お盆の歴史


日本でのお盆の歴史
日本でのお盆の歴史は古く、お正月の行事と並ぶ二大行事として営まれてきました。『日本書紀』によると、推古天皇時代(606)に
「この年より初めて寺ごとに4月8日、7月15日に設斎(おがみ)す」
とあります。すなわち、4月8日はお釈迦さまの誕生を祝う潅仏会(かんぶつえ)のことで、7月15日はお盆のことです。
ちなみに現在、関東では7月、関西では8月をお盆の行事といたします。

また、平安時代になると宮中においても盂蘭盆の行事が盛んに行われるようになりました。現代のような盂蘭盆の行事が定着したのも平安時代であるといわれています。

日本では古来より、年に二度ご先祖さまが帰ってこられると信じられていました。お正月とお盆です。お盆とお正月は特別な行事を営んで、ご先祖さまにおもてなしをしました。とりわけお盆の数日間は、手厚くおもてなしをすることが日本の習慣となりました。

地獄の釜のふたがあく
お盆のあいだは地獄にいる鬼たちも仕事を休むという伝説があります。罪深き人が落ちるといわれる地獄の世界。その罪を攻める鬼たちもお盆だけはお休みということで、地獄に落とされた罪人たちもお盆だけはゆっくりとできるということです。
現実社会に言い換えれば、どんなに苦しいことがあっても、必ず救いはあるということです。厳しい世の中ではありますが、前向きに生きていこうという教えなのかもしれません。


ヤブイリ
お盆には嫁いだ娘が実家に帰って休息をとる習慣があります。これをヤブイリといいます。今ではほとんど使われない言葉になってしまったかもしれませんが、昔はヤブイリを楽しみにしたということです。
また、昔は奉公人にはほとんど休みがありませんでした。年に一度のヤブイリを楽しみにしたものです。漢字では「薮入り」と書きます。まさに奉公先より“藪”すなわち故郷に帰るという意味になるのでしょうか。
このように、日本人の生活習慣の中には、お盆の習慣が根底にあるといえます。

また。お盆には普段集まることのない親戚が集まります。ご先祖を中心として、このような機会が年に一度でもあることは素晴らしいことだと思いませんか。

戻る