赤い国からの訪問者第9話
6月10日、このあぶらげヒルに妙な男が現れたらしい。

顔立ちがこの俺と似ていて、ウッドランドの迷彩に、胸には海兵隊のパッチを付け、

海兵隊曹長と名乗っていたらしい(H山、Par伍長両氏の証言から)。

陽炎のいんちき外国人枠を脅かす第3の男!一体どういう男なのか!?

なんちゃってSEALS同様、陽炎での生き残りを賭け戦わなければならない相手なのか!

もしかしたらなんちゃってSEALSと組み、俺を倒しに来るかも知れんし、

逆に俺と手を組もうと提案してくるかもしれんが、

俺は誰とも組まない!

今までそうしてきたしこれからもそうして行く!

何故なら俺は『ツンドラの一匹狼』だからだ!!

ぶつぶつと呟き、

顔を紅潮させる俺の横を皆が物珍しそうに見つめながらフィールドへ登っていった。

その中にはSEALSも海兵隊もいないようだった。

「イワンさーん!ゲーム始まるよーっ。」とPar伍長。

その声にようやく我に返る・・・どうやらゲーム開始のようだ・・・。

 フラッグ戦開始!まずは手前からスタートする。

最近、極端にゲーム展開が早くなり、開始5分でフラッグアタック、

なんてことが多くなりうかうか迂回もしていられなくなってきた。

しかし、中央フィールドが苦手な俺は、中央フィールドを避け上か下へ回る。

そのお陰でオイシイ思いもしてきたが、大迂回の最中にフラッグが落ちてしまい、

無駄無駄無駄・・・・・ってこともよくある話しだ。

けどそれは、好みであり、適性だと思うので、無駄になっても俺の大迂回は続く。

 この日俺は究極の大迂回をした。

ラッパの合図と共に、セイフティーゾーンの横から下へ降り、

そこからタクティカルゾーンのロープに沿って下の出入り口のところまで行き、

ハンドガン戦のフィールドの辺りをひたすらロープに沿って走った。

この時敵が4人くらい下のフィールドに降りていたらしいが、

あまりもの大迂回のせいか1人も遭遇することなく奥のフラッグの真裏に辿り着いた。

崖に張り付きフラッグの周りを見渡すが誰もいないようだ。

それでも坂を登った先の木の下に敵が3人見えたので、

気付かれないように崖を登りきり3人に撃ちこみながらフラッグアタック!

この時撃たずにフラッグアタックしていれば、

1発も撃たないでフラッグアタックできたところだったが、

やはり敵の背中を見ると撃たずにはいられない!

そもそもそれがしたくて迂回している訳だから。

 前半フラッグ戦6ゲーム、後半ハンドガン戦2ゲーム。

ハンドガン戦では生き残ることは出来なかったが、

我ながら素晴らしい戦果をあげた!(自画自賛)

 昼食を取り午後からはフィールドの整備、

バリケードを増設してあぶらげヒルがグレードアップ!

下のフィールドを中心に増設、その中の1つ『イワン砦』俺の力作だ!?

下フィールドの山裾にあり、中央フィールドへ登るための拠点になればと思ったのだが・・・。

次回のゲームが楽しみだ。  つづく