鷲林寺交差点で盆踊り?

現在、鷲林寺参道入り口の県道は一日数万台の車が往来します。これは、ちょうど鷲林寺地区が西宮市・宝塚市・三田市などに抜ける中間地点になるからです。ラッシュ時では交差点を抜けるのに、信号を3回ほど待たなくてはならない時もしばしばです。鷲林寺町交差点に信号機が着いたのは昭和40年代後半から50年代前半の頃だと思います。それまでは、一日数台の車が通るか通らないかといった、のどかな村落でした。
昭和40年代前半の頃のおはなしです。その頃の鷲林寺村の村人たちの楽しみといえばたくさんありませんでした。そんな中で、楽しみのひとつに盆踊りがありました。鷲林寺村には適当な広さの広場がなかったのでしょうか、交差点の真中にやぐらを建てて盆踊りをするのが恒例となっていました。ある日のことです。巡回に出ていた巡査さん(たしか小島さんという人でした)がその様子を見て
「こんなところにやぐらを建てたら危ないでしょ !! もしも車が来たらどうするんですか?すぐにやぐらを片付けなさい !!」
と言いました。しかし、村の人たちはそんな言葉に耳をかさず
「どこに車が通っているんじゃ?巡査さんも、そんな厳しいこと言わんと、一緒に踊りましょうよ」
と言い返しました。すると巡査さんは、まわりを見回して
「それもそうやな」
と言って、村の人たちと一緒になって盆踊りを楽しんだということです。
そんなのどかな風景・・・懐かしい一ページです。




現在の鷲林寺町交差点

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