Part1都市計画法 戻る
   都市計画は、よりよいまちづくりのための計画だ。 よりよいまちづくりは、
 
①土地の利用行為を制限する、
②工事によって施設を作っていく、
ことによって図られる。
   試験で問われるのは、①の土地の利用行為の制限だ。
Ⅰ都市計画区域と用途地域等
1都市計画区域と区域区分
  都市計画は、都市計画区域という区域を指定して、原則として、その中に立てていく。

1-1 都市計画区域の指定(5条)
  都市計画区域は、原則*として都道府県が指定する。
  都市計画区域は市町村の区域外にわたり、指定できる。             
  例外として2以上の都府県にわたる場合は、国土交通大臣が指定する。ただし、現在その例はない。

   都市計画区域を指定したら、《当該都市計画区域の整備、開発及び保全の方針》、つまりマスタープランを定める。 このマスタープランの中で、都市計画区域を、市街化区域と市街化調整区域に区分(
区域区分※)するかどうかを決める(6条の2)。                     
1-2 都市計画区域の区域区分(7条)  
 都市計画区域について、市街化区域市街化調整区域との区分(区域区分*)を定めることができる。ただし、首都圏整備法に規定する既成市街地等の都市計画区域では、必ず区域区分を定める。
 * 区域区分は、線引きとも言う。
 ① 市街化区域は、すでに市街地を形成している区域及びおおむね 10年以内に優先的かつ計画的に市街を図るべき区域とする。
 ② 市街化調整区域は、市街化を抑制すべき区域とする。
 この定義は、覚える必要がある。覚えやすい市街化調整区域から覚えよう。
KeyWord  市街化調整区域=市街化抑制区域
     
市街化区域=既に市街地+10年以内に優先計画
 * 区域区分は、しなくてもよいので、「区域区分が定められていない都市計画区域」もある。 「区域区分が定められていない都市計画区域」は、「非線引き都市計画区域」とも言う。  
 
さらに、都市計画区域外に、
準都市計画区域1-11)が定められることもある。

  都市計画区域の指定とその区域区分及び準都市計画区域の指定により、国土は下記
の5つに区分される。
 日本全国 都市計画区域内 区域区分した
都市計画区域
市街化区域
市街化調整区域
区域区分しない都市計画区域
非線引き都市計画区域
都市計画区域外 準都市計画区域
計画区域外  

2 用途地域
   都市計画区域を区域区分(線引き)したら、次は地域地区と呼ばれる土地の利用計画を立てていく。
   基本的な土地の利用計画は、
用途地域だ。
   用途地域とは、その地域内の建築物の
  用途(住居、店舗、工場等建築物の種類)
建ぺい率(建築面積/敷地面積)
容積率(延べ面積/敷地面積)
建築物の髙さ 等
を制限する
土地の基本的な利用計画だ。  

1-3 用途地域の指定(13条7項)
   区域区分した都市計画区域のうち、 市街化区域には、必ず用途地域を定めていく。
   
市街化調整区域には、原則として用途地域を定めない
そのこころ 
   市街化調整区域には原則として建築できない(
1-33)ので、原則として用途地域は必要ない。
なお 
  非線引き都市計画区域と準都市計画区域には、用途地域を定めても定めなくてもよい
             
1-4 用途地域の種類(9条)
   用途地域のイメージ図と名称(略称)〔左欄〕と定義〔右欄〕だ。
   住居系が7、商業が2、工業系が3の12種類ある。
①第一種低層住居専用地域  (1低専) 低層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域
②第二種低層住居専用地域  (2低専) 主として低層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域
③第一種中高層住居専用地域(1中高専)  
中高層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域
 
④ 第二種中高層住居専用地域(2中高専)  主として中高層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域
⑤ 第一種住居地域(1住居)  住居の環境を保護するため定める地域  
⑥ 第二種住居地域(2住居)  主として住居の環境を保護するため定める地域  
⑦ 準住居地域 (準住居)  道路の沿道としての地域の特性にふさわしい業務の利便の増進を図りつつ、これと調和した住居の環境を保護するため定める地域
⑧ 近隣商業地域(近商)  近隣の住宅地の住民に対する日用品の供給を行うことを主たる内容とする商業その他の業務の利便を増進するため定める地域
⑨ 商業地域(商業)  主として商業その他の業務の利便を増進するため定める地域  
⑩準工業地域(準工)  主として環境の悪化をもたらすおそれのない工業の利便を増進するため定める地域 
⑪工業地域(工業) 主として工業の利便を増進するため定める地域
⑫工業専用地域(工専) 工業の利便を増進するため定める地域   
 
 
 
 
  用途地域の定義を問う出題があるが、次のことを覚えておけば大丈夫だ。

1-5 用途地域のはじまりの言葉の法則-これを覚えれば定義の丸暗記は不要。
   第一種~地域と
 工業専用地域
 いきなり用途(第一種~地域であれば、~の部分)を掲げてくる。
   それ以外の用途地域  主として~(用途)、とはじまるか、 用途以外の言葉ではじまる。
                  
 種類  定義  種類  定義
 1低専  低層住宅 に係る・・・   準住居  道路の沿道として・・・
 2低専  主として低層住宅に・・・  近隣商業  近隣の住宅地の・・
 1中高専  中高層住宅 に・・・  商業  主として商業その他の・・
 2中高専  主として中高層住宅に・・  準工業  主として環境の悪化をもたらすおそれのない工業・・
 1住居  住居の環境・・・  工業  主として工業の利便・・
 2住居  主として住居の・・・  工業専用  工業の利便・・・

   用途地域には、つぎのことを定める。                ▽    
1-6 用途地域に定めること
(8条3項)
 ①容積率(延べ面積/敷地面積)  全用途地域に定める。
 ②建ぺい率(建築面積/敷地面積)  商業地域以外の用途地域に定める。
 ③建築物の高さの最高限度(10又は12m 2-8)  1・2低専に定める。
  KeyWord 全用途地域に容積率、商業以外は建ぺい率、
1・2低専には高さ制限定めましょう。
  なお、  各用途地域の用途(使い方)の制限、商業の建ぺい率及び③以外の建築物の高さ制限は、建築基準法に定めてある。  
 
3 用途地域を補う地区
  用途地域の用途制限や容積率・建ぺい率等の制限を、よりきめ細かく補う計画として、次の地区がある。これらは必ず、
用途地域の指定に重ねて指定される。

1-7 用途地域の規制を補う計画-用途地域に重ねて指定(9条)

特別用途地区 用途地域内の一定の地区における当該地区の特性にふさわしい土地利用の増進、環境の保護等の特別の目的の実現を図るため当該用途地域の指定を補完*して定める地区。
⇒この中での用途制限は地方公共団体の条例で定める(建基法49)。
 * なお、用途地域の用途制限を緩くする場合には、国土交通大臣の承認が必要。用途制限を緩くするとは、たとえば、本来風俗営業をできない地域で特定地区だけできるようにすることだが、これは、例外中の例外。だから、国交大臣の承認が必要になる。

高度地区 用途地域内において市街地の環境を維持し、又は土地利用の増進を図るため、建築物の高さの最高限度又は最低限度を定める地区。*

高度利用地区 用途地域内の市街地の高度利用と都市機能の更新とを図るため、建築物の容積率の最高限度及び最低限度、建築物の建ぺい率の最高限度、建築物の建築面積の最低限度並びに壁面の位置の制限を定める地区。*

 
2・3は名称・イメージが似ているので逆転パターンの引っ掛けが出る。 *KeyWord 直接高さ(を定めるの)は、高度地区。
     高度利用地区は、直接高さは定めない。
 4 高層住居誘導地区 住居と住居以外の用途とを適正に配分し、利便性の高い高層住宅の建設を誘導するため、第一・二種住居地域、準住居地域、近隣商業地域又は準工業地域でこれらの地域に関する都市計画において建築物の容積率が10分の40又は50と定められたものの内において、建築物の容積率・建ぺい率の最高限度及び建築物の敷地面積の最低限度を定める地区。
KeyWord 高層住居誘導地区だから1・2低専・、1・2中高専内では定められない
たとえば

 1
 本来風俗営業などもできる商業地域(1-4)において、その中の学校が多い地区を、文教地区と指定して風俗営業をできなくする。また、本来風俗営業はできない第1種住居地域において、温泉が出る観光地なので、特定の地区を観光地区と指定して風俗営業もできるようにする。なお、この場合は用途制限を緩くすることになるから、国交大臣の承認が必要になる。

 2
 一戸建て住宅の多い住宅地であまり高い建物を建てたくない特定の地区を高度地区と指定して高さの最高限度を定める。逆に、オフィス街であまり低い建物を建てさせたくない地区に、高度地区と指定 して高さの最低限度を定める。

 3
 駅前で土地を高度に利用したい地区を高度利用地区と指定して、建築面積の最低限度を指定し小さな建物を建てられなくするとともに、壁面位置の制限をして敷地内に有効な空地を確保する。
 4  高層マンションを誘導する地区である。

4 その他の地域地区

  用途地域が定められていない土地の区域(用途地域無指定の区域)に定めるものもある。                 
           
1-8  特定用途制限地域-用途地域無指定の区域に定める(9条14項)
  用途地域が定められていない土地の区域(市街化調整区域を除く※)内において、その良好な環境の形成又は保持のため、当該地域の特性に応じて合理的な土地利用が行われるよう、制限すべき特定の建築物等の用途の概要を定める地域。*
⇒この中での用途制限は、地方公共団体の条例で定める。
  郊外の用途地域を定めていないところに、モーテルやパチンコ屋など乱立するのを防止する場合などに、指定する。
  もともと、市街化調整区域では、建物は建たないのが原則だから、特定用途制限地域は必要ない。

   超高層ビル街をつくる場合は、特定街区を定める。
1-9 特定街区-超高層ビル街*を造る場合に定める(9条19項)
 特定街区は、市街地の整備改善を図るため街区の整備又は造成が行われる地区について、その街区内における建築物の容積率並びに建築物の高さの最高限度及び壁面の位置の制限※を定める街区とする。
 * 西新宿高層ビル街などで指定された。
 ※ 壁面の位置制限 建築物の壁面を、道路境界線から一定の距離以上後退させること

風光明媚な自然の風致を守るためには、風致地区を定める。*             
1-10 風致地区 (9条21項)
   都市の風致を維持するために定める地区。風致地区内では、地方公共団体の条例で、建築、宅地の造成、木竹の伐採等について規制する。
明治神宮外苑付近などで指定されている。

5 準都市計画区域
  土地利用計画の地域・地区は、都市計画区域に定めるのが原則だが、都市計画区域外でも
準都市計画区域の指定がある土地の区域では、一定の地域や地区を定められる。
 
準都市計画区域とは、都道府県が都市計画区域の区域のうち、開発が進み、そのまま放置すれば、将来、都市整備、開発及び保全に支障が生じるおそれがあると認めて、関係市町村及び都道府県都市計画審議会の意見を聴いて指定した区域(5条の2)だ。

1-11 準都市計画区域と地域地区
   準都市計画区域には、用途地域特別用途地区特定用途制限地域高度地区(ただし、建築物の高さの最低限度は定められない)、景観地区風致地区、都市緑地法による緑地保全地域及び伝統的建造物群保存地区等のうち必要なものを定めるものとする。
ただしのこころ 
  建築物の高さの最低限度を定めると、高い建物を誘導することになるが、まだ市街化が進んでいない準都市計画区域には、ふさわしくない。
 
 同じ理由(都市化が進んでいない準都市計画区域には、ふさわしくない)で、高度利用地区定められない

Ⅱ開発許可制度
 
  計画的なまちづくりのため、建築行為の前段階の土地の造成行為に規制をかけるのが、開発許可制度だ。都市計画法の最も重要な制度だ。  

1開発行為の意味と開発許可の要否

  
開発行為とは、
 主として
   建築物の建築又は
  特定工作物*の建設
の用に供する目的で行なう土地の区画形質の変更(4条12項)である。 

特定工作物とは、①コンクリートプラント*等周辺の環境の悪化をもたらすおそれがある一定の工作物(第一種特定工作物)と、②ゴルフコースその他規模が1ヘクタール以上の運動・レジャー施設(野球場、庭球場、陸上競技場、遊園地、動物園等)及び墓園(第二種特定工作物)である。  

コンクリートプラント セメント,水,砂,砂利,混和剤などのコンクリート材料を貯蔵・ 計量してミキサーに投入し,均質なコンクリートを製造する設備
  
   要するに、
   
上に建築物や工作物を作る目的での土地の造成行為だ。
  作るものの規模は原則として問わないが、運動レジャー施設だけは、1ha以上のものをつくろうとするときだけを開発行為という。  
  以上をふまえて、開発行為を日常用語で言い直すと、
1-12 開発行為
  上に何かを建てる(造る)目的での土地の造成(区画形質の変更)。
  ただし、
運動レジャー施設及び墓園は1ヘクタール以上の場合に限る。
  上に何も作らない土地の造成は、開発行為ではない。

そして、開発許可制度とは、                ▽
1-13 開発許可制度-開発行為をするには知事の許可が必要(29条)
   開発行為をしようとする者は、あらかじめ都道府県知事(地方自治法の指定都市・中核市・特例市では市長)の許可を受けなければならない。
  ただし、開発許可を受けなくてもよい許可不要の例外がある。
    開発許可が必要かどうかを問うのは定番中の定番問題である。  

 まず、規模による許可不要の例外がある。                
1-14 1.規模による許可不要の例外
   市街化区域内で行う1,000㎡(首都圏等の一定区域では500㎡)未満のもの
   非線引き区域内・準都市計画区域内で行う3,000㎡未満のもの
   都市計画区域及び準都市計画区域以外の区域(計画区域外区域)で行う1ヘクタール(10,000㎡)未満のものは、許可不要。
そのこころ
   それぞれの土地柄に応じて大規模なものは、一定の技術的水準に達しているものだけをやらせる趣旨だ。
ちゅうい 
 市街化調整区域は、規模による許可不要の例外はない。
そのこころ 
 市街化を抑制すべき市街化調整区域は、市街化につながる開発行為は、どんな小規模のものでもやってほしくない。
ゴロあわせ
 一歳=いっ                 さ              い未満は、許可不要。
 市街化1,000㎡  非線引き・準3,000㎡ 計画区域外10,000㎡未満は、許可不要。

1-15 2.農林漁業用の許可不要の例外
   市街化区域以外(市街化調整区域、非線引き区域、準都市計画区域又は計画区域外区域)で行う農林漁業用の一定の作業所・倉庫等、又は、農林漁業者の住居の建築の目的で行うものは、許可不要。





ちゅうい1 
 市街化区域は、農林漁業用の例外はない。
そのこころ 
 市街化区域は、農林漁業にはふさわしくないので、農林漁業用の開発行為は許可を得た場合のみできることにした。
ちゅうい2 
 直接農林漁業に供するのではなく、農林水産物の処理、貯蔵、加工に必要な建築物の建築の用に供する目的で行う場合は、許可が必要である。ここは、よく出る。

1-16 3.公共性がある場合の許可不要の例外  
駅舎、図書館、公民館、変電所等公益上必要な建築物の建築の用に供する目的で行うものは、許可不要。
ちゅうい 
 
医療施設、学校及び社会福祉施設の用に供する場合は、許可必要
医学社は、許可必要
そのこころ
 医学社は、周辺の乱開発につながることもあるので、法改正で許可必要となった。
都市計画事業、土地区画整理事業、市街地再開発事業、住宅街区整備事業 等の施行として行うものは許可不要。

1-17 4.応急軽易な許可不要の例外
   非常災害のための応急措置として行 うもの、通常の管理行為、軽易な行為は許可不要。

1-18 5.国、都道府県等公的主体が行う場合の特例(34条の2)
   国又は都道府県、指定都市等=公的主体が行う場合は、当該国の機関又は都道府県等と都道府県知事の協議が成立することをもって、開発許可があったものとみなす  
 
開発許可の要否-完全チャート
開発行為
何かを建てる目的での土地の造成

運動レジャー施設・墓園は1ha 以上
 
 
定義に当てはまらない 
許可
不要
1.規模の基準未満 
 一歳=いっ                 さ              い未満は、許可不要。
 市街化1,000㎡  非線引き・準3,000㎡ 計画区域外10,000㎡未満は、許可不要。
市街化調整区域は、規模による例外はない。  
2.農林漁業用の許可不要の例外
   市街化区域以外(市街化調整区域、非線引き区域、準都市計画区域又は計画区域外区域)で行う農林漁業用・農林漁業者の住居の建築の目的で行うものは、許可不要。
ちゅうい1 市街化区域は、農林漁業用の例外はない。
ちゅうい2 農林水産物の処理、貯蔵、加工に必要な建築物の建築の用に供する目的で行う場合は、許可が必要。
3.公共性がある場合の許可不要の例外  
駅舎、図書館、公民館、変電所等公益上必要な建築物の建築の用に供する目的で行うものは、許可不要。
ちゅうい 
医学社医療施設・学校・社会福祉施設は、許可必要

都市計画事業、土地区画整理事業等の施行として行うものは許可不要。
 4.応急軽易な許可不要の例外
   応急・軽易な行為は、許可不要
5.
国、都道府県等公的主体が行う場合の特例
   国又は都道府県、指定都市等=公的主体が行う場合は、
都道府県知事との協議成立で、許可があったものとみなす
上記どれにも当たらない   
   
許可が必要     
2開発許可の申請と開発許可の審査基準
   手続をする開発業者(デヴェロッパー)になったつもりでみていこう。
   開発許可を申請する前に、次のことをしておかなければならない。        

1-19 許可申請に際しての公共施設管理者の同意等(32・30条)
   開発行為と関係がある公共施設の管理者同意を得て、
   設置される公共施設を管理することとなる者協議して、
⇒申請書に、①同意書面 ②協議経過書面を添付する。
そのこころ 
   ①は、開発行為の工事で公共施設を壊すこともあるが、管理者の同意を得なさい       ②は設置される公共施設の管理者と工事完了後の管理体制につき話し合っておきなさい、ということ。
                     
1-20 申請書記載事項(30条)
都道府県知事(指定都市等では市長)に提出する申請書には
開発区域の位置、区域及び規模
 
予定建築物等の用途 規模・階数は記載不要

開発行為に関する設計
(1ha以上の場合、有資格者が作成)
 
工事施行者等  
を記載する。          

 許可の基準には33条の基準(一般的基準)と34条の基準(市街化調整区域の基準)がある。
 33条の基準は、良好な市街地をつくるため、災害防止・環境保全等開発行為が少なくともクリアしなければならない基準だ。
  そして、
市街化調整区域以外の区域では、この基準に適合しさえすれば必ず許可される。
  その33条の基準を見てみよう。              
     
1-21 開発許可の一般的基準(都計法33条の基準)
      都道府県知事は、市街化調整区域以外の区域にかかる開発行為の許可申請があった場合には、当該申請に係る開発行為が、下記基準に適合しており、かつ、その申請手続が適法であるときは、開発許可をしなければならない
   そのこころ 
   市街化を抑制する目的がなく、開発行為は本来自由にやってよい市街化区域等の場合 この基準に適合すれば、許可を拒むいわ れはないからだ。
  1)設計等に関する基準 
 ①  予定建築物の用途が用途地域の規制に適合している 
 
 ②
 道路、公園等の公共空地が、適当に配置され、かつ、開発区域内の主要な道路が、開発区域外の相当規模の道路に接続するように設計が定められている 
 ③  排水施設が、適当に配置されている
 ④  水道その他の給水施設が、適当に配置されている 
 ⑤  建築基準法第39条1項 の災害危険区域等、開発行為を行うのに適当でない区域内の土地を含まない
  2)申請者等に関する基準
 ①  申請者に必要な資力及び信用がある、工事施行者に工事完成能力がある  
 ②  開発区域内の土地等の関係権利者の相当数の同意を得ている  
 赤字の基準は、自己の居住用住宅の建築の用に供する目的で行う場合等には適用されない。
そのこころ 
   これらを満たさなくても、困るのは居住者=申請者だけで、他者の迷惑とならないからだ
KeyWord 守ら守らないと居住者だけが困る基準は、自己居住用には適用なし。

   市街化調整区域では、33条の基準に適合したうえ、次の34条の基準のどれか一つに適合しなければ、許可されない。
そのこころ 
   市街化調整区域は市街化を抑制する区域だから、本来開発行為はして欲しくない。 そこで、どうしてもそこでやらざるを得ない事情がある場合でないと許可しない。              
1-22 市街化調整区域の基準(都計法34条の基準)
   市街化調整区域に係る開発行為は、次の基準のどれかに該当する場合でなければ、許可をしてはならない。
 なお、
一定の場合は、開発審査会の議を経て許可する。
 ① 周辺の居住者の日常生活に必要な物品の販売、加工、修理等の業務を営む店舗、事業場等の用に供する目的で行う開発行為  
 ② 市街化調整区域内の鉱物資源、観光資源等の有効な利用上必要な建築物等の用に供する目的で行う開発行為  
 ③ 農林漁業の用に供する建築物(開発許可不要となるもの〔1-15②〕を除く)、
又は市街化調整区域内において生産される農林水産物の処理、貯蔵、加工に必要な建築物の建築の用に供する目的で行う開発行為等 

  開発行為は、その上に必ず建築物等を建てることになるので、建築行為の規制も必要になるが、開発区域内に
用途地域が定まっていれば*、建築物の用途・建ぺい率・容積率・高さは自動的に規制される(1-6)ので、問題ない。
  なお、市街化区域には、用途地域は必ず定まっている。市街化調整区域には、原則として定まっていない(1-3)。  
       
  しかし、
用途地域の定めのない土地の区域で開発行為をする場合には、用途地域以外の方法で建築行為を規制する必要がある。そこで、開発許可をする際に都道府県知事が規制をすることにした。                      

1-23 用途地域無指定区域で開発許可をするときの建築制限
  知事は、用途地域の定められていない区域における開発行為について開発許可をする場合に、必要があるときは、建築物の建ぺい率・高さ、壁面の位置その他建築物の敷地、構造及び設備に関する制限を定めることができる。

ちゅうい 開発許可の際、建ぺい率等の制限を定められるのは、用途地域が定められていない区域に限られる。



3許可・不許可の処分から工事完了公告まで
  許可・不許可は、文書で通知される。                    

1-24 許可・不許可の通知と不服申立て(35条、50条) 
   許可・不許可は、文書をもって申請者に通知しなければならない。
   処分に不服がある者は、
開発審査会審査請求*をすることができる。
審査請求 不服申立ての一種

   知事は、許可をしたときは、許可内容を登録する。               
1-25 開発登録簿-予定建築物用途等を登録(46・47条) 
1 都道府県知事は、開発許可をしたときは、
 ①  許可年月日  
 ②  予定建築物等の用途   階数までは登録しない
 ③  公共施設種類、位置及び区域   
 ④  41条の制限(1-23)等  
を開発登録簿に登録しなければならない。
2 登録簿は、公衆の閲覧に供するよう保管し、請求があれば、その写しを交付しなければならない。  

  許可内容を変更したい場合は、どうするのか。  
1-26 変更の許可等-原則として許可が必要
  許可内容である開発区域の位置、予定建築物の用途、開発行為の設計等を
  変更する場合 ⇒ 都道府県知事の許可を要する。
  ただし、許可不要の開発行為に変更する場合には、許可不要である。
・また、軽微な変更届出でよい。

   開発許可を受けた地位は、相続や買受で引き継げるか。             
  

1-27 許可に基づく地位の承継(44・45条)
 ① 相続、合併のような一般承継(包括承継) ⇒当然に承継する。
 ② 開発許可を受けた土地を買い受けた(特定承継) ⇒知事の承認を受けて、承継できる。
  一般承継特定承継  相続・合併のように被相続人・合併前の法人の権利義務をまとめて引き継ぐことを一般承継又は包括承継、これに対し売買によって個々の権利を引き継ぐことを特定承継という。
*そのこころ 
  一般承継の場合は、信用力・資力、工事完成能力等も引き継いでいるので、当然承継させるが、特定承継の場合には、特定承継人の信用力等を知事はもう一度審査したい(
1-21の2)参照)ので、承認を受けて承継できることにした。  ※
   
   開発行為を途中でやめたくなったときは、どうするのか。             
1-28 開発行為に関する工事の廃止(38条)   
   廃止したときは、遅滞なく、その旨を知事に届け出なければならない。
つまり 
 廃止すること自体に許認可は必要ないが、廃止後、遅滞のない届出は必要である。

  工事完了後の手続は次のとおり。                     
1-29 工事完了届出・検査・公告(36) 
   工事完了⇒知事に届出⇒知事は、検査し、許可の内容に適合していると認めたときは検査済証を交付し、工事完了公告をする。  
                       
1-30 開発行為により設置された公共施設の管理とその敷地の帰属39条)

 ①
管理 原則 市町村の管理。
例外 他の法律に基づく管理者が別にあるとき、又は協議によ り   管理者について別段の定めをしたとき(1-19)。
 ② 敷地の帰属 原則 管理者に属する。
例外 公共施設を付け替えたとき等。


4 開発許可に関連する建築制限等

  開発許可に関連して、次の三つの建築制限等がある。
1)工事完了公告前の建築制限等
 開発許可を受けた開発区域内では、ディベロッパーがブルドーザーをいれて土地の整地・造成をする。その工事中、自由に土地の利用行為をさせておくと、工事のじゃまになるし、危険だ。そこで、                

1-31 工事完了公告前の建築制限(37条) 
  開発許可を受けた開発区域内の土地においては、工事完了公告があるまでの間は、①~③を除き、建築物を建築し、又は特定工作物を建設してはならない。 *
  ① 工事用仮設建築物
② 知事が認めた場合
③ 開発行為に同意していない者が権利の行使として行う場合 
つまり 
 工事中はジャマだから勝手に建築するな。
 
③の例外に注意。よく出る。

2)工事完了公告後も引き続く建築制限等
1-32 開発区域内の工事完了公告後の建築等の制限(42条)
   何人も、開発許可を受けた開発区域内においては、工事完了公告があった後は、知事の許可なく、予定建築物等以外の建築物又は特定工作物を新築し、又は新設してはならず、また、建築物を改築し、又はその用途を変更して当該開発許可に係る予定の建築物以外の建築物としてはならない。
   ただし、用途地域が定められているときは、この限りでない。*
つまり 
  許可した用途以外のものは建てるな。ただし、用地地域が定まっていれば、許可した用途以外のものを建ててもよい。
ただしのこころ 
   用途地域が定まっていれば、用途制限がともなう(2-5)ので、用途制限はもっぱらそれによることにした。  

   結局、1-3233の制限は、用途地域が定まっていれば関係ない。≒市街化区域には関係ない。
 
1‐33 用途地域の無指定区域で建築制限があった場合(41条)
   知事が用途地域無指定区域で開発許可をする際建築物の建ぺい率・高さ、壁面の位置その他建築物の敷地、構造及び設備につき制限をした場合(1-22)建築物は、これらの制限に違反して建築してはならない。
   ただし、知事の許可があるときは、この限りでない。 *

5  市街化調整区域の開発区域以外における建築許可制

   市街化調整区域は、市街化を抑制すべき区域だから開発行為を抑制することと併せて建築行為も抑制しなければ首尾一貫しない。
そこで、市街化調整区域では原則として建築等を禁止し、例外的に許可をする。
1-34 市街化調整区域の開発区域以外における建築許可制(43条)
    何人も、市街化調整区域のうち開発許可を受けた開発区域以外の区域内*においては、原則として、都道府県知事の許可を受けなければ、建築物等を建築等してはならない。
  下線部分は、市街化調整区域内でも開発許可を受けた区域内では、許可内容となった予定建築物等は許可不要で建てられるから、建築許可を要する区域から除外するという意味だ。

   なお、調整区域で「建物を建てたい」と申請があった場合の許可基準は、開発許可の基準(
1-22)とほぼ同様だ。
また、許可不要になる例外も、市街化調整区域で開発行為が許可不要になる場合(
1-1516)と同様のものが定められている。


1-35 市街化調整区域で許可不要の建築行為(43条)
 1 農林漁業用の一定の作業所、倉庫等又は農林漁業者の住居の建築は、許可不要。
 

ちゅうい 直接農林漁業に供するのではなく、農林水産物の処理、貯蔵、加工に必要な建築物の建築は、許可が必要である
 2 公共性がある場合の例外
 
1)
駅舎、図書館、公民館、変電所等公益上必要な建築物の建築は許可不要。
ちゅうい 療施設、校及び会福祉施設の建築は、許可必要
  2) 都市計画事業の施行として行う建築物の建築は、許可不要。
 
3)
都市計画事業、土地区画整理事業、市街地再開発事業、住宅街区整備事業等の施行として行われた開発行為の区域内における建築物の建築は許可不要。
 3 仮設建築物の新築、その他応急・軽易な行為は、許可不要。

1-36 都道府県等公的主体が行う場合の許可の特例43条3号)
   国又は都道府県、指定都市等=公的主体が行う建築等は、当該国の機関又は都道府県等と都道府県知事との協議が成立することをもって、建築等の許可があったものとみなす。

Ⅲ都市施設と市街地開発事業

1 都市施設
   都市施設とは、都市計画で定められるべき、下記の施設(11条1項)だ。いずれも、都市生活にとって不可欠なものだ。
 ①道路、都市高速鉄道等交通施設 
 ②公園、墓園等公共空地
 ③水道、電気・ガス供給施設、下水道、ごみ焼却場等供給・処理施設 
 ④河川、運河等
 ⑤学校、図書館等教育文化施設 
 ⑥病院、保育所等医療・社会福祉施設
 ⑦市場、と畜場又は火葬場
 ⑧一団地の住宅施設・官公庁施設・流通業務団地等

  都市計画において定められた都市施設を
都市計画施設といい、都市計画施設が定められた区域を都市計画施設の区域という。

  都市施設は、都市計画区域について定めるのが原則だが、例外もある。      
1-37  都市施設は、どこに定めるのか (11条1項)
   都市施設は、都市計画区域について定めるのが原則だが、必要があるときは、当該都市計画区域外においても定めることができる(区域外都市計画施設)。
*そのこころ 
   道路やごみ焼却場は、都市計画区域内に収まらない場合もある。

   用途地域によっては、必ず定める都市施設がある。              

1-38 必ず定める都市施設(13条1項11号)

市街化区域及び区域区分が定められていない都市計画区域には、少なくとも道路、公園及び下水道を定める。
2  住居系7地域には、義務教育施設をも定める。  
1・2のこころ 
  市街化区域及や区域区分が定められていない都市計画区域には、人が住むので、道路公園下水道は不可欠だし、住居系7地域(1・2低専、1・2中高専、1・2住居)には子供もいるので、小中学校も必要。

2 市街地開発事業
  市街地開発事業は、市街地の面的な整備開発を行うもので、土地区画整理法による土地区画整理事業、都市再開発法による市街地再開発事業等7種類ある。 市街地開発事業が定められた区域を、市街地開発事業の施行区域という。
    この試験では、市街地開発事業は次のことを覚えておけばよい。          
1-39 市街地開発事業を定めるところ(13条1項12号)
   市街地開発事業は、市街化区域、又は、区域区分が定められていない都市計画区域内に定める。
つまり 
  
市街化調整区域には、定めることができない
KeyWord  調整区域で市街地開発事業は、無理!  

3 都市計画事業

  都市施設も市街地開発事業も、工事(都市計画事業)によって計画内容を実現するが、都市計画事業を完了するまでは、土地利用行為に次の制限がかかってくる。
 
1-40 都市計画事業と土地利用行為の制限 
対象区域
 
①都市計画施設の区域又は市街地開発事業の施行区域(53) ②市街地開発事業等予定区域等(52の2)  ③都市計画事業の認可又は承認の告示があった後の事業地内(65) 
制限
知事(市の区域内にあっては市長)の許可を要する行為 建築物の建築。ただし、2階建てで移転除却容易なものは、許可される(54条) 建築物の建築 工作物の建設 土地の形質の変更 左に加え5トンを超える物件の設置堆積
許可不要の例外  非常災害のため応急措置行為 都市計画事業の施行として行う行為等   
   は、都市施設又は市街地開発事業に関する都市計画が立てられている区域という意味で、建築行為の許可制があるだけだ。しかも、一定のものは、必ず許可される。この段階では、まだ都市計画事業の着工も決まっておらず、あまり厳しい制限はかけられない。
  の市街地開発事業等予定区域は、近年中に都市計画事業に着工しなければならないことになっており、①より厳しい制限となる。  
  は、都市計画事業の工事中の区域内という意味だ。非常災害のため応急措置行為の許可不要の例外もなくなり、最も厳しい制限となる     
                                  
   都市計画事業は、簡単な手続で土地収用法が発動できる。            
1-41 都市計画事業の認可又は承認の告示の効果(70条)
   都市計画事業の認可又は承認の告示をもって、土地収用法の事業認定の告示があったものとみなす。 ⇒ (事業認定の告示を経ずに)土地収用法を発動できる。
つまり 
  本来土地収用手続に入るには、事業認定の告示という手続が必要だが、都市計画事業の認可又は承認の告示があれば、事業認定の告示は省略できる。  


Ⅳ 地区計画等

地区計画は、地域より狭い地区単位で土地の利用行為の制限と施設づくりを
総合的に進める、市町村が策定する計画だ。

1地区計画の意義と定める場所
地区計画は、下記のところに定める。

1-42 地区計画-用途地域の定めがないところにも定められる(12条の5)
 地区計画は、建築物の建築形態、公共施設その他の施設の配置等からみて、一体としてそれぞれの区域の特性にふさわしい態様を備えた良好な環境の各街区を整備し、開発し、及び保全するための計画とし、次の①②に定める。
 ① 都市計画区域内の用途地域が定められている土地の区域
 ② 都市計画区域内の用途地域が定められていない土地の区域のうち、住宅市街地の開発等が行われる等の土地の区域

  地区計画には、地区施設の配置計画や建築制限等を定める地区整備計画を定める。
1-43 地区整備計画-市街化調整区域には最低限度は定められない
  地区計画には、名称、位置、目標等のほか、
 ① 地区施設の配置及び規模、規模
 ② 建築物等の用途の制限、容積率の最高限度又は最低限度、建ぺい率の最高限度、建築物の敷地面積又は建築面積の最低限度、壁面の位置制限、建築物等の高さの最高限度又は最低限度を定めた、地区整備計画を定める。
ただし
市街化調整区域内の地区整備計画では、容積率及び高さの最低限度は定めることはできない
ただしのこころ
 容積率及び高さの最低限度を定めると、市街化調整区域にふさわしくない大きな建物を誘導してしまうからだ。

   地区整備計画に沿って土地利用行為の制限をする。
2 地区計画区域内の制限-事前届出勧告制
   地区計画は、住民合意を得ながら計画を実現するもので、許可制より緩やかな
事前届出・勧告制で規制をする。
1-44 地区計画区域内の制限―-市町村長に対する事前届出・勧告制(58条の2)
   地区計画の区域内(地区整備計画等が定められている区域に限る)では、土地の区画形質の変更、建築物の建築等を行おうとする者は、当該行為に着手する日の30日前までに、市町村長に届け出なければならない。
ただし、①
応急軽易な行為②国又は地方公共団体が行う行為等は、この限りでない。
市町村長は、届出内容が、地区計画に適合しないと認めるときは、設計の変更等を勧告できる。*
 * 勧告と命令の違い
命令はそれに従う法的義務が生じ、従わない場合は強制的に従わせたり、制裁として罰則を科したりするが、勧告は行政指導の一種なので、それに従う法的義務は生じない。もちろん、従わない場合に罰則を科されることもない。
 
つまり
   一定の土地利用行為の着手前に市町村長に届出をさせ、その行為の内容が計画からみて妥当でないときは勧告をする。
Keyword  地区計画は、市町村長に対する事前届出・勧告制
 

Ⅴ 都市計画の決定手続

1都市計画の決定権者

   都市計画は、原則として都道府県と市町村が決定する(15)。 
   例外として、2以上の都府県の区域にわたる場合には、国土交通大臣と市町村が定める(22)。ただし、現在この例はない。  
          
1-45 都道府県と市町村の、主な権限の振り分け 15条  
 都道府県が定める都市計画  市町村が定める都市計画
区域区分、広域の見地から決定すべき地域地区・都市施設、市街地開発事業(小規模なものは除く)等、一定の市街地開発等予定地区 用途地域、特別用途地区、高度・高度利用地区、特定街区、特定用途制限地域、防火・準防火地区、小規模な市街地開発事業、一定の市街地開発等予定地区、地区計画等
赤字は、都道府県又は市町村だけが定められる計画。そこを押さえる。

    都道府県と市町村の計画が、食い違ったらどうするか。             
1-46  都道府県の計画と市町村の計画の調整(15条4項)
   市町村の定めた都市計画が、都道府県が定めた都市計画と抵触する(食い違う)ときは、その限りにおいて、都道府県が定めた都市計画が優先する。  
つまり 
   計画の整合性の観点から、都道府県の計画を優先する。

2 都市計画の決定手続

   土地所有者等やまちづくりNPO(特定非営利活動法人)は、都市計画の決定又は変更を提案できる。

1-47  都市計画の決定等の提案制度
(21条の2)
   土地所有者等(所有者+借地権者)又はまちづくりの推進を図る活動を行うことを目的とする特定非営利活動促進法2条2項 の特定非営利活動法人、一般社団法人もしくは一般財団法人等は、都市計画区域内の0.5ha以上の一団の土地につき、土地所有者等の3分の2(人数及び地積)以上の同意を得て、都道府県又は市町村に対し、都市計画の決定又は変更を、提案できる。   

   まず案を作成することから始まる。普通は、ここからはじまる。
1-48 案作成時の公聴会の開催等(16条)
   都道府県又は市町村は、都市計画の案を作成しようとする場合、必要があると認めるときは、公聴会の開催等住民の意見を反映させるた めの措置を講ずるものとする。

   案を作成したら、公告縦覧手続をとる。
1-49 案作成後の公告縦覧手続(17条)
   都道府県・市町村は、都市計画決定しようとするとき、あらかじめその旨公告し、当該案を公告の日から2週間公衆の縦覧(自由に見れるようにする)に供しなければならない。関係市町村住民及び利害関係人は、縦覧期間満了の日までに、意見書を提出することができる。

1-50 計画決定
都道府県の都市計画の決定(18条)
  都道府県は、関係市町村の意見を聴き、かつ、都市計画審議会*の議を経て、都市計画を決定する。なお、一定の場合は、あらかじめ、国土交通大臣に協議し、その同意を得なければならない。
 
都市計画審議会 都市計画に関する専門機関。都道府県には必ず置き、市町村には置くことができる。
市町村の都市計画の決定  
  市町村は、都市計画審議会の議を経て、都市計画を決定する。都市計画を決定しようとするときは、あらかじめ都道府県知事に協議しなければならない。この場合、町村にあっては都道府県知事の同意を得なければならない。    
 

2のちゅうい 市町村は、都道府県と協議しなければならないが、同意を得なければならないのは、町村だけ。

   都市計画は、いつから効力が生じるのか。
1-51 告示と縦覧(20条)
 1 計画決定⇒都道府県・市町村はその旨告示⇒都市計画の効力が生じる。
 
都市計画は、総括図、計画図及び計画書によって表示され、これらの図書又はその写しは、都道府県又は市町村の事務所で公衆の縦覧に供する。

   
学習の指針
都市計画法は、平成20年から、それまでの3問出題から2問出題になった。
2問中1問は、
開発許可制度から出題される。開発許可の要否、開発許可の手続、開発許可に関連する建築制限は、細かいところも覚えておく必要がある。

もう1問は、用途地域等、地区計画、都市計画決定からまんべんなく出題されるが、都市施設と市街地開発事業は、ほとんど出題されない。
また、正解肢は、Ⅰ
都市計画区域と用途地域等及びⅡ開発許可制度に集中しているので、ⅠとⅡを反復学習しておけば、Ⅲ~Ⅴは、ざっと学習しておけば、九割がた2点取れる。  
 
都市計画法
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Chllenge一問一答