赤い国からの訪問者 第27話 |
久しぶりにあぶらげヒルへ来た。
そう言えば俺のステアーは、またSEALSの奴に使われていたようで、泥で汚れていた。しかし、このステアーは囮にしか過ぎないのだ。 俺が本当に温めていた銃は、かつてマルイの限定商品だったスペツナズと名付けられた銃を、β−スペツナズとAK−47Sの二挺を使って真似て作った、その名も、いんちきスペッツナズこれが本命だったのだ。 それを知らずにステアーを俺より先に使って喜んでいるアホのSEALSの事を考えると笑いが止まらなくなる。「今日はこれを使って大暴れだ!」気合入りまくりの俺の気持ちとは裏腹に天気は、今にも雨が降りだしそうなのであった。 ブリーフィングを始めるとの声にテント前に参加者が集まった。何気なく参加者を見回しているとロシア装備の男がいるではないか! 「どっ同志か?」ブリーフィング後もその男を観察していると、持っている銃もドラグノフや俺のいんちきスペッツナズに47Sのストックが付いたものだったり、完全にロシア装備であった。 「まっま違いない、同志だ。」陽炎のメンバーに、第2のいんちきロシア人が登場したのだ!1ゲーム目、開始の合図と共に走り出した。なんだか右足首に違和感を感じて走るのをやめた。 「なんだ、捻挫でもしていたか?」痛いって言うほどのものではないが、全速力で走るのは無理そうだ。でも、それならそれなりの戦い方がある、俺は中央奥側の塹壕の裏から匍匐で攻めあがることにした。その位置まで来て地面に伏せる。下フィールドを見ると2人ほど降りてきているのがわかった。そこへ目掛けていんちきスペッツナズを撃ち込んだ。 電動だから弾が出なくても作動はする・・・どうも弾道が見えない。 いったんマガジンを抜いてみると、どうやらマガジンが弾詰まりを起こしているようだった。「ちくしょう、こんな時に!」絶好のチャンスを弾詰まりでふいにしてしまった。 弾詰まりを直している間に下に降りた味方が1人をやつけ、もう1人は逃げていったようで、その場から動けるようになった。下フィールドへの縁を匍匐で進んで行くと咳払いが聞こえる。どうやら敵のいる位置まで来れたようだ。 中央フィールドをチラッと覗き込もうとした瞬間、俺の真上で撃ち合いが始まった。味方側が優勢だったようで、その敵は後ろへ後退した。その背中に向かっていんちきスペッツナズを撃ち込みヒット? 誰が倒したかはよくはわからなかったがその場の敵はいなくなったようなのでまた先へと進んだ。「今度こそ絶好の位置だろう!」中央フィールドを覗き込むとやはり敵の間よきに来ていた。 「しかし、今ここで撃ち込めばあの敵は倒せてもこの先正面の倒木の辺りからいつも撃たれるんだよな・・・。」ちょっと悩んだが、敵に真横や背後から撃ち込んで倒す事に1番の喜びを感じる俺にはこの場の敵を撃たずに素通りは出来なかった。1〜2人倒したところで反撃を食らった。しっかり伏せたつもりだったが、BB弾が頭をかすめてアウト。 1ゲーム終了後、雨のために一時中断する。 しばらくすると少し雨が小降りになってきたゲームを再開する事になった。2ゲーム目、開始と共に突撃してくる敵にいんちきスペッツナズを撃ち込むが、すぐにバッテリー切れ・・・結局いんちきスペッツナズの真価を見出す事が出来ずに本日のサバゲーは終了となった。 「雨の中、4ゲームできればまあいい方か。」それよりも、たいして弾数を撃っていないのにバッテリー切れとなった、いんちきスペッツナズを何とかしなくてはならない・・・。バッテリーにも問題はあるのだが、銃本体にも何らかの原因があるのだろう。 銃をばらさなくてはいけないと思うと、アゴがだるくなってくる。そんな俺の口からは無意識に、「オーマイガー」いんちきながらもロシア人の俺が、何故この言葉を口にしたのか?それよりも銃のメンテナンスの事でアゴがだるい・・・。 つづく |