日本丸と海王丸 撮影 JR3MIX 
ー海への憧れー
 田舎育ちの僕が、砂浜の広がる鳴尾浜の海を見て、これが海か!と感動をしたのは小学6年生の夏でした。
あまりの広さと打ち寄せる波のエネルギーに圧倒された上、唇に触れた海水に思わず、「辛っ!」と声をあげ、従兄弟たちに笑われたのが、僕と海との初めての思い出です。
 限りなく広がる水平線と潮騒が、四方山で囲まれた僕の心の僅かな隙間に、いつの間にやら、少しずつ何層にも堆積して、年老いた今でも、それが海への強い憧れを持たらす源泉のようです。神戸港に浮かぶ帆船を見た時も、佐多岬の紺碧の海を見た時も、嬉しくて仕方なかったのは、この海への憧れが満たされたからに他なりません。
ー練習帆船ー
そんな海への憧れを持つ僕には、客船も貨物船も漁船も、みんな海の子供のように見えます。中でも、多くの実習生が乗り組む練習帆船は、ガキ大将です。
練習帆船を見ると、無性にワクワクしてきます。

登檣礼ー
中学・高校生の皆さん、帆船出港時の登檣礼(とうしょうれい)を是非、見て下さい。
ヤードからの実習生の「ごきげんよう!」の叫びは、君たちの心に強く、深く響き、海への憧れを呼び起こしてくれることでしょう。

*撮影後、年数が経過しているため、船名や解説内容に間違いがある場合があります。(解説など、一部、航海訓練所のホームページから引用)
 【参考動画】
登檣礼の様子(24分04秒)
  2011年11月08日 日本丸 名古屋港
登檣礼の様子B(6分27秒)
  2010年07月19日 海王丸 神戸港
 【参考情報】
海王丸船長からの手紙
練習船の行動予定関連情報

登檣礼(とうしょうれい)
             初代 海王丸の登檣礼(とうしょうれい)    神戸港

登檣礼の実施法

登檣礼は英語で“Man the yards”といい、各ヤード(帆桁)に人員を配して行う帆船で最高の礼です。
当所では、バウスプリット、各マストのヤード及びジガーマストのトップ台に実習生を配し職員は登舷礼の配置に立ち、笛の合図でヤード上の実習生は岸壁側に注目、士官は敬礼をします。
敬礼が終わるとバウスプリットの先端に立つ実習生が後ろを向き、「脱帽」、「ごきげんよう」の号令に合わせ、全員で「ごきげんよう」と発声しながら帽子を振りこれを3回繰り返し、「着帽」してマストから降りてきます。

外国の海軍所属の帆船では、ヤードの上に立つ昔からの方式をとっているところがほとんどです。
日本の練習帆船では、安全を考えてフートロープに立つ方式をとっています。

■ 登檣礼の起源

登檣礼(とうしょうれい)のはっきりとした起源は明らかではありませんが、16世紀イギリス海軍の記録に見られると言うことなのでかなり古い歴史があるということになります。皇族らの送迎、司令官や艦長の交代の際や、出征、遠洋航海など壮途に就く船に敬意を表する礼式だったそうです。現代の登舷礼は登檣礼の名残です。

日本人がはじめて見た登檣礼は、 1860年(万延元年)遣米使節として、正使 新見豊前守正興、副使 村垣淡路守範正、 目付 小栗豊後守忠順らが米国軍艦ポウハタン号でアメリカに渡る途中、ハワイに寄港 した時のようです。
王様が来訪した際の様子を、村垣淡路守範正の「遣米使日記」では、 「船中奇麗にして胡楽を奏し、水夫は帆桁毎に数百人立ち並て 祝砲二十一発二度打たり−−国君を祝すは此数成よし、水夫帆桁に登るも重き禮なるよし−−」 と記録しています。

日本で最初に登檣礼が採用されたのは昭和28年日本丸が帆装復帰し、はじめての遠洋航海が企画されたとき日本丸船内で規律のあり方が問題となりました。
何せ戦後はじめての遠洋航海だったからです。
結局、各国の海軍礼式令や国際的慣習を調べ、これに準拠して再編成され、このときはじめて登檣礼も採用されそのまま日本丸、海王丸での慣例となったということです。
しかし、安全を考えて、やり方を少し変え、ヤード上に立つ方式からフートロープに立つ方式に変えたそうです。

登檣礼の様子

登檣礼(とうしょうれい)の解説と動画のリンク先は、上記web上から引用。


船首像

海王丸の船首、バウスプリットが突き出た下の部分に取り付けられた、笛を持つかれんな女性像。それが海王丸の船首像(フィギュアヘッド)です。
「紺青(こんじょう)」と名付けられたこの船首像は、第2代日本丸建造を機に、「日本丸と海王丸に船首像を贈る運動」が企画され、全国からの募金により作成されたものです。日本で初めて作られた船首像としてデザインも公募され、優しさのうちに凛々しさを秘めた日本女性の姿が表現されています。
姉妹船の日本丸には「藍青(らんじょう)」という、しとやかに合掌している女性像が、海王丸には、藍青の妹として、空を舞う天女をも思わせながら、まだ少女のあどけなさを残した顔立ちの紺青が配されました。
果てしない大海原をゆく海王丸の船首で、航海の安全を守ってくれています。

http://www1.ocn.ne.jp/~kaiomaru/club/window/figure.html

*船首像の説明は、上記web上から引用。

船首像 紺青

歓送式
船上で出港前に行われる歓送式です。
神戸シークィーンの皆さんが、船長及び実習生代表に花束を贈呈します。
 
歓送式
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