第30話
 「ねっ寝坊した!!」確かNミの集合時間は5:30だったはず・・・今時計を見たら7:00、これは完全に遅刻である。とにかく、身支度を整えあぶらげヒルへと向かう事にした。
あぶらげヒルに到着する。しかし、今日がNミ当日と言う雰囲気ではない、むしろNミが無事終了し、野球に例えるなら消化試合といった雰囲気だった。
「まあ何にせよ、着替えておくか。」着替えようとバッグを開こうとした時背後から、「今日は早いんだね。」っとO柳氏。こっちは遅刻したと焦って来たと言うのに来るのが早かったとはどういうことだ?しかし会話を重ねて行くうちにNミは先週で今週は定例最終戦だと言うことがわかった。
まったく、「オーマイガー!」である・・・。またしてもNミに出そびれたのであった。ショックを抑えつつ、バッグを開くと「オーマイガー!!」中にはイワンの装備品が入っていたのだった。やりきれない思いに打ちひしがれながら、仕方なくそでをとおす。
イワン装備と言う事は、当然銃もAKなのだろうな・・・案の定、β−スペツナズとRIS付きのAKスペツナズの2挺がガンケースから出てきた。「もうこうなったらこの見た事無いスペツナズで大暴れしてやる!」1ゲーム目、奥フラッグからのスタート。ためしにRIS付きスペツナズを撃ってみた。飛距離はなかなかのものだった。1ゲーム目は銃の試し撃ち程度で終わった。
2ゲーム目、今度は手前フラッグからだ。今度は実戦感覚で行ったつもりだったが、なかなかこれと言ったチャンスを得ぬまま威嚇射撃の最中急にモーターが回らなくなった!「バッテリー切れか!?」何故かそのとたん、敵が俺の視界にやたらと入ってくる、しかも敵に気付かれていない状態でこれならまず外さないだろうと言う距離で・・・。戦意喪失のまま2ゲーム目終了する。
3ゲーム目、今度はβ−スペツナズに持ち替え、奥フラッグからスタートする。中央の塹壕の裏から前進を試みるも、その真下のバリの人影に気付き、様子を窺っていたら敵で、一瞬目をそらした瞬間に撃ち込まれてアウト。やはり中央フィールドは私に向いていないようだとしみじみ感じさせられた。
4ゲーム目、今度は下フィールドに駆け降りた。途中、まさに前のゲームで私がヒットした場所に敵が居たため、針路変更し中央フィールドへの麓側に向かった。木の陰から狙いをつけて撃ち込む。距離はさっきよりはあったものの、敵は完全に無防備だったのでしとめる事が出来た。
その後、一緒に下フィールドへ降りていた味方と合流してスロープを攻めあがろうとしたが、敵の迎撃に合い、味方がヒット。私は運良く逃れ、そのまま崖を攀じ登ったものの、上り切るか切らないうちにフォーンが鳴りゲーム終了。5ゲーム目、また奥フラッグからスタートで下フィールドに降りた。やはり私にはここを迂回するのが一番性に合っている。一気に走り、手前側の下フィールドへ降り口まで辿り着いた。中央フィールドを覗き込むと、真横を向いた敵が丸見え!このポジションを取ったときこそが私のサバゲの醍醐味である。
6ゲーム目は、本日まだ行っていなかった上フィールドへ上がってみた。手前から必死に駆け上がり絶好のポジションを取る。そこから中央フィールドの敵を狙撃!2〜3人ヒットしたところで正面に気配!私よりも前に出た味方がヒットし、敵がいる事が決定付けられる。うかうか中央の敵を狙撃していられなくなった。
しばらく気配を探っていると、やはりゴソゴソと物音がするのだ。なんとなく上フィールドの最上部の稜線を見やると敵が2人顔お出している。運良くこっちには気付いていないようだった。
すぐさまその敵に向かって撃ち込む。一人はすぐにヒットできたが、もう1人は逃してしまった。そのうちにゲーム終了となり、次の7ゲーム目が今年度陽炎定例戦最後のゲームとなった。
最後は奥からまた上に上がり、横長のバリに潜み敵を待った。すると、塹壕に敵1人が飛び込んできた。そこに撃ち込んだが、塹壕の中に隠れられてしまった。私はセミに切り替えて塹壕の隙間を狙って撃ちつづけた。すると、塹壕の敵が外に飛び出し、その背中目掛けて撃ち込んでヒット。
そのまま塹壕の横に取り付き中央フィールドの敵を2人位ヒットし、合流した味方と中央へ突入しようとブッシュの濃い辺りから下り始めたとたん味方がフリーズコールを受けた。そのときは敵の位置がわからなかったがしばらく様子を見ていたら、ブッシュの中で何かがうごめいている。「あれだな!」間髪いれずに撃ち込んでヒット。その後そのままそのポイントを降りる途中に敵に撃たれてアウト・・・。
イワンの装備でサバゲをした割にはかなりの戦果だった!ゲーム終了後、メンバーと会話をしても、何故か私がロシア装備である事にツッコミを入れる者もいない・・・とうとうこの日、私がイワンでないことに誰にも気付かれずあぶらヒルを後にしたのだった。
帰宅後、どうしてばれなかったのか深く考えようとすればするほど、強烈な睡魔に襲われるので考えない事にした。  
つづく