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ケント・ナガノの録音 


○1998年5月30日ライヴ

ストラヴィンスキー:バレエ音楽「春の祭典」

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
(ベルリン、ベルリン・フィルハーモニー・ホール)

全体にテンポ早めで、勢いに任せて一気に突っ走る感じの演奏です。特に第1部の中間部から終りまで、第2部のいけにえの踊りでの、たたみかけるようなリズムの激しさと鋭さは、若干荒削りな感じはするけれど、聴き手を興奮させるに十分です。ただテンポがちょっと速すぎで、オケを勢いにまかせて煽りまくった感じがあり、そこはベルリン・フィルだから持った演奏かなという感じはしますが。その意味ではベルリン・フィルの機能性が発揮されて、ライヴならではの熱い演奏に仕上がったと云えます。


○2000年6月25日ライヴ−1

バーンスタイン:「キャンディード」序曲

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
(ベルリン、ワルトヴューネ野外音楽堂)

ベルリン・フィル・ピクニック・コンサートのテーマは「リズムとダンス」。冒頭の「キャンディード」は冒頭からリズムが斬れていません。ベルリン・フィルが大きな身体を持て余しているような感じがあって、今ひとつ楽しめません。こうした曲はそれなりにチープで・軽い響きでないと面白さが出ないようです。ベルリン・フィルのゴージャスな響きでは何となく居心地が良くない 感じです。


○2000年6月25日ライヴ−2

ラヴェル:ラ・ヴァルス

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
(ベルリン、ワルトヴューネ野外音楽堂)

全体にリズムが重く、旋律が粘り気味です。これがナガノの持ち味なのか・ベルリン・フィルが響きに透明感が不足するのは仕方ないところですが、ラテン的感性に乏しく、もう少しサラリとしたタッチの方が好ましいと思います。ワルツの場面では旋律を柔らかく・ムーディーに歌っていますが、どことなくリズムが粘って重い感じです。夢のように 柔らかく響かせようとするほど・嘘っぽくなる感じです。フィナーレはリズムの斬れが悪いのがモロに響きます。ダイナミックな躍動感に欠けて・どこか欲求不満な感じで終わります。


○2000年6月25日ライヴ−3

ラヴェル:バレエ音楽「ダフニスとクロエ」第2組曲

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
(ベルリン、ワルトヴューネ野外音楽堂)

ベルリン・フィルの響きが透明感に乏しいので・薄く霧がかかったような感じになるのは仕方ないところですが、リズムが粘り腰で重い感じです。特に「パントマイム」ではそうした傾向が強く、音楽がダレた感じです。「全員の踊り」も響きに重量感はありますが、リズムが斬れていないので・ダイナミックな躍動感とはちょっと違う感じです。




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