別れからもう50日が
義父、吉美の50日祭(平成17年9月18日)

 秋の天気がよい日の早朝は、霧が立ち込め空気を更に冷やしている。この日もいつもと何も変わらない朝を迎えた。
ただ違っていたのは、いつも一番先に起き居間に座っていた義父がいないことだった。
↑義父、吉美が83年間暮らした家 撮影 午前5:30
↑近況を話しながら開始を待つ        午前9:30 開始↑
↑墓での催事
↑南宮温泉に場所を移して故人を偲ぶ
↑波多野宮司による献杯         平岡の叔母による歌の紹介↑
↑義父の死に立会い、その前後を詠んだ心を打つ歌6首が紹介された
叔母の歌は確かなもの、あちらこちらで入選を果たしている
上の写真右端から左に

@今生の別れになるや病む兄が 重く手を振る帰りの際に
A生まれたるこの家の部屋にわが兄は 静かに息を引きとりたまう
B知られざる葛藤いくつ乗り越えし 冷えてゆく兄蜩(ひぐらし)の鳴く
C焼き上げて炉に出でたまい整然と 崩れぬお骨兄の生きざま
Dふる里の兄逝きたまい存在の いかばかりかも梁の太き家
Eこみあげて眼鏡外せど胸内は 亡き兄を追う哀しみばかり

                                     詠み人 天龍村平岡   鈴木みさお
↑近親者二十余名が集まった
↑家に戻ってもう一度
【おわりに】

 アッという間に来た50日の催事だった。今日の遺影は「世話になってすまなんだなあ〜。ありがとう。」って笑いかけているように見えた。
一人暮らしになって体調を崩していた義母も、少しずつ生活のリズムを作りつつあるようで嬉しかった。近所の方々が茶菓子持参で頻繁に訪ねてくれるとのこと。我々が住んでいる所ではなかなかないことで、田舎も捨てたものではない。本当に有り難く思う。
                                         (久男 記)