野倉の山    風穴


 野倉の上に1000mほどの山がある。、見る位置によっては中々な山だなと最近あらためて思うようになった。この山の三角点(1010m)は以前行った事があったし、今、写っている南東斜面へは、よく林道散歩で以前歩いていた。今日も運動のため久しぶりにこの林道を歩いてみようと出発。この写真を撮ろうと、道に車を止めていたら、後の車から顔見知りのA先生に声をかけられた。A先生は理科教育でも知られた方でご夫婦で鳥を双眼鏡で見ていた。「鳥の観察ですか?」と聞くと、「いや、水を汲みに来ただけです。」との事。このへんにいい湧き水があるのかな?
 野倉から別所森林公園への道に入ると雪が結構路面に残っていた。林道入り口には軽のワゴン車が止まっていた。ハンターかな?と心配になった。雪道を歩き出したが、ハンターらしい気配もなく、何か小さな長靴の跡らしいものも見えた。どういう人があるいているのかは分からなかったがハンターの雰囲気は無かった。林道のおしまい近く独鈷山の方が開けて見える場所があるが木が成長して以前より展望が悪くなっていた。この写真はさらに進んだ場所。もっと歩かないと運動にならないので、ここから直登して三角点まで行ってみようと思う。上の斜面はヒノキの植林帯とカラマツや雑木の落葉樹帯が交互にあるような場所で、雪も所々に積もっている。林床はわりあいすっきりしている。
 どんどん直登していくと間もなくなだらかな山頂部になり、わりと大きな石祠があった。以前三角点まで登った時には見なかったものだ。石祠には野倉村とあり、この反対側には文化の年号が見えた。正面にも何か書いてあったがよく見えなかった。
 次に三角点に行ってみようと思ったが林道歩きの予定だったので地図を持ってきていない。確か三角点より西にまだ高くなっていた記憶があったので、もっと下かなとこの写真の右の方へ行ってみたり、もっと高い左の方へ行ってみたりしたが、よく分からなかった。後で家に帰って地図で見ると、三角点はもっと右下の方だった。(三角点は山頂部のだいぶ東の先端だった。)左手の高い方へも行ってみた。地図で見たら結構この場所は山頂的ではあった。三角点の名前は4等三角点「野倉」だが、この山の本来の名は、ちゃんとあるのではないかと思う。これは帰り際に撮った写真だが結構、台座もしっかりしている石祠だ。以前三角点に登った時は秋だったと思うが、ヤブっぽい展望もないつまらない場所だと思っていたが、今日は雪と落葉樹に囲まれたこの石祠も見た事でぐうんとイメージが上がった。林道からここまで、つづら折の山道をつけ、山頂部の木を切り開き展望を確保し山頂にちゃんと山名の杭をたてれば、別所温泉や野倉の観光資源にもなるのではないか、と思ったくらいだ。登って来た斜面を下りていく途中で、下の林道の方から3、4年生くらいの男の子の声で「ヤッホー」と聞こえてきた。親がハンターとは思えないが一応万一にそなえてこちらも「ヤッホー」と言ってみた。男の子がまた「ヤッホー」と言ったり、小さい女の子が「キャー」と叫ぶ声も聞こえてきた。ははあ、きっとお父さんあたりが「おばけがヤッホーと言ってるぞ。」などと言ったのかもしれない。男の子の「ヤッホー」は何回か続いたので、二回ほど答えてやった。
 林道に降り立つと。下の方で子どもの「ヤッホー」などが小さく聞こえたが、(ぼくがヤッホーって言ってみたら山の方からヤッホーって聞こえてきたよ、山の赤鬼だったりして・・・)なんていうせっかく偶然生じた子どもの夢をこわしてはいけないと思いゆっくりと帰っていった。軽のワゴンの近くに私の車が置いてあったからわかっちゃったかな。軽のワゴンはもう無かった。車を置いた場所からは女神岳と野倉の集落が明るい印象だった。「可愛げな 長靴の跡 雪の道」(2008、1,27)
                                        風穴
 今日の信濃毎日新聞の東信の欄に、「別所温泉の山中に残る風穴」が紹介されていた。明治20年代に塩田地域の蚕種業者が蚕種のふ化を低温で抑制するために協力して作ったものだそうだ。地元旅館社長が整備することを提案して県の田園整備事業で遊歩道と手すりや壁の整備が行われたとあった。それは夫神岳の中腹にあると紹介されていた。夫神岳の中腹?どこだろう?と思う。
 問い合わせ先に書いてあった別所温泉観光協会に電話してみたら、出た女性は良く知らないらしい。ちょっと待って下さい、と言って聞きに行ったら、森林公園の方で、行けば書いてあって分かります。との事。森林公園にはそんな看板も見えなかったが、野倉への道を少し行った辺りに、神社があって、その辺がいかにも風穴のありそうな場所だな、と思って行ってみるとやはりそこであった。夫神岳の中腹でもいいんだけれど、正確には野倉の山の北斜面という感じだろう。
 道端の別所山荘専用駐車場というまつたけ小屋の駐車場だろうか、そこに車を置くと、猛暑日の中冷房を入れて走ってきた車外に出ても、もう涼風が感じられた。この道路はよく車で通り、その辺に神社もあるということは何となく分かるのだが、あまりに暗、暗していて湿っぽいような感じで、入っていった事は今まで無かった。ウッドチップが敷かれ、階段なども作られた遊歩道は、神社の参道なのか、その回りだけは杉の大木があって、中々の風情がある。周りの沢音も心地よい。
 小さい神社があり、その横を遊歩道は登っていく。冷たい沢水も並行して流れている。
 流しそうめんでもやればいいような場所があった。森林公園でキャンプをした人達がやったのだろうか?
 神社の横を遊歩道で少し登ると、風穴についた。
 けっこう深い。危なくないように木の柵やくさりなどで囲ってあった。
 手すりを伝って下りて行けるようになっている。急な階段を気をつけて下りる。
 入ってみると本当に涼しいのを通り越してちょっと寒いくらいだ。石垣の隙間から涼気がしみ出てくるようだ。新聞にも外気が30度の時中は10度だった。と書いてあるが本当だ。ここに涼みにくればいいな、と思う。
 車道に戻ってみると、遊歩道の入り口に湧き水というか沢水というかが、勢い良く流れていた。以前、野倉であったA先生が「水を汲みに行くところです。」と言ったのはここのことだろうか?結構、知っている人は知っている場所だったのかもしれない。まだまだ良く知らない場所があるものだなあと思った。今年、教室で蚕を飼ったのだが、繭を作ってそこから出た蚕が交尾をし、卵を産む所まではみなで育てて観察したのだが、生んだ卵の処理が分からず、結局いいかげんになってしまった。「蚕の卵は冷蔵庫に保管しておけば、大丈夫ですよ。」とつい最近他の方から教わった。蚕の卵は低温で保存するんだ、という事もこの頃知った事でした。そんな事もあり新聞の記事に目が行ったという訳でした。夏に温泉のついでのドライブに立ち寄るのもいいし、歴史的価値もある、よい場所が出来たなと思いました。(2008、8、8)