お施餓鬼



お盆の期間にさかんに営まれる行事は“施餓鬼会(せがきえ)”といいます。この行事は、餓鬼に食物を施すことによって、六道(地獄・餓鬼・畜生・修羅・人・天)のひとつである餓鬼の世界で苦しんでいる餓鬼を救う行事です。
餓鬼は自分の力では苦しみから脱することはできません。お施餓鬼の供養がその救いの道とされているのです。

かといって、ご先祖さまが餓鬼の世界に落ちたという意味ではありません。ご先祖さまとともに、このような餓鬼にも慈愛のこころを注ぎましょうという、仏さまのみ教えなのです。

施餓鬼会では、菩提寺に檀家や信者が集まり、住職の読経によって先祖の霊を供養します。
また、亡くなられてはじめて迎えるお盆(初盆)のときは、盆行事もとりわけ丁寧に行います。是非、この施餓鬼会に参加したいものです。
この施餓鬼会はご先祖の供養はもとより、供養に恵まれない無縁仏さまの供養でもあります。
すなわち、あらゆる生命、生きとし生けるもののすべての生命に対して感謝を申し上げる行事なのです。

餓鬼の世界とは、見方を変えると私たちの現実社会のなかにもあります。
自分はむさぼりの心を持っていないだろうか・・・この行事を期に自己反省したいものです。

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