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ルドルフ・ケンペの録音


○1957年

チャイコフスキー:歌劇「エウゲ二・オネーギン」〜ポロネーズ

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
(ベルリン、EMI・スタジオ録音)

ベルリン・フィルのちょっと暗めの音色が・チャイコフスキーのメランコリックな雰囲気にぴったり来る感じです。十分に楽しめるコンサート・ピースになっています。


○1958年

R.シュトラウス:交響詩「ドン・キホーテ」

ポール・トゥルトゥリエ(チェロ)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
(ベルリン、EMI・スタジオ録音)

いかにも正調のR.シュトラウスという感じの演奏です。このいささかまとまりが良いとは言えぬ交響詩を散文的に淡々と語りつづったという感じで、曲の展開を一気に聴かせるという感じではないので・やや語り口がもたれる感じがなきにしもあらず。トゥルトゥリエのチェロも指揮者同様に生真面目な感じです。


○1959年

チャイコフスキー:交響曲第5番

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
(ベルリン、EMI・スタジオ録音)

この時期のベルリン・フィルの響きは暗めで渋いドイツのオケそのもの。それに加えてケンペの取るリズムが粘るように遅くて、独特の湿り気を持つ・全くドイツ風のチャイコフスキーであると感じます。メランコリックと言うのともちょっと違って、人生に深刻に思い悩む哲学的な深刻さがあるようです。特に第1楽章はそういう感じが強いようです。中間楽章は全体にテンポ遅めのなかでは・比較的軽めに感じられますが、これはこの演奏のバランスを良くしていると同時に・第4楽章への布石にもなっています。第4楽章はぐっと遅めのテンポで、リズムで聴き手を煽る行き方とは全く対照的に・じっくりとしたテンポで聴き手をクライマックスまで押さえ込んでいくような感じであり、独特の緊張感と味わいを持っています。狂おしい闘争といういう感じでありましょうか。


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