Lesson 4 しつけの方法
Methods for Discipline

*効果的なしつけの方法は、子供の年令や個性、環境によって多様に変化します。                

cuts009.gif聖書       (箴言22;15)
愚かなことが子どもの心につながれている、懲らしめ(しつけ)はこれを遠く追いだす。

 気をつけるべきことは、子どもの悪い態度に目を向けるのではなく、むしろそれが将来良い態度になるように訓練するのだということを忘れないことです。
発達段階ごとの効果的なしつけの方法は、階段を飛び越しながら駆け上がっていくのではなく、前の発達段階がしっかりと築かれたうえに建て上げられていくことを理解しておくことが重要です。

1 〇ヵ月〜7ヵ月
 7ヵ月以下の赤ちゃんは、自分が良くないことをしてしまっても、何がいけないのか、そしてその結果起きてしまったことを結びつけて考える能力も十分発達していません。むしろこの頃は、身体的な世話(おむつ替えやお風呂に入れてもらうことなど)をしてもらったり、愛されたり、話し掛けられたりいっしょに過ごす時間が大切です。
 しかし小さい赤ちゃんでも学習します。泣くたびに'すぐ'抱いたりは、いつもいつも必要ではありません。医学的にも泣くことで肺が鍛えられたり元気になるとも考えられています。だから、泣き方泣き声を聞き分けて、落ち着いて接しましょう。また、知らん顔はだめです。もしあなたが仕事の途中なら、話し掛けてあげましょう。離れたとこからでもお母さんの声は良く聞こえるはずです。

2 8ヵ月〜1才2ヵ月
 この時期になると、多くの子どもが親をためしはじめます。好奇心が芽生えます。悪いことをしたら、「だめ」といってその場を離れたり、子どもの関心を他の物にむけたり、注意をそらすことが効果的です。それを繰り返すようなら、わたしたちも根気よく付き合いましょう。
 「だめ」の次に「OOちゃん・・・しよう」と次の活動につながる言葉を用意しましょう。

3 1才3ヵ月〜2才
 「第1次思春期」と呼ばれていて、「いや(No!)」という言葉を使いはじめ、自分の意思をあらわしはじめます。この段階に入ると、しつけるためにゆるやかなおしりたたきを始められますが、ひんぱんにしない方がいいでしょう。また、わざということをきかないわがままな態度なのか幼いゆえの失敗や間違いなのか見極めることが重要です。
 このころは、自分のまわりに何があるのか、色々なことを学ぶことは大切なことです。ですから、壊れやすいものや危険なものは手の届かないところに置いてください。ストーブなどはできるだけ遠ざけたり、触ろうとしたときには、手を軽くたたいてもいいです。
 子どもがわがままを通そうとじたばたしたときは、手をきつく握ったり、自由に動けないように手で体を抱え込んであげましょう。じきに興奮もおさまるでしょう。

4 2才〜3才
 よく泣きイライラさせられるときです。親にとって災難に思えるときがあります。あまり深刻にならず、ユーモアをもって受けとめることもいいと思います。
 同時に、子どもは親(大人)に従うこと、尊敬することを学ばなければなりません。そのためにお尻をたたくことはしつけの方法のひとつですが、気をつけなくてはなりません。たとえば、たたくことは、わたしたちのイライラや感情のはけ口ではないこと、決して子ども(体も心も)を傷つけてはいけないこと、けなしたり脅しではないこと・・・です。そして、必ず赦し、愛していることを伝えてください。
 お尻をたたく方法に代わるものとして、肩や膝を力を入れてつかむ方法があります。同じ方法を続けることで、そのうち力を入れなくても、肩に手を置くだけで親が「ダメ」と言っていることがわかるようになります。また、タイムアウトといって、子どもを数分(年令分ぐらい)座らせ、考えさせる方法もあります。そのときは、そばで、考えることを助けてあげましょう。

5 4才〜8才
 子どもは一人で色々なことができるようになります。幼稚園や学校などで、新しい出会いも経験します。同時に不安や恐れも感じます。今まで以上に愛情や、気持ちを向けて安心感を与えることが大切です。
 このころ、決まりを守ることを理解できるようになります。家族のなかでわかりやすい約束を決めて、守られなかったときのことも話し合ってみましょう。(子どもが選んで決めることは自立の一歩です。)

6 9才〜12才
 小さいときから、親に従うことや、守っていく決まりがあることなどを学んでいき、よい基礎が築かれてきたならば、子どもとの決まりやしつけの内容を徐々にゆるくしてもっと子どもを自立させていくことが出来ます。この年令までには、子どもは自分のとった態度や行動には、なんらかの結果が必然的に伴うことを知っておくべきでしょう。もし、無責任な行動をしたらその責任を取るのに、十分な痛みを伴う経験をすべきです。
 子どもの自立を助けるために、過保護にならないよう気をつけることは大事ですが、子どもの変化には敏感になりましょう。

7 思春期
 10代になると子ども扱いされたくないと思うのですが、大人と全く同じように責任を取る準備が出来てないことや、体の変化などで心が不安定になります。
 この年ごろの子どもに必要なのは、たくさんの愛と励ましで、批判されることではありません。たとえば、失敗や過ちでも結果として起きてしまったことからたくさんのことを学びます。次に何をすべきか、どう責任を取ったらいいのか一緒に考えてあげましょう。よい相談相手でいたいですね。
 (思春期については、Lesson10で詳しく学びます)

illu070.gifトライ
 子どもの発達は階段を一歩一歩昇るようです。先のステージができて、次のステージへと進むことができます。年齢だけで判断せず、今の子供の弱いところに戻って目標を決めましょう。
 何か一つ、取り組んでみてください。
 おたよりをお待ちしています。
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