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クルト・マズアの録音 


○1995年1月27日・30日

ドヴォルザーク:チェロ協奏曲

ヨ―・ヨ―・マ(チェロ独奏)
ニューヨーク・フィルハーモニック
(ニューヨーク、エイヴリー・フィッシャー・ホール、ソニークラシカル・スタジオ録音)

ヨー・ヨー・マのチェロ独奏は、低音がやや不足に思えますが、中高音の音色が柔らかく温か味があって、抒情的な表現に重きを置いています。しかし、旋律をたっぷり感情込めて歌おうという意図は理解できますが、抒情的な場面になるとテンポが重くなって、音楽が粘ります。わざとらしい感じはないですが、例えば第1楽章第2主題になるとグッとテンポが落ちます。これがちょっと気になります。特に第2楽章では、この傾向が顕著です。マズアは、ヨー・ヨー・マのコンセプトによく合わせて、手堅いサポートを見せています。


○1996年10月27日ライヴー1

ブリテン:シンプル・シンフォニー

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
(ベルリン、ベルリン・フィルハーモニー・ホール)

ベルリン・フィルの低音の効いた・分厚い響きであると・グラマラスに聴こえて、本来はディヴェルティメント的な軽みのある作品なのでしょうが、ちょっと味付けが濃厚な感じがします。両端楽章ではリズミカルで軽妙な曲想がちょっとロマンティックに傾いたかも知れません。むしろ第3楽章「感傷的なサラバンド」においてその濃厚な味付けが生きているようです。


○1996年10月27日ライヴー2

ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第1番

ヘレン・ホワン(ピアノ独奏)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
(ベルリン、ベルリン・フィルハーモニー・ホール)

ホワンは1982年y慣れの中国系アメリカ人ピアニストで、この年に14歳ということになります。ソフトで暖かいタッチなのですが・音が粒立たない感じがあり、テクニックは悪くないが特徴がつかみにくい感じです。古典派よりはロマン派向きのような感じがします。ソリストに合わせたのか・同じようなことがマズアの指揮にも言えそうで、全体に表現はロマンティックにふっくらした感じに傾いており、もう少し造形にシャープさを与えて・古典的な方向に表現を持っていきたいところです。第1楽章は序奏から重い感じで、どうも軽妙さに掛けます。第3楽章はもっと遊び心が欲しいと思います。


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