Lesson 5   怒りへの対処
Dealing with Anger

*子どもの必要に目を向け、良くない影響をコントロールすると、怒ることを減らすことができます。                

cuts009.gif聖書       (エペソ4;26)
怒っても罪を犯してはなりません。日が暮れるまで憤ったままではいけません。

           (箴言15;1)

柔らかな答えは、憤りを静める。しかし激しいことばは怒りを引き起こす。

           (ヤコブ1;19〜20)

だれでも、聞くには早く、語るにはおそく、怒るにはおそいようにしなさい。

子どもは自分の必要が満たされない時、不満や不安を感じ、親の言うことを聞かないような態度をとってその不満を発散しようとします。一方親は子どもに自分の考えどおりの行動を期待するあまり、イライラして怒り、最小限でおさまるはずの状況も大混乱に陥ることがあります。

聖書は、怒りを否定しているというより、怒った時に、罪を犯してはいけないと教えています。神様が教える、正しくない怒りとは、自己中心的で、コントロールされず、体を傷つけたり人格を傷つける怒りです。それは、明らかに私たちの望む結果ではなく、子どもたちの内面に傷ついた心や、反抗心、無関心、といった悪い結果として、現れるでしょう。怒りにどう取り組むべきか助けになるポイントを見ていきましょう。

1 怒りの背後に何があるのかを理解しましょう
 どんな時、どんな状況でよく怒るのか自問してみましょう。「夕食の準備中に子どもがけんかを始めた」「人が見ているスーパーで、泣き騒ぎ始めた」「子どもが不機嫌そうに帰ってきて宿題が進まない」「忙しい一日を過ごし疲れているのに子どもは寝ない」などなど・・・。

 子どもの行動が、自分の思うような行動ではない場合、自分が恥ずかしいと感じたり、良く見られたいと思う時、期待通り事が進まない、邪魔をされていると感じた時など、たいてい自己本位・自己追求型の否定的な姿勢の結果であると認めなければなりません。それがわかった時、この感情に取り組む第一歩を踏み出すのです。

2 反応する前に立ち止まって考えましょう
 怒りは、「何かが間違っている」という感情的な警告の表れですが、良く考えないで対応することは、怒りを争いへと導きます。大きな声や、否定的な言葉は子ども自身のセルフイメージや心にダメージを与えます。          

 怒りを感じ始めたら、「深呼吸をする」「10数える」「その場を離れる。」など落ち着かせるために簡単なことをして、考える時間を作りましょう。失敗や、間違いや良くない状況について、子ども自身にではなく、子どもの態度に向けることが大切です。反応する前に良く考え注意深く話すことは、理解と解決につながるでしょう。

3 備えあれば憂いなし
 子どもが小さい頃は、長時間の外出にはおやつや玩具など充分に用意をした事でしょう。ならば怒りやすい状況に気が付いた時のために、いろいろ準備をしておきましょう。女性であれば、ホルモンの働きによって、定期的に来るイライラのために、散歩に出る、音楽をかける、気持ちに共感してくれる友人に電話するなど。忙し過ぎるのであれば、スケジュール調整や昼寝。創造的なアイデアのリストを蓄えて起きましょう。

 子どもの態度が原因でいらだつ時のためにも準備が必要です。Lesson3でもお話しましたが、きまりやルールについて、従えなかったときの事を、はっきりさせておくことで、前もって話しておいたことを、穏やかに遂行できます。

 たとえどんなに忙しくても、今していることを止めて、手に負えなくなる前にそれぞれの状況に対応することが大切です。

4 子どもの必要と限界にあわせて期待の度合いを調節しましょう
 幼い子どもが泣く時、オムツなのか、お腹が空いたのか、抱いてほしいのか色々考えますが、少し大きくなると泣いている事に注目してしまいます。じつは、態度と理由が別な事にある場合が多くあります。親が嫌がることを繰り返す時、「私の事を見て」「私の事を考えて」と注意を引こうとしている事もあります。可能であれば自分のスケジュールを調整したり特別な時間を準備することも必要でしょう。10代になるとさまざまなプレッシャーを抱える事もあります。(Lesson10)学校や友達のような外からのものもありますが、私達親からのものも少なくありません。子どもが今いる成長過程で、許容量以上の活動や、実力以上の責任を取るような過剰な期待をしていないでしょうか。

 あなたの、励ましや期待が現実的で、子どもの必要を満たしているなら、子どもの反抗にイライラして怒ったりする事は、少なくなるでしょう。

5 どの戦いを選びますか? 

 子どもとのバトルを避けるために、大切なことはしっかりと貫きあまり重要でない事は妥協する事もひとつの方法です。それには、あらかじめ重要なことを決めておく必要があります。たとえば、お風呂に入って体を清潔にすることは、大切ですが、買ってもらった新しい水着を着て入りたいと言ったらどうしますか?うれしくて、感謝して、喜んでいるところで、言い争う価値はあるでしょうか? 子どもに選択させることで言い争いを避けることもできます。食事の時に、二種類の野菜のうちどちらを食べるか子どもに選ばせ、食べた事をほめたら、野菜を食べることを嫌がらなくなり、建設的な結果につなげる事ができるでしょう。 子どもが大きくなるにつれて、帰宅時間に関することをよく耳にします。この状況では単に門限を決めることだけでは、問題は解決しないでしょう。親が心配するのは、事故や事件や誘惑にあうような状況にいないかという事です。子どもが、どこにいて、誰といて、いつ帰宅するのかを連絡することを教えなくてはいけません。そうすることで、子どもは、親の気持ちを考えたり、責任感を学びます。

最後に、すすんで謝りましょう。怒りのコントロールを学んだとしても、私たちは同じ失敗をします。怒鳴ったり、傷つけてしまったなと気がついたら、そのことを認めて伝えましょう。傷ついた心と傷つけた心と、両方が癒されます。

illu070.gifトライ
 誰かに怒られたことを覚えていますか?それがどのように影響しましたか?  どんな時怒りやすくなりますか?まず自問しましょう。           子どもと一緒に笑ったり、何か楽しい事をする時間を意識的に持ちましょう。
 おたよりをお待ちしています。
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