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マウリツィオ・ポリーニ 2001年以降


○2006年6月

ショパン:夜想曲集(第1番〜第16番、第19番)

マウリツィオ・ポリーニ(ピアノ)
(ミュンヘン、ヘラクレス・ザール、独グラモフォン・スタジオ録音)

ポリーニの演奏は最初聴いた時には内省的に過ぎて、古典的などっしりした構成感が感じられるものの・やや地味な印象にも聴こえま す。確かに表現の振幅はさほど大きくはないようです。色彩感も意識的に抑えられているように思われます。しかし、再度聴いてみると、表現の息が実に深いというか、内面から渋く輝いてくるものが感じられて、言葉で表現の仕様がないほど感動させられま す。旋律の息が実に深くて、曲の奥深いところに連れて行かれる感じがします。その理由のひとつには右手と左手の作る響きのブレンドが絶妙だからだと思われます。旋律の横の線よりも、響きの縦の線が重視されているようで、音楽の重層的かつ・恐らくは時空的なズレが意識的に生み出されているようです。とにかく旋律よりも響きの色の揺らめきがとても印象的で、これが絶妙な香気を生み出しているようです。なるほど夜想曲とはこういうものなのかということが感覚的に理解できます。


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