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コリン・デービスの録音 


○1985年1月28日ライヴ

ブラームス:ピアノ協奏曲第1番

アルフレート・ブレンデル(ピアノ独奏)
バイエルン放送交響楽団
(ミュンヘン、ヘラクレス・ザール)

ブレンデルが得意とするブラームスだけに、ピアノは素晴らしい出来です。打鍵に力があり、音が引き締まっています。両端楽章のオケの強奏にもピアノが力負けせず、がっぷり四つに組んだ協奏曲の醍醐味が楽しめます。オケも重心の低い分厚い響きでスケールも大きくて、如何にもブラームスらしいのですが、ちょっとリズムが重い感じがします。デイビスの伴奏はそつのない出来ですが、若干ピアノ主導の気配なしとしません。気になるのは、リズムが重めなのが災いして第2楽章で音楽の流れに停滞した感じがすることです。ここではブレンデルのピアノも心なしか生彩がないように感じます。


○1988年1月28日ライヴ

モーツアルト:ピアノ協奏曲第20番

ラドゥ・ルプー(ピアノ独奏)
ウイーン・フィルハーモニー管弦楽団
(ザルツブルク、ザルツブルク祝祭大劇場、ザルツブルク・モーツアルト週間)

ルプーのピアノは暖かみと柔らか味を帯びたタッチが魅力的です。音楽がふっくらとしていて、旋律の歌い方が実にナイーヴで美しいと思います。特に第1楽章のカデンツァを含む後半部分と第2楽章は魅力的です。しかし、旋律線が明快なデービスの指揮とは若干感触が異なるようにも思われます。デービスはテンポを早めにとって・高弦の旋律線が強めで、悲劇性を秘めたような厳しい造型です。ルプーとの共演が成功しているのは第2楽章でしょう。テンポやや早めななかに淡い抒情が漂っており、ルプーのソフトなタッチが生きています。


○1995年1月20日ライヴ−1

ウェーバー:歌劇「オベロン」序曲

バイエルン放送交響楽団
(ミュンヘン、ヘラクレス・ザール)

ちょっと遅めのテンポでロマンティックな演奏になっています。バイエルン放送響の響きはいくぶんくすんだ・渋い音色ですが、これがウェーバーの雰囲気にぴったりの感じです。特に木管の響きが素敵です。前半のリズムをやや重めに取り、展開部からはもやが晴れ渡ったかのように表情が生き生きとしてくる設計も見事で、重量感のあるオケの動きが楽しめます。


○1995年1月20日ライヴー2

メンデルスゾーン:交響曲第3番「スコットランド」

バイエルン放送交響楽団
(ミュンヘン、ヘラクレス・ザール)

バイエルン放送響の渋く・くすんだ音色と、重めに粘るリズムがいかにも重厚で・ロマンティックな味わいを醸し出しています。特に管楽器の音色が魅力的に感じられます。全体にテンポは重めで第1楽章は旋律の歌わせ方など・ちょっと表現が重く、冗長な感じがなしとしません。魅力的なのは後半で・第3〜4楽章においては重量感のあるオケの動きが、曲のダイナミックな魅力にスケールを与えているようです。


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