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フェリックス・ワインガルトナーの録音 


○1933年11月13日、14日

ベートーヴェン:交響曲第4番

ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
(ロンドン、HMV・スタジオ録音)

オーケストラの特性でしょうが、高弦がやや硬いのが難で・響きも洗練度に欠けて・時代を感じさせるところがあります。早めのテンポで・スッキリした端正な造形は、当時の聴衆に新鮮であっただろうと想像ができます。しかし、ちょっと熱気に乏しいところがあり・生ぬるい感じに思われます。第2楽章のサラリとした表現が印象的です。


○1936年2月25日、26日

ベートーヴェン:交響曲第8番

ウイーン・フィルハーモニー管弦楽団
(ウイーン、HMV・スタジオ録音)

ワインガルトナーの折り目正しく・端正な音楽作りと、曲のフォルムがぴったりと合って・素晴らしい演奏に仕上がりました。この第8番のように・純器楽的な処理が似合う小交響曲では、余計な感情を加えずに・フォルムを大事にするワインガルトナーの最良の形が見えるようです。特に第2楽章は心地良いリズムに軽やかな歌心があって・スッキリした味わいがあります。第4楽章でもリズムを前面に出して聴き手を煽ることは可能なのですが、ここでもあくまで節度を以って・曲に対しており、そこにワインガルトナーの良心と言うべきものを感じます。


○1937年10月19日

ベートーヴェン:エグモント序曲

ウイーン・フィルハーモニー管弦楽団
(ウイーン、HMV・スタジオ録音)

当時のウイーン・フィルの弦のレガートに歌わせる甘ったるい歌い方が・独特の魅力を感じさせます。ここでのワインガルトナーは微妙にテンポに緩急をつけていますが、あくまでフォルムを守った節度ある態度を崩していません。そのせいかこじんまりした感じは否めず・無難にまとめたという印象に留まっているようです。




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