三ヶ月(みつき)越しについて

俗に、四十九日間おまつりするのにあたり、三ヶ月にまたがればいけないと言われます。満中陰は二ヶ月間で終えなければならないというのです。例えば、1月25日に亡くなれば、四十九日目は3月13日になります。1月・2月・3月と三ヶ月間にまたがるから、いけないと言われるのです。この場合は、三十五日で切り上げなければならないとも言われます。この理由は「三ヶ月」という数字を「み」と読み、三ヶ月にまたがると「みをきる・・・身を切る」「みにふりかかる・・・身にふりかかる」とか言い、悪いことが重なって起こる、いわゆる死人がまたでると言われるようになったのです。また、四十九日の数を「しじゅうく」と読み「しじゅうくるしむ・・・始終苦しむ」と解釈するようになりました。これらはすべて語呂合わせで、仏教的根拠はまったくありません。
先に述べましたように、亡くなったあと、七人の仏さま方のお導きのもと、仏さまの世界に成仏していくのですから、三十五日で切り上げてしまうというのは、とんでもないお話なのです。もし、六週目で成仏することができるのに、切り上げてしまったがために成仏できなかったとなれば大変なことです。三ヶ月にまたがるとしても、四十九日間きっちりとおまつりするべきなのです。
しかし、古来より「不吉なこと」として言い伝えられてきたことに対して、逆らうこともいかがなものかと思います。そんな時は、満中陰の法事を三十五日にもってくれば良いと思います。一旦、三十五日で法事をして切り上げておき、あと六七日・七七日と普通のおまつりをすればいかがでしょうか。
ちなみに、三十五日も三ヶ月にまたがる場合は、初月忌(はつがっき)・・・はじめての月命日(亡くなった日が2月28日ならば3月28日)に法事をもってきす。

戻る