王家の出自ということ。それを政略のコマとして預かることで、各王家への支配力を強めているのがバルバロッサ王家ということになる。要するに、フィルモア1世が残した遺志を蔑ろにしようとしているのがバルバロッサ王家である。 後は・・・ちょっとよくわからん部分あり。 ボルガ・フィルモア王家は、ボルガ・レーダース・フィルモア王家とも呼ばれるボルガ・レーダー王家と同義。 劇中で初代皇帝の直系王家はボルガ・フィルモア王家と書いてあるが、初代皇帝フィルモア1世には直系の子孫がおらず、彼の実兄の直系がブラウ・フィルモア王家である。大帝国ダス・ラントもしくは太陽王国の初代皇帝の直系という意味であればボルガ・フィルモア王家になるかも知れないが。 (2013.10.25) |
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■ ぼよよん (p133) |
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あのですね・・・子供を産んで母乳で育てたお母さんの胸はあんまり「ぼよよん」になりません。どんどん萎みます。フンフトさんは桜子を母乳で育てていないのか。 というツッコミは置いておいて。 ダイ・グとフンフトの会話から、フィルモア帝国元老院の企み、ブーレイ傭兵騎士団を派遣した本当の目的、ラーン王宮支隊が殺気立っていた理由など、この辺全てが明らかになる。 神官たちが妙にニコニコしていたのは・・・詩女に返り咲いたフンフトを快く思っておらず、厄介払いしたい一派が出張っていたのだろう。 一方、剣聖慧茄も元老院の意向を知り得ているはずであるが、彼女は詩女に全てを任せておけば問題無しと考えているようだ。 慧茄は詩女ボルサの伯母として聖宮ラーンに仕えていたことがあり、フィルモア4世(フルダ・ダイ・グ・フィルモア4世)の妻でもあった。歴代のフィルモア皇帝は炎の女皇帝から何らかの指示を受けていたらしいので、4世も詩女の預言を得ていた可能性が高い。つまり、慧茄は詩女の預言が「本物」であることを知っており、これに懐疑的な元老院の面々とはスタンスが完全に異なる。詩女の能力を知っているからこそ、余裕の笑みを浮かべていることができるのではないだろうか。 ダイ・グは聖宮ラーンに入る以前に詩女フンフトを后に娶る算段を吹き込まれていたものと考えられる。コミック12巻ではティルバー女王に「お后は我々元老院にお任せください」と云われていたので、おそらく1ヶ月の間にその辺の指示だしが行われていたのだろう。慧茄と仲の良いダイ・グであれば、どのような嘘であれ詩女に見抜かれることは重々承知しているはず。その上でほとんど茶番に近いプロポーズを演じさせられているのだから、極度に緊張していたとしても不思議ではない。全てを見透かされることを判っていながら会話するには、ダイ・グは若過ぎる(地球年齢で21歳ぐらいとのこと)。 p144では、全ての思惑を知り抜いた上でフンフトが「乗っかっている」ことが判る会話をしているので、ダイ・グは本心から「お笑いください」と云っているようだ。んが、フンフトが「乗っかっている」のか、「乗っかってみせている」のかは、イマイチ不明。詩女が夫婦の契りを交わすこと自体が本来は禁忌のはず・・・フィルモアはその枷をかなり軽く考えているようだが、これまでの経緯を考えればフンフトが嫁入りすることはほとんど無理だろう。 ダイグの眼が緊張で痙攣するクセはジークと同じで、トリハロンとの共通項となる。眼瞼痙攣の原因には様々なものがあるが、そのひとつに遺伝子異常があるらしい。トリハロンとフィルモア王家は直系の関係では無いが、ジークとダイ・グに見られる共通のクセはアルカナス帝家から続く遺伝子疾患の可能性もある。 (2013.11.24) |
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■ ブラウ・フィルモア王=ジークママとその「子」 (p140) |
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ブラウ・フィルモア王の登場からp143の靴のシーン(ジミー・チューの靴)、プラスして、p155から続くフンフトと慧茄の会話から、ジークママの正体がブラウ・フィルモア女王であることが明かされる。 この視点に立って、p126-127の茄里の情報も合わせ、彼女の身辺について整理しておきたい。 サクリファイス(Sacrifice)とは「犠牲」もしくは「生贄」という意味だが、これまでに明かされている設定ではフィルモア帝国の聖騎士に与えられる特殊称号とされている。帝国そのものを守る役目を負う騎士で、帝国への不信・背徳につながる要素を独自の判断で排除する権限をもつという。また、円卓の騎士と共にフィルモア帝国の皇子・皇女を守護する役目も負っているようだ。この場合の皇子・皇女とはフィルモア帝国の皇位継承権で最上位(=皇位継承1位)にいる者を指す。 ジークママがジークと話しているシーンで、自らを「あなただけのサクリファイス」と称したが、このセリフには複数の意味が込められている。まず、@彼女自身が称号サクリファイスをもつ人物であるということ。フィルモア帝国において最も尊い血筋とされるブラウ・フィルモア王家・・・その当主の息子がジークであれば、ジークはもともと皇位継承1位である。よって、A聖騎士の役目として皇子を守るということ。そして、Bそういった称号や役割が無くとも、母親として、全てを捨てて(=自らの身を捧げて)息子を守るという覚悟の表れである。 んで、なぜジークが実家から出奔したのか、なぜジークママがそこまで息子に入れ込むかは・・・ジークとは別の「子」が関係しているようだ。この辺も後述する。 ジークママの正体が判明したことで、上記のとおり、ジークの正体も判明する。ブラウ・フィルモア王家の嫡男である。プラスして、映画GTMの内容とデザインズ4の解説を読む限り、ジークは後にフィルモア帝国の皇帝となるらしい。映画ではファティマ・エストを連れ添って歩いていたので、おそらく後のレーダー9世ということになる(13巻のp1で顔は確認できる)。なぜ、ブラウ・フィルモア王家を出自とするジークが、フィルモア6世ではなく、レーダー9世を名乗ることになるのか・・・うーん、ジークの移籍とか婚姻といったイベントでもあるのか。いずれにしても、ジークの成人後の姿がレーダー9世ということになれば、映画GTMの劇中でフィルモア王家に伝わる詩女の衣を身に付けていることにも説明がつくだろう。レーダー9世はブラウ・フィルモア王家出身の皇帝、ということになるのだから。 ブラウ・フィルモア王はブラウ・アルカナス・フィルモア王家とボルガ・レーダース・フィルモア王家の双方の血筋を継ぐ人物。んで、ブラウ・フィルモア王家は帝国正王家とも呼ばれており、正王家筆頭の尊い血をもつ人物が皇位継承1位の皇女・茄里である。つまり・・・皇女・茄里はブラウ・フィルモア王の娘ということになり、ジークの姉もしくは妹ということになる。世継ぎを巡って騒動があったと云うなら、本来1位のジークが実家から出奔したために、その妹が1位に繰り上がったと考えるべきだろう。 おそらく、何らかの理由があって茄里は幼少時からバルバロッサ家に預けられており、ジークが出奔した後もバルバロッサ家に囲われてしまったために、フィルモア王家、レーダー王家、バルバロッサ王家の御三家の権力バランスが崩れてしまったのではないだろうか。 後はつけたし程度で。 以前の設定で、ジークが所有するGTMは蒼い騎体で「皇帝」と呼ばれる、との情報があったが、これがおそらくp173で名前が語られるダス・カイザースということになるだろう。 んで、ブラウ・フィルモア王のパートナーはオデット。オデットは青銅騎士団の筆頭騎士クローター・ダンチーヒのパートナーであったが、ダンチーヒの引退後にブラウ・フィルモア王が娶ったようだ。また、オデットが別モードを発揮した姿がオディールで、オディールのマスターは茄里である。さらに、これまでに明かされている設定によると、ジークは将来的にオデットをパートナーにするようだ。 つまり、ジークがフィルモア帝国に戻ることで、ブラウ・フィルモア王家の離散が解消され、母と妹からいろいろ引き継ぐ、という流れが想像できる。 ジークがこれほどまでに「持っている」人間ということになれば、彼だけが引き継いでいるという「名前」も予測がつくだろう。かつてフィルモア1世を指していたというその名前・・・「サイレン」ということでほぼ決定かなと。 (2015.11.20) |
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■ フンフトの思惑 (p146) |
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フンフトがダイ・グの真意を問いただすシーンで、わざわざクリスの近くに寄っている。おそらく、自分の立ち位置をクリスの傍に変えることで、ダイ・グの表情をクリスに見せようとしたのではないだろうか。すなわち、自分の意思と帝国の意志の間で板挟みになってもがいているダイ・グの表情を、である。 そもそもフンフトであればダイ・グの考えはおおよそ見抜いているはずで、この会話自体がダイ・グの口からクリスに真実を語らせるためのものであったことが予想できる。 これに対して、クリスがあまりにも意固地な態度しか見せないために(p158以降)、フンフトは敢えて馬鹿にしてみせる態度をとることになる。 クリスは「皇帝・帝国のためならばどんな命令でも従う」と意気込んでいる。その皇帝ですら、帝国の意志と板挟みになって悩んでいるというのに、である。 それを敢えて目の前で見せてやったのに、妄信的に命令に従うという意志だけを見せてしまうのは、なんともお子様である。 結局、フンフトはダイ・グの心と耳飾りの真実を伝えることで、クリスの決意を引き出すこととなる。まあ、クリスのこれまでの苦労と地球年齢で高校生ぐらいであることを考えると、どうしても浅慮になってしまうのは仕方がない。 (2015.11.20 修正) |
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■ 帝国議会と元老院と司法院 (p149) |
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フィルモア帝国の議会、元老院、司法院がひとつになることで何が起きるか。この点はデザインズに掲載されている情報を読み解いておかないと少し混乱するかも知れない。 帝国議会は行政と立法を担う立場にある。より正確には、帝国議会は議院内閣制を採用しており、議会(立法機関)は内閣(行政機関)の下に位置し、上院議会と下院議会の協議・議決によって内閣の信任を行う立場にある。ミヤザは内閣官房長官(=首相)であるため、本来は自由に議会を制御できる立場ではないが、彼らの会話を見る限り、議会の決定権もミヤザの思い通りになってしまっているのだろう。 この議会に元老院と司法院の後ろ盾が付いてしまうと、行政、立法、司法の全てが元老院の思いのままということになる。さらに、フィルモア帝国の騎士団は一部を除いて議会の直下に置かれているため、民衆と騎士団の動きもミヤザの意志で制御できてしまうことになる。 貴族に対する反発を見越してミヤザを取り込むあたり、アドー王の政治的な手腕と思想は薄っぺらな訳では無いようだ。 (2013.12.17) |
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■ メロウラとプリンシパルについて (p150) |
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統合フィルモア帝国が成立した際にドナウ帝国と太陽王国の皇帝騎を交換したらしい。また、p156のブラウ・フィルモア王のセリフから、彼女の搭乗騎はプリンシパルであったことも判る。これまでに公開されているホルダ系列GTMの情報を整理すると以下の通りになる。 ホルダ17型カイゼリン:ドナウ帝国皇帝騎⇒詩女に譲渡⇒剣聖ビザンチン⇒ヤーボ⇒デプレ ホルダ19型メロウラ:ハロルドラント王騎⇒ドナウ帝国皇帝騎(カイゼリン移籍後)⇒フィルモア帝国統一後にボルガ・レーダー王家に譲渡⇒歴代レーダー王家皇帝?⇒レーダー8世⇒クリス ホルダ21型プリンシパル:太陽王国皇帝騎⇒フィルモア帝国統一後にブラウ・フィルモア王家に譲渡⇒歴代のブラウ・フィルモア王?⇒ジークママ ホルダ23型ウィリーズ:出自不明(メロウラと同型という設定もあることからおそらくドナウ帝国所有)⇒フィルモア帝国統一後は歴代フィルモア王家皇帝?⇒慧茄⇒ダイ・グ ホルダ25型(名称不明):出自不明・現所有者不明 いまいち確証が持てないが、皇帝騎が交換された後に「フィルモア帝国の皇帝騎」として運用されたのではなく、筆頭王家(ブラウ・フィルモア王家とボルガ・レーダー王家)の歴代当主に引き継がれたと考えればいいだろうか。ついでながら、皇帝騎メロウラがハイランダーに渡されるパターンは過去にもあったのかも知れないが、レーダー8世がクリスに渡すことを宣言したのはハイランダーとなる以前の幼少時である。これは帝国の歴史の中でもかなり特殊な事例であったと考えられる。 (2015.11.20 修正) |
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■ フィルモアが払うべき代償 (p153) |
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全星団がフィルモア帝国のナカカラ支配に理解を示すようにする・・・つまり、国家基盤を他星に移すことに関して、誰もが納得できるような状況を生み出すということ。それだけの大義名分を得るには、フィルモア帝国そのものが揺らぐだけの「何か」が起こらなければ無理だろう。アドー王はその「何か」を起こすようシオの門番に依頼したらしい。 その「何か」がどのようなものになるかは不明であるが、少なくとも星団暦3239年までフィルモア帝国が健在であることは判明している。国家そのものが無くなるような代償では無いということだろう。 (2013.12.18) |
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■ ニオ泥酔 (p154) |
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ニオが泥酔しているのは、おそらくダイ・グの婚礼の話を知ってしまったため。飲んで忘れようとするあたり、ある意味クリスよりオトナかも知れない。 (2013.12.18) |
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■ 「あの子」とジークと (p156) |
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ブラウ・フィルモア王が変わったのは「あの子」が産まれたため。その影響で息子が去ったのであれば、「あの子」とは息子の後に産まれた子ということになる。 という訳で、ブラウ・フィルモア王が狂気に走った背景には、ジークの(おそらく)妹にして皇位継承1位の皇女茄里が生まれたことが影響しているらしい。茄里の誕生を機に、ブラウ・フィルモア王が「最強騎士であろうとする強迫観念に駆られてしまった」のであれば、その理由は茄里の登場と共に明かされることになるのではないだろうか。 とは云え、ブラウ・フィルモア王はジークが家から出て名前を捨てたことで「自分が変わった」と感じてるようだし、なんつーか現在の茄里との距離感が掴めない。あ、幼少時にバルバロッサ王家に取り上げられているから判らないのか。つまり、彼女は「手元に戻せる可能性の高い子供」として、ジークに依存してしまっているのかも知れない。 剣聖に負けて倒れているニーゼルの横でオデットがリード・サポートの展開をしている。この時点でなぜGTMとリンクしている必要があるのか不明。城内でGTMを移動させている訳ではないだろうし・・・あるいは、GTMの透視機能を用いてニーゼルの身体の診ているのかも知れない。ハンガーにGTMが格納されていたとしても、首だけ動かせれば城内の全てを透視することは可能なはず。また、GTMの眼が捉えた映像や情報は、リード・サポートを行っているファティマの眼に転写することも可能だろう。 慧茄とフンフトの会話から、ジークの足取りが判る。ジークはブラウ・フィルモア王家から出奔した後にエラルド島に渡って、慧茄およびダイ・グと過ごしていたらしい。 以前に明かされていた設定で、ジークはアドラーおよびボォスで事業展開するノルガン財閥に籍を置いていることになっていた。おそらく、ジークは実家から可能な限り遠くに離れることを考えたのだろう。他星への足掛かりとしてエラルド島に本拠を置くダイ・グ家を頼り、その紹介でノルガン財閥に移籍。財閥に身を置くことも避けて、デルタ・ベルンのルミナス学園に入学したのだろうか。こうやって考えると、ジークとちゃあの抱えている背景は何となく似ていることが判る。2人とも「実家から距離を置きたい」と考えている訳である。 逃げる生き方を選んだ2人が、追い求めることを選んだヨーンに惹かれてしまう。この辺の構図もなかなか面白い。 (2013.12.27) |
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■ 預言を受けるクリス (p163) |
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フンフトの預言と共に現れる歴代の詩女たち。映画GTMのラストシーンに重なる状況であるが、ナインやダッカスは現れず、集まっている詩女が結構異なる。 映画GTMの劇中では、夕闇が迫る中でトリハロンの眼前に詩女たちが現れた。今回は夜明けのシーンである。 日の出・日の入りは「生」と「死」の象徴であり、それらは「再生」や「復活」につながる。 既に他界している詩女が現世に関与する際には、日の出・日の入りに乗じる必要があるのかも知れない。 詩女の預言によると、クリスティンが倒れない限り、ダイ・グの望みは叶うことになるという。 つまり、フィルモア帝国がミノグシアを蹂躙することはなく、両民族の共存はいずれ可能になるということ。その瞬間こそが、映画GTMのカーテンコールに描かれたシーンになるのかも知れない。 詩女たちが云っている「私たちの目をもつ詩女」というのも、誰を指しているのか全く予想がつかない。「その時」に「生まれる」のであれば、現時点で生まれている人物ではない。マグダルは星団暦3075年の時点で既に「時の詩女」と呼ばれているので、彼女よりも先の未来で出現する詩女になるだろうか。んが、マグダルは4000年代においても聖宮ラーンにいるという設定もあったはずだし。うーん・・・この世に「産まれる」のではなく、詩女として「生まれる」という意味だろうか。 (2014.01.17) |
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■ バシル大王とレーダー前皇帝 (p168) |
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レーダーとバシルの会話が少し判りづらいのでメモしておく。 このふたりはダイ・グとフンフトの婚礼の話を事前に知り得ており、互いにその情報を持っているであろうことも知っている。レーダーがいうところの「元老がいろいろざわついておる」というのは、婚礼の話だけでなく、クリスの処遇に関する話を多分に含んでいる。レーダーがバシルの元を訪れたのは、クリスを養女に迎えることを伝え、元老院が好き勝手しないようバシルの側から忠告させるためだったのだろう。んが、この話を伝える前にバシルの側から養女に迎えてはどうかという提案が出されたため、レーダーは驚いているのである。 この後のシーンを見る限り、バシルはクリスがもつ魔性を畏れており、その血が後世に残ることを未然に防ごうとしているようだ。元老の好き勝手にやらせていては、クリスの「魔女の血」は拡散することになる。また、ダイ・グはクリスを気にかけているため、彼女が「子を産む道具」として使われればこれまで以上に心労が増えることになる。現状では、クリスと元老を離して置くことが先決であるため、レーダーの手許に置いておくことが最も望ましいと判断したのだろう。この辺の考え方から察するに、レーダー前皇帝と元老院の関係はあまり良いものではないことが判る(反目しているというべきか)。この点についてはバシルとレーダーが若い頃にやり合っていた、という会話からも読み取れる。 また、レーダーを含む帝国老人クラブの面々が城の地下で会話していたことも(コミック10巻)、この辺の関係性を表していたのではないだろうか。帝国老人クラブの面々が紅一点として慧茄を加えようとしていたという設定もあったが、これも案外政治的な理由が大きいのかも知れない。 (2014.01.18) |
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■ 皇女茄里の登場 (p172) |
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茄里が口にしている「裏切り者」が誰のことを指しているのかは不明。んが、フィルモアと関係があり、天照家典星舎が絡んでくる人物となると・・・ちゃあと一緒に行動していたジークということになるだろうか。ジークは彼女の実の兄であるため、もしこの「裏切り者」がジークを指しているのであれば、茄里の異常性・・・彼女の母親を狂気に走らせた理由も見えてくるだろうか。 オディールとはバレエ「白鳥の湖」に登場する魔王ロットバルトの娘の名。バレエの劇中では、白鳥に姿を変えられたオデット姫のニセモノとして登場する(黒い衣装を纏っているため黒鳥と呼ばれる)。バレエの公演ではプリマが一人二役を演じることが多いが、白鳥と黒鳥は性格が全く正反対の対存在である。その名前から察するに、極めて凶悪な思考をもつファティマであることが予想される。デザインズ4の解説に拠ると、オデットとオディールは同一のファティマとのこと。ふたつの異なる性格・特性・能力を併せ持つファティマであり、白鳥(ホワイトスワン)モードの際は「オデット」、黒鳥(ブラックスワン)モードの際は「オディール」と呼ばれるらしい。オディールの衣装はオデットの衣装と対になっているファティマスーツのようだが・・・シアン夫人がセットで製作したのか、彼女自身のモードチェンジに合わせて色味が変更するスーツなのだろうか。 この場所でリード・サポートの展開を始めたことから、GTMダス・カイザースは少なくとも「この場所の近隣」に置かれていることになる。レーダーがわざわざこの土地を訪問してきたことも含めて考えると、バルバロッサ王家の本拠地はこのンビドーにあるということになるだろう。ンビドーは帝都デュアンスの南西に位置しており、ちょうど西都レーダース(レーダー王家の本拠地)と東都フィルモア(フィルモア王家の本拠地)の間に位置している。両王家の調停役たるバルバロッサ王家が、フィルモア帝国のちょうど中央部を治めているというのもなかなか面白い。立地的にも両国の間を取り持っていることになる。 にしても、この後で茄里も魔導大戦に乱入してくるのね。 ほんとお祭り騒ぎですな。 (2015.11.22 修正) |
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■ ドヌーブとミルク・バー (p179) |
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ドヌーブ・ガセットはAP騎士団[ラーン王宮支隊]の支隊長。ニナ・エリスが聖宮ラーンの帰還命令を無視してスバース市に残留したため、暫定でその後任に就いた人物である。パートナーはカナハ。髪型から察するに、ダイ・グら御一行をラーンで出迎えていたのは彼女たちだろう。 ドヌーブたちが向かった先はMILK BARというお店。 ミルク・バーと云えば、「A Clockwork Orange(時計仕掛けのオレンジ)」に登場するThe Korova Milk Bar(コロヴァ・ミルク・バー)が有名。「Korova」はロシア語で「雌牛」の意。劇中ではドラッグ入りのミルクが出てくるヤバイお店である。 時計仕掛けのオレンジが映画化されてからニューヨークのイーストヴィレッジに同名のバーが開店したようだが、これは2006年に閉店している(2007年に再び開業したものの、間もなく閉店したらしい)。コミック6巻でもザンダシティの街中にあった看板に「THE AGE of LOVE AT MILK BAR」という文字が描かれていたので、永野センセー行き着けの「MILK BAR」という名のライブハウスがあるのかも知れない。 ・・・と思ったら、やっと見つけました。 ロンドン出身のDJでレコード・プロデューサーのNicky Holloway(ニッキー・ホロウェイ)が1990年に同名のナイトクラブをオープンしていました。Paul Oakenfold(ポール・オークンフォールド)やDanny Rampling(ダニー・ランプリング)といったロンドンの売れっ子DJが各曜日を担当して毎晩ライブを開催。ニッキーはロンドンでアシッド・ハウスを流行らせた人物で「a prototype of the superstar DJ」と呼ばれていたらしい。彼らの活躍の裏には地中海のイビザ島で見たAlfredo Joaquin Fiorito(アルフレド・ホアキン・フィオリート)のDJプレイがあったとか。要するにイビザ島で練り込まれたカウンター・カルチャーの流れが、ニッキー・ホロウェイら数名のDJによってロンドンに持ち込まれ、ロンドン・クラブ・シーンを一気に持ち上げたということだろう。その中心地のひとつがMILK BARだったことになる。永野センセーの趣味(?)から云えば、おそらくこのお店が元ネタではないかと。 ちなみに、時計仕掛けのオレンジがAnthony Burgess(アンソニー・バージェス)によって執筆・発表されたのが1962年。Stanley Kubrick(スタンリー・キューブリック)の手に拠り映画化されたのが71年である。ニッキー・ホロウェイが開店したナイトクラブの名前は、コロヴァ・ミルク・バーからの引用の可能性もある。 (2014.02.19) |
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■ にきたまの詩女 (p179) |
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「にきたまの詩女」と謳われたナカカラについて、コミック13巻の中身だけでは重要な情報が抜けている。デザインズ4の内容に拠ると、ナカカラと同じ時期に詩女となった女性が、天照の妻リトラであったという。巻頭のキャラシートと欄外の解説で、ナカカラは「アマテラスの誕生を知っていた」とあるが、彼女はリトラを通して天照家の出来事をモニタリングしていたようだ。 ナカカラの在位期間は2010〜2130年頃とのこと。天照の誕生は2020年。ボスヤスフォートによるグリース王国侵入は2121年である。 一方、リトラ(あらたまの詩女)は2015年に詩女の記憶を継承し、天照家に移った後に典星舎で成長し、2087年に結婚、2099に他界している。 リトラが天照家に嫁入りした理由のひとつに、天照の守護という役割があったらしい。星団暦2020年の天照の誕生に合わせて魔王タンツミンレが襲来。これを撃退する中でログナーが死亡。ドウター・チップにより新たに生み出されたログナーの成長を待つまで、天照のガードナーを務めたのが「あらたまの詩女」と呼ばれたリトラであったようだ。 リトラに関連して少し考察を広げる。 コミック11巻では、ムグミカの「血の召還」によって呼びだされた炎の女皇帝ナインが、その場にいないはずの天照の存在を感知して「神」と認識するシーンが描かれた。このシーン、よくよく考えると「ナインが超常的な感知能力によって天照を見た」のでは無く、「歴代の詩女の記憶にある天照の情報を受け取った」と考えた方がいいのではないだろうか。リトラの記憶はその後の詩女に継承されなかったようだが、モニタリングしていたナカカラの記憶は継承されている。その記憶をナインが受け取ったのであれば・・・ナインは天照の命(ミコト)に次いで、天照の帝のことを「よく知る」人物ということになるかも知れない。56億7千万年後の未来を知る炎の女皇帝が(ん?この時点では知らないのか)、神と対峙したときにどういった行動を採るのか・・・この辺なんだか気になりますね。現在のFSSの主人公はナインという解説もあったので。 (2014.02.20) |
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■ 悩めるランド (p184) |
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髪を切ったヘアードを見て動揺するランド。 元ミラージュ騎士とは云え、ランドはほとんど私怨でミノグシアに降り立っている。そのランドの眼から見て、ただ一心にマグダルを守ろうとするヘアードの生き様がどのように映るのか・・・。 他者に仕えることの意味を知っているランドだからこそ、マグダルに仕えようとするヘアードの立ち振る舞いに、心を揺さぶられてしまうのだろう。一方、天照に仕えているだけで、この戦争を終わらせることが果たしてできるかどうか。それに気付けない男ではないだろう(なんせ天照本人はラキシスの機嫌取りで手一杯である)。 ランドが後にスバース隊に収まる理由が、なんとなく見えてきたということで。 (2014.02.19) |
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■ ブーレイ⇒ラムアド (p187) |
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ブーレイ傭兵騎士団が登場。肩のあたりに旧デザインの名残が見える。 サージ(surge)とは「大波」、「うねり」、「動揺」の意。おそらく、ハーモイド・サージとはハーモイド・エンジンの出力が高まった際に発する音や振動を指しているのではないだろうか。ランドは「3点バースト?」と口にした瞬間に「ズッ」という音と振動を感じている描写がある。GTMをよく知る騎士だからこそ、エンジンの動揺を敏感に感じ取り、すぐ近くまでGTMが来ていることに気付いたのではないだろうか。 (2014.02.19) |
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■ 青騎士⇒ボルドックス (p188) |
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映画に出ていたボルドックスはXa-01型のオリジナル・ボルドックス。今回登場した騎体はX-9型ボルドックス・ガーネットである。 X-9はジーシャンガン(紫仙鋼)という設定もあったはずだが・・・おそらく、正式名称とは別にXナンバーのGTMを指して「青騎士」と呼ぶ風潮があるのだろう。機密兵器の名称はもともと公にされるものでもないし、他国に勝手に付けられてそれが定着する場合も多々あるはず。タイガーIIだってキングタイガーとかロイヤルタイガーとか呼ばれて、ドイツに逆輸入されてケーニッヒス・ティーガーと呼ばれるようになったらしい。XナンバーGTMが全て青騎士と呼ばれていたとしても、不思議ではない。というか、この辺は拘らずスルーしておいた方が無難だろう。 オリバー・メルシュがついに登場。・・・長かったですね。出るまで。 (2014.02.19) |
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■ ヘアードは石頭・・・なのか (p192) |
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爆発したバージの破片が頸部を直撃し、「生命反応ゼロ」の状態になるヘアード。んが、直後にティスホーンが調べてみると、死んでいてもおかしくない状況であるにも関わらず、無事であったことが判る。では、赤十字のメンバーが単純に診断ミスを犯したのかというと、これも少々おかしい。ジョーカー星団ほど科学力が進んでいる世界で、こんなにアッサリと診断ミス(というかスキャナの誤作動)が起こるということはないだろう。 となると、ヘアードは一旦死亡し、その後で瞬時に蘇生されたことになる。巻頭のキャラシートの解説に拠ると、セントリー・ドロップの加護を受けているとのこと。ティスホーンのセリフでは、もう1回こういうことがあるようだ。治るつっても痛いことには変わりがない。ご愁傷さまである。 (2014.08.23) |
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メルシュとジャカルナ (p194) |
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メルシュとジャカルナの会話から、戦闘区域のすぐ上空にNPOが来ていたことが判る。 が、これは偶然ではなく、最初からNPOのいる場所で戦闘が展開されるよう仕組まれていたことが後で判明する。 メルシュはパルスェットの身を案じているようだが、パルスェットがレスターを失ったのは2989年・・・およそ40年前である。騎士団に所属している以上、個人の意思で国外に出ることが難しいのは判るが・・・この間に一切動けなかったのであれば、対応としてあまり褒められたものではない。というか、パルスェットは公式記録上で未だに行方不明のままになっているのか。おそらく、アイシャが3001年に保護した情報は星団のライブラリに登録されていないのだろう。キュキィとアイシャがノーキィ市を訪問していたのは、公務と切り離された隠密行動だったということか。 アイシャがガーランドの下に届けれていば、リフレッシュしてからお披露目に回すこともできただろうが・・・あるいは、パルスェットもスタックコードを発症したために、お披露目に回すことができないままアイシャの預かりになっていたのかも知れない。ファティマが兵器であることを考えると、こういった情報が公にされないことも当然かも知れないが・・・単純に全員が呑気なだけのような気もする。 (2014.08.23) |
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■偽名アンジュについて (p195) |
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アンジュの名前の由来は、永野センセーが以前NTの記事で語っていた内容から察するに、童話「安寿と厨子王丸」に登場する安寿姫である。 安寿と厨子王丸は岩城判官正氏(奥羽五十六郡の太守であった人物)を父にもつ姉妹。冤罪によって筑紫に流された父に会おうと故郷を旅立った姉妹は、人買いに騙され山椒大夫の下で奴隷としてこき使われることになる。姉の安寿は弟の厨子王丸を都に行くよう説得して逃がした後、入水自殺する(あるいはなぶり殺しにされてしまう)・・・という内容。 マグダルはこの後でカーマントーに送られ、悲惨かつ過酷な状況に置かれるようだ。 (2014.08.24) |
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■ ミノグシア軍命令について (p200) |
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チャーター便のパイロットが「接近は危険」と判断しているにも関わらず、ヘアードはミノグシア軍命令を発して宇宙船を進めるよう求めている。 ランドがチャーター便を手配した際に、「ミノグシア軍に所属する騎士」が同行することをパイロットに伝えていたのだろう。ランドの気配りは素晴らしいの一言。 んで、ランドに替ってジャコーがヘアードの手助けに付くことになる。偶然とは云え、「犬も歩けばミラージュに当たる」状態ですな。 (2014.08.24) |
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■ ファティマによる超法規割り込みについて (p204) |
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超法規割り込みとは、規定されている法令の範囲を超えて特別な操作を加えること。人道支援・人命救助といった特別な理由があった上での個別コードの書き換えや作成は超法規割り込みとみなされるようだ。不正な割り込みや改竄ではなく、超法規的な措置として見なされることに注意。ファティマだから「できる」操作ではあるが、ファティマだから「やっていい」操作ということではない。 超法規的割り込みの権限を有する騎士のパートナーだからこそ、このような操作が可能な訳で・・・それができるのは、あらゆる越権行為が認められている騎士のみ、ということになる。ミラージュ騎士はあらゆる越権行為が認められており、そのパートナーであるティスホーンだからこそ、こういった操作が可能だったのだろう。 他の国家の騎士については不明であるが、少なくとも一般的な騎士が指示できる行為ではない。なにせ警察権を行使して初めて確認できるはずの情報が、書き換えられているのである。ヴィン・ティンはそれを知っているからこそ、警戒を促しているのだろう。流石に、その警戒の対象が同じミラージュ騎士だとは思わなかったようだが。 (2014.08.24) |
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■ グリット・ブリンガー始動 (p205) |
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びゅーーって索敵中のカレとグリッド・ブリンガー。カレの髪型と髪の色が変わったおかげで誰だか判らなかった。 劇中に登場しているのがグリット2騎。他にハイファとファルトリムがあるようだ。潜入していたミラージュ騎士はアイシャ、カイダ、ブラフォード、キュキィの4名であったため、グリットはカイダとキュキィ、ハイファはブラフォード、ファルトリムがアイシャの搭乗騎になるだろう。となると・・・ヨーンの搭乗騎はランドの持ち込んだ騎体になる可能性が出てくる。 ミラージュ・ファティマのスーツは全てカスタム・スーツ。アレクトーとカレのスーツもちゃんと別デザインですね。 (2014.08.24) |
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■ 親書が届く仕組み (p209) |
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アイシャと天照に連絡を入れてから大した時間も経過していない様子であるにも関わらず、親書が届いている。ランドの連絡が緊急回線を介したものであったとしても、天照の使者が直接渡したであろう書類が届くには早過ぎる。天照家のバイターのネットワークを通せばこのような芸当は訳もないのかも知れないが・・・おそらく東の君(あがりのきみ)がここまで乗り込んできたのだろう。メル・リンスと同じく、彼であれば星団のどこでも瞬時に出現可能である。 (2014.08.24) |
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■ クロス王国とシャール公領 (p212) |
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天照王朝のクロス国については、以前から管理する王家の設定が二転三転してきた。今回の親書の内容でランドの管轄地であることが確定したものの、直後に天照に返還された状態となってしまったため、またもや王家不在の状態となってしまった。シャールという名前も10年ぐらい前にNT誌上で出てきただけの設定である。劇中に登場した瞬間に設定が切り替わる・・・いつものFSSである。 という訳でランドはミノグシアに渡り、マグダルはカステポー宙域に、ヘアードはジャコーと共にそれを追う状態となったところでマジメなお話は終了。こっからギャグに突入する。 (2014.08.29) |
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■ ソープとラキシスのバカンススタート (p218) |
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コーラス・ハグーダ戦からこっちほとんど外界に出ることが無かったラキシスがついにお出かけ。ソープとラキシスはおそらくムンスターから入り、北上してベラ国の空港から空路でスバース市に移動しようとしていたのだろう。んが、西部に渡るためにはバッハトマの占領区を横切ることになるため、空港は出発便を止めていたようだ。この後、空港自体が戦場になる可能性が出てきたため、ナルミの指示で足止めしていた飛行機は全て出発。飛行機に乗りきれない人々は(おそらく軍の支援で)ベラ国の中央へ移動することとなった。 GTMのエンジン音を聞いて「にゃ?」の一言で終わるラキシス。ソープの方が詳しいことは判るが、これをちゃんと聞き分けて騎士に情報を与えるのがファティマ本来の役割である。この会話だけで、ラキシスがいかにグータラなファティマかが判る。 ソープのセリフから、バーガ・ハリに搭載されているエンジンの型式にみられる「SM」は「スーパーマーリン」の略語であることが判る。 おそらく、GTMのエンジン型式にみられるアルファベットは、戦車、自動車、航空機などのエンジン名や型式名から引用されているのだろう。 デザインズ4に掲載されていたメロウラのエンジン型式にある「HL」はマイバッハ製のエンジンにある「HL」が元ネタ。これはドイツ語で「高性能」を意味する「Hochleistung」の略語である。 また、マーク2のエンジン型式にある「DB」はおそらくダイムラー・ベンツの頭文字である。 ラキシスが履いている3色アイスクリームのハイヒールは、ロンドンの靴ブランドCharlotte Olympia(シャーロット・オリンピア)の製品。 コレクションの発表は2008年、ブランドショップの開店は2010年。バッグにも描いてあるクモの巣がトレードマーク。ショップはロンドン、ニューヨーク、ロサンジェルスにあり、これもバッグに描いてある。 アイスのハイヒールはその名も「Ice Cream」というモデルで、お値段は995ドル。靴底に「VERO CUOIO MADE IN ITALY」と書いてある。これは「イタリア製の本革」という意味。 ラキシスが名乗っているファナという名前は、一応偽名ではない。彼女の名前は祇妃(ギヒ)・ラキシス・ファナティック・バランス・天照・グリエスである。ファナティック(fanatic)とは「狂気」の意。バランシェがラキシスに与えた名前だったと思う。 ナルミが口にしている「ハスハ民」とは、旧ハスハ連合共和国に籍を置いていた国民のこと。ミノグシア民族とほぼ同義であるが、魔導大戦の勃発後にミノグシア各国が分断された(中立や独立を表明した)こともあり、12ヶ国全ての国民をひとつの民族として見なす意識が低迷してきているようだ。難民全てを含んで「ハスハ民」と呼んだナルミ・アイデルマの器量の大きさが判るだろうか。 という訳で、珍しくシャトルバスを使用しなかったソープ。トラブルに巻き込まれることなく、無事にベラ国に入ることになったようだ。 (2014.08.29) |
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■ 巻末のスリーブノートについて |
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今回の巻末資料は、デザインズ4からの転載+デザインズ5の前振り的な内容になっている。 とりあえず考察ポイントはなし。連載再開とデザインズ5に期待しましょう。 ・・・ファティマをシン・ファイア化する技術があるなら、シン・ファイアをファティマ化する技術があってもいいのではないか。個人的に、カイゼリンの頭部に収まっていたシン・ファイアがどうなったのか、ちょっと気になりますね。 (2015.11.22) |