赤い国からの訪問者第15話
2001年の年末に、なんとか日本に帰ってくることが出来た。

年が明けて1月6日。今年最初のシューティングマッチが催される。

実は昨年末からこの日の為に用意していた銃があった。

まあ用意と言うにはいささか突発的であり、全くもって準備不足であるのだが・・・。

ロシアから帰りたての俺に、あの銃は何故か眩しすぎた!

そして湧き上がる衝動に駆られ俺は、ワルサーP99(限定版)を支給(購入)されるのだった。

前々からダットサイトの装着されたハンドガンが欲しかったのだが、

加工が面倒だったり値段が高かったりで折り合いがつかなかったのだが、

この銃に関してはかなり俺の希望を満たしてくれていたため、輝いて見えたのだろう。

ダットサイトはいつものあれで、これでSEALSのM4の分も合わせると3つめと言うことになる。

何はともあれこの銃で、今日のハンドガン精密射撃でひと花咲かせたいところだ!

しかし勇んで競技に臨むも独特なトリガーのはずれるタイミングに

いまいち慣れる事が出来ずに結果はいまいち振るわなかったが

なんとなくだが手応えは感じることが出来たような気がする。

次回はもっと上位を目指してがんばるつもりだ!

第一種目のライフル精密もいまいちぱっとしなく、競技も残すとこスピードシューティングだけとなった。

そう言えば、前回のマッチのスピードシューティングは、最初の2ゲームは銃の故障によりあっけなく敗北したが、

銃を替えたその後は全勝したのであった。

マッチの中で唯一上位が狙える種目だけに俺はここで奮起したかった。

気合を込めてベルトを腰に巻く。心なしか少しきつくなったようだ・・・。

勢いよくグロックをフォルスターに挿し対戦相手と並び、ジャッジのかけ声と共にグロックを抜く。

パンパンパァン、1枚、また1枚的が落ちる。

今回から的が替わって倒れるタイプのものから落ちるタイプになった。

その名も『落ちる君ver3,25』である。

この対戦何とか勝てたものの、今日の俺は正確性にかけるが、スピードはまずまずのようだ。

安定性に欠け不安が残る。

その後も2人3人と何とか勝てたような感じであった。しかし1回の引き分けのあとはスピードに正確さも乗ってきた感じで、

俺自身もかなりノリノリだった。そんなこんなで気が付くと全勝優勝!

とは言っても最大の山場で」相手の銃が作動しなかったり、結論としてはラッキーな優勝ではあったのだが・・・

しかし運を味方につけることも勝利には欠かせない条件の1つであると俺は思う。

それにしても冬はまだ始まったばかり、5月の開幕まではまだ4ヶ月もある。

毎度のことだが、今年こそはなんちゃってSEALSとの決着をつけ、更にマッチの方でもトップを脅かす存在になれたらと思う。

そう意気込みつつ俺の瞳がまた赤く燃えた。 

 つづく