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トレヴァ―・ピノックの録音 


○2008年10月10日ライヴー1

モーツアルト:交響曲第25番

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
(ベルリン、ベルリン・フィルハーモニー・ホール)

第1楽章は早めのテンポでも逸ることなく・しっかりと造型を作っており、古典的な構成のなかにも・悲壮感を漂わせてなかなか聴かせます。それにしても、この交響曲は第1楽章の印象があまりに強いので・四つの楽章のバランス取るのが結構難しいような気がします。ピノックの場合にもそういう感じがあり、第2楽章以降やや重い感じ。第4楽章は悪くないのですが、テンポがちょっと遅めの感じがあり、ここをもう少しきりっと引き締めてくれるとバランスが良くなったかなという気がします。ベルリン・フィルは小編成でしが、弦がキビキビとしてなかなか締まった表現を聴かせます。


○2008年10月10日ライヴー2

モーツアルト:ピアノ協奏曲第9番・「ジュノーム」

マリア・ジョアン・ピリス(ピアノ独奏)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
(ベルリン、ベルリン・フィルハーモニー・ホール)

ピリスのピアノは暖かみのある柔らかい音色と・タッチが実に繊細。まったく自然体でゆったりした旋律の歌い廻しで、ピリスの魅力は特に第1楽章によく出ていると思います。ただし、逆に言うとやや押しが弱い感じもあって・表現がおとなし過ぎる印象がなくもなく、小編成オケでも音量的に押される場面があり、第2楽章はややロマンティシズムにもたれ過ぎた感じがあり、第3楽章もリズムにもう少し活気が欲しいところです。ピノックの伴奏は申し分なく、リズム感ある引き締まった表現は見事なものです。


○2008年10月10日ライヴー3

モーツアルト:交響曲第40番

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
(ベルリン、ベルリン・フィルハーモニー・ホール)

これは名演だと思います。四つの楽章のバランスが実に良くて、各楽章のリズムがしっかり取れているので・旋律が実に息深く・しかし素直に歌われています。その結果、古典的な格調と共に・きりっと引き締まった気品の高さが感じられます。それがどこか孤高の美しさのようなものに相通じているのです。そのようなピノックの表現の素晴らしさが特に両端楽章によく出ていると思います。テンポは心持ち早めながら・音楽は決して逸ることなく、純音楽的な美しさに満ち溢れています。音楽そのものからロマン性が素直に立ち上ってくる感じがします。ベルリン・フィルの弦がキリッと引き締まった活気のある表現を聴かせます。中間楽章も素朴な味わいのなかにもしっかりした位置付けがされており、とても納得が行く表現です。




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