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アンドラーシュ・シフの録音 


○2010年4月17日ライヴー1

バッハ:ピアノ協奏曲第1番

アンドラーシュ・シフ(ピアノと指揮)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
(ベルリン、ベルリン・フィルハーモニー・ホール)

リズムをしっかり取って・足取りがきちんと取れているので、古典的ながっしりとした構造が感じられます。シフのピアノは実に端正で、テンポ早めに追い込んでいく緊張感あるピアノとオケの対話の第1楽章の後の、しっとりとして美しい第2楽章はホッとするような安らぎがあって強く印象に残ります。この第2章は素晴らしいですが、第3楽章も活気があって聞かせる演奏です。


○2010年4月17日ライヴー2

ハイドン:交響曲第100番「軍隊」

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
(ベルリン、ベルリン・フィルハーモニー・ホール)

シフの指揮はリズムがしっかり取れていて、とても端正であるのが素晴らしいと思います。表現が決して大柄に重くならず、旋律を無理なく歌っているので、第2楽章や終楽章でのトルコ軍楽の引用でもそこからパパ・ハイドンのユーモア感が自然ににじみ出てきます。この辺の処はなかなか巧いものです。第1楽章もとても軽やかで洒落た表現で素敵です。第3楽章のメヌエットのリズムも軽やかで、とても素晴らしいと思います。


○2010年4月17日ライヴー3

モーツアルト:歌劇「ドン・ジョヴァン二」序曲
        ピアノ協奏曲第20番

アンドラーシュ・シフ(ピアノと指揮)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
(ベルリン、ベルリン・フィルハーモニー・ホール)

「ドンジョヴァン二」序曲とピアノ協奏曲第20番を拍手なして切れ目なく・続けて演奏しています。シフはしっかりとリズムを守って・とても端正な音楽を聴かせますが、そこからとても暖かい人間的な感情が湧き上がってくるようです。シフの指揮は「ドンジョバンニ」序曲ではスケールとしては決して大きくないけれども・引き締まったかっきりとした古典的な表現です。シフがこの二曲を関連付けた理由ははっきりしませんが、「ドン・ジョヴァン二」序曲の持つ重々しさと、ピアノ協奏曲のメランコリックな感覚を結び付けて四楽章構成として扱うことで古典的な形式感を持たせると同時に、ピアノの響きにロマン的な感性のほとばしりを持たせることに成功しています。シフのピアノは渋く輝くような響きで、決して派手さはないのですが、暖かみのある・情感のある響きです、古典的形式を突き抜けて、更なる表現を求めたモーツアルトの心情が聴こえて来るようです。このピアノ協奏曲でのベルリン・フィルの伴奏はとても端正で素晴らしいと思いますが、その上に乗った情感がそこはかとなく湧き上がる・ピアノの語り口がとても素晴らしく、感性豊かな深い音楽に仕上がりました。第2楽章はしっとりと心に旋律が沁み込んでくるようですし、第3楽章も軽やかな動きのなかにも落ち着いた味わいがあって・とても心地良く感じられます。




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