ロシア訪問の旅
平成19年9月3日〜7日


平成19年9月3日、ロシアにむけて出発しました。訪問理由は、12月に文化交流のために指揮者・山本郁夫先生率いるボリショイ歌劇場管弦楽団、モスクワ放送合唱団ほか、豪華な皆さんと日本舞踊によって日本伝統文化をロシアで紹介する公演が行われます。そこに、“祈り”を表現するために私たちの唱える南山進流声明を取り入れ、同時に高野山に伝わる伝統文化として声明を紹介するというものです。

ロシアで声明を唱えるという理由はこのほかにもあります。阪神淡路大震災をはじめ日本で発生した災害にて、またはアメリカ同時多発テロ、ロシアの劇場でのテロなどで犠牲となり尊い生命を奪われたすべての御魂の鎮魂のため、ロシア正教の皆さんとともに供養ができないだろうかと考え、その相談に行かせていただきました。

実質、ロシアでの活動時間は2日半という極めて短いものでしたが、色々な方とお出会いし、大変有意義な訪問であったと思います。


9月4日
9月3日正午、成田空港を出発し10時間30分、モスクワに到着しました。先発隊として先にロシア入りしておられた山本郁夫先生の迎えを受け、モスクワ時間午後5時30分に到着。そのままホテルに直行。この日は午後8時過ぎから遅めの夕食をとり休みました。

本日から行動開始です。
渋滞が激しいため車での移動を断念し、地下鉄を利用。駅から駅のジョイント。途中で“赤の広場”を通り記念撮影。因みに“赤の広場”の“赤”とは美しいという意味だそうです。
赤の広場にはクレムリンやレーニン廟、プーチン大統領がおられる場所など、ロシアにとって大切な場所です。
この度、ご一緒させていただいた神戸・浄徳寺ご住職です。

ロシアの建物は独特な形をしていますね。
赤の広場の正門を出たところ。コインを後ろに投げると再びここに戻ってこれるという伝説があるそうです。
コインを投げるとすぐにおばさんたちがそのコインを拾います。おばさんたちは、これで生計を立てているそうです。
私も12月の公演の折に、再びここに戻ってこなくてはなりません。よってコインを投げました。
赤の広場近くの街並みです。
芸術の街ロシアにふさわしく、建物も独特な形をしています。
今回、公演が行われるスタニスラフスキー・ネミロヴィッチ・ダンチェンコ記念音楽劇場です。この劇場はロシアの中でも屈指の権威ある劇場です。このような立派なところで公演ができるなんて夢のようなお話です。
スタニスラフスキー・ネミロヴィッチ・ダンチェンコ記念音楽劇場の正面玄関です。風格ある劇場に、震えが止まりませんでした。
ロシア・ナンバーワンのボリショイ劇場のピアノ演奏者、ガイヤーネさん(左から1番目)です。この方のお取り計らいで、スタニスラフスキー・ネミロヴィッチ・ダンチェンコ記念音楽劇場の方とも話し合いがスムーズにすすみました。
因みに左から2番目の方が山本郁夫先生、3番目が通訳の方、5番目がボディーガードです。
スタニスラフスキー・ネミロヴィッチ・ダンチェンコ記念音楽劇場の客席です。本格的なオペラ劇場のつくりにびっくりしました。
舞台係りの方と記念撮影です。
スタニスラフスキー・ネミロヴィッチ・ダンチェンコ記念音楽劇場の劇場長さんとの会議。
なかなか劇場長の部屋には直接通されません。
色々と相談させていただき、スムーズにものごとが決まっていきました。
スタニスラフスキー・ネミロヴィッチ・ダンチェンコ記念音楽劇場をあとにして、ホテルに帰る途中、ボリショイ劇場の横を通りました。現在、ボリショイ劇場は工事中で使用することができません。
ロシア紙幣にボリショイ劇場が印刷されているごとく、この劇場はロシアの人々の魂だと聞きました。
ボリショイ劇場正面の広場。
ボディーガードの方がぴったりと私たちを終日ガードしてくれました。この人はロシア在住の日本人で、空手の師範です。現在、ロシアにて日本語の講師をされています。
ロシアの人々は明るく優しい人ばかりなのですが、治安が悪いということです。特に、地下鉄ではスリや詐欺が多く発生するといわれています。今回は、このような方がガードしていただき助かりました。
モスクワの大渋滞。いつもこんな状態です。


9月5日
ロシア正教・総本山、ダニーロフスキー修道院に行きました。すべてのロシア正教をとりまとめている修道院です。
ロシア正教の現在のトップはアレクシー2世総主教です。あいにく本日はご不在ということでお会いすることはできませんでしたが、どうぞよろしくというメッセージが届いていました。
この建物が総主教のおられるところです。
ロシア正教の会議室に通していただきました。お相手していただいたのは、総務部の幹部の方でした。今回の公演にて、ロシア正教の賛美歌と私たちの声明が、一緒にお唱えすることができないだろうかというお願いに行きました。
とても聡明な方でした。恐らくロシア正教の中でも重要なポストにあられる方だと伺いました。
ロシア正教と真言宗の音楽を通しての交流はもちろん素晴しいことですが、この他に、たとえば環境問題についての宗教フォーラムをすればどうだろうかという提案を逆にいただきました。
大僧正に、記念の品物をプレゼントしていただきました。
ロシア正教の方と仲良くなれました。これが世界の平和へのきっかけにつながればいいなと思います。
ロシア正教総本山の次にジャパンクラブ・事務局長を訪問しました。現在ジャパンクラブでは、166社のロシア在住の日本企業が所属されているそうです。こちらから、私たちの活動を各企業に紹介していただき、何らかの形で協賛していただけるようお願いしました。
法衣でモスクワの町を歩いていると、いろんな方から声をかけられました。
「チベットのお坊さんですか??」
「いえ、日本のお坊さんです」

ロシアの人々にとって、このような衣装はすべてがチベットのお坊さんに見えるのでしょうね・・・


9月6日
午前中、日本大使館を訪問しました。今回の公演には色々な方の協力が必要となります。大使館のバックアップなしでは成功は成り立たないので、協力のお願いに行きました。
大使館の方々に今回のロシア訪問での出来事を報告をさせていただき、改めて大使館の協力をお願いしました。
大使館をあとにして、その後JALに協力をお願いするため訪問し、夕刻ロシアを出発。日本に向かいました。
“白夜”の季節は過ぎていますが、午後8時30分になってもこのように太陽が出ています。日本に住む私にとっては不思議な世界でした。

ロシアでの2日半の活動を終えられたことを感謝しております。お世話になった方々、ありがとうございました。


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