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バーンスタインの録音(1975年)


○1975年

チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲

ボリス・ベルキン(ヴァイオリン独奏)
ニューヨーク・フィルハーモニック
(ニューヨーク、リンカーン・センター)

ロシア系の若手ヴァイオリニスト・ベルキンのソロは素晴らしいと思います。響きに張りがあって・旋律も息深く歌っていて・聴きごたえがあります。豪放な躍動感と・繊細さを兼ね備え、ソロを聴く限りではこの曲の演奏のなかでも注目すべきものといえます。特に第1楽章が素晴らしく、楽章が終わって聴衆から盛大な拍手が沸きあがるのもむべなるかなと思わせます。全体の演奏は完全にソロがリードしており、オケはただの伴奏です。バーンスタインの指揮はデリカシーに欠けて大味です。まあ良く言えばぶっきらぼうで朴訥に聞こえるところがロシア的にも感じられるので・ミスマッチにまでは至っていませんが。しかし、木管のソロなどもう少しニュアンスを込めて欲しいと思います。


○1975年8月ライヴ

マーラー:交響曲第8番「千人の交響曲」

マーガレット・プライス(S),ジュディス・ブレゲン(S),ゲルティ・ツォイマー(S),トゥルデリーゼ・シュミット)A),アグネス・バルツァ(A),ケネス・リーゲル(T),ヘルマン・プライ(Br)、ヨセ・ファン・ダム(B)
ウイーン国立歌劇場合唱団
ウイーン少年合唱団
ウイーン・フィルハーモニー管弦楽団
(ザルツブルク、ザルツブルク祝祭大劇場、独グラモフォン・ライヴ録音)

録音のせいだと思いますが、響きが混濁して・奥行きが感じられず、金管と合唱のフォルテがやたらうるさい感じです。バーンスタインだけが一人で興奮しているような感じがします。第1部の出だしからテンポが早めで興奮気味ですが、リズムが十分に持ちきれていません。何となくセカセカした感じが全体にあり・旋律が十分に歌いきれていません。全体的に未整理で・この交響曲を把握しきれていない印象です。第2部もテンポが速くて、神秘的な雰囲気に乏しいと思います。特に弱音の扱いがうまくないので、一本調子に聴こえます。


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