【酒千一夜話】

 酒蔵の季節感、蔵内での出来事、そして、耳よりな情報をお届けするエッセイ集です。是非ご覧下さい。 隔週更新。

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第61話〜90話

第61話 多国語で日本語を解説 第76話 酒米の産地・海老名
第62話 日本酒セミナー 第77話 130人で稲刈り
第63話 ひと区切りの春 第78話 新酒はまだかいな
第64話 火入れと煙突 第79話 お酒の化粧水
第65話 晴流野(ハレルヤ)のお披露目 第80話 新酒の季節
第66話 作り手が見える品 第81話 酒粕の効用・利用法@
第67話 草取りの救世主 第82話 酒粕の効用・利用法A
第68話 味覚の鍛錬 第83話 満足感をプレゼント
第69話 海老名の酒米 第84話 個性ある「泉の森」に
第70話 酒にちなんだ洒落言葉 第85話 杜氏さんの春
第71話 美肌づくりに純米酒 第86話 神奈川の酒と酒蔵
第72話 まぼろしの大吟醸 第87話 精魂込めた「吟醸酒」
第73話 田んぼの見張り番 第88話 ホームページをチェックして
第74話 種の保存 第89話 酒の飲み時
第75話 稲の波にかかし 第90話 酒と料理の競演
第 1話〜30話はこちらをクリックしてください。
第31話〜60話はこちらをクリックしてください。
第91話〜120話はこちらをクリックしてください。
第121話〜第150話はこちらをクリックしてください。


第61話

多国語で日本酒を解説

 泉橋のホームページは、英語をはじめ八カ国語で日本酒を説明するページが設けられています。そのためたまに海外からのメールが届きますが、日本酒を知らない人からの質問なので、まず内容からして日本人からは出ないような質問が多く、返事が大変です。

 「日本酒の素」のようなものをセットで売っていると思っている人が、自分も造りたいという内容が何通かありました。英語での酒蔵見学は一度やったことがありますが、製造過程の説明はともかく、試飲で各々の酒の味の違いを説明するのが大変でした。海老名という場所柄、座間キャンプの方が突然来たりすると、私の頭は大パニックです。

1999.3.11

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第62話

日本酒セミナー

 酒蔵見学の説明役は事務がやっていて、なかなか面白いと好評をいただいておりますが、最近は外でも日本酒のセミナーの講師を始めました。内容は酒の製造に関するいわゆるお勉強っぽい話、酒の味、香りの聞き方を基礎として講義し、実践としてお酒を試飲しながら料理との相性を考えたりするものです。

 和食は日本酒、洋食はワイン、それ以外はとりあえずビール、となりがちですが、日本酒は和食に限りません。生徒さんが圧倒的に女性というのもお酒そのものだけでなく料理の話があるからかも知れません。料理とあわせていく種類かのお酒を出せるとお客様のおもてなしも楽しくなりますね。

1999.3.25

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第63話

ひと区切りの春

 桜が咲き始めるこの季節、花曇りといってお天気の悪い日が続いたりしますね。お花見の幹事さんも頭が痛いでしょうが、蔵では道具を洗い干しするので、天気が悪いとなかなかしまい仕事が片づかずに困ります。タンクの温度調整をするために巻いていた筵(むしろ)やマットが長々と横たわっていたり、麹(こうじ)壺が積み重なっているのをみると、今年も無事に終わってよかったとつくづく思います。

 そして毎年恒例の社員旅行もこの時期、今年は私も日帰りで参加し、行き先は箱根でした。蔵人が故郷に帰るまえにお別れ旅行というわけで、四月中旬になると蔵人ともまた半年のお別れです。

1999.4.8

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第64話

火入れと煙突

 今年の新酒の最後の火入れが終わりました。生酒として出荷するもの以外は一度火入れをしてから貯蔵し、ビンに詰める際にもう一度火入れをするのが通常です。

 蔵での火入れ作業をするときに使うのが我が社にそびえ立つあの煙突。新酒ができた印として杉の葉で丸く作って表に吊す酒林(さかばやし)や看板をつける前は造り酒屋とは知らず、下今泉には謎の銭湯があると思っていた方も多いようですね。昔は高い建物がほとんど無い時代でしたから、とても目立っていい目印になったそうです。

 今年できたお酒は、貯蔵タンクやビンに詰めて熟成させ、味の具合をみながら順次出荷となります。

1999.4.22

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第65話

晴流野(ハレルヤ)のお披露目

 今年で三代目になる晴流野(ハレルヤ)のお披露目会を先日行いました。二週間毎に撮影していた成長記録を、日を追ってスライドで紹介し、田植えの後の成長を見る機会がなかった方たちに稲が育っていった経過を見ていただきました。今年の晴流野は原料米が雄町、また規格が純米吟醸になったこともあり、皆さんの期待も大きかったようで、宴会は大いに盛り上がりました。今年の酒の消費量は随分と多くて驚きましたが、それだけ気に入ってもらえたということだとしたら嬉しいです。

 今年は生酒でも楽しめるように百本だけ生詰めしました。特にこの生が評判よく、今ちょうど飲み頃です。

1999.5.13

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第66話

作り手が見える品

 最近の飲食店では、使っている野菜の生産者を表示しているところが多くなってきました。作ったおじさんの写真まで貼ってあったりします。やはり作り手が少しでも見えることで安心感、親近感を覚えるからでしょうか。知り合いの方が畑で作った物をいただくと格別おいしいわけも、育てた人の苦労や愛情が実感でき、そのことが味覚に付加されるからだと思います。

 泉橋で毎年行っている「田植え会」も参加者それぞれ自分の実体験からくる思いが、お酒の味にプラスされているのでしょう。今年で四年目になる田植え会は、六月六日(日)に行います。

1999.5.27

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第67話

草取りの救世主

 米の有機栽培では除草剤を使わないので草取りが大変。その解決策として今年は、再生紙マルチ栽培を採り入れることにしました。

 よく畑で黒いビニールが敷いてあるのを見かけますが、あれは日光を遮断し雑草の発生を抑制する効果があるのです。同じ原理で田んぼの場合は再生紙を使います。この紙は五十日位で溶解し有機物として利用されるという何とも都合のいい紙だそうです。農機メーカーの協力でデモ機を借り、手植えの田んぼ以外はこの方法で植えました。理論通りにいけば薬を使わず、草取りの手間もかからないということで、家族中の期待が高まっています。さて効果のほどは二カ月後のお楽しみ。

1999.6.10
                                                                    
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第68話

味覚の鍛練

 最近、なるべく化学調味料を使わず、自然のものを使うように心掛けています。きき酒をするためには、味覚を鍛えることが大切だからです。とはいえ知らずの内に食品に入っていたり、外食をすることもあり、完全に徹底できないのが現実。だからできる範囲で気をつけるようにしています。

 最近手に入れた純米酢は、無農薬米を使い、静置発酵で造られたもの。話を聞くと、酢を造る勉強のために造り酒屋で酒造りの修行をし、七十五%精白の酒を袋しぼりでていねいにしぼり、酢にしているそうです。七十五%の酒をわざわざ袋でしぼるというあまりのていねいさに思わず笑ってしまいましたが、こだわりの結果が味にきちんとでていて、とてもいい味です。

1999.6.24

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第69話

海老名の酒米

 今年から正式に市内の専業農家四名の方に山田錦と雄町の栽培をお願いしています。面積は四町歩程ですが、減農薬有機栽培が条件でみなさんそれぞれ工夫されています。先日、蔵と農家の方とで田んぼを見て回ったのですが、秋にはどのようなお米が実り、どのようなお酒ができあがるのか、今からとても楽しみですね。この栽培会は相模酒米研究会という名前をつけたのですが、名前が堅いという声があり、蔵では「ひげ軍団」という名前に落ち着きそうです。私にはなぜ「ひげ」なのかわかりませんが…。

 海老名耕地は古来から由緒正しい歴史のある田んぼです。きっとよいお米とお酒ができ、海老名の自慢になればと考えています。

1999.7.8

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第70話

酒にちなんだ洒落言葉

 「一斗二升五合」、この言葉何と読むか分かりますか? 一斗という単位は五升の二倍、つまり「ごしょうばい」、「升」は「ます」とも読みますので升が二つで「ますます」。そして五合は一升の半分なので「半升(はんじょう)」。続けて読むと『ご商売ますます繁盛』になります。我が社で使っている酒造メーカー用システムの名前が「二升五合」で、お酒にちなんでぴったりな名前だと感心しました。

 今では日常に升・合を使うものは米と酒くらいしかないようですが、昔は商売には欠かせない度量単位だったことからこんな洒落言葉が縁起がよかったのかもしれませんね。

1999.7.22

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第71話

美肌づくりに純米酒

 最近お酒の化粧水を毎日使っています。酒の化粧水といってもただの純米酒で呑んでも平気なものです。べたつきそう、と思うかも知れませんが、つけ心地は割合さっぱりしていて結構気に入っています。なぜ急にこんなことを始めたかというと、我が社も酒を化粧水として出そうかという話があり、使ったことも無いのでは人に薦められないので私がお試しモニターの役を買って出た訳です。

 価格が安く惜しげなくたっぷり使えるので足にも使っていますが、乾燥していた肌がすべすべになりした。呑んで、つけて酒まみれですが肌につけるほうは乾くと匂いがなくなるので大丈夫です。

1999.8.5

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第72話

まぼろしの大吟醸

 日本ハレルヤの会の草取りときき酒会が先日行われました。雑草と稲の区別ですが、一目でわかるものとそうでないものがあります。中には間違えて稲を引っ張っている人がいたという目撃情報もありました。草取りの後のきき酒は参加した酒販店のオススメの銘柄といづみ橋の数点を呑みくらべてもらいました。

 人気はいづみ橋の斗瓶囲いの大吟醸。鑑評会出品用の市販されていないもので、蔵の人間でも口にする機会がないため、私もチャンスとばかりに戴こうとしたらもう空になっていて残念でした。

1999.8.26

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第73話

田んぼの見張り番

 辺りの田んぼの稲が穂をつけ始めました。一面の黄金色にトンボが飛び交うこれからの季節は、私の一番好きな田んぼ風景です。 秋の田んぼにつきものなのが、稲穂の見張り番「かかし」ですね。中新田のかかし祭りは有名ですが、この今泉地区でもかかし祭りをやっています。そこに今年は私も出品することになりました。我が家の稲はわりと放任主義で育てられており、雀対策の目玉やネットを張ったりすることもあまりなく、もちろんかかしなんて面倒なものを作った経験は誰もないのですが、ぜひ頼もしい見張り番を作ってみたいと思います。 九月下旬に展示予定ですので、散歩がてら見に来てくださいね。

1999.9.9

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第74話

種(しゅ)の保存

山田錦、雄町は、背丈が高いということは何度もお話していますが、原種に近い種類ならではの特徴が他にもあります。

 通常、同じ稲に実る籾(もみ)は時期が来ると一斉に熟しますが、山田錦はそうではありません。根本の籾がまだ青いのに先端の方は程良く熟し、根本が熟すころには先端の熟し過ぎた粒が穂から落ちてしまうのです。これは鳥などに食べられても種が全滅しないようにと野生植物の種の保護原理が働くためです。つまり人間も稲に付いた粒すべてを収穫することができない訳で、人間の都合など知ったことではないというのが山田錦の聞こえざる声といったところでしょうか。

1999.9.23

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第75話

稲の波にかかし

 今年の今泉地区かかしまつりは参加が多く、にぎやかでした。私たちの泉酒造は、となりのトトロを作りました。材料は使用済みの樽と菰、新聞紙などのリサイクル資源を使いました。初めて作った割には上出来だと自分では思っていたのですが、アイデア賞をいただき、調子に乗って来年は何にしようかなんて気の早い話をしています。

 ふだんは農業とは関わりのない人もかかしを見に田んぼを訪れ、実をいっぱいの稲穂が風にそよぐ光景を見れば心が安らぐことでしょう。そういう田園が身近にあることをうれしく思い、これからもかかしまつりがずっと続くよう応援したいです。

1999.10.14

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第76話

酒米の産地・海老名

 いづみ橋の相模酒米研究会の話です。今週で約四町歩の酒米の収穫が終わる予定です。この会は毎月研究会を行っていて、顧問に大阪から山田錦の専門の先生をお呼びし、指導していただいております。今年の出来はまずまずとのことで、気候的にも環境的にもそれなりに海老名に合っているとのことで蔵一同ホッとしています。

 ただ、先生の田んぼでの巡回指導では田んぼ毎にA、B、Cと出来具合にランクと格付けがされ、農家の方たちもヒヤヒヤだったようです。酒米の産地海老名のスタートの年として新酒の季節に乾杯をしようということになっているようです。

1999.10.28

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第77話

130人で稲刈り

 十月二十四日、稲刈りが行われ、今年も大盛況百三十人の参加がありました。雄町の稲は今年もだいぶ倒れてしまい刈り取るのが大変だったようですが、大勢の手があったおかげで無事収穫することができました。

 稲刈りのときは豚汁とおにぎりが定番ですが、今年は相模川でとれた鮎を、蔵と同郷の通称「ヒゲさん」の好意で提供していただきました。なんと前日に百五十匹もご自身で獲ったものだそうです。炭火でじっくり焼き上げた鮎はとても美味しくてちいさな子どもまで串のままかぶりついていました。

 収穫が終われば次はお酒にする番です。今年も十一月から仕込みが始まります。

1999.11.1

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第78話

新酒はまだかいな

 最近ぐっと肌寒くなりましたが、そうすると季節柄日本酒が恋しくなるのでしょうか、ここ数日は「新酒はまだ?」というお客様がおいでになります。仕込みが早い蔵ではそろそろ出来上がる頃でしょうが、我が社では例年の通り、十一月一日に仕込み始めたばかりなので、まだ気が早いようです。今年は頭(かしら)が代わり、若い蔵人も二人になり気持ちを新たに引き締めてのスタートになりました。

 今年一本目の仕込みはにごり酒、うすにごり大吟醸の新酒用のお酒ですが、それぞれ醸造日数が違うので、にごり酒は十二月初、大吟醸は十二月二十日頃に出来上がる予定です。


1999.11.25
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第79話

お酒の化粧水

 始めての試みで発売した純米化粧水「てるて姫」の反響が意外に大きくびっくりしています。日本酒は肌によい、とどこかで聞いた予備知識が興味を持つきっかけになっているのかもしれません。それに自分の肌につけるものですから関心も高く、選択が厳しくなりますよね。私も今までいろいろ使ってきましたができれば自然のものを使いたいと思う気持ちもよく分かります。

 なにより「てるて姫」の良いところは、お酒なので料理する前などにも使えることです。仕事柄、クリームは使えない蔵人も「てるて姫」を使っています。乾燥する冬には女性に限らず男性にもオススメです。


1999.12.9

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第80話

新酒の季節

 十二月に入り、寒さも本番のこの頃が、酒造メーカーの一番忙しい季節です。暮れに向かって酒の出荷量が多くなり、新酒も次々とできあがるので、瓶詰めラインも朝からフル回転。パートさんの手つきもいつもと違う師走の緊張感を感じさせます。毎年新酒のできあがりのころ合いを見計らってお客様が来てくださいますが、いづみ橋の酒をこの季節の定番として思い出してもらえることはとてもうれしいです。

 今年のおり酒は濁り加減が上品で、とても飲みやすい味にできあがりました。この時期が一番飲みごろのフレッシュな味、ぜひご賞味ください。


1999.12.23

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第81話

酒粕の効用・利用法@

 酒粕が体に良いとテレビで紹介されてから、酒粕の人気が上昇中です。 酒粕は酒と同様に、アミノ酸、ビタミンを含んでいます。またペプチドという成分が血圧を下げる働きと、健忘症に効くことが動物実験で証明されています。そのうえアルコール分は低く、脂肪分ゼロなので、美容にも良いのでしょう。 

 一番簡単な利用方法は、寒い冬には体が温まる甘酒ですが、その昔江戸時代には夏バテ防止に飲まれていたといいます。昔は冷蔵庫がなかったので、醗酵が進んだ黄土色の粕を飲んでいたのでしょうね。今では醗酵が進んだ粕は漬物用に使われています


2000.1.13

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第82話

酒粕の効用・利用法A

 甘酒以外の酒粕の利用法で代表的なのは粕漬。醗酵が進んで茶色くなった酒粕に塩漬けした野菜や魚を漬けると粕の風味、独特のコクがしみ込んで、特別に調味料を足さずともおいしくなります。また今の時期の白い新粕にさっと漬けた魚も余分な塩が抜けるので健康にも良いでしょう。アミノ酸やペプチドなどの成分は三日ほど漬けただけでも十分にしみ込むそうです。その他に、シャーベット、パン、カステラなど商品化されているものもあり、工夫次第ではいろいろ使えそうです。

 粕汁は私もよく作りますが、酒粕の使い方を教えて、という声に応えられるよう、酒の肴を作ってみようと思っています。


2000.1.27

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第83話

満足感をプレゼント

 二月四日放映のフジテレビ「サプライズ」で我が社の若き蔵人が主人公になりました。この番組は周囲の協力で、本人に内緒のストーリーが展開され、驚きと喜びの結末をプレゼントするという企画です。 今回は、居酒屋で偶然会った寿司屋の社長に「お前の酒を呑みたい」といわれる事に始まり、仕込み中の吟醸酒に上糟を彼に任せるという話がお膳立てされました。 

 お酒を絞るタイミングは非常に難しく、うまくできるのか心配でしたが、見事、大役を果たしてくれました。仕事を成し遂げた満足感が彼への誕生日プレゼントと応援の気持ちなのですが、彼にうまく伝わったでしょうか。


2000.2.10

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第84話

個性ある「泉の森」に

 大和市内限定の「泉の森」の吟醸酒の仕込みが始まりました。毎年と同じく大和市下和田で栽培された酒米を使用しています。
昨年秋に収穫されたお米はなかなか出来がよく、しっかりとした米だそうです。精白歩合五十%、つまり玄米を半分まで磨いた大吟醸規格の吟醸酒になるのですが、杜氏の話によると大和の日本晴は二十九%の水分を吸わせるのに白米の吸水時間が二十分かかるそうです。

 ちなみに酒米で有名な山田錦は同じ精白歩合で十四分、雄町は七分と酒米の品種によってかなりちがうようです。泉の森がよいお酒になれば良いないいなと思います。


2000.2.24

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第85話

杜氏さんの春

 先日のひなまつりの日に蔵はめでたく「甑倒し」を迎えました。この行事は甑(こしき)という蒸米をする道具を使う日が今期は最後で、来年まで甑を倒してしまっておく、ということから仕込みの終わりを意味する大切な蔵の行事です。この行事を迎えると残り一カ月で皆造となります。今年は地元で作った山田錦もまずまずでしたし、蒸米のシステムも昔ながらの方法に戻しより良い酒の出来と杜氏さんたちは自信を持っているようです。

 この日は無事にここまで仕込み作業が行えたことでお祝いの席を設け、蔵は大はしゃぎしました。気候の方もメッキリ春らしくなり、杜氏さんたちは故郷が恋しくなる季節です。お疲れさまでした。

2000.3.16

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第86話

神奈川の酒と酒蔵

 今回は神奈川県内の酒蔵の話です。神奈川県というとほとんど自然や、まして酒蔵などというイメージはありませんが、県内にはまだ十五の蔵があります。県産酒の特徴といえば規模の小さい蔵ばかりなので、平均精米歩合が六二%と全国で三番目に高精白なこと、酒造好適米の使用率がやはり全国の平均をはるかに上回っていることでしょうか。

 神奈川県酒造組合主催で三月二十日に横浜山下公園先に係留されている氷川丸で「蔵元新酒祭り」を行いました。各新聞で事前に参加者を公募したところ百名の枠に七百名を越える応募があったそうです。当日は鑑評会出品用の大吟醸などがきき酒として出され大変盛況だったそうです。

2000.4.13

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第87話

精魂込めた「吟醸酒」

 今月二十日に吟醸の「大和泉の森」の新酒生酒が初出荷となりました。よく「吟醸」って何、ということを聞かれることがあります。本来酒蔵にとって吟醸という言葉はその年に最も精魂込めて醸したお酒という大変貴重で大切にしなければならない言葉でした。

 ただ、最近は吟醸という醸造方法を指すことが多く、いづみ橋の蔵では吟醸酒の定義は精白歩合五〇%以下、麹(こうじ)作りは昔ながらの麹蓋法(製麹作業法で最も手間をかけるやり方)、モロミの最高温度が十四度以下で上槽(搾ること)は伝統的な袋しぼりを行うと決めています。もちろん「泉の森」はこのように手塩にかけた吟醸酒ですので冷蔵庫で保管して早めにお楽しみください。

2000.4.27

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第88話

ホームページをチェックして

 最近いづみ橋のホームページを四年ぶりに更新しています。従来のページはびっくりするような十三外国語表示や「あなたの酒をつくりませんか」などといったユーザーさんかのページを盛り込んだないようでした。今回は酒友館ページを作り、主に今のいづみ橋がわかる情報主体のページに変えています。その中では相模酒米研究会の紹介、海老名産山田錦について、ハレルヤ会の案内、商品の紹介、サプライズにでた有名人(?)竹本君の蔵人新聞、秘宝館、それから三年続いているこの寄稿文一覧などを予定しております。

 まだまだ工事中のページも多いのですが、是非ご覧ください。
 URL http://www.izumibashi.com

2000.5.11

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第89話

酒の飲み時

 「人にいただいて置いてあったお酒を飲んでも大丈夫ですか」という問い合わせを受けることがありますが、体に害はないけれど味の保証はしかねる場合が多く残念です。 

 日本酒は、温度変化に敏感なため、常温でただ置いておいた場合は、低温での熟成とは全く違い劣化していることが多いのです。また、日に当たると旨みの成分が変化を起こし、味が変わります。色つきの瓶が多いのもこのためです。直前に冷やして飲むのではなく、買ってから飲み終わるまで冷蔵庫に入れるのがベストです。大吟醸をもらったからといって大事に戸棚にしまうよりも是非おいしいうちに飲んでくださいね。

2000.5.25

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第90話

酒と料理の競演

 ハレルヤのお披露目会が、五月二十一日に行われました。今回は酒と料理を楽しむ趣旨で新宿の料理屋さんに仕出しをお願いしました。 さりげないけれど手間を掛けた料理で、酒との相性を評価しつつ料理をいただきました。季節の山菜やいづみ橋の酒粕を使ったものもあり、どれから食べるか迷う楽しさもあり、やっぱり最終的には、酒は料理と合わせておいしく呑めるというのが一番重要だと思います。私も今回は一緒に座ってゆっくりでき、とても楽しかったです。 今年の酒も大変好評で、秋に熟成した頃がさらに楽しみ、との感想をいただき、ほっとしました。

2000.6.8

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