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ネヴィル・マリナ―の録音 


○1981年

モーツアルト:ピアノ協奏曲第21番

アルフレート・ブレンデル(ピアノ独奏)
アカデミー室内管弦楽団
(ロンドン、蘭フィリップス・スタジオ録音)

マリナーのサポートはリズム感が良くて、軽快に流れるモーツアルトらしい爽やかな伴奏だと思います。特に両端楽章にマリナーの個性がよく出ています。ブレンデルのピアノの響きは柔らかく暗めで・内省的であるので、明るいオケの響きとのマッチングが若干気にならないこともありませんが、聴き進むにつれて気にならなくなります。ブレンデルの良さが出るのはやはり内省的な第2楽章です。淡々とした足取りのなかに深い哀愁が漂っています。


○1988年1月22日ライヴ

シューマン/ラヴェル編曲:「謝肉祭」からの3曲

シュトットガルト放送交響楽団
(シュットガルト、ベートーヴェン・ホール)

珍しいラヴェルの編曲版で、前口上、ドイツ風舞曲〜間奏曲「パガニーニ」、フィリスティンたちを討つダヴィッド同盟の行進の三曲。原曲にオケの表現志向を内に秘めたような感じがあるので、ラヴェルが編曲意欲をそそられたのは分かる気もするが、ピアノの目まぐるしい動きをオケで再現しようとすると若干苦しいところがあるようです。ドイツ風舞曲はもう少し弦に厚みを持たせて欲しいなあと思うところあり、管楽器に軽やかな動きがあれば、ピアノとは違った魅力が出るような気もするが、聴き手にピアノ曲のイメージが強いとちょっと損なところがあるようです。シュットットガルト響はもう少し響きに色彩感が欲しいのと、旋律の歌い回しにもう少し遊びが欲しい気がします。


○1996年7月9日、10日

ブルッフ:スコットランド幻想曲

諏訪内晶子(ヴァイオリン独奏)
アカデミー室内管弦楽団
(ロンドン、セント・ジョーンズ教会、蘭フィリップス・スタジオ録音)

諏訪内晶子のヴァイオリンはテクニックはありますが、ちょっと線が細くて・量感に乏しい感じです。旋律を息深くじっくり歌いこめば良い出来になると思いますが、歌い込みが若干硬くて・民謡から取った旋律の歌心を十分に生か切っているとは言えないようです。主題部になるとオケの方が情感と歌心で勝る場面が多々あって・これは地元イギリスのオケということではなくて・息遣いの問題でしょう。マリナーのオケは立派なサポートであると思います。




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