その25 人間はなぜ人間を殺してはならないのか??


お坊さんのなかにも色々な人がおられます。拝むことが好きなお坊さん。お話が好きなお坊さん。お茶お花が好きなお坊さん。庭いじりが好きなお坊さん。色々です。
そんな中に、お坊さん同士で色々な情報や意見を交換して、お互いに向上しようよというお坊さんがおられて、BBSを使ってひとつのHPを立ち上げられました。そこに参加されるのはお坊さんばっかりです。こんなこと檀家さんに質問されたけど、あなたならどう答えますか??とか、こんな場合どうしますか??とか、何度もわからないことなどを質問させていただいて、色々な人から意見を頂戴して参考になりました。そんなページにある日、ひとつの課題があげられました。【人間はなぜ人間を殺してはならないのか??】これについて考えてくださいというのです。
色々な意見が出ました。「自分も殺されたくないから」 「命は大切だから」などなど・・・しかし、これだという決め手になる答えはなかなか出てきませんでした。私も色々な本を読んだり、人に聞いたりしました。しかし、なかなか良い答えが出てきませんでした。
しかし、よくよく考えてみると、答えはないのではないでしょうか。なぜならば
「人間は人間を殺してはダメだからダメなのです」
理屈も理由もありません。ダメなものはダメなのです。そんな質問をすること自体がおかしいのです。最近の子供はよく
「なぜ?なぜ?」
と質問をすると言います。たとえば電車の中で子供が大きな声で喋っていたとします。それを親が注意します。
「そんな大きな声で喋ってはいけません」
それに答えて子供が
「なぜ大きな声で喋ってはいけないの??教えて〜」
という会話をよく耳にすると聞きます。なぜだろう?なぜかしら?と疑問をもつこと、興味をもつことは大切なことですが、ダメなものはダメであるという教育ができなくなってきているのでしょうか。頭につめこめる教育も大切ですが、心の教育が必要です。
「人間は人間を殺してはダメだからダメなのです」
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