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吉之助の初の書籍本が出版となりました。是非お読みください。
「十八代目中村勘三郎の芸〜アポロンとディオ二ソス

全編書き下ろし。書籍本オリジナル。
主要書店にて発売中。
価格:2,600円(税抜き)
ISBN978-4-87198-656-4

アマゾンへは下記から購入できます。

十八代目中村勘三郎の芸 〜アポロンとディオニソス


写真 c松竹、2012年5月、平成中村座、髪結新三

「歌舞伎素人講釈」は2001年1月に始めましたので、もうすぐ丸13年になろうとしています。吉之助は学校で歌舞伎を学問として専門に修めてきた人間ではありません。市井の批評家・その意味において「素人」ですが、インターネットというものがなければ、こういうことを発表する機会も多分なかったと思います。そうやってネット上で批評をシコシコ続けていましたが、まあそれなりの評価をいただけるサイトに成長してきたかなと思います。そんななか、有難いことに・出版社アルファベータ社長である中川右介氏からお声を掛けていただきまして、この度、吉之助の最初の書籍本が出せることになりました。ご存知かと思いますが、中川氏は最新の「歌舞伎 家と血と藝」など歌舞伎関連の本だけでなく、クラシック音楽など実に多方面に執筆されていらっしゃいます。

どんな本を出そうか色々考えましたが、もうすぐ一周忌になる十八代目勘三郎について追悼の意味を込めて書こうと決めました。これは最初に出す本としては、時期的に話題性もあるだろうということももちろんあります。勘三郎が亡くなったのは、昨年12月5日 のことでした。手術直後に「手術成功・50m歩いた」という報道があって、事務所が近いうち経過発表しますと言ったまま何もないので漠として不安は感じてはいたけれど、「あの勘三郎に限ってそんな はずはない、来年4月の新・歌舞伎座開場には何かの役できっと復帰する」と信じていた(と云うよりそう思いたかった)だけに、彼の死は吉之助にも衝撃が大きかったのです。 吉之助は勘三郎とほぼ同世代で、正確には学年は吉之助がひとつ下ですが、吉之助が歌舞伎見始めた時から勘三郎(当時は勘九郎)はそこにおり、彼の成長を見ながら吉之助は歌舞伎を見てきたのです。そういうわけなので、勘三郎が亡くなったことで、吉之助としては自分のなかで総括を つけておかなければならない部分がありました。場面は違えど吉之助も現役バリバリの企業戦士でありますから、勘三郎が何を相手にして戦ってきたのかは明確に分かっているつもりです。ですから巷の「勘三郎本」と云いますと、「いつも明るくて元気いっぱいの勘三郎さん、ありがとう」という感じの本が多いだろうと思いますが、吉之助の「十八代目勘三郎の芸」は決してそうはなりません。

実は「十八代目勘三郎の芸」の執筆に関しては、実は最初の二ヶ月ほど難渋しました。「歌舞伎素人講釈」をお読みになればお分かりかと思いますが、吉之助の批評の強みは、どちらかと云えば歌舞伎の作品解析や理念論の方にあると思います。吉之助が劇評と呼ばずに観劇随想としているのはそこのところで、吉之助の批評では役者は材料に過ぎません。役者の芸を主体に書くということになると、そこがどうも勝手が違うのですねえ。しかし、二ヶ月過ぎた辺りで、役者論を書くについてのコツというか・方向性が何となく見えてきて、後はスムーズに書けました。「歌舞伎素人講釈」ならではの勘三郎本に仕上がったと思います。

それにしても最初の本を出すということは嬉しいような、ちょっと不安な気分ですね。そういうわけですので、今後続けて「歌舞伎素人講釈」本を出していくためにも、最初の「十八代目勘三郎の芸」は売れてもらわないといけませんので、是非手に取って読んでくださいね。歌舞伎好きのお友達にも是非教えてあげてください。

(H25・11・28)

アルファベータブックスのサイトはこちら

(本書で取り上げる勘三郎の役の数々)

■古典(世話物)

髪結新三〜「梅雨小袖昔八丈」
弁天小僧菊之助〜「白浪五人男」
魚屋宗五郎〜「新皿屋舗月雨暈」
筆売幸兵衛〜「水天宮利生深川」
め組辰五郎〜「神明恵和合取組(め組の喧嘩)」
佐野次郎左衛門〜「籠釣瓶花街酔醒」
いがみの権太〜「義経千本桜・鮨屋」
お岩と佐藤与茂七〜「東海道四谷怪談」
雲助平作〜「伊賀越道中双六・沼津」

■古典(時代物)

佐々木盛綱〜「近江源氏先陣館・盛綱陣屋」
富樫左衛門〜「勧進帳」
一条大蔵卿〜「鬼一法眼三略巻・桧垣茶屋〜奥殿」
武部源蔵〜「菅原伝授手習鑑〜寺子屋」
斉藤実盛〜「源平布引滝・実盛物語」
塩治判官〜「仮名手本忠臣蔵〜大序・三段目・四段目」
早野勘平〜「仮名手本忠臣蔵〜五段目・六段目」
乳母政岡と仁木弾正〜「裏表先代萩」
求女実は藤原淡海〜「妹背山婦女庭訓〜道行・御殿」
俊寛〜「平家女護島・俊寛」
佐藤忠信・実は源九郎狐〜「義経千本桜〜吉野山道行・川連法眼館」

■新歌舞伎

鰯売猿源氏〜「鰯売恋曳網」
駒形茂兵衛〜「一本刀土俵入」

■舞踊

小姓弥生・後に獅子の精〜「春興鏡獅子」
白拍子花子〜「京鹿子娘道成寺」
喜撰法師〜「六歌仙容彩・喜撰」
関守関兵衛実は大伴黒主〜素踊り「積恋雪関扉」
山蔭右京〜「身替座禅」

■実験歌舞伎

「三人吉三」
「夏祭浪花鑑」
「法界坊」
「野田版・研辰の討たれ」
「野田版・愛陀姫」


 

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