法要(ほうよう)と法会(ほうえ)の違い

最近、お寺の行事に行きますと「○○寺落慶法要」と大きく書いてありました。また、お坊さん同士のお話の中でも「○○寺さんの法要」という言葉をよく聞きます。この場合、本来は法会という単語を使わなくてはなりません。どちらでもよいではないかと思われる方もおありでしょうが、法要と法会はまったくちがった意味になります。


法会(ほうえ)
法会とはお寺で大勢のお坊さんが集まっておつとめする会式(えしき)そのものをさします。たとえば、お盆の施餓鬼法会(せがきほうえ)やお彼岸の彼岸法会(ひがんほうえ)など、すべての行事を法会といいます。決して施餓鬼法要(せがきほうよう)とか彼岸法要(ひがんほうよう)とはいいません。


法要(ほうよう)
では、法要とは何かと申しますと、法会を飾るお経のことをさします。専門的になりますが、これには一箇の法要(いっかのほうよう)ニ箇の法要(にかのほうよう)四箇の法要(しかのほうよう)という種類があり、その法会を荘厳(しょうごん)するお経の数でこのような名前がついているのです。

いずれにいたしましても、法要と法会は大きな意味の違いがあり、本来は使い分けられてきたものです。マスコミなども堂々と○○法要と書きますので、わたしたちお坊さんもついついつられてしまって○○法要と言ってしまっております。意味を把握し、気をつけて使い分けなければならない単語です。

戻る