その6  「忙しい」という漢字の意味


最近よく「心の時代」という言葉を耳にするようになりました。現代の私たちの生活は科学・医学などの目覚しい発展によって快適な生活が約束されています。その反面、「心」すなわち「思いやりの心」「感謝の心」というものが薄らいできたということで「心の時代」を提唱される方が増えてきたのだと思います。確かに30年程前から比べると、人と人とのふれあいというものが薄らぎ、世の中冷たくなった気がしますよね・・・
現代人の「心」が薄らいできた原因のひとつに、「忙しくなった」ということがあると思います。
「この頃どんな調子ですか?」
「いや〜、忙しいですね・・・貧乏暇なしですわ・・・」
こういった会話をよく耳にします。
人間、忙しくなれば余裕がなくなる。自分のことばかり考えて他人のことなど考えられない。自分さえよかったらいい・・・まさに悪循環です。豊かな心を持つこと、余裕を持って人に接すること。それが段々と薄らいでいるように思います。
「忙しい」という漢字は「りっしんべん」に「亡くなる」と書きます。「りっしんべん」すなわち「まごころ」という意味。「まごころ」が亡くなって「忙しい」という漢字になります。忙しいから心が亡くなる、心が亡くなって忙しくなる・・・どちらとも言えると思いますが、余裕な心をもって、豊な心をもって生活していくこと。これが「心の時代」にする基本ではないでしょうか。

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