『乾漆硯』
「乾漆硯」の説明


大正15年乾漆造りの技法を修得して上京、山本悌二郎先生に精神指導を受く。

先生に同道犬養木堂氏を訪ね、石の名硯と名墨を拝見す。

このときから乾漆硯の研究に着手。試作体験を重ねて、自信のある乾漆硯を完成す 。

この間五十有余年、桃河緑石、歙洲硯、澄泥硯、端渓硯などあり。

石の名硯多しと雖も乾漆硯は珍品なり。

独創の乾漆硯は強靭にして密なること天女の肌の如し。

心静かに墨をするとき音なく、油の上を遊ぶが如し。

墨は細かにすれて墨色に七色の変化を自覚す。

「墨は膠にて固めて造りたるもの。油の入らない漆の肌との触れあいによって

起こる現象」
側面
乾漆硯
30.5×2.5
蟹のたわごと(珊瑚)
麻布二枚を芯として堆漆五十回重ね造りたるもの。時には木芯を使用することもあり。

竹べら又は刀にて調和を計りて完成。これが乾漆硯の原点。

これにて墨絵又は即興の詩や書を楽しむ。

座右に飾りて硯の表裏共に鑑賞するも由。漆芸術三千年不変の歴史あり。

体験してこれを礼賛す。
側面
石榴
乾漆硯
(珊瑚にて装飾)
17.5×2.0
乾漆硯の漆の肌は強靭にして肌の密なること天女の肌の如し
心静かに名墨をする時、吸い付くがごとく墨色に七色の変化
を自覚す。

名墨礼讃・駄墨無用

そこより生まれる豊かなる芸術を楽しむ
人間には108の煩悩あり
一つずつ除去することによって菩薩への道は開ける
よってこれを洗心硯と言う



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