(戻る)

バレンボイムの録音 (2011年ー2020年)


○2011年3月29日ライヴ

チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」

ベルリン国立管弦楽団
(ベルリン、ベルリン・フィルハーモニー・ホール、東日本大震災ユニセフ救援基金コンサート)

同年3月11日に起こった東日本大震災のユニセフ救援基金コンサート。前半がバレンボイム指揮ベルリン国立管弦楽団、後半がラトル指揮ベルリン・フィルというプログラム。バレンボイムの「悲愴」はなかなかの名演。特に前半がストイックな厳しい表現で、第1楽章は若干早めのテンポをしっかり取って、旋律の歌い廻しは表面上は簡素ながら・そのなかに深い悲しみを秘めた表現で聴かせます。続く第2楽章はロマンティックな重い表現に傾けず、軽めの味わいに仕上げたところが、後半への布石として効いています。ここでは音量を抑えた弱音の表現が印象に残ります。第3楽章はダイナミックで動的な表現を聴かせますが、なおも直線的で感情を胸にのなかに押さえ込んだような厳しい表現です。ここまでバレンボイムはここまでは比較的インテンポで取っていましたが、第4楽章に至って一転してテンポを意欲的に動かして音量の強弱を大きくつけて感情を大きく揺すぶります。そこまで押さえ込まれていた感情が一気に噴出すような印象を受けます。聴き応えのある演奏でした。


(戻る)