木村家の人びと


監督 滝田洋二郎
公開 1988年5月14日/1時間53分/シネスイッチ銀座
製作 フジテレビ/メリエス
配給 ヘラルド・エース/日本ヘラルド映画


CAST
【木村家の人びと】
鹿賀丈史
(木村肇・38才 会社員)
資料編集室に席を置く。無遅刻無欠席無早退の皆勤賞。朝の新聞配達、個人タクシー、会社での弁当売り、タイムカード代理業、学生の試験用ノートのコピーetc etcに精を出す。
桃井かおり
(木村典子・32才 主婦)
悶え声のモーニングコール、大量の弁当作り。など、など、小銭稼ぎに奮闘の日々。だが・・・、最近隣の高倉家のご主人とア・ヤ・シ・イ。
岩崎ひろみ
(木村照美・11才)
両親と同様、金もうけに才能を発揮。子供社会の指揮をとり、廃品回収などで稼ぎまくる。子供のくせに家に食費を入れている。
伊崎充則
(木村太郎・10才)
家族でただひとり、グズで要領が悪く、金もうけがうまくできない。”金、金、金でいいのかなあ・・・”と密かに悩む今日この頃・・・。
【雨宮家の人びと】柄本明/木内みどり/風見章子 【高倉家の人びと】小西博之/清水ミチコ/中野慎 【老人会の人びと】加藤嘉/木田三千雄/奥村公延/多々良純/露原千草/辻伊万里/今井和子【会社の人びと】酒井敏也/鳥越マリ/池島ゆたか/上田耕一 【小学校の人びと】江森陽弘/津村鷹志 【町の人びと】竹中直人/蛍雪治朗 /ルパン鈴木/山口晃史/三輝みきこ/小林憲二/野坂きいち/江崎和代/橘雪子/ベンガル
STAFF
企画:村上光一/プロデューサー:宮島秀司/河井真也/原作:谷俊彦(小説新潮新人賞)/脚本:一色伸幸/撮影:志賀葉一/音楽:大野克也/照明:矢部一男/録音:宮本久幸/美術:中澤克己/編集:冨田功/助監督:萩庭貞明/記録:鈴木さとみ/ヘアーメイク:井川成子/スタイリスト:菅野由美子/製作担当:坂本至徳/主題歌:BAKUFU-SLUMP「きのうのレジスタンス」(CBSソニー)
STORY
木村家の奇妙な朝は早い。手製の銭袋を各自さげた木村家一同が居間に整列するのが午前6時。木村家木村肇「番号/1円。」妻・典子「10円/」長女・照美「100円/」長男・太郎「1000円/」全員の声が近所まで響き渡る。「1万円/おおッ/」木村は、自転車で新聞配達に滑り込み、典子は、電話に向かってモーニングコールの悶え声を出す。照美も太郎も手伝って大量の弁当作りが始まる・・・・・・。やがて木村家の庭に近所の爺婆、約30人が喜々と整列を始める。木村が運んで来た新聞は、この老人たちが配達するのである。老人達にとっては、ボケ防止、運動不足解消、おまけにわずかばかりの小銭にもなる、というわけ。

その上婆さんたちは、きんぴらなどの”お袋の味”を作って来る。このおかずは、出前朝食と配達弁当に使われる。家族4人の流れ作業で弁当作りが進み、手分けして出前朝食が近所に配られる。
朝食用の弁当を積んだ木村の通勤用の車は、個人タクシーに早変わり。近所の会社員やOLを相乗りさせて送るのだ。車中には有料の髭剃りやリキッドまで用意されている。
会社での木村は、弁当を販売し、タイムカードの代理業を引き受け、人事異動予定表を作って売り回り、コピー機を利用して、学生の試験用ノートを大量に複写して稼ぐ・・・・・。社内の不倫などの情報を収集し、口止め料を取る・・・etc、etc・・・。

だが・・・。実は尋常でない木村家の中で太郎は密かに思い悩んでいた。”こんなことでいいんだろうーかー”。太郎だけは、純粋な心を失わずにいたのだ。そんな太郎のもとに叔父からの聖書が届く・・・。



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