●檀家という言葉と経緯
わが国の寺院はたいてい檀家をもっています。寺院に属する檀家の人々の遺骨を埋葬してそれらの人々の霊を弔っています。お盆などには、その寺の住職は檀家をまわってお経をあげます。
檀家とは、もともと檀那(だんな)ということばと同じような意味でもちいられてきました。寺院に財物を寄進してくれる信者、あるいはその家のことを、僧侶の側で「檀那」とか「檀家」とよびます。
檀那はインドのことば(サンスクリット語)のダーナを音訳したものです。ダーナは「檀」と音訳されますから、檀那はすなわち檀のことです。ダーナとは「与えること」という意味で「布施」と漢訳されます。だから、もとをただせば檀那=布施ということになります。ところが、中国や日本では、檀那というと布施をする人、施主、仏教の後継者をさす言葉となったのです。

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