イラク戦争で何が残ったのか??

罪なき人々・・・
アメリカ軍がイラク・バクダッドに侵入して、フセイン大統領の銅像を引き倒した映像が何度も何度も映し出されていた。
これで戦争が終ったということなのだろうか?? 肝心のフセイン大統領は、どこに行ったのかわからない・・・生きているのか死んでいるのかわからない・・・
ただ、戦争が残したものは犠牲となった何の罪もない人たち・・・

報道番組が伝えるもの
戦争のドキュメンタリーと称して、特別番組などが特集されている。爆撃を受けて両手を失った少年の映像や、血だらけになって苦しんでいる人たちの映像が流れる。また雑誌では、犠牲になったイラク兵の死体が掲載されていた。その中には、爆弾で胴体が吹っ飛んだイラク兵の写真も掲載されていた。いずれにしても思わず目を覆うシーンばかりである。

戦争の現場に立ち、軍に密着して取材をする報道陣。命がけであったと思うし、なぜそこまでして取材をしなければならないのかとも思った。しかし、このような人たちのおかげで、リアルタイムで情報を得ることができる。
血だらけになって病院に運び込まれる子供にレンズをむけてシャツターをきる。これは映画でもなんでもない。まぎれもない現実に起こっている残酷なシーン。いくら仕事とはいえ、嫌であると思う。しかし、伝えるということが彼らの使命であるという。伝えなくてはならないという任務というが、何か矛盾を感じるのは私だけだろうか??

戦争で何が残ったの・・・??
一昔前の戦争映画に比べて、現在のそれはリアルである。特に、人を撃ち殺すシーン、腕が吹き飛ぶシーンなど、平気で次々と映し出される。時代劇にしてもそうである。一昔前のものは人を刀で切るシーンにも配慮があったが、昨今ではリアルに映し出され、効果音もすごいものである。そんな映画のシーンを見て、最初は目を覆うが段々と慣れ、時間をかけて麻痺していく。

時代が変わったといえばそれまでだが、伝えることは大切なことに違いないが、犠牲になった死について、もう少しデリカシーのある配慮というものが必要ではないだろうか。人が死んでいるのだから・・・

結局、この戦争で残ったものは、多くの犠牲者と、“憎しみ”と “怨み”それと、他人の死に対する麻痺だけであるようにしか思えない。