数珠(じゅず)とは?

数珠は数を数えるお道具
仏壇の前でジャラジャラと数珠をこすり合わせて一生懸命拝んでおられる人をよく見かけます。数珠をすればするほど功徳があると思われている方もおありでしょう。
数珠とはそもそも、「数の珠」と書きます。また別名念珠(ねんじゅ)ともいいまして「念ずる珠」と書きます。すなわち数を数えるお道具なのです。


数珠の仕組み
宗旨・宗派によって使用する数珠の種類は色々ありますが、ここでは真言宗の数珠の説明をします。数珠をよく観察すると大きな玉が2つついていて、小さな玉が左右についています。この大きな玉に2本ずつ房がついています。仮にその房の根元に小さな玉がついている方をお父さんの玉、ついていない方をお母さんの玉といたしましょう。
お父さんの玉から数をとっていきますと、7つ目に区切りの小さな玉があります。さらにその7つ目の玉をとばして8・9・10・・・と数をとっていきますと21個目にまた小さな玉があります。さらに数をとりますと、お母さんの玉までに54の玉があります。お父さんの玉から左右に54個ずつの玉があり、合計108個の玉になります。お父さんとお母さん、そして108人の子供といったところでしょうか。


数の数え方
数珠は数を数えるお道具であるといいました。私たちが仏さまを拝むとき、たとえば「南無大師遍照金剛」(なむだいしへんじょうこんごう)や「南無阿弥陀仏」(なむあみだぶつ)という真言(しんごん)をお唱えします。だいたいお唱えする数が決まっています。3回・7回・21回・100回・1000回・10000回というように・・・3回や7回ならば数をとりながら真言をお唱えすることはできますが、21回や100回、ましてや1000回・10000回となると不可能です。それに、「何回数えたかな??」という気持ちが先走ってしまい、心をこめて拝むことが出来ません。
そこで登場してくるお道具が数珠なのです。「きょうは真言を7回お唱えしよう」と思えば、真言を1回お唱えするごとに数珠の玉をひとつすすめます。そして、小さな玉までくれば7回唱えたことになります。同じように21回の場合は次の小さい玉まですすめますと21回唱えたことになります。


一本の数珠で1万回まで数えることが出来る
ただし、100回以上お唱えする場合は作法が違ってきます。お父さん玉から数え始めますが、お母さんの玉までいきまして54回の数を数えたことになります。ここで、お母さんの玉を越えることなく来た道を帰ります。いわゆる数をとるときは片面の玉54個だけを使用するということになっています。それは子供は親を越してはならないという意味です。
108回数えますとお父さんの玉まで帰ってまいります。100回お唱えするということは108回お唱えすることになるのですね。
ちなみに1000回お唱えする場合は、108回まできますと房についている小さな玉をひとつ上げます。この小さな玉が左右の房に5個ずつついていますから、合計10個で1080回、すなわち1000回数えることができるのです。
さらに、1000回お唱えしましたらお母さんの方の小さな玉をひとつ上げれば、1000回かける10個で10000回数えることができます。
このように、数をとる珠であるので「数珠」というのです。

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